敦賀半島のミニ縦走(西方ヶ岳〜蠑螺ヶ岳・ハイキング)

期日 2004年5月15日
山域 敦賀半島
山行形態 ハイキング
メンバー CL 山形、湯浅、遊部、堀内、下村、日笠
装備 ストック、靴、着替え、シュラフカバー、エアマット、ツェルト、コッフェル、行動食、非常食、ガスヘッド*2、ガスカートリッジ*2+1、レスキューセット、救急用品、カメラ、ろうそく、シーバー、フリース、レインウェア、水2リットル、他

行程

 5:45  四条堀川
 5:55  出町柳
 6:05  百万遍
 8:25  常宮
 9:15  西方ヶ岳登山口
10:05  銀名水(小休憩)
10:20  出発
11:10  西方ヶ岳頂上(小休憩)
11:25  出発
11:50  カモシカ台(ミニフリークライミング?)
12:25  尼池
12:50  サザエヶ岳頂上
13:30  長命水(大休憩・昼食)
14:40  出発
15:25  浦底(その後、水島を求めて放浪?)
16:30  常宮
17:00  ウェルサンピア敦賀(入浴)
18:15  出発
18:30  地魚料理まるさん屋(夕食)
19:50  出発
22:40  帰京

湯浅の所感

 山形さんから、「海が見える敦賀半島の山を歩く」と聞いてから、この日をワクワクしながら待っていた。私は、内陸の京都市街で生まれ育ったこともあって、妙に海が珍しく、海が見られるというだけで喜んでしまう傾向があるのである。新緑の山を歩きながら海を眺められるとは、何て素晴らしい企画なのだろうと大いに期待していた。
 当日は、少し肌寒いながらも、空気の澄んだ気持ちのよい朝であった。時間が早すぎてバスが通っていないため、四条堀川で、山形さんの車に拾ってもらう。その後、山形さんの分刻みの綿密なスケジュールどおり、出町柳で日笠さんと、百万遍で下村さんと無事合流する。そして、遊部さんとの待ち合わせ場所である比叡平のコンビニで食料を調達した。当地では、快い風を肌に感じながら、ホトトギスの鳴声を聞くことができた。空には、うろこ雲が出ており、雨の予兆と聞きつつも、心が和むような造形美であった。
 7時に志賀ICを下りてすぐのコンビニで堀内さんと合流する。私と遊部さんは堀内さんの車に乗せてもらい、湖西道路を通って一路目的地に向かう。左手には、新緑の美しい比良山系の峰々が連なっている。この辺りの山へは、冬に一度来ただけなので、近いうちに登りたいなあと思いながら、ぼんやり眺めていた。道路の側には、ちょくちょく、ほのかに灰色がかった薄紫色の花を身にまとった木々が見られた。堀内さんに聞くと、和箪笥等に用いられる桐の木であるとのこと。初めて桐の木を見たが、何とも幽玄な気配の漂う姿であった。

 さて、敦賀市街を通り抜けて、常宮には8時25分に到着する。山形さんと堀内さんは、下山地である浦底に車を置きに行かれたので、私たちは、常宮神社の前で、海を見ながら準備体操や栄養補給に努めていた。私は、せっかく海抜0メートルから登るのだからと思い、波打ち際まで下りてストレッチをしていた。引いては寄せる波音は、耳と心に心地よく、海水にも触れて幸せだったのだが、目の前に、原発がうずくまっているのが、どうも不気味であった。

 9時15分に、西方ヶ岳登山口から登り始める。始めから比較的急な登りで、体を慣らすべく、ゆっくりと登っていく。細い登山道の脇には、シダがたくさん生えていた。シダの二股に分かれた葉の様子は、翼を広げて飛んでいる鳥のようにも見え、群生しているところは、不思議な景色であった。登り始めて50分、道の側に丸みを帯びた巨岩が見え始めた頃に、銀命水なる水場に到着する。そこの水は、臭みのないとても美味しい水であった。遊部さんからもらった羊羹を食べながら上を見上げると、日の光を浴びた萌黄色の楓の葉が一際美しく見えた。

 15分ほど休憩したあと、頂上に向けて出発する。体のリズムも整って、快調に登っていったが、木曜日に降った雨のために、所々、水を含んだきな粉のような地面が続いており、足を滑らさないように気を使った。道の脇では、白くて小さな釣鐘型の花をはじめ、ピンクや黄色のかわいらしい花々を多く見かけて心惹かれたが、名前が全くわからないのが残念であった。また、早くも蝉が鳴いていたのには驚かされた。標高550メートル(?)辺りから、植生が変わり、明るいブナ林の中を歩いていく。堀内さんが、車内で、ブナの木が密生しているところを歩くのが好きだとおっしゃっていたが、実際に身を置いてみると、その言葉がよくわかる。人の心を穏やかにしてくれる空間で、気持ちよく歩くことができた。しかし、尾根上にいるためか、風がとても強かった。遊部さんと、「この頃、妙に風と御縁があるようやねえ」と話していた。

 11時10分に頂上に到着。集合写真を撮って、行動食を食べ、三角屋根の避難小屋の内部を確認して、蠑螺ヶ岳に向かう。出発して30分も経たないうちに、カモシカ台なる巨岩に到着。高さ2、5メートルから3メートル程の岩だったのだが、高い所好きの私としては登らないわけにはいかない。かなり強引ながらも、三点支持を頭の中でつぶやきながら岩の上に這い上がる。海と山々が眼下に広がり、とても開放的な気分であった。私は、木々の広がりを上から眺めるのが好きなのだが、特にこの季節は、一本一本、微妙に色の違う木々の葉が緑の絨毯のように広がっていて、ここに立ててよかったと思えた。皆、岩の上に立つことができ、京都比良山岳会の方に写真まで撮っていただいた。ただ、岩の上は、この重い体も立っていたのではふらつくような強風で、すぐに下りることになった。その後、近くの尼池でお昼にするつもりであったが、池の周りには、6人が座れるようなスペースはなく、先に進むことになった。

 ブナ林の続く稜線上を何回か上ったり下ったりしているうちに、蠑螺ヶ岳に到着。景色のよいところでお昼といきたいところであったが、あまりにも風が強かったので、写真だけ撮ってすぐに下山し始める。風をよけられる場所はないものかと探しながら歩いていたが、しばらく稜線が続くので、なかなかよい場所が見つけられなかった。とにかく稜線から外れるところまで下りようとの山形さんの言葉にしたがい、ひたすら歩く。尼池で、山椒の葉の香りをかいでしまったこともあり、早くご飯が食べたいものだと思っていた。途中、山形さんの帽子が風に吹き飛ばされるというハプニングもあったが、幸運なことに岩の隙間に落ちたので、無事回収することができた。

 13時30分、ようやく長命水なる小さな沢の横で昼食をとることができた。山形さんが作ってくださったラーメンも堀内さんが分けてくださったトマトもとても美味しかった。また、日笠さんの次から次へと出てくるお菓子や下村さんの3本のバナナには驚いた。その間、山形さんや堀内さんから沢登りの話を聞かせてもらったのだが、失礼ながら、印象に残っているのはヒルやブヨなど虫の話ばかりで、山を登るには大きな覚悟が必要なのだと感じた。14時40分に出発。一路浦底に向かう。急な下りが続き、数ヶ所にロープが据え付けられていた。途中、前を行く日笠さんが、スローモーションのように一回転して転ばれたのにはびっくりしたが、無事だったので安心した。45分程で、車をデポした地点に到着した。

 その後、明神崎と砂州でつながれた水島に行くつもりだったのだが、半島が、敦賀原発の所有地になっているのか辿り着けず、間違えて、テロ警戒中だという原子力館に迷いこむに至って、水島上陸計画はあえなく中止になった。夏なら船も出ているようなので、今度来るなら夏にしようという結論に落ち着いた。それから、敦賀市内に戻り、ウェルサンピア敦賀という立派な施設で入浴をすませる。しかし、そこは、結婚式場や客室もあるちょっとしたホテルで、留袖や振袖を着た方々のいるロビーを、泥付きの服装で横切っていくのは正直とても恥ずかしかった。(しかし、山形さん曰く、「そんなこと気にしてたらあかん」と。)そして、地魚料理まるさん屋で、1500円の美味しい刺身定食を食べ、満足して京都への帰路についた。

 敦賀の山に登るのは初めてだったが、また来たいと思うような素敵な山であった。楽しいメンバーと充実した一日を過ごすことができ、とても嬉しく思っている。

山形の所感

4月に上田さんと秦谷くんと野坂岳に登ったとき、一度行ってみたいなあと思ってた山でした。
敦賀半島を縦断するコース。
天気も上々でとっても楽しかったです。
イメージは海沿いだけになんとなく東北の白神山地を1/10くらいに小さくした感じ。
下はジャングル、中は白神、上は岩山(鈴鹿)といった感じかな?
気温はさほど高くなかったけど蝉がないていた。
常に海が見えていて、心を弾ましてくれる。
午後から風が強くなってきた。
昼食をとる場所を選定するのに苦労したが、地形図に詳しい堀内さんが
いい場所を見つけてくれはりました。
昼食(宴会)始まる。楽しい。ゆっくりしすぎたかな・・
下山後は水島にどうしても行きたくて、敦賀原発まで行ってしまった。
水島へは、7月からの渡船に乗らないと行けないらしい・・残念。
敦賀半島のさきっぽにある湖が海水か淡水か、どうしても調べたいと堀内氏がおっしゃるので
行ってみた。結果淡水だった。野鳥の宝庫。
至る所、原発の所有地らしく立入禁止。
その後、敦賀市内で温泉・・これほんまもんの温泉と違うけどおすすめ。
その後、敦賀市内で夕食・・これはめっちゃおすすめ。魚がうまい!
見学中の方が3名もおられたので少々気を使いましたが、みなさん非常に気さくな方で
帰る頃には次の山行計画が出来上がっていました。
沢登りのシーズンまでは、楽しい、トレーニング、チャレンジの登山で鍛えて行きます。

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