京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
メンバー | CL秦谷・西村 |
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期日 | 2005年1月21日夜〜2005年1月22日 |
山域 | 奥美濃 御前岳 |
山行形態 | 山スキー |
文責 | 秦谷 |
この週末は、事情が重なり予定していた山行が流れることになった。
日帰りでも近くてもかまわない。どこかで冬山の感覚を研いでおけないものだろうか。
せっかくならスキーで深雪の感触を味わっておきたい。静かで入山のアプローチが易しそうなところを思案していると、奥美濃の最奥にある白川郷付近の「御前岳」が目に止まった。
白川村平瀬白弓スキー場から取り付くことのできる、庄川を挟んで白山の対岸にあるエリアである。入山口がスキー場で迷う心配もなく、時間切れで退却するときも元来た道を引き返すだけなので実力と雪の状態に応じてルートに取り組める。ここなら、たとえ中途で引き返すとしてもそこそこの満足を味わえるだろう。1月21日に日付が変わったあと、同行してくれることとなった西村君に連絡を入れる。
あとは、忘れ物と寝不足のないよう備えるだけだ。
> 22:00 京都駅出発
> 22:30 京都東IC
滋賀県に入ると路肩には除雪の跡が。作業車が前に支えているのだろうか、八日市から米原までいきなり15kmの渋滞。冬は高速道路でも時間が読めないなぁ…
東海北陸道の高鷲を過ぎると路面まで雪で白くなってきた。そういえば、1月20日は「大寒」だった。
> 5:00 起床
気温は氷点下5度。蒸気で曇ったガラスを乾かして出発。
> 5:30 出発
御母衣ダム周辺の路面は完全に凍っている。
> 6:30 白弓スキー場センターハウス前
この時期、日の出が7時前とあって、到着したときはまだ真っ暗だった。
奥美濃のさらに奥にあるマイナーなスキー場とあって、土曜日朝でも停まっている車は1台のみ。車内で着替えを行い、準備を終えるころにはようやく空も明るみ始めた。
> 7:00 出発
圧雪車が8時30分のオープンを前にゲレンデを馴らしている最中だった。隅をありがたく登らせていただく。
> 9:00 ゲレンデ終点
快適なゲレンデの登高はすぐに終わる。上下2本あるリフトのうち上部は営業を休止しておりここからはラッセル。スキーを履いても膝〜膝上まで潜る。やはりこの数日かなりの降雪があったようである。適当にジグを切り交代しながら進む。少なくともこれが稜線まで続くのかと考えると苦笑いするほかない。途中落とし穴にはまりスキーを外して姿勢を立て直そうとすると胸まで沈んでしまった。スキーがなければ入山さえままならないようだ。
リフト1本分のラッセルに1時間強を費やす。スキー場を抜け出すのにちょうど2時間かけたことになる。
さてここからは稜線を目指す。谷筋をとるか尾根筋か選択。一度冬型が緩んだあと大量の新雪があったあとなので谷筋に長く滞在するのは心臓によろしくないと考え尾根筋に進むが、藪がうるさく思うように進まない。さてどうしたものか。
> 9:40 尾根上1015m
ピッチも切らず2時間近くラッセルに没頭していたことに気づき休憩。すると下から山スキーヤーの3名パーティが登ってこられる。富山の方で、9時前にスキー場を出発して僕たちのトレースをたどってこられたとのこと。ここから先頭を交代していただく。
3名パーティの動きを見ていて気づいたことを記してみる。
僕たちは少しでも速く高度を稼ぎたいとはやるあまり、多少斜度のきつい斜面であっても直登しようとする。しかし新雪の場合、斜度がきついとシールが滑ることが多く体制を整えるために少しずつ余分な体力を消耗していくし、スキーの取り回しも楽ではない。彼らは、一見ルートから外れているのではないか?と思うほど幅の広いトラバースをしながらゆるやかだが確実に高度を稼いでいく。これだと、歩く距離は長いかも知れないが疲れないし姿勢に無理がない。リーダーと覚しき方は御前岳は4回目とのこと。コースの取り方や帰りの華麗な滑りからかなりの熟練者と見受けられた。
尾根筋は藪がうるさく、谷筋に出て高度を稼ぐ。谷は木もまばらな斜面。それほど切り立っている様子はないので斜面を派手に壊さずに慎重に行けば大丈夫か。帰りが楽しみだ。
> 12:30 稜線(1350)
谷筋から稜線に出るところは雪庇を乗り越す。稜線には雪の風紋が。ここからは雪面がクラストしてラッセルも楽だろうと想定していたが、それでも膝下まで潜るほどだった。
> 13:50 1424ピーク到達
13時を引き返す予定としていたが、天候もよくルートも明瞭なため、せめてもの区切りとしてスキー場の東南東の無名ピーク(1424)まで行くことにする。ピークで行動食を広げて大休止。突き抜けるような軽快な冬色の空のもと、天高く枝を広げた樹林に囲まれていると、森の祝福を浴びている心地よさが身体中に広がってきた。こんなに天気がいいとわかっているのだったら、1泊装備を担いで来るんだったな。西村君共々大いに頷く。
ピークからは御前岳につながる稜線が続く。もう少し雪が浅ければ向こうまで行けるのだろうか。また、再訪しなければならない山ができてしまったようだ。
3名パーティも、ここで引き返す模様。山スキーメーリングリストの話題で思いの外盛り上がる。御母衣ダム周辺に散在する味わい深いピークもいくつか教えていただけた。
> 14:30 1424ピーク出発
さてここからは下るのみ。絨毯のようなふんわりした感覚とさらさらの雪。これがパウダーというやつだ。稜線から谷筋に飛び込む部分で雪庇をトラバースする場所があり、やや緊張。ここからはゲレンデを目指して深雪と戯れるのみ。止まると下半身が埋もれてしまう。兼用靴で滑るようになって転ける頻度が減ったのはよいとして、次の段階に進むにはまだゲレンデで練習を重ねなければならないようだ。
> 15:20 センターハウス前
結局、1424ピークから車(640m)まで1時間もかからなかった。
東海北陸道・国道156号経由だとスキー帰りの車で渋滞が予想されたため、ドライブを兼ねて清見〜古川〜高山〜41号〜21号〜8号〜1号経由で京都へ。高山では昨年発見したお気に入りの大衆食堂「国八」で豆腐焼きステーキ定食とホルモン焼に舌鼓を打つ。途中米原付近で力尽きて90分の仮眠。
> 27:30 京都
少し遅くはなったが、これから通えそうなエリアを見つけられたことに満足した。
思いついたような山行(それもマニアック)に二つ返事でつきあってくれた西村君に感謝。