白川又川 奥剣又谷

 

【日程】 2002.9.15

【メンバー】 T嶋こ、O塚、O坂

【コースタイム】 

林道終点7:40→川床8:14→火吹谷出合9:06/9:13→水晶谷出合の滝上10:50→口剣又谷11:10/11:181200m分岐12:11→沢の終わり13:30→八経ヶ岳14:40/15:00→行者還トンネル17:00

【記録】

 木曜日の晩にO坂くんと柳又谷へ行く予定をしていたが、直前になって天気予報が急に悪くなり、相談の末、一日様子をみることになった。あけて金曜日、天気予報はさらに悪くなったので、柳又谷は翌週に延期とし、土曜日の晩から、翌週に予定していた奥剣又谷へ行くことになった。メンバーは、上記の二人にA子とO塚さんを加えて、総勢4人となった。

 奥剣又谷でやっかいなのは、下山である。車で行った場合、中の又谷を下るか、周辺のヤブ尾根を下るしかない。一番早いのは行者還トンネルへ抜けるものだが、車一台ではどうにもならない。そこで、下山は楽な登山道をつかい、自転車を使って車を回収することにした。

 土曜の午後11時頃、トンネルに自転車をおき、白川又川林道へ向かう。下山後、自転車でこがねばならないこの道は、意外と長く、助手席に座りながらぞっとしていた。1時頃、ようやく眠りに着く。

 フライもせずにテントのなかでねていると、夜中に雨が降り出した。起きたくないので、しばらく様子をみていたが、テントが濡れてきたので、腹をくくってフライを張りに外へ出た。

 朝早くに釣師二人づれが来た。テントの真横で、大きな声で話をするもんだから、眠れない。ながらくしゃべった挙句(約一時間ばかり!)、彼らは立ち去った。その後、やおら起きだして、外に出る。ガスで視界はない。おまけにけっこう寒い。とたんに戦意を喪失してしまう。7時前の天気予報を聞いて、どうするか相談をする。A子は行かないとのこと。翌日の天気は悪そうなので、3人なら日帰りで行こうということになった。あわてて準備をし、7時40分に出発。

 そま道を降りていくのだが、途中で見失い、ガレた斜面を下る。最後は懸垂で川床に下り立つ。中の谷との合流点より下流に来てしまったようだ。そこからいきなり泳ぎ。中の谷出合は壮絶だ。両方の流れが滝となって巨大な釜に落ちている。延々と釜を泳いで本流左岸にとりつき、滝をまく。カメラを持ってこなかったが悔やまれる。

 火吹谷には9時すぎに到着。ここまで泳ぎもたっぷりあって、寒いけど楽しい。圧巻はそのあと。左岸の岩壁からかなりの長さにわたって、すだれのように水が流れ落ちている。水の流路は目の冴えるような赤色をしていた。岩についた苔かなんかが原因らしい。ちょうどさしこぼれてきた太陽の光が、ガラスのすだれに乱反射し、一種異様な雰囲気をかもし出していた。

 明るい釜に注ぎ込む斜瀑を気持ちよく越え、水晶谷出合まではこの沢のハイライトとでもいえよう。水晶谷出合の奥にかかる滝は、左岸の巻き道をたどる。人気のある沢だけあって、明瞭だ。そのあとにもまかねばならない滝がいくつか出てくるが、いずれもまき道があり、問題ない。口剣又谷出合は午後11時10分に到着。本谷は滝となって落ちている。ここで昼ごはんを食べ、11時18分に出発。右岸からまく。さすがに水量もへった。谷は広く、水に入ることもなく、快調に飛ばす。

 多段のナメ滝となっておちる右俣をみやり、1200メートルの分岐にはちょうど昼すぎに到着。もともと左をとって明星ヶ岳へ突き上げるつもりだったが、左は水がなかったので、右の沢に入る。滝につぐ滝。どれも登れるから面白い。なかにはロープを出した方がいいかも…というような滝もあったけど、いずれもノーロープで突破する。上部にいたっては、どこからどこまでが滝なのかわからない。次から次へと面白いように高度を上げていった。

 13時半、前方にCS滝が現れた。両岸は切り立っている。おそらくこれが沢の終わりだろう。右岸の尾根に移り、なんとなく道のような道でないような急斜面をぐんぐん登っていく。ヤブはたいしたことなく、14時25分に稜線に出た。林道から7時間、沢におりてから6時間ちょっとで抜けたことになる。八経ヶ岳までは一投足の距離だ。山頂でO塚さん提供のジュースで乾杯。ガスで何も見えない。15時に下山開始、17時に行者還トンネルに到着。まだ迎えの車は来ていない。こんなに早く抜けれるとは思ってもいなかったので、午後6時から8時の間に下りてくるといっておいたのだ。下手したら、一時間も待ちぼうけか、と思っていたところへ迎えの車がやってきた。すばらしい。

 しかしすばらしいのはここまで。天川温泉では、順番待ち。中に入ってもちっとも落ち着けない。夕食は「オーク」というファミレスだが、ここでもさんざん待たされ、コンビニ弁当よりちょっとだけましな定食。画竜点睛を欠くとはまさにこのことか。