日本縦断第4弾 (九州中央山地…霧立越{きったちごし})(無雪期縦走)

メンバー シマ
期日 2005年8月26日(金)夜〜30日(火)
地域・山域 熊本県 九州中央山地
ルート 市房山〜九州中央山地〜馬見原
山行形態 無雪期縦走

コースタイム

8月26日(金)晴れ

京都(JR ¥1050)三宮20:55(阪神高速バス往復 ¥19440)07:26人吉I.C

8月27日(土)晴れ

人吉I.C(タクシー¥750)人吉産交 7:40(¥1150)8:59 市房山登山口 9:15(2.5)9:45 9:50(2.5)10:20 10:30(2.5)11:00 湯山峠944m 11:10(3.5)11: 45 矢立高原 12:05(3.5)12:35 R265分岐 12:45(2.5)13:15 13:25(2.5)13:55 910m 14:05(2.5)14:35 飯干峠1045m R265から脇道へ 14:45(2.5)15:05 15:10(3.5)15:40 15:50(3)16:15 虎魚谷(オコゼ)の水 16:20(2)16:35 R265酒屋 16: 40(3.5)17:15   R265沿い道端に幕営 標高515m
 
36.5k 8時間

8月28日(日)雨のち晴れ

6:35(4)7:15 上椎葉ダム 7:25(3.5)8:00 道迷い2k20分 女神像公園 8:10(3)8:40 雨降り出す 8:55(3)9:30 松木入口 9:40(2.5)10:15 松木集落 10:25(2.5)10: 55 11:05(2.5)11:35 1140m 11:45(3)12:20  1315m登山口 12:30(800m)12:55 1495m 13:05(1)13:25 扇山小屋1565m 14:30(600m)14:45 扇山 14:50(600m)15:00 扇山小屋

登山道3k+24k=27k 8時間25分(扇山小屋での休憩含む)

8月29日(月)晴れ

5:25(2.5)6:00 6:05(1.5)馬つなぎ場(1)6:40 6:50(2)7:20 7:30(1.5)7:50 白岩山 8:00(3)8:40 カシバル峠 8:55(2.5)9:35 9:45(2)波帰(2)10:20 本屋敷 10:25(3)10:55 11:05(3)11:35 冠嶽登山口 11:45(1)11:55 鞍岡(祇園町)君の食堂 12:25(3)12:55 13:05(2)宮崎、熊本県境(1)13:35 馬見原

登山道11.5k+19.5k=31k 8時間10分

馬見原 15:05(バス¥1150)17:02 熊本交通センター 21:55(阪神高速バス)〜

8月30日(火)曇り

07:05 三宮(JR¥1050)京都駅〜お仕事

報告と所感

8月26日(金)晴れ

8月27日(土)晴れ

 バスを降り、歩く準備にとりかかる。今回は摩擦防止の薬を持ってきた。バスの運転手と色々話しをした。ここの湯山温泉の人らしく、今日ココに泊まるなら俺の家で泊まっていけとまで言ってくれた。市房山登山口の前にある小さな商店のお婆ちゃんに挨拶をした。「お婆ちゃんの顔見に来たよ」「またきんしゃったか、今度は何処まで・・」ちゃんと覚えていてくれた。最初から峠の上りだ。日が差すと暑いし、前回頑張って歩いて足の皮をやられたので、今回は最初から「頑張るまい」を信念に歩いた。湯山峠を越え、少し下ると矢立高原のキャンプ場がある。本日一回目の商店である。カップヌードルにお湯を入れてほしいと頼んだ。お湯を入れて、お箸を出してくれたのだが、お婆ちゃんはこの箸の「反対側を使って食べてほしい」と言う。ようするに、お婆ちゃんの使いさしのお箸である。微妙に気持ち悪いが腹を下すことはなかった。国道を下り宮崎方面の分岐を過ぎると、再び飯干峠まで上り返す。1000mを越えると、さすがに木陰は心地よい。峠からは山深い、これぞ山里というような風景が広がっている。ここが「ひえつきの里」椎葉村だ。九州を代表する秘境の里なのだろう。国道の抜け道だという急坂をひたすら下ると、「オコゼの水」なる沢水を受けている水場があった。幕営用の水を汲み、再び国道に出たところの酒屋でビールを買い、しばし歩いた道端に幕営した。テント内では、ほてった体はなかなか冷めず、素っ裸でビールを呑み、素っ裸で飯を食い、素っ裸で眠りに着いた。さすがに夜中に目が覚めて服を着た。

8月28日(日)雨のち晴れ

 降水確率は極めて低かったが、夜中に2時間ほど降られた。朝起きてからもどんより曇り空だ。上椎葉ダムを渡って、道を間違え20分のロス。しばらくダム湖に沿って歩く。途中1時間程雨に降られながら、登り口の松木のバス停に着く頃、やっと青空となる。ここが530mそして登山口は1315mであり、ひたすら標高差800mの林道を登っていく。車の入る林道なので、滑らかでなかなか標高が上らない。登山口からは1時間足らずで山小屋だ。先客あり、八代から日帰り登山に来ていた東島さん50歳。この小屋は九州では1番綺麗な小屋らしい。時々ここへ涼みに来ては、2時間ほどゆったり小屋で過ごして帰るのだそうだ。山頂経由で帰る東島さんに、写真を撮ってもらうべく一緒に山頂へお供した。小屋の横には水場があり、簡易トイレも3個も設置され、ローペも完備、着替え用にカーテンまでついている。冬には薪がたける。ベランダがあり景観もすばらしい。本来は先へ進む予定であったが、すっかりくつろぎ、気がつくと焼酎を呑んでいた。もう先へは進めない。昼間の小屋の中は23度、今日は裸にならずにすんだ。明け方は12.7度、少し寒いくらいだった。

8月29日(月)晴れ

 4時20分起床。薄暗い中、ヘッドランプを付け小屋を出た。この縦走路は「霧立越」(きったちごし)といい、平家の残党を追いかけて源氏の大将「那須大八郎宗久」が越えた道として有名らしい。そう言えば昨日歩いた道のあちこちに、合戦原だとか、野々首…だとか書いてあった。縦走路は約1500mの標高を保ち、最低でも1400mは下回らず、高い所で1646mの白岩山だ。久しぶりにオレンジ色の朝焼けを見た。前回登った、市房山、韓国岳も見えた。高千穂の峰は雲海の中からかろうじて顔を出している。木立の中の縦走路は適度な広さと、落ち葉のクッションでとても歩きやすい。クロカンが出来そうな道である。途中、「馬つなぎ場」なる所がある。ここで馬を休憩させたのであろう。歴史に興味はないのだが、馬が通るのは見てみたいと思う。白岩山は九州では最も高い石灰岩の山で、山頂付近は貴重な植物の宝庫だそうだ。カシバル峠にある五ヶ瀬スキー場で車道に出る。ここは、日本最南端のスキー場だ。1600mの標高があるので、パウダースノーだそうだ。林道工事のオッチャンに声を掛けられた。事情説明をすると「アンタも好きたいねぇ」と言われた。車道を下りR265に合流した所に本屋敷なる集落がある。交差点にスナックと美容室が1つになった店??家??がある。こんなド田舎の家からド派手なオバチャンが登場し話しかけてくれた。見てはいけないものを見たような…スナックと美容室は一つにするとあんな風になるのかと思った。「梅干とうなぎの食い合わせ」を思い出す。6k程国道を行くと鞍岡という集落があるのだが、看板に「九州発祥の地」と書いてある。ここから九州が生まれたのか?歴史のことより知りたいと思う。そして唯一の食堂に入った。食堂の名は「君の食堂」と書いてある。ようするに「ワシの食堂」である。チャンポンを食べた。
お婆ちゃんがテレビを点けてくれたのだが、画面の真ん中は一筋の横棒が走っている、3分後に画面の半分が現れ、5分後にやっと「笑っていいとも」だと判る画面が映った。田舎の人は気が長い。「ワシの食堂」なのに450円も支払った。さらに5k歩いてやっと宮崎県を終えた。再び熊本県に入りしばらくの「馬見原」の集落で今回は終了。
ビールを購入しバス停でくつろいでいると、左手に「きゅうり4本」右手には「包丁」を持ち、勢い良く両手を振ってオバチャンが通り過ぎて行った。今回の旅で一番の繁華街での出来事である。昔、体重が105kgを記録したころ、タンクトップに半ズボン姿でいると、友達から「誰かに似ている」と言われた。そして「山下清」と言われたのだ。正直ショックだった。しかしこうして田舎を歩いていると、いつしか「それも悪くないな」と思うのである。

8月30日(火)曇り


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