京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
メンバー | シマ |
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期日 | 2005年11月2日夜〜23日(日) |
地域・山域 | 山口県内 |
ルート | 山口県 馬糞ケ岳、寂地山〜安芸冠山 |
山行形態 | 無雪期縦走 |
京都 23:30(JR高速バス ¥6300)6:15 広島新幹線口 6:25(JR¥1620)8:45 新南陽
(タクシ−¥3200)大谷口
広島新幹線口 6:25(JR¥1620)8:45 新南陽 9:20(タクシ−¥2700)9:40 大谷口9:40 10:10和田 10:50高瀬 11:30熊坂峠 13:20鹿野 15:00板根 17:10秘密尾、馬糞ケ岳登山口
大谷口(6)高瀬(11)鹿野(12)秘密尾、馬糞ケ岳登山口
29k 7時間30分
登山口7:40 8:00札ケ峠650m(フダガタオ) 9:00馬糞ケ岳985m 9:45林道 11:10木 谷峡 13:00錦町広瀬 14:40R434分岐(道の駅) 16:10雙津峡
登山口(2)馬糞ケ岳(2)林道(6)木谷峡(8)錦町広瀬(5)R434(5)雙津峡
登山道4k+24=28k 8時間30分
雙津峡7:25 9:20深谷峡温泉 11:45寂地峡 12:35犬戻の滝 13:10林道終点 13:30延 命水 14:10寂地山1337m 15:10松ノ木峠分岐 15:30冠山1339m 16:40潮原温泉 17:25(さくらバス¥100)17:30 吉和IC 17:40(JR高速バス¥1700)18:30広島駅 23:25(JR高速バス¥6300)5:30 京都駅
雙津峡(8)深谷峡温泉(9)寂地峡(4)林道終点(2)寂地山(3)冠山(4)潮原温泉
登山道13k+17=30k 9時間15分
前回の旅で腰を痛めてから痛みが消えぬまま、また来てしまった。タクシ−を下りた時には小雨で、赤いザックカバ−を取り出そうとしたのだが、赤いスパッツ登場。幸先の悪いスタ−トである。間もなく雨が上がり事なきを得た。歩き出してすぐの和田という集落は、広島東洋カ−プの「炎のストッパ−」津田恒美の故郷である。脳腫瘍により40代前半で他界したが、直球勝負の闘志むき出しのピッチャ−だった。今現在は野球にたいした興味を持たないが、今なを印象に残る野球選手である。集落の小学校では野球の練習が行われていた。赤帽子、赤アンダ−シャツ、赤ストッキングに白いユニホ−ム、まさに広島のそれである。第2の津田を目指しているようで、そしてその意思が脈々と受け継がれているようで少しうれしくなった。熊坂峠の少し手前に「金剛水」なる湧き水がある。「流れ切って千古不変、飲んで八功徳ありと伝ふ」と書いてある。思いっきり飲んだ。賢くなれそうな気がした。 前回登る予定であった莇ガ岳は、山頂付近に3つの鎖場があり一番右から登るとヒョッコリ山頂に顔を出すと書かれていた。展望がよさそうなので登りたかったのだが、予定のコ−スを外れてバス通りを歩いていたので違う山を目指すことにした。馬糞ケ岳である。その名の通り山頂付近はモッコリしている。登山口である「秘密尾」という集落の名も心に引っかかっていた。平家の残党が隠れていた集落らしい。鹿野という小さな町を過ぎてから、道は徐々に山奥に入っていく感じだ。たいして標高は上がらないが、どんどん田舎になる。最終的には道は行き止まりになっている。板根の集落でおばちゃんに捕まった。昔、京都へ出稼ぎに来ていて嵯峨野の竜安寺付近に住んでいたらしい。「熊出るよ」「よく出るんですか?」「チョコチョコ、まあ気いつけて」との事。…心優しいワシではあるが、熊にワシの気遣いはわかるまい。峠から少し下ると馬糞ケ岳がヒョッコリと顔をだし、山腹の紅葉が美しい。氷見神社入り口に水場がある。最後の集落を抜けて少しずつ峠へ近づいていくと道が荒れだして人の気配がなくなってくる。ガ−ドレ−ルの脇から登山道が始まっている。道路は行き止まりになっているはずなので、道路上に幕営した。低山ほど何処にでも熊がいそうで気味が悪い。
薮っぽい登山口から崩れやすい崩壊地を登ること10分で札ケ峠(フダガタオ)に着く。江戸時代の石の標識があり「ひろせ」方面(左)へ進み、すぐに稜線上を行く道がさらに左に分かれている。稜線上を行くとすぐに急登となり、木立の間からはすばらしい雲海が広がっていた。やがて笹薮を漕ぎ、しばらくで山頂へたどり着く。ガイドブックには「山頂にはベンチがあり、360度の展望」と書かれていた。ワシもベンチなど無い自然のまんまが良いと思うのだが、「ベンチに座ってゆっくりしよう」と思いながら登ってくると、有るはずのベンチは無いし、展望も南側だけであった。単細胞な人間であるワシは、有る物が無いと腹が立つ。しかし、真っ白な綺麗な雲海であった。広瀬へと下る分岐には標識は無く、入り口から薮である。急坂を下り20分程で伐採の進んだ植林地帯に出る。ここで登山道が無くなり直接広瀬方面へ下る道を見失ってしまった。すぐ下に林道があるので、遠回りしても安全な林道を進むこととした。これがとても長い林道で錦町にたどり着くまで4時間を要した。錦川は川幅の広い清流で、普通に「錦鯉」が泳いでいる。養殖をしている風でもなく何キロにも渡りかなりの数が泳いでいた。ここが錦鯉の里であろうか??。今日の泊地は温泉のあるキャンプ場である。温泉施設に手続きに行くと、去年水の事故がありキャンプ場をやめてゴルフ場にしてしまったとの事。生真面目なワシの御願いを聞き入れていただきテントを張る事を許していただいた。温泉に入り、ゴルフ場となっている東屋の中にテントを張った。川のせせらぎを聞きながらのいいテント場だった。
宇佐川沿いの穏やかに上った国道を歩く。寂地峡の手前3kの地点で道路が崩壊し通行止めとなり迂回路へ回るように標識が出ていた。2k以上の遠回りとなるので徒歩なら問題ないだろうと迷わず直進した。途中、道路の半分以上が50m程の落差のある谷へ飲み込まれていて、アスファルトの下の土も抉り取られていた。浅はかな考えであった。恐る恐る通過し、あとは渓谷沿いの道路をのんびり一人で歩く。宇佐大滝も見ることが出来た。大きな滝を独り占めだ。寂地山は深い渓谷をなし、古くから沢登りの対象として発展した山だそうだ。全く関係ない話だが、「じゃくちさん」と早口で読んでいると頭の中では「パクチソン」と出てくる。遅まきながらワシの頭にも韓流ブ−ムがやってきたようだ。この件に関して多々異論はあろうが、一切の質問も受け付けない。林道沿いを登っていくと山の中腹あたりは真っ赤な紅葉である。この時期のハイキングはとても美しく、また登ってみたいと思う。延命水は雫が落ちているだけであり汲むのに時間を要した。空模様が怪しくなってきたので山頂付近で幕営するかどうか迷いながら進む。山口県の最高峰ではあるが山頂は樹林帯だ。ただ、山頂付近の紅葉はすでに終わり葉が枯れ落ちていたので所々で視界が広がる。かなり暗い空だ。急いで冠山への縦走路へ入る。1度目の分岐に標識は無くリ−ド沿いに薮を掻き分け入っていくが、どうも様子がおかしい。島根県側の山へ抜けていく縦走路へ入ったようだ。地図を確認し戻る。すぐに2度目の分岐があり、これは間違いないだろうと進む。方向も合っているようだが、すぐに進めないほどの薮になり引き換えした。すぐに3度目の分岐があり小さな標識で冠山と書いてある。2度目の分岐は恐らく以前使われていた登山道で、広島国体の時に道が整備され新道がつけられたため廃道となったものだろう。冠山まではほとんど平坦な縦走路である。冠山は広島県第2の高峰である。山頂に展望は無いが、10m程北側に進むと一挙に視界が広がり美しい里の紅葉が見られた。国体に使われた道らしく、幅の広い穏やかな登山道を下ると国体コースと一般道に分かれる。夕暮れが近づいてきたので、早く下れそうな一般道を駆け足で下る。沢沿いの道を1時間で潮原温泉に辿りついた。1軒宿で立派な温泉がある。既に予定していた終バスは出た後なので、宿で情報収集し地元バスと高速バスを乗り継ぎ広島へ出られる最後の便があることを知り、大急ぎで温泉に入り帰路に着いた。良い温泉なのに露天風呂にも入らず惜しいことをした。明日は日曜日、もう一日歩くことは出来たのだが先へ進めばタクシ−意外に交通手段はない。日数を使いこなしながらうまく進むことは難しい。