京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
メンバー | ヒカサ、イナノ、カワシマ、エノモト |
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期日 | 2006年4月9日 |
地域・山域 | 鈴鹿御在所 前尾根 |
山行形態 | 無雪期アルパインクライミング |
文責 | イナノ |
6時 出町柳出発
8時 御在所駐車場着:ギア・装備の準備
8時半 駐車場出発
9時半 藤内小屋着
10時取り付き着
10時半 日笠・稲野ペアトップ
15時半 頂上着
16時半 登山道の脇でティータイム
17時半 藤内小屋
19時 駐車場
御在所にきたのはいつぶりだろう・・・2004年秋ごろに岩登りにいき、2005年2月にアイスクライミングをしにいった以来かもしれない。一年半ぶりの前尾根だ。
今年の夏に北岳バットレスへ日笠さんとツルベでいこう!!とクラックス(ジム)の帰りに決めた。今一番の目標はそれだ。日笠さんとザイルを組むのは初めてなのでお互いについて確認しあうためとザイルワーク確認のためにいくことにした。
今年の正月からずっとフリークライミングばっかりしていて歩いていなかったので、取り付きまでちゃんと歩けるかどうか心配だった。今日の核心はここかもしれないと思った。
歩き始めてすぐにみんな「しんどい〜」という声がでた。まったくといっていいほど普段歩いていないからだ。ここを頑張らないと岩にはたどりつかない。次第に沈黙になり真剣に歩く。まず休憩場所の藤内小屋に9時半ごろ到着。意外と早かった。小休止をとって取り付きへ進む。空は綺麗な青空だが気温は低く、まだシーズン的に早いからか私たち以外のクライマーにはまったく会わない。
登山道から沢へ少し入り、取り付きまで沢筋を登る。いつもは左側から巻いていくが沢にはたくさんの雪が残っていたのでそこを避けて右側から巻いていく。取り付きに10時過ぎに着くと男性2人組の1パーティと初めて出会った。私たちが準備している間に彼らは登っていった。用意をしていると、さっきまでよかった天気が嘘のように雪がいきなり降ってきた。風はきつく登る気がうせてしまうほどとても寒かった。持ってきたフリースとレインを着こみ、ようやく10時半ごろ私たちも登り始める。
最初が少しやらしかったような記憶がある。ビレー点の場所はしっかり覚えている。本日初のクライミングで少し緊張。怖いといいつつもスラスラと登っていった。ビレー解除の声が聞こえ準備する。セカンドの私は岩の感触やいつものフリーとは違うアルパインの感覚を思い出す。ビレー点に到着して「こんなんだったっけ〜怖い〜」といいながらすぐさまセルフビレーをとる。
2Pの出だしは1P目よりもっとやらしかったような、嫌だなぁと思いながら登る。ザックが岩にひかかりながら1本目のヌンチャクをかけた。フリーで行こうと思ったが怖くてついヌンチャクを掴んでしまった。セカンドの日笠さんも出だしのやらしい箇所についてぶつぶつ言いながら登ってくる。
フリクションがよくきき快適なルート。岩の感触を味わいながら気持ちよく登ることが出来た。
私が間違えてひとつ終了点を早く終わっていたので残りの1ピン分をリード。
終了点が少し広く安定した場所だったので、4人でリードしてきた後のセカンドを引き上げるビレーの仕方を確認した。
快適に登っていく。私の後ろからは榎本さんがリードで登ってくる。
ピンがしばらく無いが快適なルート。風はとてもきつくバランスがくずされそうになって怖かった。声がとおりにくいと思い大声で叫ぶ。川島・榎本チームは私たちが行くのを待っている間とても寒いのでツェルトに入っていた。日笠さんが登ってきて、安定した場所へは私のいる終了点から少しトラバースをしないといけなかったので、リードに切り替えてそのまま進んでもらう。私もつづいて進む。
スラブをのぼっていく。快適そうだ。(日笠:とりあえず寒すぎて登攀についてはあまり覚えてない)
ラストのピッチかと思ったらまだあったので気合を入れて頑張る。途中で岩に挟まっているカムをみつけて、取れるかなぁって思って引っ張るがとれない。セカンドの日笠さんに気づいてもらうためにヌンチャクをかけザイルをかけてすすむ。2年前に初めてきたときにとても怖いと思った印象深いクラックを登り終了点につく。 セカンドの日笠がのぼってくる。思ったとおりカムに反応して必死に抜こうとするが抜けずに諦めて登ってきた。カムに反応してくれた日笠さんの姿を見て少し笑えた。日笠さんは下山して駐車場でギアわけをしているときも抜くことができなかったヌンチャクについて言っていた。よっぽど持って帰りたかったのだろう。
終了点がかなりさびていて怖いということで少し右往左往するが、けっきょくそこでビレーをとった。川島・榎本チームは最終のピンが悪いので左側からまいて登った。 寒さでみんなとても疲労していた。とりあえずザイルを片付けすぐ下山する。 登山道に16時ごろ到着。風はまったくといっていいほどなく快適だ。みんな一安心。藤内小屋にむかおうとするが体力的にもたず、しばらく歩いて登山道の脇で暖かいカフェオーレとホットオレンジを作り飲むことにした。ここで30分ほど休憩し、藤内小屋に17時半ごろ到着。藤内小屋に着くとベンチにカナダ人と日本人の登山者がいた。彼らは登山道から望遠鏡でずっと私たちを見ていたという。カナダ人の彼はクライミングに興味があるみたいだ。藤内小屋の入り口の梁にキャンパスができそうなワッカがついていた。カナダ人と私たちはそれで遊びだし、疲れていたはずなのに面白くて盛り上がってしまい1時間ほど遊んでいた。18時半ごろ日が暮れそうになるということで下山し、19時に駐車場に無事についた。
今回の登攀はザイルワークの手順の悪さを感じた。ザイルが絡むことがあり登攀中に何度かザイルの絡みをほどく作業をした。5月に雪彦東面に行くことにしているので、ザイルワークをスピードかつ的確に出来るように練習したい。また、スリングとカラカラビナをどのようにハーネスにセットしておいたら一番いいのか日笠さんと検討することだ。今回カラカラビナ2個とスリング1本でヌンチャクの形を作ってセットする方法とカラカラビナ1個とスリング1本ですぐにほどけるように簡易結びしセットする方法をとっていた。私は登りながら後者のセット方法からハーケン等にセットする方法は苦手だった。 今回とても風がきつくて寒く今までの御在所前尾根登攀の中で一番厳しい状況だったが、ホンチャンのことを考えるととてもいい経験になった。また課題がみつかったとても充実した登攀だった。初めての二人での登攀、とても楽しく充実していた。はじめの第一歩。