芦生 ゲロク谷右俣(沢登り)

メンバー イナノ ヒカサ サトミ ヨシダ
期日 2006年8月19日〜20日
地域・山域 芦生 ゲロク谷右俣
山行形態 沢登り
文責 イナノ

報告と所感

8月19日

 当初、大峰赤井谷へ行く予定をしていたが台風の影響で急遽日帰りの沢へ変更した。以前計画をたてていて自己都合により流れた矢納谷へ行くことにした。「リベンジがきた〜」と思っていたのにこれまた流れることになってしまった。出発前にインターネットで天気を見ると奈良南部は日曜も雨だった。「げーまじで!!」と思い、北か東へ転進したほうがいいのかなぁと思いながら17時に京都駅で全員集合した。
 東なら御嶽山鈴ケ沢東俣へ行きたかったが下調べ不足と遠すぎということで却下。どうしたものかと悩み、サトミ宅に日本登山体系全巻ありインターネットもできるということでサトミ宅で転進先を検討することにした。候補として石徹白初河谷か奥美濃川浦谷か芦生ゲロク谷があがった。日帰り可能なのはゲロク谷。矢納谷かゲロク谷。最後の最後まで悩み、安全かつ晴れを狙ってゲロク谷へ行くことにした。ゲロク谷は滝が連続し直登でほとんど超えることが出来るらしい、けっこう楽しそうだ。大峰へ行きたかったがここは我慢。盛り上がって行こう!!ということでサトミ宅を20時ごろ出発し、芦生京大研究所近くの駐車場で仮眠した。

8月20日

 あまりにも足や手がかゆくて3時頃から目が覚め、耐えられず5時に起きる。よく見るとテントの中は蚊の大群だった。うわぁー身体中蚊に刺されまくり。なんと30個近く刺されていた。ヒカサさんヨシダさんと3人でテントで寝ていたのに私が一番たくさん刺されていた。かゆいかゆい!最悪〜。テントから脱出し蚊とり線香をとりあえずたいた。かなりブル〜で朝から不愉快だった。
 気をとりなおし6時10分出発。トロッコ道を1時間半近く歩きカヅラ小屋7時40分到着。沢の準備をして8時15分入渓。カヅラ谷を進むと右側に1本目天上谷があり、次の顕著な谷がゲロク谷である。川幅の広いカヅラ谷を右へ左へと石の上を渡りながら快調に進んでいくと予定どおり右からの顕著な谷に出会った。その谷がゲロク谷だったのに私達は一つ目の天上谷だと判断してしまい次の谷の出会いまで歩くことにした。そしてしばらく行くと谷が二俣に分かれた。ちょうどここは植橋谷と桑ノ木谷の分岐点だった。まだ私達は行き過ぎたことに気づかず、右側の桑ノ木谷をゲロク谷だと思い込み「入渓点!!(9時)」と言いながら進んでいった。今、思い出しながら書いていて本当に恥ずかしい。
 小さな滝がでてきたりして盛り上がって楽しみながら登って行くが、途中でおかしいことに気づき始める。本来のゲロク谷であれば入渓してしばらくすると左俣と右俣に分かれ、分岐点前には大きな滝があり右岸から巻いて懸垂をする予定なのにまったくでてくる気配がない。ザックを残置して先を見に行くことにした。そして、谷を間違えていることに気づいた。時間(9時40分頃)はまだ早かったので戻って登り返しても大丈夫だろうということで桑ノ木谷を下り10時23分にゲロク谷の出合いに到着した。
 「滝全部直登するぞ〜」と気合を入れてゲロク谷に入っていった。谷を間違えてないかと地図で支流を確かめながらゴーロの中を進んでいく。しばらくすると(11時)右俣左俣の分岐点で20mの滝があらわれた。日本登山体系には、この滝を右岸から巻いて懸垂で左俣に下りて少し戻り右俣の出合いに達したほうがいいと書いてあった。一見滝の左側から登れそうに見えたのでとりあえずトライしてみることにしたが滑りそうで怖い・・・ここで無理して怪我したくないと思い下りることにした。右側からはどうかなぁということで触るが無理!!この滝は諦めて素直に右岸から巻いて超えることにした。
 右俣出合い12時15分着。出合いには20mの滝があり登れそうだったので右側から滝を直登した。次にヌメヌメスラブの小滝があり左側から登って超えた。お助け紐をだしながら直登したり巻いたりして、個人個人楽しみながら次々と現れる小滝を超えていった。
そして終盤(12時53分)、右俣メインの二段30mの滝が現れた。「すごーい!!」登山体系には右側から入り中断を左へ横断して滝頭に出ると書いてあった。しばらく滝を眺めて「よっしゃ!登るかぁ〜」と気合を入れリードさせていただいた。私のとったルートは滝の左側から登り、右へ移動し中断を左へ横断して滝頭に出た。途中ナッツで支点をとろうとしてみたが上手くひかからず、プロテクション無しで登ってしまった。手やスタンスはしっかりしていたので登りやすかった。ビレーをしてくれたヒカサさんは支点無しで登ったので怖かったと言っていた。また「あの登りは男前やった」と言われてしまった。滝頭の木で終了点を作り、そこから見える景色は最高だった。
ゲロク谷のメインを終え、しばらく小滝を登り高度を上げていくにつれて水量はだんだん少なくなり、水がきれる前にということで二俣(高度700m)地点でお茶を沸かして休憩をとった(14時10分)。またここでも私達の地図読みは甘かった。この地点を750mの二俣だと思っていたからだ。予定では750m地点まで登って右俣をとり東には小野村割岳、西には下山予定の赤碕東谷へ下りる東谷乗越がある稜線へ(911m地点)突き上げるはずだった。間違えに気づいていない私達700m地点で右俣をとり右へ右へと尾根にむかって登っていった(14時半)。そして突き上げた尾根で現在地を確認すると911mの地点にいないことに気づいた(15時)。私達が突き上げた尾根はゲロク谷と平行に南北にのびてる尾根だった。予定より50m早く沢を切り上げ右俣へ入ってしまったことに気づき911m地点まで向かった。(15時20分着)
ここからが今回の山行の核心だった。911m地点から赤坂東谷へ下りる分岐点へ向かった。途中で東谷乗越と書いたテープを見るが「乗越って何?」と言いながら通り過ぎてどんどん進んでいった。しばらくしてサトミ君が南へ進んでいることに気づく。通り過ぎた乗越点から北へ向かわなければいけなかったが、私たちはまだ東谷の分岐点へ来てないと思い西へ向かって歩いていると思っていた。コンパスで調べると南へ向かっていた。間違えに気づきすぐ戻ることに。乗越点と書いてあった地点に戻る途中で佐々里峠と書いた看板をサトミ君が見つけ、ここが分岐点だと気づく。時間は既に16時、おそらくヘッドラン山行になるだろうということで赤坂東谷を下りるよりは登山道にでて灰方のほうへ下りる安全なルートをとることにした。ここで沢装備を片付けて、西へ西へと地図とコンパスで確認しながら進んだ(16時53分832m地点)。17時18分頃南へ行くと佐々里峠、北へ行くと灰野がある登山道手前840m地点に到着した。ここから北の方へ進んだところで登山道を発見した。やったぁ!とても嬉しかった。登山道は明瞭なテープがあり歩きやすく安心感があった。コンパスで確認しながらどんどん進でいく。途中で大段谷山と灰野の分岐点があり、灰野へは90度右へ曲がる。その分岐点にははっきりとわかりやすい看板があるにもかかわらず、またもや私とヒカサさんは気づかず通り過ぎてしまい後ろを歩いていたサトミ君に呼び止められた。「あー最後の最後まであかんなぁ」といいながら戻る。
そして最後の下り。1/25000の地図を見るかぎり灰野谷沿いに登山道があり、右岸、左岸を渡りながら最終左岸沿いに進んでいく(左岸へ渡った地点18時05分)。順調に歩いていくと灰野谷からだんだんからそれていくい感じだったので、おかしいと思い灰野谷付近へ戻った。右岸に渡りなおし踏み跡沿いに沢を下るが行き止まり、やはりあの登山道が正解なのかなぁということで引きかえしもう一度灰野谷を渡った(19時)。
その登山道を信じて進むと木に<灰野への仕事道>と書いてある紙を発見。大丈夫!!と安心した。そしてどんどん下っていくとトロッコ道に着いた。みんなで喜びあった。
あとは平凡な道をひたすらヘッドランプで照らしながら歩いき、駐車場に着いたら19時20分。本当にみなさんお疲れ様でした。
これに懲りずにまた一緒に沢へ行きましょうね。宜しくお願いします。最後に京都で食べたスギチヨのラーメンは美味しかった!今回は本当に貴重な経験をさせていただきました。読図の勉強になりました。恐るべし芦生。

 

出発記念撮影

 

トロッコ道

 

入渓点

 

準備

 

カヅラ谷を進む

 

ゲロク谷 気を取り直して

 

よいしょっと!

 

がんば!

 

木を上手く使って

 

右・左俣分岐手前の滝

 

右俣入渓点

 

またもや小滝

 

二段30メートルの滝

 

二段30メートルの滝 完登!!

 

メインは終わり沢をつめる

 

時々ナメも

 

終了

 

素晴しい!!

 

綺麗


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