白山(山スキー)

メンバー ハタヤ
期日 2005年5月13日夜〜5月14日
地域・山域 石川県 白山
ルート 別当出合〜砂防新道〜室堂〜御前峰 を往復
山行形態 山スキー
文責 ハタヤ

コースタイム

2005年5月13日(金)

 14:00 京都(京都南〜長浜 有料道路)
 20:30 別当出合

2005年5月14日(土)

 1:15 別当出合
 3:40 甚之助ヒュッテ
 4:15 黒ボコ岩
 4:45-4:55 室堂
 5:25-5:45 御前峰
 6:00 2500m地点から滑降開始
 6:20 黒ボコ岩
 6:40-6:50 甚之助ヒュッテ
 8:25 別当出合

報告と感想

出発まで

 加越国境や石徹白の稜線から見る冬の白山はいつ見ても人を寄せ付けない神々しさに満ちていた。雪解けの進んできたGW以降なら自分でも近づくことができるだろうか。
 14日の午後から予定が入っていることを考えると9時には下山しておきたい。所要時間を逆算すると出発は1時。期せずしてヘドラン山行を決行することとなった。

5月13日(金)

 振替休日をいただけたこの日に登っておきたかったのだが、前日の帰宅が遅くなり午後からの出発とする。
 福井のカレーバイキング店(@840円、6種類のカレー+ナン+サラダ食べ放題)で空腹を満たし気合を入れていざ白峰へ。
 今回も林道のアプローチを想定して懲りずにママチャリを連れてきたのだが、市ノ瀬のゲートはあっさり開いていた。「今回は時間制限あるし」。ストイックになりきれない自分に後ろめたさを感じつつありがたくゲートを通過、6km先の別当出合へ。先客は数台。聞けば5月13日がゲートが開いた初日とのこと、ここは幸運を素直に喜ぼう。

5月14日(土) 天候:快晴

 満天の星が夜空を照らさんばかりだ。時計を見やると0時50分、少し寝坊した。ヘッドランプを点けて1時15分出発。せっかくなので自転車は駐車場から別当出合のビジターセンターまで引き上げておく。
 吊り橋を通って砂防新道へ進む。中飯場までは完全に雪解けが終わっており登山路を難なくトレースする。残雪が出始めるのは標高1500mを過ぎたあたりから。夏道が雪で覆い隠され始めるとルート判断で時間を空費し始める。方位は北東〜東北東で正しいのだが直進すると藪に突っ込んでしまいもときた道を引き返す動作を三度以上は繰り返しただろうか。だだっ広い場所でトレースがなければなおのこと悩ましかった。
 雪面はガリガリ・ボコボコでスキーではかえって難儀しそう。標高1800mからアイゼンを着ける。甚之助ヒュッテ(1970m)からは斜面を直登。黒ボコ岩(2320m)で一旦雪が途切れ、室堂(2400m)まではまだ雪に覆われた平原を進む。GWを過ぎてもアイゼンが雪に硬く刺さる感触を味わえるのはある意味では贅沢である。4時前になると空が白み始める。南東の鋭いシルエットは別山だろうか。静寂の雪原で朝焼けの儀式に立ち会う。荘厳な光景に身を引き締める。
 室堂で一息。唯一施錠されていなかったトイレで風をしのぐ。ここで初めてオーバーグローブと帽子を身につける。雪質はいよいよ氷状に硬くなり、結局山頂(御前峰・2702m)までスキーを担いだまま歩いた。
 なんとか山スキーシーズンの終わる前に白山の山頂を踏むことができた。今シーズン何度となく通ってきた石徹白・加越の山々が愛おしい。ささやかながらわき上がってくる安堵と満足を大切にしたかった。そしてこの区切りを新たな始まりにしたいとも思った。
 展望を楽しんだあと下り始める。北西方向に少しずれれば滑れそうだったが来た道を忠実に下って標高2500mからようやくスキーを着ける。時刻はまだ6時、一番冷える時間帯である。雪面はカリカリのアイスバーンでお世辞にも快適とは言えない。黒ボコ岩からの下りは滑るというよりもエッジを効かせてガリガリ下るという表現が正しかった。調子に乗って北側の谷に寄りすぎてしまい一度登り返す。スキーで滑れたのは甚之助ヒュッテのやや下部の1850m地点まで。以降アイゼンで下る。途中大勢の登山者・山スキーヤとすれ違う。駐車場には40台強の車が止まっていた。白山もシーズンが始まったようだ。
 ビジターセンターからは颯爽と自転車で下り、駐車場には出発から7時間強過ぎた8:25に到着。
 なんとかリミットを守れてひと安心。足早に着替えを済ませて帰路に就いた。

御前峰から室堂・別山

御前峰から室堂・別山

御前峰から北方を望む

御前峰から北方を望む

黒ボコ岩から甚之助ヒュッテへの下り。カリカリだった

黒ボコ岩から甚之助ヒュッテへの下り。カリカリだった

甚之助ヒュッテ

甚之助ヒュッテ

砂防新道吊り橋の前で

砂防新道吊り橋の前で

残雪わずかな赤兎山

残雪わずかな赤兎山


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