春の鈴鹿で花を愛でる 第2弾 (無雪期ハイキング)

メンバー ナカガワ、クマノ、ハブタ、ヒロサワ、ニシイ、イマニシ
目的 カタクリやイワウチワなどの花を愛でる。
期日 2002年4月28日
山域 三重県 御池岳・藤原岳
山行形態 無雪期ハイキング
文責 クマノ

山行の概要

コースタイム

4月28日 うす曇 (昼食・休憩を含む行動時間…約8時間)
7:00京都駅集合7:15〜9:00コグルミ谷9:25〜カタクリ峠10:30〜白船峠11:25…昼食…12:35白船峠出発〜13:45藤原山荘〜14:15藤原岳山頂14:45〜14:55藤原山荘〜16:05白船峠〜16:30カタクリ峠〜17:30コグルミ谷

食糧

くりいむしちゅう

報告と所感

ちょうど1ヶ月前にナカガワさんと御池岳に行ったが、まだその時は残雪もあり、早春の花に会うにはちょっと早すぎた。その為今回はカタクリの開花時期に合わせ日程を組んでいたが、計画自体はほとんど当日決めたようなもので、MLの計画書には‘御池岳’と書いていたものの、御池岳には行かず藤原岳を目指した。今回の一番の目的は、カタクリ峠〜白船峠〜藤原岳のあいだの、いわゆる‘歩きやすく、花の多い道’に行くこと。そこには可憐なスプリング・エフェメラルが咲き乱れているだろうと想像を膨らませ、かなり期待していった。
 さて、今回はうれしいことに、ハブタさん久々の参加。そして見学中の女性3人も参加となって、前回とはうってかわってにぎやかな山行となった。私と中ゆみさんはボッカトレも兼ねて水、食料などもってあがった。
 コグルミ谷に着いてみると、さすがにGWとあって車、人が多い。登山口付近は全く車が停められなかったので少し離れた所に置きに行き、9:25出発。 歩き出してすぐにチゴユリ、ニリンソウ、エンレイソウなどを見かけた。歩き出すと、森は非常に明るい色彩を呈していた。イヌブナ、リョウブなどの新緑が点描画のよう。きもちがいい。しかし長命水にたどり着く少し前ぐらいからカタクリ峠までは、そこそこきついのぼりが続く。見学中のニシイさんがかなり辛そうにしていたので、ちょこちょこ休みを入れつつ歩いていった。途中五合目の看板のあった辺りから、カタクリがちらほら姿を現しはじめた。しかし午前中のうす曇のため、まだ花びらが開いておらず、ペリカンのくちばしのようなつぼみのまま。しかも色も薄くあせており、なんとなく物悲しい。山を登っている人のにぎわいとは対照的な姿だった。カタクリ峠に着くと、けっこう人がいる。なんだかえらくおなかが減っていたが、時計を見てみるとまだ10時半だったので我慢して白船峠に向かった。多くの人は御池岳方面に行ったようで、突然ひっそりした。このあたりまで来ると新緑もまだまだ芽吹き始め。相変わらずカタクリは物悲しげだが、ニリンソウ、スミレ、イワカガミなどの可憐な姿が寂しい山道に色をそえる。11:25、白船峠で昼食。
しかしここまでの景色も、白船峠を越え、送電塔(気象観測所?)を過ぎた辺りから一転した。樹木層もイヌブナが少なくなり、かわりにカエデが多くなってくる。さらに驚かされたのは、なだらかな林床一面にバイケイソウの葉が元気に立っていたこと。夏にバイケイソウ、コバイケイソウを見た人ならわかると思うが、この種はけっこう湿潤な所に生える。ここまで林床は少しの草花とササが覆っていた乾いた道だったのに、突然湿地帯の中に迷い込んだような感じがした。しかし足元は湿っぽいわけではないので、よほど土壌が肥えており、保水力があるのだろう。なるほど、藤原岳一帯が植生豊かなはずだ。ハブタさんは「比良の別荘にこの土ええやろなぁ〜」と物欲しげ?山にはハブタさんちの庭を潤すものがいっぱいだ。藤原山荘に近づくにつれ、コバイケイソウに福寿草、キクザキイチゲ、スミレ、ヒトリシズカ、バイモユリなどが増えてき、明らかに御池岳方面と植生が違う。しかも景色もいわゆる‘日本庭園’調に変わり、高木がなく、石灰岩と野草が視界一面に広がる清清しい景色になった。もう4月も終わりだと言うのに福寿草がチラチラと咲いていたので、シーズン中はどれほどきれいだっただろうと思い、前回ダラダラと歩きここまで辿り着けなかったことを心の中で悔やんだ。
皆で「この花は何??」とわいわいやりながら、山荘に着いたのは14時近く。物凄い人、ひと、人。何処かの観光地のようだ。今までの美しい景色も消え、ササの中をくぐりぬけ、何度も来た藤原岳の頂上へ。やはり人が多いが、伊吹から御在所まで望む景色は広々して気持ちいい。春霞の中、向かいの山腹に一本の山桜が咲いていた。ゆみちゃんはにこにこしながらお菓子(=行動食)を食べており、なかなか満足げ。あんまりうれしそうに食べてるので、こっちまで笑いが出てくる。見学の女性3人も楽しそう。よかったよかった。禁煙しているハブタさんは、この景色を眺めながら一服したかったことだろう。
復路は歩いてきた道を戻るか、西藤原駅のほうまで下りるか迷っていたが、結局体力も時間もまだ行けそうだったのでもとの道をたどることにした。
 帰り、カタクリの花はしっかり花びらを開かせ、生き生きとした姿を見せてくれた。ちょっと一安心。長い下りを終えコグルミ谷に着くと、もう17:30になっていた。行動時間は約7時間ほど。帰りの車では運転手のハブタさん以外爆睡してしまった。 
総括として、私と中ゆみさんは、当初の目的どおり沢山のスプリングエフェメラルに出会え、なかなか満足した。
 とりあえず藤原岳に行く時には、藤原山荘〜坂本谷への分岐点の道を行かないともったいない。それを知っただけでもなかなか収穫のある山行だった。

△上に戻る

Copyright (C) 京都雪稜クラブ. All rights reserved.