京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
メンバー | CL秦谷・西村 |
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期日 | 2004年2月6日夜〜2月7日 |
山域 | 福井県 法恩寺山 1375m |
ルート | スキージャム勝山〜法恩寺山往復 |
山行形態 | 山スキー |
23:40 南条SA
7日は飛騨・猿ヶ馬場山を白川郷荻町からのルートで計画していたが折からの積雪
で日帰りは困難と踏み、代案のひとつとして考えていた福井・経ヶ岳にスキージャム
勝山から目指すことにした。ゲレンデから取り付くので比較的アプローチを稼げる
し、稜線伝いで行けるため多少の吹雪でも迷う危険は少ないのではないかとの判断で
ある。
SAに到着後コースの打ち合わせを行い、そそくさと仮眠の体制に入る。
4:30 起床
5:30 南条SA出発
しんしんと雪が降り続いている。高速道路の路面も白んでいる。山はすごいことに
なっていそうな予感がする。
7:30 スキージャム勝山入口(標高610m)
パトロール本部に登山届を提出する。麓からシール登高はできず、ゲレンデの最上
部まで伸びている2段のクワッドリフトのうち、最初のクワッドリフトの使用が義務
づけられている。管理区域なので仕方ない。
8:30 第1クワッドリフト上部(標高960m)出発
ここからシールを着けて登り始める。
9:30 標高1320m(スキー場最上部)
一瞬晴れ間がのぞいたものの次第にガスが濃くなってきた。スキー場の最上部から
法恩寺山ピークまでは標高差50m。目印と思しきポールも見えるのでいざスキーを履
いてゲレンデから出る。
ところがいつもと様子が違う。気がつけば雪面を股で挟む状態まで沈んでいた。ひ
ざ上はある。スキーを履いていてここまで沈むのは初めてだ。
どうやら、この数日間のドカ雪が新雪の状態でまだ固まっていないようである。
すぐ近くにあるはずのポールが遠い。同行の西村君も前進を試みるが、前に出した
一歩が今よりも深く沈んでしまっては士気が失せるのも当然か。
ひざ上まで沈んだスキーを持ち上げて前に出すのは、積もった雪をかき上げるため
意外と体力を使うことに気づく。ならば、ツボ足ではどうかとスキーを脱いで前進を
試みる。
が、もはや笑うしかない。一歩踏み出すと底なし沼のように足をとられ、雪が顔の
目線に迫るまで身体が沈んでしまった。雪を両手でかき分けひざで雪を落とし、簡易
な足場を作って高度を稼ぐというラッセルの基本に戻り、最後は赤ん坊の「はいは
い」でピークに到着。ゲレンデ終端から50mの高度を稼ぐのに60分かかっていた。
思えばすぐ下にはスノーボーダーの嬌声、すぐそばには何を思ったか雪にまみれて
もがく男2人。はたから見ればなんとシュールな光景であったことか。
10:30 法恩寺山頂上(1375)
ホワイトアウトした視界、スキーでもひざ上まで潜る深雪。これで経ヶ岳は無謀で
ある。潔くここで行動を打ち切り下山の準備に。これが2月の冬山なのか。
いざ滑ろうとするが、深雪ではスピードと斜度がなければ動いてくれない。
11:30 スキージャム勝山入口
そのまま帰るのも勿体ないと思い数本ゲレンデを滑って帰る。
帰りは白峰温泉総湯で汗を流す。
帰りのラジオで関西学院大生が加越国境の大長山で身動きがとれなくなっている
ニュースを聞きました。
大長山は、取立山〜赤兎山の間で最もアプローチも深いところです。
スキーでも身動きがとれないとなれば、吹雪が晴れるのを待つしか選択肢はないで
しょう。
取立山・赤兎山ともに山スキーで目指したことがある山域だけに、いまはメンバー
の無事を祈るほかありません。(2/8記す)