京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
メンバー | ニシザワ、スズキ、ゴン(HUWV-OB) |
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期日 | 2006年2月22日(水)夜〜26日(日) |
地域・山域 | 北海道 層雲峡など |
山行形態 | アイスクライミングツアー |
1100 銀河の滝取り付き
1500 落ち口終了点
1600 懸垂にて取付
1030 錦糸の滝取り付き
1400 F2落ち口終了点
1500 懸垂にて取り付き
1000 雲井の滝取り付き
1530 F3終了点
1700 懸垂にて取り付き
そもそも、氷といえば寒いほうがいいだろう、という子供ながらの発想から北海道でアイスクライミングしようと決意してから、僕は動かざること山の如しであった。隣で働くスズキさんに猛烈にアピールしながら、計画は動く気配を見せず、眠れる獅子であったそのプランは睡眠から覚めることなく骨格のみを残して風化しようとしていた。
しかしスズキさんは動いた。というわけで、リーダーという肩書きを持つ私は、真のリーダーである彼に動かされる形となってしまったものの、着実に飛行機のチケットを予約したのであった。飛行機嫌いのスズキさんは一足先に北の地へ向かうフェリーへ乗り込みアルコールが彼の体をめぐる頃、僕は京都中の登山用品店を駆け巡りなんとかスクリューを購入していた。夜通しで荷物の準備を終え空港に着いてみると、北の地はガスにまみれて着陸困難との放送が流れるのであった。函館に着陸、もしくは大阪に引き返す可能性がありと、卒業旅行は序盤から大荒れの様相を呈していた。
まぁ結果的には杞憂に終わり、無事に新千歳空港に到着。飛行機からは黒部ダムとか見えちゃってテンション上がりまくり、もう最高。しかし、フェリーで到着するスズキ氏を迎えに行かにゃならんので単身レンタカーに乗り込み、運転するのであった。よく考えたら、北海道へ来るのはこれで8回目になるのに自分で車を運転するのは初めて、普段は基本自転車、よくてもヒッチハイクなのであった。しかしあったかい、そりゃ霧も出るのも納得であった。
まぁあれです、何度か迷いましたよ、初めての道だし、暗くて方向わからないし。そんなわけで、小樽に着いた頃にはフェリーがもう港内に見えていました。映画とかであるように、ヘッドライトで合図しようかとも思ったけど、この寒い冬に甲板にいる人影は皆無、少なくともスズキさんは見ていないだろうなってわけで断念、一人のんびり雪の中はしゃいでました、そりゃもう港の職員があきれるほどはしゃぎました。そしてスズキさんと合流、とりあえずガラナ炭酸飲料で迎える。ちなみに小樽の気温は4℃、、、ここは本当に北海道ですか?
またたび荘に泊めてもらうことが決まっていたので、リミットの時間を過ぎないように車を走らせる。札幌市内はなんだか素敵な雪の壁、異国情緒あふれる雰囲気が漂う。寮に着くと、今日は飲み会が、、、ということで同行させてもらい、当会のヤマグチ氏などがあのように斜めに育った元凶であると思われる飲み屋に到着。ここで三日目から一緒に登るゴンちゃんと出会う、HUWVでヤマグチ君と一緒に登ったりしていたということで紹介してもらった。アイスの打ち合わせを少ししつつ、コップをいくつか割りつつ、吐くような若い飲みを目の当たりにしながら夜は更けるのであった。
6時頃、起きた僕らはそのまま層雲峡へと車を走らせる。一面真っ白の世界は長野で育った幼少期を懐かしく思い出させ、これから始まる氷まみれの休暇に対するモチベーションを上げてくれた。層雲峡に着いたのは9時頃、かつては買い物が困難であったその地で、新しく開店したと思われる北の聖地セイコーマートが僕らを迎えてくれた。行動食を買い足し、初日は体慣らしということで銀河の滝に向かった。
銀河の滝の手前の駐車場には観光バスが時折入ってきて、ハングルか中国語で会話する旅行客にあふれていた。日本人は普段滝を登るのだという誤ったイメージを植えつけて帰ってもらおう。そんなわけで準備を終え、一番の核心である渡渉を飛び石によって乗り越え、取り付きにたどり着いた。車すら見えるその位置に圧倒的な氷がそびえるのを見ると、僕らは今までどうしてあんな苦労をしてまで小さい氷を登っていたのだろうか、と素朴な疑問がわきあがる。
とりあえずルートは無限に作れそうだけれど、体慣らしということもあり、弱点のみを攻めて上がっていく。1ピッチ目は右岸の岸壁にある残地ボルトまでスズキさんが問題なくリード、氷を打ちつつ、体を持ち上げるのはやはり楽しい。フォローで登ったニシザワがそのまま2ピッチ目の雪壁を登るが、途中にまったく残地がなく、ロープがいっぱいになってしまい潅木までたどり着けない。中央の斜面にはクラックも見えているし斜面も急なので、少し引き返して斜面の緩やかな位置でアックス埋めてボディビレイ、なんか嫌だなぁ。はじめからビレイポイントを伸ばしておくんだった。とりあえずそこでスズキさんとスイッチして無事に潅木まで到着。
ここからひたすら右岸沿いに登る。ニシザワのリードで雪壁から氷が出て少し進んだあたりまで進み、とりあえず残置で区切って終了、スズキさんはそこからの若干立っている氷壁越え、最後ニシザワがトラバース気味で水流の音の響く薄氷部分を越えて終了。クライミング自体は実に問題なく順調に進み、体を動かすことに満足しつつ登ることができた。しかし寒い、朝は暖かかったために油断した装備なのに、徐々に寒くなり登りきったときには駐車場は舞う雪に隠されていた。それにしても国道を通る車の音が聞こえる位置でこのように雄大なクライミングができることに感動。
とりあえず寒いし早よ帰ろってなわけで4ピッチほどの懸垂で撤収、無事に荷物へとたどり着き、硬く握手。腹ごしらえでもしようかなぁというとき、ふと登ってきた滝を見上げると滝の上から大きな雪煙が立っているのが見えた。即座に「雪崩!」と叫ぶとスズキさんはこちらを向き「マジで!?」と驚き顔、それが最後だったら僕の網膜には焼きついたスズキさんの驚愕の表情が写っていたはず。とりあえず二人して下に向かって駆けるけれど、雪煙が僕らを覆い、雪の流れはいつ来るのかと身構えたままの時間が過ぎる。逸れたのか?規模が小さかったのか?それすらわからぬまま幾分か沈黙の時間を過ぎて、恐る恐る「大丈夫ですかねぇ?」といったような会話をした気がする。雪煙が消えると、僕の荷物は半分ほど、スズキさんの荷物は完全にデブリに覆われていた。何とか掘り出して、そそくさとその場を後にする。写真を撮る余裕すらなかった、というか僕はカメラ車に忘れてた。直撃しても埋まることはない規模であったにせよ、完全に油断していた状態で出遭った雪崩に、自分達の運のよさを確認するしかなかった。翌日からは車に帰るまで握手をしないことにした。
夜は「黒岳の湯」で体を休めつつラーメン食って、氷瀑祭の会場をちょこっと偵察して車の中でのんびり宿泊。いつもだったらテントの中で飲むお茶にすら感動しているのにこの優遇っぷり、おのれ道民!翌朝の食事はセイコーマートの中の食事スペースでのんびり弁当を食らうのであった。そのせいで、錦糸の滝に取り付いたのは前日と同じ頃、10時過ぎであった。錦糸の滝は記録を見ると堤防から降りるときにフィックスを残して帰りは登り返し、ということだったのだけど、札幌でゴンちゃんに聞いたところ、何年か前に大規模な崩落がおきて堤防が崩れたおかげでフィックスは必要ないとのコト。現地にいってみるとまさにその通り。クライマーのための御膳立てのような崩れ方。スノーブリッジを慎重に渡り、取り付きにたどり着いた。
錦糸の滝の核心はやはりF1だろうか、とりあえずギアを大量に持ってスズキさんリード。安定しているのでビレイの手を離して撮影に専念しようかと思うくらい。右岸の残置で区切る。フォローで登るが垂直部分にスクリューを3本も決めてあったため回収が大変だった、スズキさんの慎重な性格がうかがわれる。交代してそのまま2p目をニシザワリード、特に難しいところはなく絶景を噛み締めながら登る。左岸の残置ボルトで区切るが、残置スリングの結び方があまりに適当、不安なので帰りに直しておいたがアイスの残置って結構こういうものが多くてヒヤヒヤする。3p目は流木のトンネルをくぐる雪壁、手抜きビレイで速攻登って終了。最終の4p目ニシザワリードで無理やり中央の氷柱を登る、難しくないのだけれど性格のせいか足をしっかり置かないので何度も外れる。この性格は直さないとなぁ。。。実は今回の旅行のメインの目標であった。
こちらもだいたいコースタイムどおり、4時間ほどのクライミングであった。スズキさんは襲ってくる尿意に耐えつつ4回の懸垂で無事に降り立つ。今回はここで握手はしない、家に帰るまでが遠足の精神で挑む。朝より脆くなったスノーブリッジを越え、登りきった錦糸の滝と、登る気すら起こらないリトルプリンセスを見てクレイジーだねぇ、なんて思いながら帰路につく。錦糸の滝より少し上流にある岩間の滝は機会があれば登ってみたい。パラグーフォール、尾滝、NAKA滝を見て車に戻るが、これらはどれも駐車場から10分程度のアプローチ、うらやましい。この日の夜は旭川まで一時撤収、ゴンちゃんを拾って同じくHUWVのナッチ宅にお邪魔させてもらうことになった。適度に飲みつつ、明日の朝も早いからねぇと眠りに就く。しかしこのためにゴンちゃんがわざわざ持ってきたテントは一度も使われることなく、お持ち帰りになるのであった。
早朝から夜の雪で覆われた道を再び層雲峡へ向かう。晴れ間に見える旭岳は美しく、この日が道内最後となるスズキさんを祝福する。今日はゴンちゃんリクエストで雲井の滝を登る。この日もセイコーマートで腹ごしらえをしてから銀河の滝駐車場へ車を置き、上流へとしばらく歩くと雲井の滝が見えてくる、やはりF1が核心。解けかけた川を慎重に渡り、何とか対岸へ渡りしばらく登って滝に取り付く。核心のF1 をわがまま言ってリードさせてもらう、ありがとうございます。前半は氷柱部分を右岸からトラバース的に登る。いざリードするとやはり怖いのでスクリューの間隔は短くなるが、これはこれでいい傾向なのかなぁ。左岸へ着いたところで区切ろうかとも思ったが、安定したピンがなくギア的にも行けそうなのでそのまま進むことにした。80〜90°が13mほど続くが要所では足を安定して置けるような場所が見つかり、フィーフィーを使わずに登りきった。今までで一番充実感のあるクライミング、思わず「やった〜!」と叫ぶ。この程度で叫んでいるのは未熟ってコトなのかもしれないけれど、とにかく満足。スズキさんとゴンちゃんを引き上げてから、2pスズキさん、3pゴンちゃんで登っていくと、マッシュルーム滝の造形美にしばし見とれるが後続の地元Pa曰く、例年の半分程度だねぇとのコメント、秘密にしておいてもらえれば十分感動できたのに。マッシュルーム滝はゴンちゃんのリード、一部ハング気味の箇所があり、しかも終了点がまったく見つからずアルパインのように氷の迷路を抜けていく。フォローでもおなかいっぱいのルートでした。
時間も遅くなりつつあったので、そのまま撤収に入り、行きに落としたカラビナのことなどすっかり忘れてそのまま下ってしまった。F1部分はかなり高度感のある懸垂となり、ケイビングのようで楽しかった。とりあえず三人での記念撮影をして、ギア分けなどを済ませ、スズキさんのフェリーに間に合うように急いで帰る。最後の夕食はやはり札幌でスープカレーだろうということで高速を飛ばして帰るが、目的の店はスープ切れで既に閉店、仕方なく寿司へと変更して回転寿司を食べたのだが、いやぁ、これはおいしい。やはり食材がいい!
その後、フェリーターミナルまでスズキさんを送り、短かった三日間を振り返る。僕のわがままから始まった北海道アイスに付き合ってくださってありがとう。そして、できればまた行きましょう。
さて、翌日は残されたゴンちゃんと二人で雄冬、ということで夜は下宿にお世話になり、翌朝起きたのだけれど、、、なんと天候は雨!登ろうとしていた氷は海岸沿いで雨風を吹きさらしに遭いながらでないと登れない。颯爽と終了宣言をして帰りましたとさ。一日あいてしまったので秀岳荘とかで時間をつぶしつつ、札幌市内でマッタリ。飛行機だとこういうときに融通が利かなくて困るなぁ。。。
と、最終的には微妙な感じで、しかし十分北海道の氷を楽しむことができた3日間でした。是非また今回登った人たちと、更に何人か増やして登りに行きましょう。
2002年3月10日。北海道日高、札内川八ノ沢左岸尾根。
人ひとり入れる程度の不快な作りの雪洞を出ると、風強く、一面ガスで真っ白だった気がする。前日にたっぷり水を吸ったアウターはすぐに氷の鎧と化し、下山の判断へと気持ちが折れるのは実に簡単だった。
ひとり昨日のトレースを下っていると、屈強そうな3人組が素晴らしいペースで登ってきた。「ラッセルのトレースありがとうございます」「速いですね。大学ですか?」「北大山岳部です。どちらから?」「京都からです。僕には無理そうなので下ります」そんな会話をすれ違いながらして、敗者はとぼとぼと降りていった。
2006年2月22日。新日本海フェリー舞鶴発小樽行「はまなす」船中。
ちょうど6年前同じようにひとりでフェリーに乗っていた時は、荒れる日本海を眺めながら「ムーン・パレス」を読んでいてなんとも暗澹たる気分だったのに、それが今や、携帯で職場に事務連絡のメールを送り、終わったらごにょごにょと論文を読む有様。高速船の20時間など、あっという間に過ぎ去る歳になってしまった。
その夜、僕らは札幌の居酒屋「なると」でHUWVの現役部員らに混じってまずい醸造アルコールで親交を交わしていた。乱れ飛ぶ雑巾、砕け散るコップ。大学時代に慣れ親しんだバンカラな雰囲気に浸っていると、やっぱ北海道は土壌からしていいなあ、と思えてきた。ゴンちゃんはとても初対面とは思えない雰囲気で対応してくれ、お互いしんぺーの噂話で盛り上がる。ゴンちゃんと一緒に現れたナオキさんと話をしていると「北大山岳部出身?」「同い年?」「もしかして2002年3月にカムエクに登ってた?」なんと、そのときすれ違った3人のうちの一人だった。これには本当にびっくりしたが、自然な事だとも思った。黒田誠さん曰く、世界は広いが世間は狭い。
翌日から僕らは丸3日間、アイス三昧。
初日は銀河の滝、アプローチ車から10分。二日目は錦糸の滝、アプローチ車から40分。三日目は雲井の滝、アプローチ車から30分。滝のサイズはどれも延べ200m近くあって、登っててとても爽快。途中で簡単なピッチが混じっても最後まで抜けたくなるような、連続感のある滝ばかりで最高でした。
銀河の滝を登った日はずっと雪が降ったり止んだりで、時折吹き上げる風雪とはるか下に見える観光バスが、僕らの孤絶感を一層引き立たせていた。それでも全くストレス無く登攀終了し充実感に浸っていると、ニシザワくんの警告。振り返ると、滝上部が全く見えなくなるぐらいの大雪煙が滝の中段で爆発していた。考えるよりも先に下に向かって駆け降りて行ったが、逃げられるはずもなくたちまち一面まっしろ。
今から思うに、一日中降り積もった粉雪が、2~3ピッチ目途中で左上から合流していた沢筋からばさっと落ちて、さらに途中の雪をすべて払い去りながら起こったチリ雪崩だったのだろう。結果的には荷物が軽く埋まった程度で済んだが、あれが2~3ピッチ目の途中だったり、懸垂下降中だったりしたら大事だったろう。傾斜の緩い大きな滝に対して、注意が欠けていたと思う。
二日目に錦糸の滝を登った後、夜はベタに旭川ラーメン。これがもうウマイのです。ゴンちゃんをpick upしたのち、しんぺー同期の主将なっちさん宅にお邪魔。ゴンちゃんも久しぶりの再開だったこともあり、酒を酌み交わしつつ昔話や今話や今後話をしんみりとしていて、北海道での生活というものに思いを馳せる。
翌朝コーヒーまで頂き、快晴の青空の下、一路再び層雲峡へ。ゴンちゃんも加えて3人で気分も高揚し・・・と言いたい所だが、中島みゆきで盛り上がれるのは僕ひとりだけだったようだ。しかし、僕もゴンちゃんもつい曲を口ずさんでいた。
西には西だけの正しさがあるという
東には東の 正しさがあるという
なにも知らないのは さすらう者ばかり
日ごと夜ごと変わる風向きにまどうだけ
車を降りると、風強く、寒い。これこそ北海道。
雲井の滝も、でかい。F1をニシザワくん会心のリードで突破し、F2を適当にこなして殿で合流すると、二人がやけににやにやしてる。「スズキさん、あれ。」と見上げる先には、ぶっとい氷柱とあり得ない形状をしたF3が。二人があちゃ〜という顔をしていたが、まあ行くしかないでしょとコンテでF3取付まで進む。
いざ下まで来てみると、見る角度に騙されていただけで、弱点を突けばなんとかなりそうな感じだったので、予定通りゴンちゃんリードで取り付く。見てていて応援したくなるほどの奮闘的なice-crushingで、でぼこぼこの正面を突破して行った。強い。
充実感一杯で終了し、荷物まで戻ってアホ写真をいろいろ撮ってから、とぼとぼと帰路につく。車に戻る頃には薄暗くなっており、渓谷にはさまれた狭い空が、一日の終わりを感じさせてくれた。
札幌で回転寿司に連れて行ってもらったが、これがおいしかった。今まで寿司というものを食べても、もちろんおいしいけれど、なぜわざわざ生で食べるのか実を言うと分からなかったのだが、この時食べた寿司は、その魚の食感があって、その魚の味がして、なるほど寿司とはこういう食べ物なのかと感動するほどのものだった。スーパーの魚売り場にしても、北海道人の食べ物に対するこだわりにはいつも感心させられる。
お腹を満たしたら、北大生お決まりのジュージャンで別れを偲ぶ。気合のチョキで僕の負け。二人にジュースをおごり、僕は360円の缶コーヒーを飲みながら一路小樽へ。乗船時間が迫っていた。京都での再会を約束して、ひとりフェリーに乗った。ゴンちゃんとはこれからも一緒に登ったりすることがあるだろう。いろいろな繋がりで各地に山仲間が増えていくのは素敵だなあ、と思う。風呂上がりに2等客室でサッポッロクラッシクの缶を開ける頃には、フェリーは暗い海と暗い空の境目を進んでいた。