京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
メンバー | 秦谷 |
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期日 | 2005年3月6日 |
山域 | 経ヶ岳前衛・杓子岳 |
ルート | 六呂師高原スキー場〜保月山南部ルンゼ〜杓子岳 を往復 |
山行形態 | 山スキー |
ルンゼの登下降と尾根筋の読図の訓練も兼ねて、この日は経ヶ岳に向かうことにした。
> 5:55 起床
> 7:35 ゲレンデ最上部 (780m)
ここから林道の交差までは緩やかな尾根。
少しヤブ気味だが、稜線から少しずれてトラバースしていけば案外快適だった。
できたばかりと覚しきツボ足のトレースを認める。先に入った人がいるようだ。
> 8:15 林道交差 (880m)
ツボ足は夏道ルートの稜線に消えていた。切れ落ちた雪稜もあるという稜線はスキー向きではないためいったん下って東北東方面にある保月山直下のルンゼを目指す。見るからに急峻、あんな斜面をスキーで登れるのだろうか。
> 8:35 谷の交差点 (880m)
ここから杓子岳(1440m)まで、500mあまり谷を突き上げる。
谷のはじめは狭く、両岸からデブリが出はじめている。昨日の野伏で雪崩をリアルに見てしまったこともあり、正直いい気持ちはしない。
しばらく我慢して進むと大きく広がる沢状の様相に。加越エリアにもこんな景観を見せる場所があったのか。
ゆったりとジグを切りながら徐々に高度を稼いでいく。このエリアは金曜日に降雪があったらしく、靴下15cm程度のラッセルが続く。
右岸には発達した氷のつららを認める。まだ冬が終わっていないことを感じられて嬉しい。
> 11:30-12:15 杓子岳 (1440m)
稜線に出る直前で傾斜が急になりスキーを手に持ってツボ足で乗り上げる。またしても膝上ラッセル、苦笑いしながら一歩ずつ歩くのみ。
ようやく杓子岳と呼ばれる経ヶ岳前衛のピークに到達する。やや向こうに双耳峰のような雄々しい経ヶ岳が目の前に飛び込んでくる。
経ヶ岳まで足を伸ばしたがったが、ルンゼの登高に3時間近くかけてしまった。この雪の状態で往復すると体力を使い果たしてしまいそうな予感がしたため、潔くここで行動を切り上げることにする。
先行していたツボ足の登山者とは山頂でお会いすることができた。晴天で条件はよいのだが深雪に手を焼いたため今日はここで引き返すとのこと。
下る準備をしていたところ、ルンゼから登られてきた山スキーヤーとすれ違う。
言葉を二三交わしたところ、昨年1月銀杏峯で偶然お会いした、山スキーメーリングリストのメンバーであることがわかった。うれしさのあまり、お会いするのはまだ2回目なのに堰を切ったように話し込んでしまった。
> 12:45 林道交差 (880m)
出だしは斜滑降で慎重に下る。
雪は少し重めだがなんとかスキーは動かせる。登りに使ったルート沿いに下っていけば不安はない。
写真を撮りながら振り返っていると、先ほどお会いした方が直滑降で一瞬で下っていく。短い板だと、ターンを切らなくても体重のかけ具合だけでスピードをコントロールできるとのことだった。
さてデブリの出た下部を滑るのが嫌らしいと思っていたが、残されたシュプールを見ていて南方の尾根に逃げれば危険地帯をパスできることがわかった。
ありがたいヒントをいただいた。1050m付近で尾根に乗り換え無事林道交差に出る。
> 13:15 夏道交差の南東部 (890m)
スキー場のゲレンデトップにつながる尾根歩きはパスし、奥越青少年自然の家につながるルートを先ほどの方とご一緒させていただく。
木が密に茂った急斜面を何の躊躇もなく滑り降りていかれる。藪の中でもスキーを自在にコントロールできる人こそ達人の域に達しているといえるのだろう。
僕は必死で枝につかまりながら一歩一歩下っていく。これまで体験することのなかった密林のスキーに音を上げそうになる。これが山スキーならぬ藪スキーというやつなのか。
> 14:00 奥越青少年自然の家 (600m)
砂防ダムに出ればほどなく自然の家に到着。ここからなら六呂師高原スキー場よりも100m近く高度を稼げる。次回はここに車を置くことにしよう。
奥越も、石徹白に劣らぬ奥深さを秘めたエリアであることがわかった。