京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
メンバー | CL河原・SL福澤・浅野・堀内・秦谷・西村・竹村み |
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期日 | 2005年8月11日夜〜8月15日 |
山域 | 北アルプス 金木戸川・黒部川 |
ルート | 九郎衛門谷〜黒部五郎小舎〜赤木沢 |
山行形態 | 沢登り |
文責 | 西村 |
9時半に京都駅に集合。ただでさえこの時間 に着くのは大変なのだが今日は携帯を落とすな どのトラブルに見舞われたため焦りまくっての 到着だった。野洲で堀内さんを拾う。結構寝て る間に(今回も運転無しですいません)高山に 着く。コンビニで酒を購入する。河原さ んは釣りえさを買っていた。山の中を進み、 3時半頃ゲートに着く。ゲート前の駐車スペース には車がぎっしり10台以上。なぜこんなところ にとびっくりする。やむなく発電所まで戻り仮 眠する。
河原、秦谷さんに車の廻送に行ってもらう。 残りのメンバーは準備を済ませて5時半頃に出 発する。今日はいい天気のようだ。どんな山行 になるのだろうかわくわくする。ここからは長 い林道歩き4時間以上とかでげんなりする。朝 の涼しい空気の中、眼下にエメラルド色の水、 真っ白な岩を望みつつ進む。今日はあの水の中 を進むのだ。だがいかんせん眠い。半分寝なが らすすむ。竹村さんは休憩のたびに熟睡してい た。たっぷり休憩しながら進んだせいで(河原 さんが林道で車を飛ばしていたのが大きかった ようだが)早々と河原さんたちに追いつかれる。 日が高く上がって随分暑くなってから林道の終 点に着く。ここから登山道。森林鉄道の軌道あ とらしいが、歳月と共に岩に埋まり、木の根が 張り出し、荒れ果て崩れまくっている。余りに 激しく崩れた個所ではロープを出さないと行け ないほどであった。入渓点に着く。横倒しになっ た吊り橋が目印。いよいよ沢登の始まりである。 北アルプスの昼の日差しにキラキラ光る澄んだ 水。深い緑の淵。この美しい風景の中に飛び込む。 水は冷たいがしびれるほどでもなく心地よい。 上流だというのに川原が広い。川を覆う木も無 く明るい沢である。両側には巨石がごろごろし ている。浅いところは徒渉し、時に腹まで水に 浸かることもあったが、岩を乗り越えたり、時 にへつったりといろいろな場面が出てきて楽し い。時に巨石にいくてをはばまれる。その度に ザックを先に上げてもらったり、人の肩を台に しながら越えていく。どちらも初めての経験で ある。人の肩を台にするのは慣れていないせい か何ともやりにくい。2〜3m であっても手が かりが無ければ登れないということを知る。ま た足の使い方が悪いのか巨石の登りで十分に足 にフリクションをかけられないところがあった。 そうこうしているうちに先行パーティーに追い つかれそうになる。テン場確保のために先発隊 を出し、あとはゆっくりと進む。水量が少ない ことのせいもあったのか予定よりも先に進んだ 広河原にて泊まることになる。だが着いたのは 5時前でなかなか長時間行動であった。この場 所に今日泊まるのは三パーティーあるらしい。 初めての沢の泊りである。薪を集めて火を焚く。 火を焚けるのは沢ならではのことでなかなか楽 しい。火を囲みながみんなで夕食を食べ、各自 の担いできた酒(福沢さんはワイン、浅野さん はウイスキー、河原さんは焼酎、私は日本酒と 計ったかのように分担もばっちりだった。)も登 場して宴会になる。私はなんだか疲れていたの か直に火の側でうつらうつらしてしまう。そう 言えばツエルトで寝るのは今回が初めてであっ た。夜、両岸の間に見えた空は満天の星空だった。
夜が明ける、快眠だった。ゆっくり準備をして、 6時ごろ出発する。ソックス、スパッツが冷たく、 朝の水は冷たくて何とかはまらないようにとあ がく。今日も快晴であり、快調に遡行していく。 しばらくして雪渓が現れる。道理で水が冷たい わけだ。雪渓の横を通り次に雪渓の下をくぐる。 雪渓の下は薄暗い大きなドームのような空間に なっており、なかはひんやりとして天井から水 が滴っている。今日も川幅が広いが昨日とは 違って両側が切り立った崖の中を川は流れてい る。深い山の中の感じである。双六谷と出合辺 りを過ぎると水量も減り川幅もぐんと狭くな り、いよいよ上流にきたなという感じになる。 蓮華沢との出合いを通っていよいよ九郎衛門谷 へ入る。少し登って大滝の前で記念撮影をする。 ここからは滝の左手を巻いていくことになり、 河原、福沢さんがルート工作にかかる。しばら くしてザイルが降りてくる。ザイル連結の指示 が会ったらしいが分からない。結局秦谷さんが ザイルを持って登る。それからまたしばらくし て浅野さんが登る。しばらく上の方で何をして いるのか分からない。だいぶ後になって2人は プルージック、竹村さんは確保して登る事にな る。上がってみると下から見上げたのとは違っ て足元もかなり悪い。草をつかみながら慎重に 登りつく。滝を登るのに1時間半くらいかかっ た。笹薮を降りて本流に戻ると後続のパーティー がもう既にいた。右岸の方から上がれたようだ。 ここからは水量も少ない小川の小さい滝の連続 で順調に高度を稼ぐ。晴れた空の下、沢の水が 気持ちよい。登るに連れて双六岳や弓折岳が見 えてきてなかなかいい感じだ。次第に傾斜が緩 くなり、草地を抜けるとそこは黒部五郎のテン ト場であった。午後になっても雲が出ず眺めが 良い。早めにテント場に着いたのでゆっくりと 過ごす。いそいそとみな小屋へビールを買いに 走り、食事前から早々とビールで乾杯。いくさ んもここら辺りに来ているのではないかとみん なで噂していると本当にいてびっくりする。
朝から曇り、弓折岳にレンズ曇がかかってい て急速な天候の悪化を告げていた。曇り空の下、 出発する。人目をはばかりつつ、ロープを越え て五郎沢を下降する。初めは小さな小川だった ものが次第に太くなっていく。下りを着々と降っ て黒部川との出合いに着く。今までとは打って 変わってほとんど平坦な広い川原が広がってい る。ここで河原さん、福沢さんは釣りモードに 入り、他の者は先に行ってたき火を炊いて待っ ていることになった。気楽に川の右岸を行った り左岸を行ったりしながら進む。適当な場所で たき火の準備にかかる。かなりの量の薪を集め、 火をつける。火をたいて待つがなかなか二人は 来ない。小ぶりだった雨が本降りになってきた。 薪も尽きて来た。ついに2人が現れた。あまり、 釣れたような感じに見えないが。釣果はいかに? あまごが一匹が今日の釣果だった。たき火で焼 いてみんなで分けて食べる。自分で釣ったので はないけれど、沢で釣った魚を食べること(い わば自給自足状態?)に憧れていたので「これ こそ沢だ。」と思い嬉しかった。雨が降って きたことによってなかなかつらい状態になっ たが前に進む。するとしばらくして幅の広い 滝に出る。やや深い淵もある。きれいなとこ ろだなと思うとここが赤木沢との出合いだと いう。左を見ると横から川が流れ込んでい る。ここで記念撮影をする。それからいよい よ赤木沢へと入ることになる。本当は直前ま でウマ沢に行くか、赤木沢に行くのか決まら ずにいたのだが、天候の回復の見込みが無い ので最短距離である赤木沢を行くことになっ た。皆が皆行きたがるような赤木沢ってどん なところなんだろうと気になって仕方が無 かったので、先週行ったばかりの堀内さんに は悪いけれど私は赤木沢に決まってラッキー だと思った。沢の出合いのところの両岸はがっ ちりとした岩でまるで門のように思えていよ いよこれからどんな沢になるのかと期待が高 まる。まずは赤い岩を敷き詰めたようなきれ いで広いナメが続く。空に開けた明るい沢を 登れるくらいの低い滝とナメが繰り返しで、な かなか楽しい。全くきれいな岩の造形がいつま でも続く。上から下が見下ろせる。背後からに はガスの間から山が見える。高巻が少し有って、 ついに30メートルの大滝に突き当たる。大きい。 立ち止まるとさすがに雨が身に染みてつらい。 滝壷を見に行ったりする。滝をたかまいて越え る。まもなく右側の沢へ入る。ぐんと水量も減っ てくる。進んでいるうちに一時的に晴れてくる。 光が溢れると水の色が、石の色が今までの陰鬱 な感じから一瞬にして変化する。すごく不思議 な感じがした。岩場から小川のような雰囲気に なる。そして、それは天上のお花畑の中へと続 く。(但しトリカブトの花が多い。)お花畑の小 川をさかのぼると遂に流れの湧き出していると ころへとたどり着いた。花畑の中、遠くの山々 はガスではっきりとは見えないが美しいところ だ。源泉の水は非常に美味で思わずたくさん汲 んでしまう。ここで関西岩峰会のパーティーと 出会う。これも近くにいるからひょっとしたら 会えるかもと噂していたら案の定だったので山 の世界は狭いものだと思う。笹薮を越えて稜線 へでる。ガスでさほど展望はないが、今回の沢 がこれで終わったという満足感ともう終わって しまったのかという感じが半々だった。北の俣 岳を経て避難小屋へと向かう。ここは積雪期に 来たことがあるのだが、シリセード(というの は正しい言い方なのか?)で下った斜面はなか なか長く、積雪期とは全く違った顔を見せてい た。再び降り出した雨の中避難小屋にたどり着 く。思えば雪稜の人と初めて接触があったのは この小屋だったなーと感慨深く思う。しかし、 小屋には先客が3人。7人が泊まれるのか?中 の人にも協力していただいてなんとか7人が場 所を確保する。ゆったりとは行かないがゆっく り最後の一晩を過ごす。そとは嵐の様相だった。 小屋で寝る幸せを実感する。
今日は帰る日、朝から雨。なのに展望が素晴 らしい。はるか白山を望め、能登半島がはっき りと見える。黒部五郎も見える。ぬかるみの多 い道をそそくさと、やや早めに進む。天候は次 第に回復し、9時ごろに飛越トンネルにたどり 着く。なかなか充実した山行だったなーと思う。 双六で秦谷車を回収する。温泉&食事は、秦谷 さんお勧めの流葉温泉と古川の国八。どちらも 満足いくいいところでよかったです。豆腐ステー キとホルモンはビールがすすみました。渋滞に 巻き込まれながらも9時に京都駅に着く。 楽しい山行でした。みなさん有り難うござい ました。それと同時にこれで一応私も沢やの仲 間入りだなーと感じ、お楽しみはこれからだ とわくわく感が出てきました。