赤兎山 たんどう谷(沢登り)

メンバー CL山形、福澤
期日 2004年8月1日 日帰り
山域 加越国境 赤兎山 たんどう谷
山行形態 沢登り
地形図 昭文社エアリア「白山」 ・1/25000地形図「願教寺山」
文責 山形

行程

8月1日(日) 天気:晴時々曇り
京都0400=(敦賀〜福井有料道路使用)=0730鳩ヶ湯(545m)0800〜林道〜0840入渓(755m)0855〜0945登山道交差(975m)1000〜1020二股(1040m)〜1040(1130m)〜1110(1400m)〜1130(6m滝1480m)〜1210稜線1225〜1235赤兎山山頂(1628m)1245〜1345沢交差地点(975m)1355〜1440林道〜1500鳩ヶ湯(545m)=武生IC=京都

所感

台風10号の影響で日曜日日帰りもままならなくなった。
土曜日にどうしても抜けられない用事があるため、日曜日の日帰りしか行けない僕は
当初、飛び込み、滑り台を目的にしていたが、とりあえずこの天気で日帰り沢登りが可能な
所を探す事から始まった。
紀伊半島、鈴鹿は全滅。岐阜もだめだ。土曜日に福澤君が鈴鹿まで見に行ってくれたが、雨量が多く
とても沢に入れる状態ではないとのこと・・
北陸に地区を限定して探した。
白山の沢は当日朝発で日帰りができるようなあまっちょろい沢は一つもない。
であっちゃこっちゃ探しているうちに、赤兎山に突き抜ける手頃な沢があるのを発見。
早速その沢に絞り、情報を入手。
土曜日夕方の時点で雨はそれほどでもなく台風の影響は免れている。
水も澄んでいて濁ってはいないと、鳩ヶ湯の主人に教えてもらった。
かくしてこの沢に決定・・・・だが・・ここの沢いったいどんな沢なのか?
まったく見当もつかない。
等高線から見る限りは、赤兎山とて白山域の一つ。
石徹白と同じような感じなのか・・・隠された大滝があるのか、予測不可能だった。
遡行図は平成7年に登られたHP上の簡単なものしかない。
1/25000の地図を印刷し、とにかく行ってみるしか無い。ここに決定。
土曜日午後8時だった。
前夜発をする気力が残っていない。場所を決定するのに2人とも疲れてしまい、
とにかく今日は寝て、明日早朝に出発することに・・

8月1日午前4時、福澤くんが誘いにきてくれた。
土曜日のバタバタで準備が万端ではない。
案の定大原付近で忘れ物を発見。
ザイルを忘れてしまった。
普段自分の車で移動している僕は、車の中にザイルを忘れてきてしまった。
運良く福澤くんが自分の8*50を持ってきてくれていたので、安心。
やっぱり十分な準備ができなければ、何かミスをする。深く反省。

午前7時30分鳩ヶ湯に到着。
鳩ヶ湯の看板には午前10時〜午後2時まで外来入浴可、利用者以外駐車禁止とかいてある。
2時までに下山できる自身はなかったので道端に車をとめる。

準備を整え、8時出発。予定とおりだ。
しばらく急な林道を登る。僕たちが登ろうとしているたんどう谷は鳩ヶ湯のすぐ近くまで堰堤
が,びっちり張り巡らされている。
赤兎山登山口を右に見送り、林道が終わろうかという頃、入渓。
そこも堰堤工事のための発破をたかれた後のような人工的に崩されたガレガレの斜面を下って行く。
沢に立ち、登攀具で身を固める。大量のアブの襲撃に合う。
「いざ行かん!」まだ見ぬ沢の期待で胸を膨らませ、福澤くん先頭で突き進む。
初めはガレガレのところだったが、すぐに面白そうなところが出てくる。
水量は多めで、いきなり大岩の登攀や、水の流心を突破するところ・・。
「思たよりええやん!迫力アルで〜〜!」とか言いながら、次々とこなしていく。
僕の沢靴のフェルトがマッサラということもあり、まだかなり滑る。
悪そうな所は福澤くんにシュリンゲで確保してもらった。
ちょっと面白くなったところで登山道と合流した。
「え?もう?」・・・あまりにあっけなく登山道に出てしまったので、間違っているのでは
ないかと何度も地図を見直す。合っている・・・少し拍子抜けと言った感じだが、とにかく
先を行くしか無い。
でも,実は土曜日にこの沢のことを調べていると、かの山田てつおさんに少しだけ、この沢の
ことをメールで教えてもらった。
「登山道に出るまでが核心」この言葉が誠であれば、僕たちのお楽しみはもう終わって
しまっている。遊園地でアトラクションに乗れるのは初めの30分のみ。あとは何も
ない遊園地をただただ歩き回ってる・・・そんな気分だ!
いやいや、そんなことはない。まだまだ先は長い、どんな突拍子も無いアトラクション
が飛び入りで入って来るかわからないぞー、とか言いながらどんどん進む。
地図を読み、いくつか複雑に入りくむ谷を走るように通り、3時間も経とうとする頃、
僕たちの目標は変わっていた。もはや、これは遊園地ではない。
1000mの高度差を登ると言う沢登りの実践トレーニング、はたまた、赤兎山に沢登りで
登ったという無理矢理自己満足。この2つに自分の中の不完全燃焼のテンションは「言い訳だらけ」
のマトリックスでなんとか満たしてやるしかない・・・・むなしい。
飛び込みはどこだー!滑り台はどこだー!お客様に怒られそうな雰囲気に、この沢を選んだ僕
を福澤くんは、どうしてフォローしようかと言葉を詰まらせていた。
「でも、ええねん、山に来れたし!」「うん、よかったよかった」
そう言うしかなかった・・

というわけで、兼ねてから念願の赤兎山にも登れたし、1000m高度差の沢登りも日帰りで
できたし、満足、満足・・・♪
パワーの出口は下山に向かった。
転がるように走り降りた。満足満足・・・♪

午後3時、車へ戻ると、鳩ヶ湯の看板が変わっていた。
10時〜2時が10時〜5時!
「ウォ〜〜〜〜〜〜!」歓びの叫び!
帰り道、秦ちゃんに電話で武生の美味い寿司屋を紹介してもらった。
「うぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜、うめ〜〜〜〜!」

かくして、つぶれかけの遊園地山行は、温泉宴会ツアーと化したのである。

以上・・・いじょうだぞ〜〜!

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