京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
メンバー | CLツクイ(ミ)、SLツクイ(イ)、ヒカサ (別パーティで6月18日のみ) スズキ・タカハシ |
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期日 | 2005年6月18日(土)〜6月19日(日) |
地域・山域 | 三重県 鈴鹿山系 御在所岳 | 山行形態 | 無雪期アルパインクライミング |
ルート | 18日:中尾根、19日:一の壁 |
御在所中尾根は、わたしにとったら4回目。
1回目は、2000年10月。クライミングを始めて間もない頃で、もちろんセカンド。おまけに天候と時間切れのせいで、2ピッチで敗退。ツルムのコルに懸垂をして終了。とても寒かったのを覚えている。そのせいか、御在所中尾根は難しいというイメージがわたしの中に植え付けられてしまった。
2回目は2001年8月。いくさんがオールリードしてみたいということで向かう。父と三人でのファミリークライミング。前回の印象もあり、わたしはリードなんてまだまだ先という意識で、お客さん気分。4ピッチ目の核心オニギリも必死で登ったような記憶が残っている。
3回目は2002年の4月。亡き大塚さんといくさんと3人で登った。取り付きまでの途中、大塚さんが花の名前を教えてくれるなどし、その繊細さ優しさに触れ、大塚さんのイメージがガラッと変わったきっかけとなった山行だった。この時は、大塚さんがオールリード。わたしはまたまたお客さん気分で、達成感は全然なかった。前回よりは、セカンドながらもすんなり登れたように記憶しているが、リードはやってみたいなと思いつつも恐いな?という印象は変わらなかったように思う。
そして、今回、こうして見ると、実に3年振り4回目の御在所中尾根。ヒカサさんから、御在所の中尾根か雪彦の正面に行こうと誘われた。わたしがちょうどいくさんに、また中尾根に行ってみたいと話していたこともあり、3人で中尾根に行くことが決まった。そして、わたしは、行くからには今まで避けていた5年越しの中尾根でのリードを実現しよう!と決めた。
ところが梅雨の真最中。いくさんお勧めの快適な藤内小屋に泊まることを決めていたため予約の都合があり、日帰りにするか一泊にするか、ふらふら迷ったが、結局当初の予定通り一泊することに決定。最終的には2日間とも大きな雨は降らず、正解だった。(素泊まりだったらキャンセル等の必要はないが、食事付きの場合、前日の昼までに連絡しなければならない。ちなみに藤内小屋は1泊2食で¥4,200。食事は豪華で美味しい!おまけに小屋のご夫妻、常連さんは人が良く、居心地抜群!さらに、ご主人が40年かけて作った増築部分はピカピカ!)
取り付きが分からないから一緒に行きたいという日帰り組のスズキ・タカハシパーティと藤内小屋の手前で合流し、一緒に中尾根に向かう。藤内小屋付近で小雨がぱらつき、この天気だとクライミングできないかな…と一瞬思うが、藤内小屋のお母さんの「昨日もこんな天気だったけど雨は本降りにならなかった」という一言に望みをかけ、とりあえず取り付きまで行こうということになる。向かっている途中、晴れたり、雲が厚くなったりと変な天気。岩は濡れているかもしれないと思いつつも、この調子だと登れるかなと思い、取り付きまで向かう。
中尾根は1ピッチ目にチムニーがあり、ザックがあるととても登りにくい。また、前尾根と違って少し難しいためザックはない方が快適に登れる。中尾根の下降は、終了から取り付きまで懸垂で戻ることはできないため、ザックは背負って登っていかなければならない。そこで、ツルムのコルから懸垂して一の壁に行く途中、つまり中尾根登攀後の下山途中(カリフォルニアドリームの下あたり)にデポしてから、取り付きに向かうというアプローチをいくさんが昨年、藪こぎの末に発見。(詳しい取り付き方法はスズキさんがMLで紹介しているのでここでは省略。)そのお陰で、荷物をデポし、すんなり取り付くことができた。
梅雨の季節のせいか、とても湿気が多く、蒸し暑い。汗だくになって一ルンゼを登り一の壁を通ってデポ地点に到着。そこで休憩がてら「この天気で登れるか登れないか」とみんなで話している最中、中尾根の取り付き付近から5人ほどのパーティが登攀せずに戻ってきた。話を聞くと1ピッチ目のチムニーが濡れていて気持ち悪いから登らずに撤退したとのこと。その話を聞き、がっかり…。やっぱり登れないのか…と思う。とりあえず取り付きまで行こうということになり、ここでハーネス、ギアをつけ、ロープを出し、荷物をデポ(セカンド用の食料等の入ったザックは持っていく)し、向かう。取り付きに着くと、やっぱり岩は湿っている。でも下からだとチムニーがどれくらい濡れているかなんて分からない。まずはスズキ・タカハシパーティが取り付いた。スズキさんがカムをかましつつ、「悪ーっ」と言いながら登っていった。とりあえず、登ることはできるんだということは分かり、わたしも取り付くことを決心する。
※ ピッチグレードは『日本100岩場[4] 東海・関西』より
1ピッチ目の前半(P4の1ピッチ目)は、本日一本目のクライミングであり、また岩が濡れているということもあり、最後の核心と言われるオニギリより難しく感じた。ピン感覚も遠く感じる。どうしても慎重な登りになる。一ピン目をとった後、左手フレークの右上に一箇所だけカムをかました。ここからは特にスタンスもフォールドもびしょびしょでビビリながら登る。しかし、慎重に足を置いていくと意外と滑らなかったが、やっぱり気持ちは悪い。上のチムニーよりここの方が登りにくいと思う。濡れていなかったら、そんなに難しくないんだろうなとは感じた。1ピッチ目前半の最後は、大きなチョックストーンがある。スズキさんは細い身体でその下の小さな空間をくぐって前半の終了点まで行ったが、わたしは左側から登った。この方が登りやすいように思う。1ピッチ目の後半は、出だしが少し傾斜気味だが、ホールドがガバで特に問題はない。その後は縦フレークのような岩を持って左右に軽く足をつっぱって登り、すぐに終了点。そこからは、右の岩に乗り移り、反対側にクライムダウンして、2ピッチ目の取り付きに行く。
このピッチは、下から見ると階段状に見えて一見登りやすそうだが、なぜか登りにくい。特に後半はチムニーとクラックの間くらいの中途半端な溝があり、登りにくい。ヒカサさんは慎重にそして確実に登っていった。落ち着いた登りのため、ビレイをしていても安心。核心を抜け、「あっ、ビレイ点が見えた!」というヒカサさんの嬉しそうな声が聞こえてきた。2ピッチ目終了からは、ツルムのコルに懸垂。2ピッチ目終了支点の反対側に、きれいな懸垂用の支点が打たれている。ここは50メートル1本で充分の長さ。
ツルムのコルに降りるとナッツを拾った。わたしはナッツを使うルートには行かないだろうなと思い、ヒカサさんに渡した。ツルムのコルからは、一の壁に取り付いているたくさんの人が見える。前尾根もたくさんの人が登っていて、人がとぎれることがない。そう言えば、下の駐車場に8時半ごろ着いたが停めるところがないくらいの車の数だった。梅雨の晴れ間を狙って、東海、関西のクライマーやハイカーが大集合したといった感じだった。幸い、中尾根は取り付いたのが遅かったせいか、先行者が少し見えただけで(ただし取り付きでセカンドのタカハシさんが登るのを待っている間に、わたしたちの後に2人パーティが来たが、時間がかかると思ったのか、1ピッチ目を巻いて登って行ったようだった)混むことはなかった。
出だしがいやらしそうだが、上のガバにすぐ手が届く。そこに立ちこみ、左にトラバースし、右上するゆるい傾斜のスラブを登れば、終了支点に到着する。スラブ部分は少しピン感覚が遠いように思うが、デコボコしており、どこにでも手や足を置ける感じ。その途中、ツルムのコルで拾ったナッツをヒカサさんがちゃっかり活用していた!「さすがヒカサさんー!!」フォローで見覚えのあるナッツを見つけたとき、思わず笑い、叫んでしまった。
3ピッチ目の終了点で、4ピッチ目をリードしているタカハシさんが登るのをしばらく待つ。ビレイ地点では、タカハシさんのビレイをするスズキさんと、わたしたち3人の合計4人。4人もいると少し狭いテラスだ。待っている間、向かいに見える2ピッチ目のてっぺんに、きれいな声で鳴きながらかわいい小鳥が何羽も来る。おしりをピコピコ振って歩き、とってもかわいいい。なんていう鳥なんだろう。わたしは鳥の名前は全く分からない…。鳥の様子など見て、おしゃべりしながら待っている間、タカハシさんは、オニギリに行く手前のところで苦心。何度かフォールしてしまい、大きな声が聞こえてくる。後で、藤内小屋でお話したクライマーに、「前尾根まで声が響いていたよ」と言われた。マルチピッチクライミングや本チャンのリードは、フリークライミングと異なり、絶対にフォールしてはいけない。御在所といえどもそうだと思う。一回のフォールが大きな事故になる可能性が高い。パートナーの判断や、ルートに対する自分での見極めは、非常に重要だと思う。結局、タカハシさんは足首を捻挫してしまったようで、ロアーダウンでツルムのコルまで降り、待機。わたしが先に登らせてもらうことになった。
念願のオニギリのリード。さすがに緊張しながら取り付く。下部は問題なし。オニギリに行く手前のところは、右手にカチのようなホールドがあり、それを持ちながら足を上げると左上のガバに左手が届く。右手のカチは少し濡れていたが、しっかり持つことができた。そしてオニギリのクラックの方へ右上方向に登る。このクラックもガバで充分レストもでき想像以上に登りやすかった。意気込んで取り付いたが、思いの外、登りやすく、少し拍子抜け。ビショビショに濡れていた1ピッチ目の方が恐かった。岩のコンディションが悪かったにも関わらず、以前ほど難しさを感じず、この3年の間に少しは成長したのかな…と実感でき嬉しかった。大きな進歩は見られないがフリークライミングを続けていることも大きいかもしれない。
オニギリのてっぺんで、セカンドのヒカサさんをビレイしている間、ふと、自分の服をみると、3ミリくらいの小さな茶色っぽい虫(一見ダニのようにも見える…)だらけ。なんか顔のまわりがかゆいなと思っていたら、虫のせいだった。はらっても、はらっても付いてきて、キリがない。登ってくるヒカサさんに、「わっ、何これっ!?虫がすごい?っ!」と思わず訴える。登ってきたヒカサさんを迎え、無事終了を喜ぶが、相変わらずの虫! 喜びも束の間、さっそく懸垂の準備に取りかかる。(懸垂支点は、終了点より少し下にあり。)タカハシさんが待機しているため、スズキ・いくさんのペアで登ってくる2人を置いて、そそくさとタカハシさんの待つツルムのコルまで降りる。ここの懸垂はロープ2本を使用。降りた後にロープを引くときに岩にエイトノットがひっかかりやすいので、最後の人は結び目を岩の溝より下の位置にしてから降りるといいと、いくさんから教えてもらう。降りたら、虫はだいぶ減っていた。待っていたタカハシさんは、思ったより大丈夫そうで、安心した。
そして、ツルムのコルから一の壁方向に一回懸垂(ロープ2本使用。ここの懸垂支点のハーケンはボロボロでかなり恐い)。懸垂の後は、そのまま一ルンゼ方向に歩き、デポ地点まで戻る。
藤内小屋でスズキ・タカハシパーティと別れ、藤内小屋でご飯ができるのを待つ。山に来て「いたれり尽くせり」でいいのかなーと思いつつも、藤内小屋は病みつきになりそう。待っている間に、いくさんおごりのビールで乾杯。中尾根クライミングの話に花が咲く。ヒカサさんとわたしは達成感いっぱいで大満足! そうこうするうちに「ご飯ができましたー」という小屋のお母さんの声。他のクライマーとおしゃべりしながら美味しいご飯を食べ、わたしたちは早々(9時ごろ)に寝た。
感想省略。ヒカサさんの感想参照。のんびりゆっくりの一日だったが、それぞれ満足のいくクライミングができたと思う。
☆ 別企画ではあったが5人でのクライミングとなり非常に時間がかかってしまったが、トラウマ(?)の中尾根をリードできてよかった。また、久しぶりのクラシックルートを存分に楽しむことができた。ヒカサさん、いくさん、そして小屋でお会いした方々といろんな話もでき、2日間とっても楽しく過ごせた。一緒に行った仲間に感謝! また中尾根には行ってみたいー!
先月前尾根に行ったあと、フリーのときにいくさんに「藤内小屋泊まったら中尾根や一の壁へいろいろ行けて楽しいよ。」と聞いて今回のプランに早々に参加希望した。中尾根にわたしが行けるかどうかについては、経験がないためわからなかったが、クライミング全体の話しで自分の気持ちなんかをいくさんにメールで打ち明けて意見をもらい、自立を目指していても一人で自立できるわけではなく、自分で行けないようなところも許されればついて行ってまた目標にしたらよいと自分で勝手に結論づけた。リーダーはクライミングを最初から教えてもらっているみずえちゃんだし素で行ける安心があった。
前日までお天気が微妙だったけど、2転3転して結局小屋に予約をしてもらった。土曜日の朝、6:15に烏丸5条でピックアップしてもらい、2時間くらいで駐車場着。車は路駐があるほど混んでいた。なんとか駐車し藤内小屋に向かう途中で、スズキ・タカハシペアに抜かされる。小屋で合流し、トイレを借りて出発。テスト岩で左のルンゼに入り、その途中ですぐに左の道に入ってあがっていった。以前、目の前の尾根を直進して藪こぎした(すごすぎ)いくさんのナビゲートで一の壁に取り付いている人達を横目に右の方へいき、ザックをデポしてから小さな尾根を乗り越えてP4のとりつきに着いて準備した。(このとき多分11時くらい)スズキ・タカハシ組先行で、見送ってからみずえちゃん、いくさんと3人で組み、1P・Vをみずえちゃんにリードしてもらう。ガスってたのと前日の雨でクラックの中が濡れていて上りにくい。初めてカムでプロテクションをとる方法を見た。セカンドでいくがクラックルートは初めてで要領を得ず、ハングの下で足が乗らず恐怖を感じ、こりゃリードではよういかんと思った。次にいくさんがザックを持ってあがってくれた。ザックがあっても難しいだろうな・・・次にP3・Vをリードさせてもらった。これもチムニーの中で最初は要領を得ずもたもたしたけど途中から左右につっぱると割りと休めることがわかって、ごそごそもがいているうちに突然のようにビレー点がきた。ここではわたしもカムを使ってみた。ささっているハーケンは茶色で怖かった。ここもザックがあると辛そう。持ってもらってありがとうございました。そこからツルムのコルへ懸垂でおりてそこで落し物のナッツをひとつ拾った。P2の1P目・IVもリードさせてもらった。スズキ・タカハシ組は左へトラバースせず、ハングを直登してすごい。わたしは左へトラバースしてから右へあがる緩い傾斜の斜面を上がった。ここでさっそく拾ったナッツを使ってみた。二人が上がってきて4人でタカハシさんがP2の2P目・Vの核心を登るのを見守ったが、難しそうで何度か大きな声が出ていた。フォールして足首を痛めてしまったとのことで、タカハシさんは急遽懸垂でツルムのコルへ。4人で組みなおし、みずえちゃんリードであがってもらう。核心をきれいなフリーのムーブで右足に乗り込み登っていくのを見送ってセカンドであがる。みずえちゃんが上から「何これ、すごいで。ぎゃー。」と言っている。上はなんか細かい虫が目にも口にも耳にも入ってきそうなところでビレーしてくれていた。P1は行ってないけど、一応中尾根を終了したことで嬉しさを分かち合った。その後、スズキ・いくさん組もあがってきてここで虫にまみれながら「おにぎり」から順に懸垂してツルムのコルへ降りる。タカハシさんの足首は少し腫れているけど歩けるとのことで少し安心。そこから懸垂で1ルンゼに入り、クライムダウンしてザックのところに帰った。このときたぶん17時くらい。何回かガスったり、雲が厚くなったりしながらもお天気は持った。部活でした足首のテーピングを思い出しながら、タカハシさんの右足にテーピングを施す。やっぱ、足首、膝、肩くらいのテーピングは勉強していつでもできるようにしとかなあかんなー(医療職としても?)と少し反省。
小屋に戻って荷を降ろし今日帰京するスズキ・タカハシ組を横目にいくさんのおごりのビールで祝杯をあげた。タカハシさんはおつまみをおいてってくれた。スズキ・タカハシ組とさよならして小屋に入る。
晩御飯はすごいボリュームで参考までに書いておくと、炊き立てご飯(おかわり自由・米がうまい!)、具沢山あつあつ味噌汁、ステーキハム、ほうれん草と揚げ茄子サラダ、マカロニサラダ、ゆで卵、らっきょ、たくあんだった。寒天ダイエットで胃が縮んだいくさんには苦しいほどの量で、満腹。東海山岳会の人とテーブルが一緒で楽しくおしゃべりした。小屋は常連さんもおり、みんなごろごろしてテレビを見たりして癒される雰囲気。門限や就寝時間はないらしい。部屋は春にできたばかりという個室で、めっちゃきれい。広々布団を敷いて9時くらいに就寝。あー、快適―。
6時くらいに起き外でストレッチしながら朝ごはんを待った。話し合いにて今日はウサギの耳と一の壁予定になった。朝からビールを飲んでいるおっちゃんもいて、会話を楽しんで出発。ウサギの耳へ行ってかわるがわるトポと岩を見、とりあえず上からロープをかけようということになり、3人で左側からてっぺんまで歩いて登るが、耳のてっぺんからは下までロープが届かなさそう。中腹まで降りて見て多分左から回り込んで中腹の支点に行けそうだけど、よくわからないのと時間がかかりそうなので、あきらめて一の壁に行くことになった。後できくと、それが正しく、一応確保していくか、てっぺんから支点まで懸垂したらよかったらしい。なるほど。
一の壁に着いたら10:30回っていた。どっかあがっていいよと言われ、2ルート・IVにとりついた(つもりがあがってきたみずえちゃんに3ルートIV+だったと告げられる)。下の方でついついホールドに見えるクラックに寄ってしまい行き詰って少しさがってから右へ行きなおす。
上のほうはホールドはあるけど高くて足が震える。ビレー点について下をみてちびるかと思った。
次にみずえちゃんがコンテスト10aをリード。核心の細かいフェイスを丁寧に登っていったけど、高すぎてよく見えない。いくさんに続いてあがっていくが、核心で落ちた。落ちるときは落ちると思ってないからどうもないのに、ぶらさがってからこわーと震えがくる。下りてきてよい時間になったので撤退。
途中、天狗の踊り場というお墓があるよ、とそっちへ連れてってもらった。ごろごろしている岩に亡くなった人たいする詩やメッセージが銅版なんかで貼り付けられていた。わかっているけど危ないことをしてるんやなーと思う。大切な人を山で無くすってどんな気持ちなのかな、と思うときゅっときた。改めて安全に確実に行きたいと痛感した。
藤内小屋はビールを飲んだおっちゃんたちが花談義をしていていくさんと盛り上がっているなか、置かしてもらった荷物をパックしなおし、おっちゃんの案内でギンリョウソウを見つけながら駐車場まで帰った。
岩をするなら自分をよく知る必要があると改めて考えさせてもらった山行だった。だからみんなアルパインをするのかな。目標設定がまだまだ難しいと感じるけど、あまり無理をせず、背伸びせず、ちびちび努力してちょっとうれしい結果につながるというペースを早く見つけたいと思う。実践している先輩・仲間と登ってたくさん話ができて恵まれた山行でした。ありがとうございました。
一の壁の前を通り、中尾根バットレス"カリフォルニアドリーミング"取り付き付近に要らない荷物をデポ。(冬のアイス1ルンゼ中又取り付き付近でもある) ついでにギアもつけてしまう。ここから、猿の顔の形をした岩がよく見える。(中尾根P4の端っこと思われる。)
そこから、細いルンゼ状の1ルンゼ右又をほんの少し登り(行き過ぎると、ツルムのコルの直下まで行ってしまう)、右へ巻くようについた踏み跡に入る。すぐに崖にとぎれるので、左手の軽いリッジ状の岩を登り、行き詰まったところで右手に踏み跡がある。崖縁の踏み跡で、岩がちょっと出てくるが、そこを乗り越せば中尾根P4取り付きの広場に出る。
P2まで登った後は、一の壁方向に少し歩いたところに、立派なラッペルステーションあり。50m1ピッチで、次のラッペルステーションが壁のど真ん中にある。ハンギングビレーとなるので、大人数だと窮屈。さらに40m1ピッチで、1ルンゼ右又のどんづまりに降り立てる。後続パーティーが登っている時はこちらの方がよい。
今回は、P2終了点のすぐ下にある、残置スリングのかかったボルトから50m一杯でツルムのコルへ。そこから、一の壁方向にちょっと行ったところに、ハーケンが5枚ぐらい刺さった、ぼろい残置スリングの懸垂支点がある。そこから40mほどで、同じく1ルンゼ右又のどんづまりに降り立てた。
残置だけでも登れる。ヌンチャク10本ちょっとぐらいあれば。しかし、キャメロットの#0.75〜#2ぐらいあると安心。
ノーマルルートであれば全部ナチュプロでも行ける(#0.5〜#3.5の2setぐらい?)と思うが、その場合P2の2ピッチ目がかなり怖くなるし、何よりぴかぴかハンガーボルトの誘惑に耐えられるかどうか・・・。
(スズキ)