京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
メンバー | ハタヤ |
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期日 | 2005年8月21日(日) |
地域・山域 | 滋賀県 比良山系 武奈ヶ岳 |
ルート | 長岡京=花折峠=坊村〜武奈ヶ岳 を往復(長岡京=坊村 はママチャリを使用) |
山行形態 | 自転車+無雪期ハイキング |
23:48 長岡京市内
0:48 今出川白川
1:05-1:15 白川通「すき家」
1:48-1:54 大原コンビニ「ファミリーマート」
2:40 花折トンネル
3:04-3:10 坊村(明王院)
4:10 御殿山
4:35-4:40 武奈ヶ岳山頂
5:00 御殿山
5:48-5:55 坊村(明王院)
6:30 花折トンネル
7:20 高野
8:17 横大路
8:36 長岡京市内
いつもはハイキングの対象として見がちな武奈ヶ岳でも、自宅からのアプローチを人力に限ってみるとそこそこ歯応えも生まれてくるのではないだろうか。
自宅のある長岡京(京都の西方)から登山口の坊村までは片道50km、往復で100kmある。
自転車はまるで素人の身でどこまでできるかわからないが、ものは試しだ、やってみようか。
日曜は雨の予報。降り出す前に駆け抜けるべく0時の出発を予定していたが、空に瞬く星を見て待ちきれず23:48に自宅を出発する。
ルートはこれまで車では何度も通っているのでおおむね頭には入っている。今日の相棒は僕の通勤を支えてくれているママチャリ。変速機構もなくツーリングに使うには難があることは承知のうえである。
体力を消耗しないように市街地は力を入れすぎない程度に流す。ミーティングの会場付近の交差点(白川通今出川)まではちょうど1時間で到達。自宅からの距離は20km強。車でも50分強かかるのだが、人力も捨てたものではない。白川通の牛丼チェーン店でエネルギーを充填。地図を開くとまだ3分の1しか来ていない。高揚と不安がない交ぜになった心境になる。高野の国道367号線分岐から大原までだらだらした登り。スピードは落ちるが音を上げるほどでもなく、適宜現れる平地区間で力を抜けるので粘り強く登っていける。アイゼントレで通う金比羅山付近のコンビニ(ファミリーマート)には自宅からちょうど2時間で着く。アップダウンを過ぎると次第に傾斜が急になる。ここから花折峠まで数キロが峠越え区間。せめてあの街灯までは進もうとだましだまし引っ張ってきたがその先にまっすぐ続く坂道を見てしまい意気消沈。脚がしびれ始め前に進まなくなってしまう。ここは潔く降参、途中峠を目前にしたところで自転車から降りて手押しする。追い越していく車から「頑張ってくださいね」とエールをいただく。いや、渋いところで応援してもらえると本当に嬉しいです。途中トンネルは無料時間帯でありがたく利用、花折峠まではおおむね緩やかな登り。結局花折トンネルまでほとんど手で押した。トンネルから坊村までは一気。快適に下れすぎて帰りが心配である。
坊村の明王院には3:04到着。自宅から50kmを3時間16分、この数字をどう評価すればよいのかわからないが無事に着けたのでひとまずよしとしよう。
ここからはヘッドランプを装着して登山道へ。スポーツドリンクを補給、3:10から黙々と歩き始める。稜線に駆け上がると月明かりに照らされた武奈ヶ岳が姿を見せる。夜露で登山道は濡れている。武奈ヶ岳山頂には4:35に到着。秘かに琵琶湖の展望を期待していたが霧のなか何も見えず記録用に写真を撮り5分後にははやばやと下山にかかる。眼鏡の裏に水蒸気がまとわりついて実に歩きにくい。稜線を抜けるまでは慎重に下る。5時を過ぎると空が白んでくる。歩みを早めて明王院には5:48に戻る。装備を必要なものだけに絞ってきたのでこんなものだろう。あとは自転車がパンクせず無事に運んでくれるよう祈るだけだ。
花折峠まではだらだらした登り。半分漕ぎ半分手押しで進む。思ったより早くトンネルに着く。さてここから京都市内に向けては下るのみである。はじめの一歩の弾みをつければあとはハンドルを道に沿わせるだけ。これがダウンヒルというやつですか。体験したこともないスピードに驚いているのか自転車のハンドルは終始小刻みに震えている。恍惚に浸るあまり僕の表情もとろけてしまう。途中トンネルは自転車は無料で通してくれた。京都市内まではほぼ惰性で下る。行きより断然楽であった。
自宅に戻ってきたのは8:36。出発して8時間48分後だった。
延々と続く登りに顔をしかめ、下りの快感に頬を緩める。
普段車で通い慣れた道でも人力でトレースするとまるで密度が違ってくる。
途中でトラブルが起これば潔く戻ろうと割り切っていたママチャリだったが最後まで無事に走ってくれた。「やるじゃん」と、5年来付き合ってきた通勤のパートナーにねぎらいの言葉をかけてやりたい思いである。
ただ、より重い荷物を担ぐ場合や、長い登りでも自転車を漕ぎ続けるスタイルにこだわるならば、やはりもう少し戦闘力の高い(=変速機などを装備した)マシンがほしいとも思った。
これに懲りず、ご近所の粋な楽しみ方を見つけていきたい。