京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
メンバー | ホリウチ |
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期日 | 2005年9月16日(金)夜〜9月19日(月) |
地域・山域 | 長野県 三国山地 |
山行形態 | 無雪期縦走 |
地形図 | 岩菅山、野反湖、佐武流山、切明(1:25000図) |
志賀高原大沼池入口バス停8:20→9:20大沼池9:40→10:40赤石山11:00→11:10仙人池11:05→11:45湯の沢の頭南巻き11:50→12:30ダン沢の頭12:45→13:00オッタテの峰13:05→13:15オッタテ峠13:25→13:40小高山13:50→14:00五三郎小屋14:20→14:45大高山15:00→15:35カモシカ平15:50→16:10高沢山16:15→16:45三壁山16:55→17:45野反湖ロッジ18:05→18:20キャンプ場
キャンプ場6:55→7:10野反湖ロッジ→7:20野反湖バス停7:25→7:30ハンノ木沢→8:00地蔵峠8:10→9:05水場(標高1850m)9:15→9:40堂岩山→10:40白砂山11:30→13:35地蔵峠13:50→14:05北沢徒渉点14:15→15:30イタドリ沢15:35→15:45西大倉山15:50→17:20渋沢ダム
渋沢ダム7:45→8:55馬ノ背トンネル上9:05→9:40水平歩道下降点9:50→10:00高橋吊橋10:05→10:07林道終点→10:35切明温泉10:45→12:00和山温泉12:35→12:45和山バス停
京都都ホテル前から南海夜行バスで湯田中駅へ。シートがちょっと狭くあまり快適ではなかった。湯田中まで乗り通したのは自分ひとり。もっと利用者があると思っていたので意外だった。路線バス割引券を運転手からもらい古めかしい駅でバスの切符を購入し7:40出発。途中蓮池乗り換えで大沼池入口下車。
8:20歩き始める。ひんやりした朝の空気が気持ちいい。途中まで林道ではなく遊歩道を経由しコバルトブルーの湖へ。湖を右手に周回しレストハウス大沼へ。5年程前岩菅山経由で秋山郷へ抜けた時と何も変わっていない。上々の天気のもと、ここから1時間程急登を我慢し忠右衛門新道手前の小沢で水を補給し赤石山着。岩の上は風がよく当たり寒いくらいだ。いつの間にか西の空が暗くなっている。志賀山には少しガスも掛かる。
さてここからが今回のメインコースとなる。分岐には「野反湖まで10時間は掛かる」ことや、「魔のガラン沢(群馬県側)には絶対踏み込まない」などの警告文が掲げてある。
気を引き締めて行こう。10分あまり歩き仙人池へ。あまり特徴のない平凡な池だが、青空に映えて美しい。さらに進みガラン沢が覗ける場所に来たが少し霞みがかかり視程は良くない。白っぽく見える。横手山もぼんやり見える程度。深い熊笹と針葉樹の森が単調に続き、湯の沢の頭へ。しかしここはピークの手前でガラン沢側に降りながら巻き過ごし再び稜線に戻る。だだっ広くなった尾根をさらに進み尾根が痩せて来たらダン沢の頭への登りだ。この登りは滑り易い笹原の急登で標高差100m弱を一気登りで疲れる。
山頂は平凡だが南方向が見渡せる。しかし今日は霞んで良く見えない。進行方向を南東に変え二重山稜のような複雑な尾根を東から回り込んだらオッタテ峰着。樹林帯の中で展望無し。そこから少しでオッタテ峠へ。ここでは明瞭な道が六合村へと分岐しており、また魚野側支流小ゼン沢への下降ルートでもあるようだ。
この長い縦走路上でのジャンクション的役割の峠だ。ここからは穏やかで久しぶりに明るく開けた小高山の登り。山頂から緩い降りで五三郎小屋と、天狗平の十字路に着く。
このあたりで初めて薄いガスが掛かる。
小屋の位置は地形図の位置ではなく真西に200m程行った小ゼン沢源頭の水場横にある。小屋はブロック造りでかなり傷みがあり、中に入ってみたが床が抜け、中段で2名なら泊ませそうな状態。水を汲み鞍部まで戻る。そこから天狗平へ行こうと考えたがガスが時々かかり雨も降り出しそうな気配なので止めて尾根をまた東に進む。
そろそろ午後2時半になるので今日の泊まり場を考えながら進む。大高山で15分休み少し疲れてきたが、もし野反湖まで行くなら急がないと着かないようなので、少し急いで歩く。相変わらず針葉樹主体の平凡で穏やかな森の中を行く。赤石山での分岐に書いてあった警告文はちょっと大げさなようだ。ここまで幅1〜3m位でしっかり刈り込みがしてあり、一般登山道として何の問題もない。逆によくこんな山中までしっかりルートを維持されているなと感心してしまう。今日はまだ誰とも出会わないが、この時間では最後まで会わないで終わりそうである。貸し切りではもったいない道である。
さて下りとなり広い草原のカモシカ平に着いた。気持ちのいい風景で、ここで1夜を過ごしたいが、実は「野反湖まで行っておけば明日白砂山のも行けるな」と言う思いがよぎり出した。いつか佐武流山、苗場山まで縦走してみたいと思っている山域である。
行くか泊まるか迷ったが行くことにする。
まず高沢山に向かう。急な登り20分で着。展望無し。少し戻り分岐を三壁山に向かう。やっと野反湖が鈍く光る。三壁山で少し休み、最後の下降を頑張ってバンガロー場上端にひょっこり出る。途中から地形図の破線とは異なり最後まで尾根を通っている。(破線より東寄り) 野反湖ロッジ前へ着き本日の登山終了。キャンプ場を申し込むが「5時で締め切りだの、自然しかないのが売りだの、道に電気が無いだの」の説明を受け1600円払って手続きを済ます。ちょっと高い気がするが整備された普通のキャンプ場はほとんど泊まったことがないのでこんなものかとも思った。しかし夜間でも非常に騒がしく、廻りにいっぱい人が居て、とても自然と一体化なんて出来る場所ではない。落ち着かない場所で1夜を過ごした。(カモシカ平ならさぞかし良かったろうに)。ちょっと後悔。
2日目は6時起床。天気は曇りがちの晴れといったところ。6:55出発。野反ダムを渡り、季節運行のバス停へ。マイカー登山者がちらほら支度している。
ここから白砂山への登山道に入る。よく整備されている。少し登り50m位下ってハンノ木沢を橋で渡り、急登を凌ぐと標高1660mの地蔵峠だ。南側に祠が奉ってあり今日の無事を祈る。ここで日帰り以外の荷物をデポし、軽装で白砂山コースに入る。単調な樹林帯の道を進み標高1860mの水場分岐着。4〜5人休憩している。昨日とは違って今日はたくさんの登山者と出会う。やはり地元群馬や関東方面の方が多い。水を補給してまた登る。少し稜線より北側の小沢状の涸れを詰めまた稜線に戻る。堂岩山を過ぎ、下降に転じた場所から樹林帯を抜け出し、すぐに八間山の分岐点に。雄大に白砂山が見える。
ここからは始終白砂山や佐武流山、上ノ倉山などを眺めながら稜線漫歩が楽しめる。ただ気温が高めで汗もよく出る。最後の急登で山頂へ。佐武流山方面は薮の中にうっすらと道跡があるが、無雪期に辿るにはかなりの労力が要りそうだ。上ノ倉山も大きく見える。しかしこれらの山々はまともな道は無さそうで、だからこそ、自然が色濃く残っていそうで眺めるほどに興味が増す。いつか辿ってみたいが大変そうだな。
山頂は日陰が無く暑い。大勢の登山者が憩うているが、少しずつ下山にかかり、ひとりになった。午後近くになり、霞みも出てきた。
下山にかかり、堂岩山までに登りで抜かした人達とすれ違う。さっさと下り、地蔵峠へ。
ザックに全ての荷を詰め再び重くなった。
さてここからは以前から興味のあった六合村と栄村を繋ぐ唯一の徒歩道で秋山郷を目指す。
しっとりとした樹林が包む。割としっかりした道だ。峠から15分の下りで北沢徒渉点に着く。飛び石出来るかどうか微妙な状態で、思い切って飛んだ。滑ってもう少しで濡れ鼠になるところだったが何とか免れた。沢の水を飲み、急坂に備える。白砂山はあんなに登山者が大勢居たのに、この道では蜘蛛の巣を顔から何度も浴びる。今日はまだ誰も通っていないようだ。急坂をこなし、幾分緩くなった登りを続ける。樹林が実に美しい。がまだ紅葉には早い。標高差250m位稼ぎ、山腹を巻く。横に張った熊笹をかき分け進む。遠くになった野反湖が昨日と同じように鈍く光る。下りになり、また沢を渡る。登りになり西大倉山に登る。ここは堂岩山から八十三山、大倉山と北西に続く尾根上にあたる。
さてここからが今日の一番疲れる箇所だ。標高1,800mから1,080mまで700m余りの急下降が続く。ブナ林帯で深い森の中を行く気分はいいが、しんどい。天気もあやしくなり、急に暗くなってきた。時間も午後4時半を廻り、明るいうちに着きたい。
熊も出そうな雰囲気である。今年はもう遭っているので今回は出会いたくない。
午後5時半前にようやく渋沢の吊り橋に辿り着く。橋の上でしばし休憩。
渋沢ダムはかなり古く昭和30年頃建設されたもののようだが、車道もない山中によく造ったものだと思う。
このダムサイドは広くなっていて草地が心地よい。プレハブの小さな小屋もあり、沢釣りを楽しむ4人パーティが4日間小屋に滞在されていた。聞くところによると昨日はひとり登山者があった模様。今日は自分だけ。水もダム横にホースでたっぷり引いてあり、快適なテントサイトになっている。夕食の準備をしている間に暗くなった。ロウソクの火を灯し、外で晩飯を食べる。満月が出て、秋のススキ原に夜の虫が賑やかに鳴き最高の雰囲気になってきた。食べ終わっても外で寝ころびうつらうつらする。周囲の稜線に少し雲がなびきそれを月が照らし、虫の合唱と相まって山に来ている実感が強くなる。昨日の夜とは大違いだ。いつの間にかテントの外で寝てしまい夜8時頃からテント内で寝る。