京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
メンバー | M田(L)、T嶋あ(SL)、Y浅、Y原、T代、Y形、Y名、E本 |
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期日 | 2005年5月22日(日) |
地域・山域 | 京都府 北山 |
目的 | 石楠花群落と巨大台杉をたずねて自然の深さに触れる |
ルート | 広河原〜衣懸坂〜鍋谷山〜井ノ口山〜広河原 |
山行形態 | 無雪期ハイキング |
地形図 | 花背、久多、中、上弓削(1/25000) |
パラパラと小雨が降っていたが、とりあえず、登山口まで行ってみようということになり、8時過ぎに出町柳を出発。10時ごろに広河原に着く。雨は相変わらずの降ったり止んだりであったが、皆、それぞれに黙々と雨具を着こんで準備する。「さあ、そろそろ出発!」と思っているところで、M田さんから一言。「ところで、今日は、この雨の中行くんですかいな?」その日一番のギャグであった。
10時半ごろ、谷筋につけられた林道を歩き出す。次第に谷は狭まっていき、小さい沢を石づたいに行ったり来たりしながら、奥へ奥へと進んでいく。雨に濡れた草の光沢は美しく、小雨の中のハイキングも、なかなか乙なものである。現在地を確認するために、左から入ってくる谷が、地図上のどの谷なのかをあてようとしたが、なかなか難しかった。林道を抜けた時点から、何番目の谷なのかを数えておくべきだったと反省した。11時半ごろ、衣懸坂へ突き上げる谷の末端に到着。のんびりと休憩する。「あ〜、山はいいなあ。」とゆっくり呼吸していると、周りから悲鳴が聞こえてくる。「何事かいな?」と思っていると、なんとヒルの出現であった。確か、4人が足首を吸われていた。私は、スパッツをつけていたので、安心していたが、Y形さんによると、スパッツをしていても関係ないとのこと。恐るべきヒルの生命力。幸いなことに、今回、私は無事であったが、同じくスパッツをつけていたE本さんは、背中を吸われていた。なんと不運な週末。
滑りやすい石を踏みしめて谷を抜け、わずかに橙色に色づいた馬酔木を眺めながら、山腹を辿っていく。12時過ぎには衣懸坂に到着した。ちょうど十字路になっており、標識もある。私たちは、「悪路」と記された南へ延びる鍋谷山への道を歩き出す。自然林に囲まれた尾根を上ったり下りたりしながら進んでいく。靄に囲まれており、なんとも幻想的な雰囲気であった。もっとも、そう感じられるのも、パーティーで来ているからであり、もし1人でこの空間に立ったならば、木と雨に濡れた土と視界を閉ざす靄のエネルギー(?)に圧倒されてしまうだろうと思った。途中、石楠花の花に出会った。少し盛りを過ぎてはいたが、透き通るような淡い色の花びらは本当に美しい。藪漕ぎをするときに苦しめられる枝からも、分厚くて大きい葉からも、想像できない姿である。また、道標の赤布とは思えない蛍光ピンクの布が、一帯の木の幹全てに巻かれているところがあり、不思議な景色であった。杉ならまだ分かるが、細いリョウブなどの幹に巻かれていたので、靄の中で見ると、「なんかの儀式?」と非現実的な想像をしてしまった。
一度林道を横切り、再び、急な斜面を這い上がって尾根に出る。あとは、ひたすら鍋谷山への道を歩く。所々の小ピークで、「H内さんならどう表現するのかなあ?」と思いながら、地形と地図を照らし合わせてみた。鍋谷山についたのは、2時を過ぎていたように思うが、もう少しなので、台杉の群落がある井ノ口山まで進むことになった。井ノ口山は、測量のために三角点が置かれた山とのことで、ピークらしくないピークであった。何と言っても、ダラダラと斜面を下りている最中の道の脇に三角点があるのだから、初めて来た人など、通り過ぎてしまうだろう。せっかくなので、恒例の「ヤッホー!」は抜かりなく執り行ったが、どうも妙な気分であった。そこからさらに少し下ったところに、待ち望んでいた台杉が群落していた。「なんて大きい!」と口に出すのも野暮なぐらい巨大な杉が鎮座していた。こんなところが、京都にあったとは驚きであった。M田さんによると、樹齢は2000年以上であるとのこと。ただただ頭を下げるのみ。気が遠くなるほど長い年月を、姿を変えながら、この地で生きてきた生命を前にすると、なぜか、背筋を伸ばし手を合わせたくなる。その生命と出会えたことに感謝したくなるのである。であるから、樹木保護のために、柵が設けられていることは、とても残念であった。うまく表現できないが、これほど長く生きてきたのに、保護されなければならない状態になっているということが残念であった。台杉を眺めながら、ツェルトの下で、松田さんの庭で採れたカモミールティーを頂く。これまでハーブティーには縁がなかったが、とてもおいしかった。そのあと、2つ手前の小ピークまで戻って、急な尾根を下り、林道をひたすら歩いて、5時半頃、車を止めた場所に戻った。しっとりとしたいい山行であった。
以前は、少なくとも毎年1回は台杉群を訪れていましたが、今回は3年ぶりぐらいでした。石楠花の群落も見たかったので、遠道になるけれど広河原から入りましたが、期待に違わず咲き遅れの石楠花を少し見ることができました。当日はあいにくと小雨でしたが、それよりも尾根道がかなり荒れているのと、本来の目的を見失ったまま工事が進められた結果、林道がさらに延びていたので心が痛みました。山全体が昨年の台風でかなりの打撃を受けているようでした。しかし、台杉群は以前と少しも変わらず霧の中で堂々と屹立していました。ただ、一部、保護のための柵類が増えているのが、致し方ないとはいえやはり無粋でした。今度は、あのお婆ちゃん(以前行った人は知っている)がいる片波から行きたいと思います。そして今度こそお婆ちゃんの昔話を録音しようと思います。みなさん、また、秋に台杉に会いに行きませんか?
休会明けの山行は、いろいろと反省点があった。休みボケで道具の不備が重なった。靴底は剥がれ、磁石を見ようと時計を見ると、電池切れ。靴のせいで帰りは、皆に林道歩きを余儀なくさせてしまった。靴底を固定するのに、ガムテープは持っていたが細引きは持ってなかったのでツェルトについてる細引きを借りました。剥がれた靴底の固定は細引きが有効であると分かった。
台杉は、やはり大きかった。何年も変わらず雄々しく静かにそこに立っているのに、今は柵とロープで囲われて、数年前訪れたときとは、周りの様子が変わっていた。蛭がうようよしていたのは、雨のせいか?前回は蛭に吸われた記憶がない。
当日はあいにくの空模様でしたが、ハイキングの目的だった台杉も無事に見ることができ、よかったと思います。写真で、人と台杉の大きさを並べてみてみると、本当に大きかったんだなあとしみじみ思います。その日は、T嶋さんの靴が経年劣化ではがれる、というアクシデントがありました。メーカーのパンフレット等に、ソールの経年劣化に関する注意が大きく書かれていることがありますが、パンフレットに掲載されているような「(経年劣化により)ソールのはがれた靴」の写真というのは、多少オーバーに表現されているんだろうと思っていたのですが、T嶋さんの靴が、まさに写真のとおりになっていました。靴のお手入れ、保管方法や、アクシデントが起こった時の対処方法について考えるいい機会になりました。
雪稜に見学にきて2回目の山行で、あいにくの雨でしたが、井ノ口山で見た北山台杉はすごく印象に残りました。一部柵があったので近寄れなかったのが残念でしたが、実に見応えがあり楽しい山行でした。メンバーの皆さんいろいろとありがとうございました。まだまだ経験が浅いですが、これを機会に、山行に参加していきステップアップしていきたいです。
はじめて雪稜の山行に参加いたしました。天気こそ悪かったけれども楽しませて頂きました。地図には立ち入り禁止と書かれているこの山域については、以前から不思議に思っていました。禁止せなあかんほど、大事なものでもあるんかな、でもその割にはそんな話聞いたことないなあ、と。
もやに浮かぶ台杉群は幻想的だった。到着したときは目の前の台杉しか見えなかったが、ハーブティーを頂いている間に次第に視界が広がり、気づいたときにはそこら中にぼこぼこあった。昔屋久島で縄文杉とかを見たことがあるが、それと比べてもそう遜色はないだろう。なのに一部の人にしか知られていないのは不思議だ。もっとも、だから余計に価値があるのだろう。まあ近くを林道が通っているのは残念だけど。あ、それとヒルが…。
ちゃちゃっと登って杉を見て3時ごろ下山、と勝手に思っていたが、実際は下山5時半、となかなか手ごわかった。巨大台杉はガスった中に立っており、まるでもののけ姫の世界だった。「台杉のできるまで」や草と木の違いをM田さんにレクチャーしてもらい、かしこくなった気がした。今年初ヒルが出没しみんな吸われていた。私は刺されてへんわー、とのんきにかまえていたら、ザックをおろした背中は血の海!昨日はダニ、今日はヒル、と虫に好かれた週末だった。