【夏合宿】黒部五郎岳・赤木沢(無雪期縦走・沢登り)

メンバー CL中川ゆ、鈴木、岡川
期日 2003年8月13日〜8月17日
山域 北アルプス 黒部五郎岳周辺
ルート 折立〜黒部五郎岳〜鷲羽岳〜赤木沢〜双六岳〜鏡平〜新穂高温泉
山行形態 無雪期縦走・沢登り
文責 中川ゆ

山行の情報

コースタイム

8月13日
7:20京都駅集合7:38サンダーバード1号〓13:30折立14:00→15:20三角点→18:00太郎兵衛平テン場 19:00夕食 20:40就寝 
8月14日
3:35起床・朝食・テント撤収6:07→8:26北ノ俣岳→9:45中俣乗越→11:40黒部五郎岳山頂11:45→13:25黒部五郎キャンプ場 17:00夕食 19:40就寝
8月15日
5:00起床・朝食・テント撤収7:15→9:30三俣蓮華岳山頂9:45→10:15三俣蓮華岳キャンプ場・テント設営・昼食12:45→14:25黒部川源流14:50→15:16ワリモ岳→15:40鷲羽岳山頂16:10→鷲羽池→17:30テン場・18:00夕食・21:20就寝
8月16日
3:35起床・朝食5:30→6:14三俣蓮華岳→7:15黒部五郎小舎7:55→9:51奥の廊下出合10:30→14:33黒部源流標→3:08テン場16:30夕食 19:05就寝
8月17日
2:30起床・朝食・テント撤収4:21→5:03三俣蓮華岳→5:40双六巻道分岐5:55→6:30双六小屋7:00→8:17鏡平小屋8:45→10:40わさび平小屋11:10→12:00新穂高温泉

食糧

13日朝:各自 夜:中華丼
14日朝:たらスパ、クリームコーンスープ 夜:いろいろ丼、卵スープ
15日朝:ホタテ雑炊 夜:キーマカレー
16日朝:ツナスパ、クリームコーンスープ 夜:いろいろ丼、ちゃんぽん麺
17日朝:お茶漬け

報告と所感

出発まで

出発前々日、沢班1や縦走Pからも誘ってもらったが、3人で「ここモモ隊」を再度結成することにした。のはいいのだが、行き先が!楽しみにしていた温泉掘りは諦めて、赤木沢と源流への沢登とピークハントということに決めた。行き先が決まるまでも、決まってからも、ワクワクする一方でLという重責を思うと眠れなかった。2日間は、何してても手がつかず、出発は13日にしてもらい、気持ちに余裕を持たせた。

12日

松田号に温泉セットを積みに行く。この頃になると、少し落ち着き、いや、開き直ったのかも(?)。

13日

早朝 0番線ホームで待ち合わせ、サンダーバードに乗り込む。自由席は、満席だ。富山電鉄に乗り換え、のんびり山に囲まれた田園風景を眺めていると、旅気分を満喫でき、これから始まる4日間に胸が逸った。
午後1時半。下山してきた人がくつろいでいる折立に到着。ナイトハイクは避けたいと、早速準備して出発する。三角点を過ぎると、ニッコウキスゲが斜面に咲き、出迎えてくれた。小屋に着くと、まだ日は明るい。早速この日80張り以上のテン場で、設営地を探し、テントを立てる。日没後寒くなったが、外で夕食をして、翌日の天気を聞く。明日は、雨。稀有の希望を抱いて寝る。

14日

1時ごろから雨が降り出す。起きる頃には、激しくなってきた。今日は、メインの赤木沢の日。しかし、薬師小屋へ行き、赤木沢の出合へ行く時間を考えると、美しいナメの赤木沢は、濁流の赤木沢になっていそうなので、今日は、黒部五郎のキャンプ場へ縦走することにする。北俣あたりの斜面に、残雪も多く、イワイチョウ、チングルマやハクサンボウフウなどが満開中で、雨に落胆している私たちに笑みをくれた。一日中、ガスと風雨で、黒部五郎からの眺めは無く、足はテン場へ急ぐ。カールを流れる雨水も多く、この様子では明日晴れたとしても五郎沢の水は多そうである。カールを過ぎるころ、ハクサンフウロが目に付く。
16時。お茶を楽しむテントで天気図を鈴木氏が描く。北か南かどちらへ進むかも読めない停滞前線。雨は止みそうになく、明日の天気も望めない。明日は、三俣へ移動し、黒部源流を上流へ鷲羽を目指すことにし、寝る。

15日

ゆっくり起きる。止みそうで止まない雨の中、出発。テン場を出て、しばらくすると稜線。チングルマやミネズオウ、イワイチョウが丁度満開*である。黒部乗越までの左斜面にも残雪が多く、ウサギギク、ヨツバシオガマ、ミヤマホツツジなどが咲き、図鑑を片手に、花を見ながら歩く。この頃には、雨も止んできた。三俣のテン場に着くやいなや、雪渓滑りを楽しむ。山荘ヘ行くと、ガスの中にヘリの音がしている。一瞬のガス間に着陸し、独りの女性が担ぎ込まれるとすぐに離陸した。脳梗塞の疑いがあるそうだ。
テントを設営し、昼食に非常食野菜棒ラーメン。時に晴れ間も出てきて、空身で黒部の源流を目指す。雲の平への縦走路と黒部川の交差したところ付近に減流ノ標があるのだが、昨日の雨のせいか水量は多く、まだ上流が「源流」と言えそうなので、沿って歩く。登山道には、クルマユリ、ヒメウメバチソウ、ムシトリソウ、トリカブトなどなど満開で、図鑑が手放せない。水量も減ってきたのは、岩苔乗越の直ぐ手前であった。岩の下から水が流れ出している。ここが「ここモモ隊 黒部源流」だ!夕食後、源流の水で、コーヒーを飲めるよう汲んで、鷲羽を目指す。源流から稜線へ出て、明日行く黒部川を見ると、雪が川を覆ってるじゃ!!2箇所見えた。一体、どうなってるんだろう。ワクワクする。
鷲羽は、多くの人でにぎわっていた。風が強く、硫黄尾根が眺められる。眺めながら、咲きほど汲んできた水でココアを飲み、休憩。池も濃い緑に水面は物静か。下山時、鈴木氏と私は寄り道して池へ行ってみる。池の周りの山は、いつでも稜線に出られるかのように、道が続いている。帰り、行ってみると、そこは、ガケっぷちだった。ハイ松の中を元の道に戻り、先に帰った岡川さんを追いかける。
テン場へ戻り、さっき降りてきた鷲羽の稜線を眺めつつ夕食の準備。雲が去り、槍が勇姿をみせ、賑わう。一旦食事を終え、槍を眺める。この日の山荘小屋は、満員で、入り口ドアを空けると、ロビーにまで布団に包まる客が溢れていた。
天気も良くなりそうである明日は、黒部五郎へ戻り、奥の廊下を上がってくることにし、期待を膨らませ寝る。

16日

三俣から日の出は、地理的に見えなかった。徐々に明るくなり、日が出てきたことがわかる。テントはそのままで、行動食を持ち、空身で五郎へ急ぐ。三俣山頂からは、槍、笠、薬師、遠く剣が見え、眺めをたのしみながら、五郎を目指す。小屋ですっきりして、やっと沢靴に履き替え、ハーネスをつけて、いざ五郎沢へ!カールの草原には、花がいっぱいである。黒部五郎、薬師岳をみながら、名の通りゴロゴロ岩を伝って降りていく、快適だった。二股の出合を過ぎたところで、休憩する。青空に、冷たい水。岡川さんは泳ぎ、鈴木氏はとえば、沈んだまま浮いてこないので、一瞬びっくりしてたら、足がでてきて爆笑した。今日初めてのシンクロ。
それから30分、奥の廊下と出合う。水量が多く、冷たい。岩の上でごろごろ休憩する。こんなハゲシイ川を下るなんて、ちょっと勇気要りそう。天気もいいし、赤木沢への未練を払拭しきれないでいるが、また今度にしよう。下流から2人上がってきた。腕に腕章、関係者のようだ。
出合から、祖母沢、祖父沢、小窓沢と順調に出合を過ぎていく。もう一つ右手に沢が合流したら、もうお終いだな〜と思っていると、200M以上ありそうな雪渓が現れた。手前は真中に落ちているが、後はスノーブリッジ。冷たさと大きさにオドロキ、休憩。周りの様子を見て、右岸を草を頼りに進む。半分くると、草付きも急斜面過ぎるので、雪の上を歩いてすすむ。しばらく行くと、もう一つ。これは真中から川に半分に崩れ落ちている。一昨日の雨で崩れたのだろうか。これも、右岸を巻く。昨日見えてたのは、この2つか。右からの出合を過ぎ、休憩する。まもなくいくと、また雪渓だ。4つ目の雪渓は大きくしっかりしてそうなので、上を歩いた。きっと、最後の2つが昨日見えていたのだろう。
まもなく、右手に三俣からの沢をやり過ごし、昨日始めた雲の平への渡渉点まで歩く。
奥の廊下に入って、約4時間。冷たくて空腹で、それに双六へ行く予定である。源流での休憩はほどほどにテン場へ戻る。
五郎沢から源流を詰められてことに、マンゾクし、ラーメンを食べる。「今日はここで泊まろうか」誰かのひとことで、決まった。明日は長時間行動になりそうなので、ラーメンの後夕食にして、早々に寝る。

17日

夜から雨だった。朝方、止みかけたので、もしかして!と願ったが、雨はひどくなった。4時過ぎ、まだ暗い。ヘッドランプを付けて、出発。ガスってるので、何の眺めもなく、ひたすら新穂高を目指す。双六へはいかず、中道をとおると、ここもまた、とてもかわいらしい花々が満開で萎える気持ちを励ましてくれた。
新穂高につくと12時。縦走班はまだのよう。寒いので、蕎麦を食べて待ってると、縦走班の姿を見つけた。ほっとした。

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