小川山 (クライミング)

メンバー iku、T、H(2日まで)
期日 2004年7月31日〜8月3日(土〜火)
山域 奥秩父 小川山
山行形態 クライミング/マルチ
文責 iku

日程

7/31 6:40自宅出発→10:50小淵沢駅でHさんを拾う→廻り目平13:30→リバーバンクエリア
8/1 水晶スラブ・ひょっとこ岩
8/2 2階のおばさん岩
8/3 屋根岩3峰南陵レモンルート

記録・感想

関西の烏帽子岩はこの連日の猛暑でフライパンと化し、スラブ上のフラットソールのゴムをも溶かし、爪先は火傷をしそうである。そして、ホシダでは登る前から、汗がボタボタとしたたり落ち、終了まで行く気力も萎えてしまっていた。と書くとたいそうに聞こえるが決してオーバーだと思えないような暑さが続いていた。

最近では、フリー自体に意欲も目標も無くなってきていた。そこで涼を求めて小川山へとくり出した次第である。

やっぱり、小川山は涼しかった。半袖では寒いくらいだ。長袖長ズボンが必要だ。快適なクライミング環境にあった。おまけに、なぜか空いていた。土日も関東圏の車はあったが、台風で出そびれたのか関西圏の車はほとんどない。不思議な現象だ。平日は全く貸し切り状態だった。

今回は御在所で4月に一緒にクライミングを楽しんだHさんと3人で2日まで楽しんだ。3日は夫のTと屋根岩3峰南稜レモンルートをつるべで登ってきた。

Hさんは、関東の人でかなり小川山には足を運んでいるようでルートにとても詳しい。それだけではない、廻り目平のクライマーはお知り合いだらけだ。

前置きはこれくらいにして、本題に入ろう。

7月31日(土) 曇小雨

廻り目平でテントを設営して、2時頃からリバーバンクエリアに向かう。ここはゲートにはいる前のミラーのところをゲートに向かって左に踏み後を辿り、堰堤から西股沢を渡渉したら左に見える岩である。

この日は小雨がぱらついていた。すでに3人1組のパーティーが取り付いていた。Hさんの初イレブンだったシートタイム5.11aに取り付くが、テンションが掛かる。秋の訪れ5.10aとプテラ5.9とチコリータ5.10dはフラッシングできた。ここの岩場は、どれもお買い得か???

8月1日(日) 快晴

朝から快晴。水晶スラブに向かう。「日本100岩場」に載っているここのツイスト5.10aとアバタもエクボ5.10cの間に、越境者5.10aというルートが新しく出来ているが、本には記載されていないとTが言う。事実は越境者と思われるルートは新しいボルトのような気もする。しかしHさんは数年前からこのボルトはあり、ツイストだと思って登っていたという。どちらかは定かではないが、一応越境者ということにしておく。FL狙いでトライしたが、核心で右に間違えてルートを取り落ちてしまう。後の松ノ木に当たる。もう一度トライしてRPした。

そして、その横のアバタもエクボという大坂の不動岩のルートと同名同グレードに取り付く。見た目にちょっと登れそうもないような細かいスラブだったのでTRで取り付くが核心で何回もテンションの末、何とか上までいけた。しかし、その後もう一度トライしたが、前に乗れていたところがつるつる滑って乗ることが出来ず諦めてしまった。Hさんが言うには12クライマーでも難しがっているルートだという。仕方がないなぁー。そのあとHさんがNPの練習に何度かTRで練習してRPで来たクラックのルートを、私もTRでカムを回収しながら登らせてもらった。ルート的にはそれほど難しくなかった。この無名クラックルートは5.9ぐらいか…。??

その後、以前Hさんがトライしてたという、水晶スラブの隣のひょっとこ岩の精神カンテ5.10aに、私も次ぎに登らせてもらいFLできた。このルートは核心がレイバックで足がないところを登らなくてはならず、少し恐い。

この日はこれでテン場に戻った。

8月2日 快晴

晴天。この日はHさんが最終日である。兄岩を目指すが、日が当たらず寒そうなので、上の方のおばさん岩に向かう。2階のおばさんは小林姉妹が開拓したルートが2本ある。最初はお姉さんの私がおばさんになっても5.9にとりつくがカンテ添いのいやらしいルートでズルリとテンションが掛かってしまった。もう一度登る気力もなく、隣の母子草5.10cに取り付く、これもけっこう難しくテンションが何度も掛かってしまう。もう少し落ちるのを恐がらずにのびのび登れば良かったと反省。あとでもう一度取り付くが、最後になっていたので疲れていたのか、最初の一歩からホールドが持てなくなってしまっていた。

由佳ちゃんの子どもをなめんなよ5.10abは「子どもをなめませんので、どうか登らせてください」と呪文を唱えて登ったせいか、FLできた。さんざんひどい目にあっていたところなのでとても嬉しかった。

次ぎにお買い得イレブンと言われている、レール・デュ・タン5.11aにTのオンサイトの後にTRで取り付いたが、最初がやっぱり遠く、取れてもかなり力がいる。足の置き場が安定すればもう少し楽にはなるとは思うが、今の私には辛いルートだ。

8月3日 曇にわか雨

朝から曇り空だ。朝食後まずはテント撤収に掛かる。この日は5月に来たときに登り損なっていた屋根岩3峰南陵レモンルートに登る予定だ。すぐに帰られるようにすっかり片づけて、ギアを入れ替え用意が出来て、出発するころは9時15分ぐらいになっていた。パノラマコースの林道の花やチョウチョを楽しみながら、取り敢えずセレクション方面を目指す。

林道の終点には、大きなボルダーがある。そこを右に折れる。左に入る登り道があるが、一本目からはソラマメスラブを経て行ける。今回はセレクションに寄ってから行ったので、2本目の登り道にはいった。道成に登っていくと、見覚えのあるセレクションがある。セレクションは、1998年に未熟な中高年4人で挑戦して1Pで敗退した。その後、2000年5月に夫と娘でリベンジを果たした。スラブやチムニーなどバラエティーに富んだルートで面白かった記憶がある。記念に、とりつきの写真を撮る。このとき9時50分。

Tが今年の5月にセレクションを登ったときに、レモンルートのとりつきを見てきたというので安心して後について歩いていたのが大失敗。とりつきが見つからない。Tはザックを置いて、捜してくると行ってしまいなかなか帰ってこない。しばらくして上の方から見つかったと言いながら降りてきた。

案内されていった岩は、今でも何という岩か名前がわからない。11時不信感を持ちながらも怪しいこの岩の簡単なところにルートを取り私が登る。フレークにフレンズと木でプロテクションを取り、進むと左からのスラブのフリールートと合流。そのルートのボルト添いにしか登れない。これが5.6であるはずがない。仕方がないので、終了まで行くことにした。けっこう難しい。終了にザイルを通してその先を見るとこの岩はそこで終わりである。何ということだ。しかし、ここからは見晴らしが良く、ずっと上の方に紛れもなく3峰が見えるではないか…。そのまま降りてきて、改めてとりつきに向かう。人任せは、やっぱりいけないとおおいに反省した。

11:45本当のとりつきから、私がリードで登り始める。ずいぶん遠回りをしたものだ。つるべでということなので1P目は私がリードである。5.6のフェイスということでかんたんだった。しかしボルト2個より上はランナウトする。岩でプロテクションを取る。上り詰めると太めの立木2本見える。2本目にピッチを切る。

2P目5.7はTがリード。ダイクトラバースで右にトラバースしスラブを直上する。私はフォローなのでか特に恐いという感じはない。

3Pは5.7のスラブのあと歩き。このスラブは全くプロテクションが無く緊張した。右の立木にプロテクションを取る。そのあとも木にシュリンゲが2カ所ほど巻き付けてありプロテクションを取る。肩で少し休憩して腹ごしらえをする。

次の4PはTがスラブから登るが、ライン取りを迷っているような声がブツブツ聞こえる。木でピッチを切っていた。

5P目をそのままつづいて私が行くがどこを登って良いのかわからない。大きな猫のような形をした岩の左をウロウロ!! 「登るとこあらへん!」という私の声に檄が飛ぶ。とても胴体は登れない。前足から登るが、こんなところで落ちたら恐いし、どうもルートではないようで、クライムダウンする。仕方なく後足と岩の付けのあたりの隙間に指を入れたらホールドになり引っかかり、スメアで登る。しかしこれはルート外れ。4P目のラインが左に寄っていたようだ。

頂上は広々としている。眺めがとてもいい。下の方に廻り目平の駐車場が見える。左には屋根岩2峰が下のほうに見える。気分がいい。曇空で少し小雨が降ったりしていたが、問題もなく登れて良かった。岳人に載っていたので、かなりの期待があったのだが、クライミングとしては、少し簡単だった。セレクションの方が軍配が上がるかなと思った。

少し物足りない気もしたが、お預けになっていたルートなので行けて良かった。懸垂で下降時間も入れて3時間弱のクライミングだった。

今回の小川山全般では、新しいエリアに行けて良かった。イレブン台は登れなかったが、テン台はけっこうフラッシング出来満足している。

次回は、イレブン台にも果敢に挑戦していきたいと思っている。小川山は、関西に比べたら辛口だと思いこんでいたが、今回で少しイメージが変わってきた。

晴天に恵まれ、涼しく楽しい小川山だった。

3日は誕生日。屋根岩3峰の頂上で、こんなこといつまで出来るんだろうとふと思った。

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