【 題名 】 幻の九輪草を求めて己高山ハイキング

【 期間 】 2001/05/26(土)日帰り

【 参加 】 T村T

【 山域 】 滋賀県 湖北

【 山名 】 己高山(こたかみやま 923m)

【 形態 】 ハイキング

【 地図 】

【 資料 】 山と渓谷社・分県登山ガイド 滋賀県の山

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幻の九輪草を求めて己高山へ通うこと3年。まだ一度も見た事のない幻の九輪草に、何と群生している姿で出逢いを果たし感無量の一日となりました。

--------------------[ コースタイム ]----------------------------------

5月26日(土)晴(ガイドブックでの行程タイム;5h30 実績5h) 自宅(小倉)6:00−−−− 京都近鉄 6:42発−−−−−近江長浜−−−−−木ノ本   JR700M 8:06-8:07 JR1304M 8:22木ノ本−−−−古橋バス停−−−牛止め展望台−−−−−六地蔵−8:26 (バス13分) 8:39 (1h35分) 10:14 (1h00) 10:15-10;20 −−−−鶏足寺跡−−−−−−−己高山−−−−−−−鶏足寺跡−(20分) 10:40-10:50 (15分) 11:05-11:10 (10分)  11:20-12:30−−−−供仏谷−−−−−−−古橋バス停−−−−−−−木ノ本−(1h00)   (0h50)  14:20-16:25 (バス10分) 16:35-16:42 −−−−−近江長浜−−−−−京都−−−−小倉−−−−自宅 17:05-17:13   18:14-18:21 18:42   18:48

-------------------[ 山行記録 ]--------------------------------------

*私の朝はボランティアでスタートです。5時起床。ドリップコーヒーを沸かしてテルモスに入れる。5時40分自宅を出てコンビニでサンドイッチを買う。駅で急いで食べて、目の不自由な整体師さんと、いつもの時刻の電車に乗る。亀岡のクリニックに毎日通う彼のボランティアを始めて、まだ一ヶ月ほどである。きっかけは中途失明の彼が駅員に誘導されて電車に乗り込んでも、誰も座席に案内しない状況を見かねて本人に申し出てスタート。いつもは丹波橋で別れるが今日は京都まで一緒。当然、話は山の事ばかり。津久井さんの計画されている高齢の女性と白山に出掛ける事も紹介すると、是非結果を教えて欲しいとの事。彼とは京都駅で別れる。彼は駅員さんに誘導されて綾部行きのホームに向かった。お互い名前は未だに名乗っていない。そう自然体でいいのだと思う。

*己高山山行はいつもと違うスタート京都駅では恒例のアセロラドリンクを買い、電車に乗り込む。何とか補助席に座り、車窓の景色を楽しむ。緑も深くなり、田植えの準備が行われている横では麦の穂が黄色に色づき、刈り入れを待っている。天気もいいので暑い一日になるであろうと予想しつつ、電車を乗り換え、木ノ本の駅に着く。バス停は何故か人が多い。小さなバスが満員だ。どうもNHKで取り上げられた古墳か洞窟へ行くようだ。古橋で大勢下りて、己高閣に向かう。何と己高閣の庭は50人以上の人が集まり、にぎやかだ。その集団とは別に己高閣の庭にあるという九輪草について訪ねると場所を丁寧に教えて頂いた。

*幻の九輪草に出会う。九輪草があった。喜びで一杯になった。まだ花も咲いている。濃いピンクの何ときれいな花だろう。興奮して写真を取りまくる。もう、目標を達成した。後は伊吹薬草湯に入って帰ろうかと思うほどだったが、教えて頂いた古老に丁寧にお礼を述べ、己高山に向かった。六地蔵手前で一人の女性を抜き、六地蔵では男性と出会う。共にこの山は初めてだと言う。九輪草の事はご存知のようで、上でも出会えたらいいですね。と話し合う。各々自分のペースで鶏足寺跡に着く。そこで遠くに咲く九輪草を2株発見する。男性を呼び止め喜びを分かち合う。そこへ遅れてきた女性にも伝え、しばし3人でながめる。何とラッキーな事だろう。3年も通い続けて見る事が出来なかった九輪草にやっと会えた。自生しているのが、やはりいいなと思う。近くに盗掘の跡がり絶滅が心配だね。と話し合う。しばし、写真を撮って遅れて頂上にスタートしようとすると先程の女性が先の谷筋で手招きする。あっと驚く。群生している九輪草が眼前に見える。15株くらいだろうか。桜草に似た花は見事だ。壮大なお寺の跡地にひっそりと咲く、幻の九輪草。どうか、九輪草だけは絶滅して欲しくない。そんな思いで頂上へ、何故か今日は人が多い。頂上も何故か満員である。

*そして最後はお風呂とビールで締めくくりです。喧噪を避けて、早々に鶏足寺跡へ戻る。途中、ご夫婦連れに合い、話を聞くと九輪草は2株だけ見たと言う。群生地は知らないようだ。群生地を紹介する為、鶏足寺跡まで戻る。群生地を見て、お二人は喜んでおられる。藤原岳の福寿草の話を聞く。私は大嵐山の水芭蕉の話をする。水芭蕉の花の香りがするとお話しすると、とても関心を示してくださった。食事が済んだ彼らと別れ、私は鶏足寺跡で自炊をする。水は近くの谷川の水を利用する。水も旨い。近くではどこかの山岳部のグループだろうか、12名ほどで食事をしている。先程のご夫婦の話でこの山は花が多い事で人気があり、インターネットでも盛んに紹介されているそうだ。そんな事情でこの山も賑やかなのだろう。コーヒーも飲み、下山にかかる。同じ道を下るのもおもしろくないので、供仏谷(むくだに)コースを取って、己高庵に行く。露天風呂、伊吹薬草湯を楽しみ、湯上がり後、やはり、ビールで乾杯。今日の山行を振り返える。大きな目標を達成した喜びを噛みしめつつ、でもその反動なのか、一人での山行が何故か寂しく、センチになっている自分に気付く。先程の山岳部グループが風呂を上がり、眼前で楽しくしている姿も羨ましく思えるのだろうか。来年、この山行を企画したら何人来てくれるだろうか。ついつい詰まらぬ比較をしてしまう自分が情けないなと思う。九輪草の花が落ちているのを拾って押し花にした。何故か、あのきれいな色が消えてしまったのは残念だが、いい想い出になったと思う。

--------------------[ 参考 ]------------------------------------------

己高庵(ここうあん TEL;0749−82−6020)

http://www.biwa.ne.jp/yumekosh/kokohan.html

入浴料 400円

己高庵新緑茶会もあります。5月27日(日)

 

己高閣(ここうかく)

世代閣(よしろかく)

鶏足寺の本尊「木造十一面観音立像」や古橋古墳の出土品など一見の価値は

十分にあります。

拝観料 500円

--------------------[ 感想 ]------------------------------------------

今回、己高閣の拝観はしませんでしたが、学生の頃、覚えた和歌を想い出しました。妙に印象に残りました。ご存知ですか。「あせたるを人はよしとう鬢婆花(びんばか)の仏の口は燃ゆべきものを」「木造十一面観音立像」も残念ながら、その口の色はあせています。誰の歌で、実際どこでそのような仏像を拝観する事が出来るか私は知りません。いずれにしても、いろんな想い出が今回の山行にも残りました。今から、九輪草を育てている谷川の水で、コーヒーを沸かして飲みます。山の水を持ち帰り、それでコーヒーを沸かす。山行後の私の楽しみでもあります。また、また超長文にお付き合い頂いて、有り難うございます。