奥の深谷(沢登り)

メンバー CL 河原・秦谷・木村
期日 2003年7月13日
山域 比良 奥の深谷
山行形態 沢登り
文責 木村

報告・感想

 昨年から心惹かれながら、なかなか思い切れなかった沢。ついにいってまいりました。
待ち合わせ場所に着くと、山住さん,稲野さんが体調をくずされて不参加と聞かされた。つまり秦谷君と河原さんと私。たのもしいインストラクター二人と生徒、はたまた屈強なナイト二人と姫、はては単なるお荷物かなどと考えを巡らせながら薄曇りの中を出発。午後から雨になるらしい。
 牛コバまで車を乗り入れて少し歩いて9時40分いざ沢へ。
 みると河原さんがひざのあたりまでいきなり浸かってじゃぶじゃぶ歩き始める。私はなかなか足が踏み出せない。靴を履いたままで水に入ってはいけない、という固定観念にしばられている。思い切って浸かってしまうと、河原さんの講義。「水は靴の中までで入ってきます。気にしないで。それ以上は入りません。」 あたりまえだ。が、「体温であたたまって、水の入れ替わりがないから快適です。」で納得。
滑らないはずの靴が、思ったよりすべるので、なかなか気が抜けない。水の中の岩など微妙に屈折しているようだ。目測をあやまって踏み外し、こけてしまった。それでもどんどん進んでいく。足を引っ張らないよう必死だ。
ここ二、三日の雨で水量が多いらしく、流れも急で滝の水も豪快に落ちている。大小さまざまな滝が目に鮮やかだ。どれをとっても個性があって美しい。
一時間くらい進んだ辺りでなだらかな滝状の場所につく。「すべりましょうか。」とザックをおろす河原さんと秦谷君。まず河原さんがスタート。えっ??姿が消えた!!一瞬頭まで沈んで、浮き上がったのでした。なんと全身浸かってしまうのだ。秦谷君は沈むのを拒否したのか、赤いメットをずっと見せながら犬かき!私もドキドキしながら滑りました。やはり頭までどうしても沈んでしまう。浮き上がって平泳ぎで岸辺へ。見ると秦谷君がスリンゲを出してくれている。ありがたいけどこんな水どうってことない。彼は水がにがてなのだ!弱点発見。
面白かったのでもう一度すべってしまった。なるほど河原さんの言われた「いっぱい遊んでください。」のことばがわかった。沢とは子供に返って遊んでしまうところなのだ。岩登りやら急流やら、冒険有り、危険有り、全身を力一杯使ってハードルを乗り越え、遊ぶところ・・・でした。
 前を行く河原さんがひょいと岩を飛び越えた。距離がある。足の長さが決定的に違う。おまけにこちらは体重もある。滑るのが不安だ。さまざまな想念が頭をよぎって、思い切り悪く岩の手前に着地しようとした。ところが思いの他深く、前のめりに向こうずねを思い切り打った上、しりもちを付いたまま流されてしまった。正直、川の流れの強さを初めて実感した。とりあえず地面の岩を掴んで持ちこたえたけど、もう少しで手が放れそうになって、あぶなかった。河原さんに手を出して貰って、無事生還。川を甘く見てはいけない。
 滝を巻く途中、 夢中でよじ登っていると急に力が入らなくなってきた。おかしい。そう言えば、ハイキングの時ならあれこれ不必要なまでに摂っていた行動食を全く摂っていない。もうすでにお昼は過ぎている。全く気にならなかったが、かなり前から雨が降っているので休憩無しで歩いているのだ。タイムをかけておにぎりを二口ばかりほおばる。
 もう後少し、の声にはげまされて30分ほどで登山道に到着。重い重いといわれていた私の魔法のザックの中に何故か入っていた傘をさして湯を沸かし、コーヒーを飲んで一服。美味しかったけど、雨も強く降ってきたし、寒かった。今回大好きな焚き火ができなかったことが本当に心残りだ。
雨道を沢靴で下山。泥道を本当によくすべった。
 取り敢えず、着替えて、お蕎麦を食べに行く。そのあとてんくう温泉であたたまり、市内に帰って当然のようにラーメンを食べに行って、楽しかった一日がおわりました。
 お二人には気を使っていただいて有り難うございました。おかげさまで贅沢な沢歩きになりました。

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