京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
メンバー | シマ |
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期日 | 2005年11月22日(火)夜〜27日(日) |
地域・山域 | 山口県・広島県・島根県 |
ルート | 山口県・広島県・島根県 十方山〜三瓶温泉 |
山行形態 | 積雪期縦走 |
京都 23:30(JR高速バス ¥6300)6:15 広島新幹線口(JR¥190)新井口
広島(JR¥190)新井口(徒歩2分)商工センタ−(広電¥140)楽々園8:14(広電バス¥1350)9:40潮原温泉 潮原温泉9:40 10:10県296分岐 10:50クレ−ベ吉和スキ−場 11:50十方山登山口 12:30水場 13:10五合目(1000m) 14:15十方山山頂(1319m)
潮原温泉(3)県296分岐(7)十方山登山口(5)十方山山頂
登山道5k+10k=15k 4時間35分
十方山山頂8:30 9:20十方山林道 9:50恐羅漢スキ−場入口 12:40餅ノ木峠経由R191 13:00深入山西登山口
十方山山頂(2)十方山林道(3)恐羅漢スキ−場入口(13)R191(2)深入山西登山口
登山道2k+18k=20k 4時間30分
深入山西登山口7:25 7:45広域林道 9:55県11号 10:50R186分岐 11:55県113分岐13:20来尾峠(800m) 15:05県5号 16:30県327 16:50原山トンネル手前空地
深入山西登山口(2)広域林道(10)県11号(4)R186(5)県113号(6)来尾峠(8)県5号(4)県327号(2)泊地
41k 9時間25分
泊地7:00 8:20県7号 9:30県297号 9:50R261 11:40県40号 12:50川本町 13:50竹駅 16:35粕淵 17:30県道40号沿い空地
泊地(7)県7号(6)R261(8)県40号(21.5)粕淵(3.5)泊地
45k 10時間30分
泊地7:00 8:20三瓶温泉 泊地(5)三瓶温泉
5k 1時間20分
三瓶温泉 10:20(バス ¥830)11:03 大田市駅 14:46(JR¥570)15:25 出雲市駅 17:00(JR高速バス¥6000)22:45 京都駅
渓谷沿いをバスに揺られ紅葉を堪能しながら潮原温泉に着いた。晴れているがスッカリ晩秋の空気となり少し寒く感じる。しばらく歩いた所にあるスキ−場は早々とオ−プンしていて、人口降雪機を使ったのだろうが約2キロ程度の斜面が滑走可能になっている。広島県とは思えぬ光景である。登山口からは急登を進み、5合目の標識付近から穏やかなアップダウンを繰り返しながら緩やかに登っていく。そのうち笹原となり山頂まで続いている。山頂は20〜30人のパ−ティ−が2組でごった返している。かなり風が強く寒い。展望は360度で前回登った冠山、寂地山や恐羅漢山等が見える。予定では北側の水越峠へ下り、そこから恐羅漢山へ上り返すつもりであった。16時には暗くなるので今日は山頂泊と決めた。中国山地の中でも熊の多く生息する地域らしく、声を掛けてくれる人は揃って「熊といっしょに寝るのか」と脅かしてくれる。しかし寒い。50〜60人の人たちが鍋やら弁当やらを広げていたのでテントを張るのは心苦しかったのだが、寒さに耐えかねて設営した。防寒着も持たず夏山装備で来た事を後悔した。抜群のロケ−ションを撮るべくカメラを取り出したが電池切れ。時間が早く暇なのはいいが、やたらと酒が進んだ。60人の登山客は一挙に立ち去り一人ぼっちとなった。夜、月を見ようと外へ出たら雨が降り出した。
目覚めると雨が激しくテントに叩きつけている。天気予報ではずっと晴れの予報であったのに…。6時ごろには歩き始める予定であったが、しばし様子を見ることにした。8時に外へ出るとみぞれから雪に変わりつつあった。運動靴のワシは積もると悲しい結末が待っているので、慌てて下山を決意し傘を差しながら歩き始めた。水越峠へと下る道は鬱蒼とした森でいかにも熊が出そうである。みぞれの中を恐羅漢へ登る意味も無く、林道を下り先へ進むこととした。スキ−場付近で雨が上がり、三段峡へと続く道を紅葉を楽しみながら歩く。何処で間違ったのかは全く判らないのだが、気がつけば予定ではない1本西側の広域林道を歩いていた。前進するには問題は無く、昨日の遅れを取り戻すべく先を急いだ。12時30分頃、国道191に出た頃にまた強い雨が降り出した。昨日予定していたキャンプ場が3k先にあるので急いで歩いていると、深入山西登山口があり大きな東屋があった。土砂降りなので東屋へ急いだ。階段を上がり広々とした東屋の中は2.3人用のテントを5.6張りも出来そうな大きさである。とにかくテントを張り、フライを干して乾かした。しばらくすると晴れ間が現れて先へ進むか悩んだのだが、一旦心に宿った「ぐうたら」は立ち去りはしなかった。一般道のすぐ横の1段上がった高台にあり、景色は良いのだが800m程度の標高があり案外寒かった。しかし、2日ともあまり進むことが出来なかった。しかも昨日は酒を空にしてしまいむなしい夜となった。
昨日来た道を少し戻り広域林道を北へ進む。30分も歩いただろうか、また雨が降り出した。県道11号に出るまでの2時間余り激しく降り続けた。休憩も出来ずひたすら歩いた。ようやく晴れ間が出てくと今度は陽射しが暑い。
傘をパタパタして乾かそうとしたのだが、傘の骨が1本折れた。なんか今回の旅は調子が悪い。今日も阿佐山を登る予定であったのだが、歩き始めの雨で県道11号をひたすら北上する事とした。昼頃から空模様が怪しくなり、時々雷が鳴っている。緩やかな上りが続き才乙スキ−場を過ぎた来尾峠で北広島町に別れを告げて島根県浜田市へ入った。本州では山口、広島に続いてやっと3つ目の県だ。今日もひたすらアスファルトを歩いている。峠を下りきったところで県道5号線へ出る。3日目にしてやっとお店を発見、焼酎と食料を少々買い込み、道端にある給水施設で水を汲んだ。中国山地へ入ってからは自らバス道路を選んで歩かない限りは延々と山道が続いているように思う。九州では1つ1つが大きい山でもすぐに街へ出てしまう。九州の中央山地ぐらいしかこんなことは無かった。
いつでも幕営可能の準備は整ったが、テントを張れそうな場所が見つからない。県道327号に入ると、また上り坂となり集落がなくなり始めた。雲海ロ−ドと銘打ったこの道の峠付近まで上がったところに空地を発見し道路から少し奥まった林の中に幕営した。今日は良く歩いた、酒もある、熊に怯えながらも酒の力は絶大で、泥酔で朝を迎えた。
曇りがちの空にビビリながら出発をしたのだが、30分も立たぬうちに降りだした。今日はすぐに降り止んだのだが安定しない天気が続いている。R261の交差点の「皆井田バス停」に腰掛けて休憩したのだが、そこには「数II+B」の教科書がおいてあった。ためしに広げて見たのだが、このあとすぐに頭痛に襲われたのは言うまでも無い。
二日酔いのせいなのか、教科書のせいなのか…「みかみなつこ」ちゃんへ…他に犠牲者が出ないうちに早く家へ持って帰ってください。川沿いを緩やかに下っていくと「断魚渓」なる渓谷がある。国道はトンネルとなり、なんと「断魚トンネル」と書いてある。魚を断つほどの渓谷なら意味は判るが、もともと魚が泳ぐトンネルなどは無く、魚を断つトンネルは納得がいかん。それも言うなら「断魚渓トンネル」でしょう。定年後の暇つぶしとして島根県を訪れ、意見を申し出ることにしよう。この川は「江の川」の支流であり鮭が遡上するらしい。なにも知らぬ鮭たちはのん気なものである、断魚渓、いや…断魚トンネルにやられるとも知らずに…。本流に辿り付く頃、やっと街らしい場所にたどり着き、ようやくカメラの電池が復活した。「中国太郎」の異名を持つこの川は大きくとても雄大である。相変わらず泣き出しそうな空であり、今日も予定していた石見冠山は止めにした。粕淵までの20数キロはずっと中国太郎を眺めながら上流に遡る。明日はいよいよ今回のメインディッシュである三瓶山である。明日もあまり余裕が無いので少しでも前進しようと16時を過ぎ夕闇の迫る中歩いていると道に迷った。そして大粒の雨が降りだした。17時、あたりは真っ暗闇で、徐々に道幅は狭まり、車1台がやっと通れるくらいになってきた。
次は雷だ。豪雨と雷の中、道端に小さな広場を発見し幕営した。少し獣の匂いのする草むらで、テントのすぐ近くに落ちる雷にビビリながら食事をした。今日も雷を忘れるために焼酎を堪能し、一晩中鳴り続いたであろう雷を酒の力でやっつけて爆睡していた。