青葉山 (ハイキング)

メンバー iku、みずえ
期日 2004年4月24日
山域 若狭・青葉山
山行形態 ハイキング
文責 iku

コースタイム

京阪樟葉駅8:00→10:30着・松尾寺/登山口10:45→11:40西峰(昼食)12:10→1東峰12:30発→13:40松尾寺14:10→Oさんのお墓参り→帰路

記録・感想

Oさんが剣で亡くなられてから、一年である。本当に早い。まだ信じられないままでいる。もしかしたらまたどこかでひょっこりとお会いできるのではと錯覚を起こしそうだ。この間の御在所の藤内小屋でも、とても雰囲気のよく似た人に出会った。2002年4月にみずえと3人で中尾根を登ったときのことやいろんなことも思い出していた。

私自身、一つのけじめのためにどうしてもお墓参りをしたかった。みずえは仕事で告別式に行けなかったことを悔やんでいたので、この誘いに応じてくれた。

前日にOさんの奥様から「明日は天気が崩れそうで、寒いようですから…」と電話を頂いた。「雨だと様子を見ます」とお返事をしたが私の心の中では、時間は一時間遅くしたが行く決意はしていた。

当日早朝、また電話を頂いて「いい天気のようなので、来てください」と電話を頂いた。青葉山に登ると話していたので心配してくださっていたようだ。

青葉山は自宅から近いということもあって、Oさんは日ごろ何かにつけてアイゼンやボッカトレーニングに登られていたらしい。関西百名山にも、低山ながらあげられているということもあり今回是非登ってみたかった。そして登ってみて、この山の魅力がとてもよく理解できた。

樟葉駅でみずえを拾う。風邪気味で熱っぽいという。しかたなく往復私が運転することとなった。松尾寺には2時間半で着いた。以外と近い。寺の下の方に、大型の駐車場の看板がある。ここに入れたが、もう少し上まで行くことにして車を進めると寺の前で有料駐車場に(400円)に誘導されてしまった。かなりの急坂を上らなくてはならないので、とても恐かった。少し下にある大型車の駐車場に入れなかったのを後悔したが、後の祭りとなった。

松尾寺は西国霊場29番札所で、由緒ある立派な寺である。山門も本堂もかなり大きく古く立派な建造物にはおどろいた。(http://www.saikoku33.gr.jp/dai29/参照)境内も広く、右手から裏に回ったところに八重桜が咲いている。その向こうに登山道に続く石段がある。案内板がでていてわかりやすい。2パーティーほど、抜かして行くとお花の名前を話しながら行く女性4名と男性1名のパーティーに出会う。いろいろ花の名前を教えて貰う。帰るまで覚えていたのは、イカリソウとルリソウぐらいで、いつもながら花の名前が憶えられない。

ずーっとかなりの急登である。お花の写真をとりながらも。1時間ほどで西峰についた。1パーティー食事をしていた。展望台からの眺めがいいと教えて貰い、岩の上に立つ。眼下に海が広がる。地平線まで見える。ず〜っと遠くにうっすらと、能登半島も見える。青い海と湾の緑と空のコントラストが美しい。昨日は雨だと言っていたのが、全く嘘のような晴天だ。これもOさんが歓迎してくれているんだと、勝手な解釈で二人とも納得。本当に素晴らしい。こんな風景と登山道に咲いている四季折々の花が見られるのなら、トレーニングもさぞ楽しいことだろう。そういえば、登り道でアイゼンを履きピッケルを持った5−6人のパーティーが下るのとすれ違った。地元の山岳会の人なのだろうか、と思った。

展望台から下りて、昼食をとっていたら人がどんどん登ってきて、いっぱいになる。展望台も数珠繋ぎになっている。先に来てよかった。食事の後東峰に向かう。ここも沢山花が咲いている。特にイカリソウが多く、真っ白から淡いピンク小豆色がかった色まで色んな種類がある。ツツジはまだ蕾だったが、新緑も美しく、スミレが岩に群生していたり、楽しませてくれる。

ここの岩は、小さな石をコンクリートで固めたのが浸食したようにデコボコしていておもしろい。クライミングルートが出来たらホールドが沢山ありそうだ。岩場に取り付けられた階段を上ると、20分ほどで東峰に着く。青葉神社が祭られていて、ここを青葉山と呼ぶようだ。海への展望はあまりない。ここから引き返す。戻ってきた西峰は相変わらず人が多く、途中でお花を教えて貰ったパーティーの女性にブランデー入りの紅茶を戴く。しばらくお花談義をして下山する。青葉山は、低山ながら素晴らしい山だった。

松尾寺にお参りして駐車場を後にし、Oさんのお墓に向かう。奥様が迎えてくださった。新しいお墓を見て、やっと実感が湧いてきた。そのあと、Oさんが作りかけていらした山への想いが詰まった小屋が、御兄様の手で完成されていて、そこに案内して下った。ドア一つでも手に入れたときには、嬉しそうに奥様に話されていたそうだ。なかには、山の道具や本など全てが置かれていて、奥様の思いが伝わってきて胸が詰まり、何も言えなくなる。私たち雪稜のメンバーと行った山での写真も飾ってくださっていた。

残された人の悲しみを思うと、私もこれからの山行きを改めて問い直さねばならい。

ご冥福をお祈りします。

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