京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
メンバー | タカハシ |
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期日 | 2005年7月29日夜〜7月31日(金〜月) |
地域・山域 | 長野県 北アルプス 穂高岳 |
山行形態 | 無雪期縦走 |
ルート | 新穂高温泉〜白出沢〜穂高岳山荘〜奥穂高岳〜西穂高岳=新穂高温泉 |
高速料金:9,100円、ガソリン代:約6,000円、食料費:3,000円、ロープウェイ:1,800円 など 合計:約2万円
穂高に行くのは何回目だろうか。行く度に雨に遭い、漸く今年のGWにピーカンの滝谷と前穂北尾根を登攀できたところである。厄も払われたようだし、この辺りで"心残りの"奥穂西穂縦走を果たしたい。
夜京都を出発したのだが、週末の天気予報は良くなかった。案の定東海北陸道に入ってから降雨の中のドライブとなった。やはり、今回も駄目か、とも思いつつ駄目元で歩みをすすめ、高山「ななもり清見」道の駅で仮眠する。
朝5時に起きて出発、7時前に新穂高温泉の無料駐車場に到着。一面曇っているが、雨が降りそうな気配はない。行くだけ行ってみようということで、7時過ぎに出発した。林道を歩いていると時折晴れ間が覗く。もしかして?一縷の期待を胸にゆっくりと進んだ。2時間弱で白出小屋に到着。小休止の後、いよいよ登山道を上りはじめる。苔むした岩が並ぶ林間の道。私はこの道が好きである。マイペースで進めることができるので、一人山行は気楽である。1時間弱で重太郎橋に到着。下山者が3名休憩していたが、相変わらずこの白出沢コースは人が少ない。ここまで、この3人を除いて下山は1パーティ4人のみ。登山者は自分以外ゼロ。人気の穂高のルートとは思えないが、この静かさこそがこのルートの良さである。岩切道を進んで40分ほどで尾根の急登道の取り付きに着く。しんどいが調子はよく、順調に高度を稼ぐ。そのままセバ谷に入っていく。いつものルートは崩壊しており、右岸沿いの赤布を目印に登高。暫くして先行パーティ4人に追いつく。1時間に1回くらい小休止を繰り返しながらどんどん高度を稼いで、午後1時40分穂高岳山荘に到着した。何回も登っているせいか、今日はあっけなくコルまで着いた感じである。
コルでの景色は悪くない。飛騨側は雲に覆われて見えないが、信州側は蝶、常念がはっきりと見え、空には晴れ間が覗いていた。兎に角横になるスペースがほしかったので、早々にテントを張って横になって景色を堪能した。
ふっと、小屋前の広場を見ると、見覚えのある顔が・・・。O氏である。今日はお仕事かな、と思いながらも通りがかりに声を掛けてみた。昨晩(7/29)に涸沢に泊まり、今日北穂高経由でここまで来たとのこと。明日(7/31)は奥穂から前穂に行って岳沢に抜けるそうである。商売繁盛なのは何よりである。
明日に備えて、この日は早々に眠りに就いた。
7月31日早朝3時起床。夜空には満天の星である。快晴だ!思わず嬉しくなった。朝食を摂りさっさと出発準備をする。小屋前に行くともう既に何人も出発準備の体制に入っていた。簡単に準備体操をして4時半出発。空は明るくなりつつあった。体は何だか疲れが残っているようで、最初は少し息が苦しい感じであったが、20分ほどすると普通に戻ってきた。見慣れた道を山頂へ。奥穂高の山頂では周囲の山々が皆見渡せた。快晴の絶好のコンディション。ただし、風が強い。あまり長居をすると寒いので、祠に5円を賽銭して二拍二礼。そして山頂を発った。馬の背は難なく通過。全く高度感を感じない。続いてロバの耳。なぜか耳の天辺からロープが下がっている。?と思いながらもここは巻きだよな、と思い巻き道へ。そこからルートどおり登っていくと、残地のスリングにロープが掛けられていた。多分冬季縦走の名残なのだろう。何と言うこともなくどんどん岩道を通過していく。ちょっとした一枚岩を過ぎてジャンダルムだ。直登できるなと思ったが、単独ゆえ隠忍自重。信州側を巻いて登ることにした。天狗のコル側に回り込むとどこからでも登れそうだったので、思いついたところから登った。ジャンダルムの頂にはかわいらしい「ジャンダルム3,163m」の標識があった。確かジャンダルムとは「護衛兵」の仏語のはず。その名に似つかわしくない標識とのアンバランスが「いとをかし。」来し方を見遣りながら水分を補給して次に進む。
畳岩尾根の頭は文字通りの岩を縫う道。どうって事はない。長い下りを下って天狗のコル。ここまでで1時間半。随分早いな、と重いながら山々を見渡す。相変わらずの良い景色である。下を見下ろすと岳沢。見慣れた景色でもある。
小休止の後、天狗の頭へ向けて登る。鎖はあるが、ここは鎖をつかむと却って登りにくいので、ホールドを掴んで登る。いけいけどんどん、ちょっと岩登りチックで面白い。鎖場の終わりに上を向くとやや!人影が見える。どんどん登るとやはりパーティだった。男女2人組。聞けば昨晩は天狗の頭附近で幕営したとのこと。いま出発したばかり。"へぇー"っと心の中でトレビの泉をしながら、幕営できる場所あんの?と好奇心を持って頭に向けて進む。確かに頭の手前にあった。一張りくらいなら晴れそうだ。でも、背中痛そう。立派な「天狗岳」の道標(ジャンと偉い違いだ)を見ながら先に進んだ。下り前から岩の幅が狭くなり始めヤバそうな雰囲気。だが、ひょいひょい進んで逆送スラブの下り。写真では大変そうだが、実際にはなんでもない。半ば拍子抜けしながらくだる。下りたところが、間天のコル。寒天までは行かないが、確かに今までのルートに比べればヤワそう。冗談はさておいて、ひたすら登る。知らない間に山頂。石にペンキで書いてあるだけの簡単なものである。ここで、2番目のパーティに出会う。今朝西穂山荘を出発したのだという。休憩もせず、先に行く。ここからさきはほぼ通常の登山道に近い雰囲気である。ときおり見る花が綺麗である。暫く行くと間の岳から4つ目のピークに向けて鎖場を登ることになる。これも全然簡単。結局あっという間に西穂高岳山頂に着いてしまった。午前8時半頃。縦走した稜線をゆっくり堪能しようとしたそのとき、今まで快晴だったはずの稜線はすっぽりとガスに覆われ、景色は見えなくなっていた。残念。山頂には大勢のパーティが着いており、賑やかであった。私も頼まれて記念撮影を2回行ってあげた。自分は・・・?そう雨の可能性大と踏んでカメラは持ってきてなかったのだ。痛恨のタイムリーエラー!
山頂で20分程休んで、ゆっくりと西穂山荘に向けて下った。途中のお花畑を鑑賞しながら。
西穂山荘には10時過ぎには到着。休憩の後、ロープウェイ乗場に。穂高の稜線を再び鑑賞しながらロープウェイを下った。下山12時。スピーディ、爽快に終わった今回の縦走であった。できれば、この秋にもう一度行きたい、そう思う充実した山行であった。
以上