日本横断山行第3弾(南アルプス縦断)

メンバー
期日 2003年7月18日〜7月26日
山域 南アルプス
山行形態 縦走
文責

7月18日(金)

17時59分 京都駅発 鈍行電車5回乗継

23時28分 富士駅着

 身延線ホ−ムにてエア−マットを広げ寝袋に入る。

初日 7月19日(土)
車道約30k(約7時間)+コ−スタイム7時間5分 実所要時間 13時間

5時31分 富士駅発

7時00分 下部温泉駅着

7時25分 スタ−ト歩行時間 10時間55分

8時17分 身延町下山(休憩10分)

9時15分 早川第1発電所(休憩10分)

10時18分 七面山分岐(休憩10分)

11時18分 草塩温泉分岐(休憩20分)道路脇に水場有り

 この付近バス停の中にポスト有り、奥の集落のものだろうが全てポストには・・子・・男と書いてある。全員同じ名字なのだろう。

12時30分 富士見山林道分岐(食事30分)

御殿そばを食べ少し歩いたところで、そば屋の看板娘に呼び止められ峠の入り口まで送ってやろうと声をかけてもらった。もちろんお断りをしたが、男前?とはつらいものだ。

13時50分 田代入り口バス停(休憩10分)

 伝付峠の入り口看板なし、バス停の北側の橋を渡り進行方向左手の空き地奥に登山道有り。 10数分歩いた工事現場の監督に確認し入り口判明。20分ロス。

14時20分 入口到着

14時50分 2回目の水場(休憩10分)

15時33分 発電所分岐

17時20分 東電小屋(途中休憩10分)

 日没寸前、気合を入れてワッセワッセと声出しながら歩いた。峠付近でビバ−クしていた若者が、何事かとテントを飛び出しワシを照らしつける。獣だと思ったようだ。

19時33分 転付峠(途中休憩2回15分)

 日没、ヘッドランプでの山行は約600メ−トルの下り。真っ暗闇の中で大変気味の悪く、子羊?の夜道は改めて危険だと感じた。

20時25分 二軒小屋へ到着

 本日初日は歩き始めてジャスト13時間の行程であった。前回にましてアスファルト歩きは辛く、登山道へ入ってからも人に会うこともなく、夕方には雨に打たれ、日は沈み、なかなかハ−ドな初日であった。

22時30分 消灯(ビ−ル500…¥500)

2日目 7月20日(日)
コ−スタイム 11時間25分 所要時間9時間40分 歩行時間7時間58分

4時37分 起床

6時50分 二軒小屋出発

9時05分 椹島(途中10分休憩)

10時00分 聖登山口(途中15分休憩)

10時45分 出会所小屋水場(途中休憩7分)

ここで沢につかり大休憩40分

12時05分 聖沢

13時20分 造林小屋(途中休憩15分)

14時25分 乗越(途中休憩10分)

14頃より雨

14時35分 水場

15時17分 岩頭展望台(途中休憩5分)

16時30分 聖平小屋

 今日もドボドボのままテント設営。前回の聖も大雨やった。精進のよいワシでもだめなときはだめ。男は黙ってビ−ル呑む。

21時30分 消灯消灯(ビ−ル350…¥600)

3日目 7月21日(祝) 土砂降り
コ−スタイム:8時間40分 所要時間:7時間37分 歩行時間:6時間54分

4時00分 起床

6時53分 小雨のため出発 

8時21分 小聖岳 2662m(付属峰)(途中休憩10分)

 このころより暴風雨となる。前回の大雨よりひどい。いつか晴れた聖に登る、そんな気持ちが強くなった。

 9時37分 聖岳 3013m(休憩4分)

 聖から兎へ向かうガレ場は小さいが綺麗な花畑だ。背丈のとても小さい黄花シャクナゲが心に残った。

11時38分 兎岳 2818m(途中休憩2回17分)

 12時頃ようやく雨もあがりカッパが乾き始める。雨がやんだだけで天にも昇るほどうれしかった。

13時16分 中盛丸山 2807m(途中休憩2回12分)

13時50分 大沢岳 2819m経由

14時30分 百間洞山の家

 小屋の中にスト−ブあり。靴、カッパ、シャツ等少しでも乾かそうと小さな体で一歩も動かずスト−ブ前を死守した。このとき注文したポ−クカレ−がメチャ旨。野菜、ポ−クたっぷりで千円。3時間程小屋で粘りテント設営に…若い女性一人で塩川から光岳をめざして1週間歩くらしい。テント泊ではめずらしい。受身のワシはなにかされはしないかヒヤヒヤしながら床に就く。

20時00分 消灯(ビ−ル500…¥800 エビスビ−ルに感動)

4日目 7月22日(火)
コ−スタイム13時間40分 所要時間10時間14分 歩行時間8時間24分

2時00分 起床

5時16分 出発

 7時36分 赤石岳 3120m(休憩10分)

 やけに今日は調子がいい。一度も休むことなく赤石岳へ…この旅始めて天気に恵まれ写真を撮る。百間洞で知り合いになったオッチャンに出会い、みかん、きゅうりを貰う。親切というか、今日下山するため荷物を軽くしたかったらしい。おおきに、と愛想よく笑う。

 8時08分 小赤石岳 3081m(付属峰)

 8時38分 大聖寺平

 9時00分 荒川小屋(休憩1時間)

 焼肉定食を食う。メチャメチャ旨い。肉、飯、野菜、漬物、味噌汁とにかく満腹や。飯の間にドボドボのテントを設営し干した。でっかい荒川三山と赤石岳、いつかここにテントを張ろう。

11時23分 荒川前岳分岐(休憩10分)

 荒川前岳のお花畑は満開だ。シナノキンバイ、ハクサンイチゲ、クロユリ。

11時36分 荒川中岳 3083m

 悪沢の上りで雷鳥の親子に出会う。ヒヨコよりも小さい雛が5羽もいた。

12時23分 悪沢岳 3141m(休憩7分)

13時18分 再び荒川前岳分岐(休憩9分)

 今日も14時頃より小雨。少しの降りで終わった。

15時03分 高山裏手前の水場(途中休憩4分、水汲み10分)

15時30分 高山裏避難小屋

 小屋番はよく喋る江戸っ子のオッチャンだ。「島とは由緒正しい名前やなぁ。島左近か、島右近かしらんけど、あんたは子孫か?」 などと、話かけてくれる。そんなことワシが知りたいぐらいやわ…と答えてやる。この山旅に出て久しぶりによく喋った。調子に乗って休憩をあまり取らなかったためか疲れている。

19時00分 消灯(ビ−ル350…¥600)

5日目 7月23日(水)
コ−スタイム 14時間35分 所要時間 13時間00分 歩行時間 11時間25分

2時30分 起床

4時00分オッチャン出現

 「島さんに頼みごとがあるんや」とテントの外で声がする。中の仕切りを開けると、フライの外に仁王立ちのオッチャンのつま先だけがフライの中に入って不気味やった。フライ開けると、「この手紙塩見小屋のオヤジに届けてほしい」と、しおらしい頼みごとやった。「ええよ」と、男前に答える。「ほんの気持ちだけや」と三角チ−ズを1個くれた。ほんまに気持ちだけやった。

5時15分 出発 今日もまた雨模様

7時45分 小河内岳 2801m

8時50分 烏帽子岳 2726m

 土砂降りの中、単独行のオバチャンに出会う。あとで知った話だが、このオバチャンは塩見小屋で手紙を受け取り高山裏のオヤジに手紙を渡す事になっていたらしい。

9時15分 三伏小屋(休憩1時間)

 聖平の雨を上回る大雨だ。予定を上回るペ−スで歩いていたためここでやめるか、先を急ぐか悩みながら、まずはラ−メンをつくり熱いコ−ヒ−を飲む。時間が早いため前進

12時30分 塩見小屋(休憩35分)

 ますます風強く、三伏峠にテントを張らなかった事を悔やむ。最短のテント場まで約2時間。まずは手紙を渡し、どんべえの赤いきつねを食べた。(\500)
 この手紙は小屋同士の文通やった。ワシが運んだのは今年の高山裏からの第2便の手紙で、さっきのオバチャンは塩見小屋発の第3便の手紙やったらしい。とにかく今年は雨ばかりでまいっている。手紙が唯一の楽しみやったとの事。内容を聞かせてもらうと「高山裏の去年の決算がでた。黒字2千4百30円」だとか書いてある。2ケ月間でたった2千円しかないのだ。今年は2千5百円以上を目指し、経営努力を続けるそうだ。65歳のオッチャンは秋になると農鳥小屋へ移るそうだ。以前は溶接工の職人で毎年何十年もの間、南アルプスのゴミを拾い歩いていたそうだ。塩見小屋のオヤジは言う「商売なんか考えて小屋なんかやってたらあかん。しかし、最近は気持ちだけでは生きていけん。」こんなオヤジ達に世話になり俺達は道楽の一つとして山へ登っている。山のオヤジ達に感謝するとともに、せめてゴミのことだけは迷惑のかからんよう考えていこうと思う。ちょと賢く?なったワシであった。

13時05分 塩見小屋出発

14時10分 塩見岳西峰 3047m  東峰 3052m

 外は暴風雨、手の感覚が麻痺し始める。

14時37分 北俣岳分岐

15時42分 北荒川岳 2698m

18時15分 熊野平小屋

 塩見小屋より歩き続けること5時間10分、休憩もせず歩き続けたのに寒い。 少し調子がおかしく思うも、土砂降りの中テントを設営。全ての衣類を脱ぎ捨てて、絞って干して、体を拭き、食事、明日の準備、今日は始めてワンカップを購入。熱燗や…

22時00分 消灯 外は豪雨(ビ−ル500…¥1000 ワンカップ…¥600)

6日目 7月24日(木)
コ−スタイム8時間10分  所要時間6時間40分 歩行時間6時間25分

9時00分 起床 まだ外は激しい雨

 昨日より一度もやむことなく降り続いているため今日は停滞の予定とするが、いつでも出発できるようにと準備をする。

11時40分 出発 

 10時頃より雨があがる。意を決して出発する。

12時15分 トラバ−ス道分岐

13時55分 農鳥小屋(休憩5分 カップラ−メン…¥500)

14時35分 西農鳥岳 3050m ガスの中

15時00分 農鳥岳 3026m

15時50分 農鳥小屋(休憩10分)

17時30分 間ノ岳 3189m

18時20分 中白根山 3055m

  いっきょにガスがあがり夕焼けが広がった。6日目ではじめての夕焼けだ。今日は一日停滞し休めばよかった。足が腫れ、少し寒気がする。思うようにスピ−ドがあがらない。長丁場で、雨ばかりだ。1日くらい休む余裕が必要だった。疲れている。

18時40分 北岳山荘

 歩く時に雨に打たれていないが、朝までの雨でテントも荷物もドボドボのままだ。 少し気持ちがなえる。体調もかなりやばい。明日下山するか、両俣から北沢峠へ抜けるのか両股から予定どおり仙塩尾根に戻り仙丈ケ岳を越えるか??? この劣悪な環境は少しは自分を強くしてくれそうだが、とにかく疲れている。

21時 0分 消灯(ビ−ル350…¥500)

7日目 7月25日(金) 
コ−スタイム7時間40分 所要時間8時間30分 歩行時間7時間25分

4時15分 起床

 足、目がボンボンに腫れている。腎臓でもやられたのか?少し不安。

6時20分 出発 とりあえず北岳から両俣へ向かう。両俣で判断することとする。

 7時20分 北岳 3192m(休憩5分)

河原の渡渉でザックごと川へ落ちる。体調も悪いが、気持ちもなえる。

10時20分 両俣小屋(食事1時間)

 外でラ−メン、チャ−ハン(各¥500)を食べる。太陽が出て服が乾き始める。  腹が膨らみ、体が乾き、単純に気持ちが前向きになり仙塩尾根に前進する。

12時20分 野呂川越(休憩10分)

 体調はすぐれず調子が上がらない。

14時20分 高望池

14時30分 伊那荒倉岳 2519m

 天気が一転大雨に。 14時50分 びしょ濡れになったあとテント設営。

17時00分 消灯(ビ−ル…なし)

 樹林帯でのテント泊は気持ち悪いものだ。外は土砂降り、明日の回復を祈るばかりだ。足の腫れはますますひどく、両足親指の感覚がない。足が靴に入らないほどだ。 子羊爆睡…

8日目 7月26日(土) 土砂降り
 コ−スタイム6時間10分 所要時間4時間20分 歩行時間4時間15分

2時45分 起床

4時43分 小雨の中出発

7時13分 仙丈ケ岳 3033m (休憩5分)

 頂上付近より晴れ間あり。頂上で綺麗なブロッケンを見る。

9時03分 北沢峠

 やっとたどり着いた。やっとだ。正直長かったなぁ…そんな感想だ。
 雨に打たれていない日は前日の木や草の露で濡れ、晴れた日も前日のドボドボの服を着て出発、乾き始めると夕方に土砂降りとなる。8日もこんな状態が続くと疲れも溜まる一方だ。
 これから先、中央アルプス、御岳、乗鞍、北アルプスと続くのだが、体調維持、天候を考え休養日を踏まえ進んでいくことが必要だ。これまでの富士山と併せて今回の南アルプスの3千メ−トル峰9座も逃げずに登り尽くせた。体調が悪いなりにもがんばれたかな? 喜び勇んで北沢峠を後にして気づいたのだか、今度の出発点は必然ながらこの北沢峠であり、登山客と一緒にバスでここへたどり着くわけである。たとえば、「兄ちゃん今日はどこの山登るの」と、こんな質問にどう答えるべきか…ワシは北沢峠へバスで到着するやいなや(as soon as)下山を始めることになる。返答に困るやんかいさ…ワシは決めた。日本てぬぐいでねじりはちまき、ごっつい怖い顔をして「わしゃ山なんぞ登りゃせん」と職人風に答えるだろう。

 次回の旅が楽しいものになりますように…

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