京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
期日 | 2004年5月15日 |
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山域 | 北アルプス 剱岳 |
山行形態 | 積雪期登山 |
ルート | 室堂〜剱沢〜平蔵谷出合〜平蔵谷2520m地点往復 |
メンバー | CL上田・SL中川一・秦谷 |
文責 | 秦谷 |
大塚さんが剱で遭難されて1年が経つ。
現場に赴いて、静かな谷の中で故人の思いを受け止めること。(僕は、脱臼後の体力の復調具合を確かめることもある)
この山行が、せめてその一助になってくれれば。
日本海の低気圧が悪さをして、土曜日も日本海側は雨模様とのこと。
台風一過で楽勝山行とはどうやらいかないようだ。
立山駅には日が変わって1時頃に到着。車で仮眠をとる。
室堂(2450)からいきなり霧の中、視界のほとんどない状態で先行者のトレースを頼りに歩く。剱御前(2700)で稜線に立つと身体がよろめくほどの強風。しばらく小屋で暖をとらせていただく。剱沢に入ると風は多少穏やかに。
剱沢小屋付近(2500)の野営管理所の陰に食糧・テント泊装備をデポし400m下り平蔵谷出合(2100m)へ。ここから700m登って鞍部(2800)に突き上げ山頂(2998)を目指す予定だったが、2400mを過ぎると雨がぽつぽつ降り始めてきた。おまけに鞍部から勢いのよい風が吹き付けてくる。あいにくの天気だ。
出合まで下った後も剱沢小屋まで400mの登り返しもあるしここで体力を使い切るわけにもいかずどうしようかと迷うが、とりあえず岩場まで歩いてそこで一区切りつけることに。2550m付近の露出した岩場で献花し、黙祷を捧げる。
剱沢の登り返しを終えた頃には雨具はびしょぬれ。もはや気合で野営管理所と石垣の間の雪の吹き溜まりをかき分けてテントを設営する。
食事はやや豪勢に野沢菜スパゲティをメインに海藻サラダ・どて焼・中華スープ・丹波ワイン・黒ビール・みつ豆。夕食が終わる頃には雨具も適度に乾き穏やかな気持ちに。故人もどこかで見ていてくれているのだろうか。
相変わらず霧がちの朝である。展望もなく帰るだけかとあきらめかけた頃、室堂平に着く直前に立山が姿を見せる。
通勤ラッシュのように押し寄せる観光客とは逆方向に、手短に下山した。