京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
メンバー | スズキ(ヒ)、ヒカサ、イナノ、タカハシ(ヒ)、オカムラ |
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期日 | 2006年9月9日〜10日 |
地域・山域 | 北アルプス 錫杖岳 |
山行形態 | 無雪期アルパインクライミング |
今回のメンバーとは今年のクラブの岩登り講習を担当していました。講習でともに頑張った仲間と北アルプスの岩場でクライミングしたいと願っていましたので参加を決めました。自分にとっては久しぶりの週末だけの遠征クライミングでした。金曜の晩に出発し、帰宅は日付の変わったばかりの月曜の早朝になりましたが、無事に出勤することが出来、体力的にまだ頑張れると悦に入っているところです。
1日目 イナノさんと1ルンゼを登りました。
リードは空身、フォローがザックを担ぐというスタイルを採りました。目標はオールフリーでしたが、核心のピッチはA0となりました。
イナノさんには核心のピッチをザックを担いでフォローするのは厳しかったようで、そのあたりを気遣いできなかったことを反省しています。登攀終了後は稜線に抜けて歩いて下山しました。屏風なら前穂、奥鐘なら唐松、それが無理なら屏風の頭、奥鐘ピークとするのがアルパインクライミングであると思っていますが、今回、同ルート下降としなかった点は自分に充実感をもたらしてくれました。この時、心強かったのはメンバーの誰一人として疲れて遅れたりすることなく、特にヒカサさん、イナノさんはこういうクライミングを心から楽しんでいる様子だったことです。
2日目 スズキさんと左方カンテ〜ジェードル(1ピッチのみ)を登りました。
左方カンテからジェードルのラインを見て、自分には無理、と思いました。しかしながらスズキさんが登りたいと言った時はうれしかったです。そうでなかったらこんな魅力的なルートを触る機会に巡り会えなかった訳ですから。ビレイ点から見上げるジェードルは格好良いラインでした。スズキさんの力量でもこの1ピッチは厳しかった様子で、もうお腹一杯とのことだったのでここから下降しました。取り付きに戻ると、左方カンテの3人の荷物がありまだ下りて来ていない様子でした。装備の片付けをしている頃から雨が降り出し始め、その内に、本降りになりました。予定では注文の多い料理店のライン上を懸垂下降して来ることになっていましたのでそちら側に行ってみると下降中のパーティは別パーティでした。ちょっと心配になりましたが、下降を完了したパーティの方から、左方カンテを下っているパーティがいたとの情報をもらい、そちらに戻ると他パーティ(北沢デラックスの開拓メンバーのクライマーでした)のロープを借りて、3人が雨の中、スイスイと楽しそうに懸垂で下りてきました。ちょっと消耗しているかなと思っていたのですが、特に女性2人は本当に楽しそうでした。
今回の錫杖で感じたことは、アルパインクライミングはなんでもあり、という時代は終わり、フリーでトライするのが当たり前というクライマーが増えているということです。V字をフリーで登るパーティ、ジェードルを登る我々パーティを凄いスピードで追いかけて来る後続パーティ。ここ数年で確実にクライマーのレベルは上がっていると感じました。自分もその流れに乗ってクライミングしたいと思って今回、フリーでトライしましたが、結果はまだまだ力不足で、A0を使いました。ここ3シーズンはフリーの上達を目標にゲレンデ通いしてきましたが、それというのもなんでもありのアルパインクライミングに物足りなさを感じ始め、2002年夏の明星山左岩稜ではV級のグレードの4ピッチ目に歯が立たず大変悔しい思いをしたのが記録を読み返してみて、フリーの上達を誓う発端でした。しかしながらフリーのグレードに大きな向上が見られない中での今回の錫杖となりました。
久しぶりの錫杖は、フリーの楽しさ、その技術の重要性を再認識させてくれる、本当の意味で“目覚めさせてくれた”山行となりました。
日没が18:30頃なので、登攀終了点からクリヤ谷まで1時間で降りれると踏んで、16:00頃に1ルンゼを登り終えていたら烏帽子岩の西肩を経由して歩いて下降しようと決めていた。
先行パーティーが続々と懸垂下降する頃にやっと核心ピッチを登る我々。さらに2ピッチ+歩き+1ピッチ伸ばして、眺めのよい笹原に出たのが16:30。誤差誤差、と開き直って歩きでの下降を強行。
1ルンゼ登攀終了点から烏帽子岩東肩までの道は知らないが、地形の示すままオンサイトで突っ込む。P2に向かってちょっと登った後、途中からP2の北側を回り込むようにして笹原の緩斜面の踏み跡を延々トラバースすると烏帽子岩東肩に出られた。これで正解かなあ。
東肩から西肩へのトラバースはしっかりした道があって、本峰の眺めも良く素晴らしい。烏帽子岩も登攀意欲をそそる素晴らしい形状の岩峰。東肩にある岩舎は実に快適そうだし、本峰フェースには見渡す限りあっちにもこっちにもラインを引けそうな壁がごろごろ。土日で遊びに来るには遠いのかなあ。(ちょっと脆いのかも)
東肩からは、ここしかない!て所から谷筋を降りていく。これが思ったより長い!道は迷いようもなく明瞭だけど、夏の間ににょきにょき映えた笹がびっしり。夕闇に追われるように下って行き、クリヤ谷の沢の音が聞こえ始めた頃に我慢の限界、ヘッドランプを出すはめに。それから10分ほどでやっとクリヤ谷の登山道に出た。歩き始めてから1時間50分はかかったと思う。
いつもいつも同ルート懸垂下降では、山に登った気がしなくて不満だったので、今回(頂上は踏めなかったけど)足だけでテン場に戻れたのは嬉しかった。本峰周辺の眺めも素晴らしく、みんなを無駄に疲れさせておきながら僕は大満足なのでした。(滑ってケガとかしなくて良かったです。)
二日目は天気が下り坂。なんだかんだと相談しながら、結局みんなでまったり左方カンテ方面に行く事にした。「方面」にしたのには勿論企みがあって、左方カンテから派生する"ジェードルルート"(別名、左ジェードル)をオカムラさんと登りに行くことにした。オカムラさんを差し置いて、僕がフリーでリードしてやろうと野心満々・・・・のはずが、左方カンテ5ピッチ目の途中でやっとジェードルルートのラインに気付くと同時に呆然。
1ピッチ目はパワフルなレイバックから見事なコーナークラックへ。2ピッチ目を見上げると、見てるだけで鼻血が出そうなハング沿いに実に綺麗なクラック。あまりに顕著でここしかない!てライン。凄い、凄すぎ。怖い、怖すぎ。
半分萎えかけてた所に、北沢フランケの"無名ルート"から(フリーで!)継続してきた3人パーティーが現れ、ジェードルルートに繋げるという。天気も微妙になってきたし、これに後ろを押された感じで慌てて取り付くことに。今から思うと先に行ってもらえば良かったなあ。
結果・・・情けない登りでごめんなさい・・・。
残置ハーケンは錆びるほど沢山あるけど、全部使えるほどヌンチャクは無い。かといってすべてカムで行くほど度胸も無い。ていうかキャメの5番とか4番とか2コも要らないし!
泣きそうになりながらハーケンとカムのA0を炸裂させながら30m程の1ピッチを終了。フリークライミングとして凄く面白いラインだったのに、根性無いなあ。
オカムラさんが光速でフォローしてきた後、2ピッチ目のハングを見上げ・・・さっさと懸垂で降りることに。後ろからは、後続パーティーのリードがオールフリーでひたひたと登ってくる。格好良すぎです。
関係ないけど、左方カンテを懸垂で下降中に3P目の終了点に立派な安環付カラビナとスリングが忘れられているのを発見!誰のかは知らないけれど、いいものを拾ったぜ〜とひとりほくそ笑んだ。
懇親会の前のMTGだったかに、リーダーに錫杖に行きたいと持ちかけたらOKしてもらえた。当初、注文の多い料理店に行きたいと思っていたけど、8月にボルトが撤去されたこともあって射程範囲外になってしまった。これについては、R&Sの対談なんかを読んでいろんな考え方があるんだなと思った。ようは、時代の流れなのかな。残念だと思えば残念だけど、ラッキーだといえばラッキーなのかもしれない。(行ってみて敗退もありかもしれないけど)今はおよびでないというところだ。
今回は奮発してカムを買ってしまった・・・これで持ってる人となら2セットで行けるのがうれしい!!生活用具と登攀具をザックにつめると17kg。水たすと18kg。うー重い・・・が、50Lのザックになんでも入ってしまった。テン場までキューピーをひとつ飲んで、ゆっくり歩いてもらえたおかげでなんとかついていった。
初日、1ルンゼに出かけた。オカムラ・イナノ組が登って待ってる間、大きな蝶ちょがたくさんいてタカハシさんにいっぱいとまったのが印象に残った。蝶ちょの口の先っぽがやわらかい蔓みたいに動いていたのがよく見えた。
1、2、3Pを空荷でリードさせてもらった。2PのVより、1PのIV+のぬれているとこの方が難しかった。ここで早速A0を使ってしまう。3Pの登っている最中に、上から大きな落石があり、途中のテラスにあたって割れ、花火みたいに四方に散ってさらにビレーヤーの方に落ちていった。あんなの避けられたのは運だ。いつか当たってしまうかもしれない、と思う。3Pは途中で傾斜が変わるので、ロープが重いー・・・ロープの流れをよくするのは技術だなあ。ぽきっと折れるところでかなり長いランナーにしたほうがよかった。何箇所かにカムでセットしたり、支点を取ったりすることができた。
この後、リーダーがリード。凹角になってるとこに入っていって、全てNPでプロテクションをとってあがっていった。フォローで行くが、ほぼすべてのランナーをA0で使う。5Pの核心はA1と書いてある。あぶみを借りて足をかけたもののどうしてよいかわからず結局A0で抜けた。A1も練習しないとそりゃ本ちゃんで使えるわけがない。
A0を使いまくって、いったい全体どうなんだ・・・と思っていたがタカハシさんのおかげで気持ちを切り替えることができた。タカハシさんはリードをしてなかったから、「リードしなくていいんですか?」と聞いたら「いいよ、別に。スピード重視で行きましょう」とあっさり言った。さすがだ・・・わたしは小さなことにこだわっていたのかもと思ったのであった。
リーダーの決定で上まで抜けて烏帽子岩の基部をトラバースして岩の向こうのふみ跡に降りることになった。下で聞いてはいたものの、全然イメージできなかった。地図も持ってないし、全面リーダーに任せることになってしまった。道々好き勝手な方向へ行ってすいませんでした。雨が降り始めたのが下り始めてからでよかった。
みんなくたくたで真っ暗になってからテン場にたどりつき、ごはんをばらばらに作って食べたけど、この時間はとても楽しかった。裕樹さんが陽気に歌を歌ってくれて疲れがふっとんだ。
2日目、タカハシ・イナノさんと組んで左方カンテに出かけた。スズキ・オカムラペアは左方カンテの途中からジェードルルートに入った。我ら3人はそれぞれリードしてないピッチを担当しようということで1,2,3Pをリードさせてもらった。3PはカムをとってA0を使った。もういいもーん。ってことでフォローに入ってからは荷物もあるしどちらかというと積極的にA0を使った。A0について他の人はどうだったのかわからないけど、3人で全てのピッチがかなりスピーディにこなせたと思う。支点を取るのも慣れてきたし、登攀も早かったと思う。これがわたしにとって今回一番の収穫だった。あのスピードなら、別のラインも今後視野にいれることができる!!と思った。
下りは注文のルートを懸垂すればよかったのだが、3Pの支点にわたしはスリングと安環を忘れてきてしまったので、そっちを懸垂してもらうことになった。これについては後でイナノさんに、「これがスリングや安環でなく、ビレー器具だとしたら帰れなくなってる」と指摘を受けたように、不注意だった。これって注意力だけでなく確実に予防できる方法ないのかな・・・とにかく支点に忘れ物がないか最後に点検するくせをつけよう。
懸垂の途中で雨がきつく降り始めた。松の木にかけた塗れたロープを抜き取るのが大変だった。最後は、お隣のルートを下降していたあの!!ヨコヤマさん・サトウさんが懸垂にロープを使わしてくれた。いつも雑誌の中の人なので、本人と知ってびっくりしたが、気さくな感じでミーハーにも感動した。
マルチルートに行ったときできればフリーにこだわりたいと思う。普段の練習を生かすことができる場だから。だけど、フリーのルートではないからできなければ切り替えも必要だということも学んだ。また、フリーに励みたくなった。
それから、2回目の錫杖はリーダーのおかげで地形をだいぶ理解することができた。知らないときはトポを見てもイメージしにくいけど次いくときは違うぞー!次はバードランド、見張り塔からずっと、それからやっぱ注文に行きたい!!
みなさま、お世話になりました。すっごい楽しかったです。またよろしくお願いします。
錫丈に来るのは3回目。1回目は会の岩講習を受け御在所や雪彦でマルチの練習をして2004年6月に左方カンテを登りにきた。しかしメンバーが肩を脱臼して途中で下りることになった。(1〜3ピッチフォロー、4〜6ピッチをリード、7ピッチ目以降登ってない)そのリベンジで一緒に同年10月に再度登りに来た。この時私は中指の先を骨折していたて完治していなかったのでリードする自信がなくオールセカンドで登り、初めて左方カンテを上まで登った。そして今回、左方カンテのリベンジと1ルンゼを登る機会ができた。
<オカムラ・イナノ> <スズキ・タカハシ・ヒカサ>
テント場(錫杖沢)から1ルンゼの取付きまでけっこう長かった。今日のパートナーはオカムラさん。フリーにはよく一緒に行ってるがマルチでザイルを組むのは初めて。登る前にコールの仕方を確認して、気合をいれて開始。荷物は2人で一つ。登攀終了後、懸垂下降で下りずに烏帽子岩の方から下りる予定だったためフォローが荷物を担いで登ることにした。
今年の春からマルチでいつもパートナーはヒカサさんで、1ピッチ目はいつも何故か自然とヒカサさんから登ることが多かった。私にとって精神的にこのスタイルが好きだった。しかし今回、1ルンゼの核心が5ピッチ目にあり、2ピッチ目のグレードがVだったので、自信がなかった私は1ピッチ目と3・4ピッチ目を登らせていただこうと思い自ら1ピッチ目を登ることを希望した。他の人にとったら大したことではないかもしれないが、私にとって1ピッチ目・しょっぱなを登ることは精神的にとても緊張した。
「お願いしま〜す」と声をかけスタートした。緊張していたがルートを確認し登りやすい箇所をさがしながら、岩(ルーファン、感触、ムーブなどなど)を楽しみながら登ることが出来た。終了点手前はよく行ってる烏帽子岩にあるアフターバイト(ルート名5.9)みたいだなぁって思いながら登った。フリーの練習していてよかったと少し思った瞬間だった。
岩が濡れていて滑りそうで怖くてA0で登った。ザックがあるとこんなにも登りにくいなんて〜。
3ピッチ目終了点より右ラインにピンにそって直上して途中で左へトラバース。左へトラバースする地点がわかりにくくて、ピンに沿って進んでしまいトラバースする地点より1ピン分上まで登って迷っていたら、4ピッチ目の途中のテラスにいたおじさんに「どこへ行きたいやぁ」と声をかけていただいた。「1ルンゼです〜」と言うと「ひとつしたのピンをA0して左へ乗り込んでトラバースをする」と教えていただいた。ひぇ〜と思いながら間違えたヌンチャクを回収してダウンし、A0してびしょ濡れの壁にお腹をすりよせ濡れてる岩へ左足で乗り込んだ。おじさんに「そうやぁ」と言われ、「ふぅ〜」とりあえず体重移動できたがここからトラバース。「ここでもし滑って落ちたら・・・」って考えると怖すぎだった。慎重にトラバースをして4ピッチ目の広いテラスへ着いた。
1ルンゼの核心ピッチ。トポにはA1と書いてあったので鐙1セットもってきていた。リードのオカムラさんはあっという間に登っていってしまった。どこがどう難しいのかわからず登りだした。少し登るとテラスに到着。そこにさっき教えてくれたおじさんがいた。ここからが核心のようだ。えっ??と思いながらA0でとりついたが登れない。何度かテンションをかけてやり直すが登れない。どうしよ〜と思い、持ってきた鐙を出すことにした。鐙をだしても次のヌンチャクまで手が届かず登れない。登れないことに精神的に弱くなっていき怖いという気持ちが強くなっていた。どうしていいかわからなくなっていた私は後ろのスズキ君に頼ろうとしていた。そして後ろから来ていたスズキ君にフォローをしていただいた。自分が情けなかった。何度かスズキ君に助けていただきそのピッチを超えることができた。本当にすいませんでした。岩の途中で精神的に弱くなってる場合じゃないと反省した。またどうしたらいいかという判断をなげだしていた。スズキ君に助けてほしいのか、切りなおしをするためにテラスまでダウンしてもらうようにオカムラさんに依頼するのか、どうしたいのか意思表示がはっきりできてなかった。
5ピッチ目を登ってきた私を心配してくれたオカムラさんが「次のピッチどうしますか?」と聞いてくださった。5ピッチ目のことがあったがこのまま終わりたくないと思い「リードします」と答えた。無事なんとかいつもどおり登ることが出来て少し安心した。6ピッチ目終了点に着いた時に5ピッチ目の終了点からヒカサさんが私の精神状態を心配して声をかけてくれた。
フォローだったけど怖くて、ルートをぜんぜんよめてなかった。
びしょ濡れの岩を登る。沢登り状態だった。
最終ピッチ。難しい箇所はないがザイルをだして登った。8ピッチ目から続けて登れる。終了点があった。
無事登攀終了し頭の中は5ピッチ目のことばっかり考えていた。反省点とこれからの課題が見つかった。今後マルチに行ってもし登れないときはどうするべきかパートナーと相談しなければいけないし、意思表示をはっきりしないといけないと思った。自分がどうしたいかという判断から逃げ出してはいけない。 反省点もあったが、オカムラさんとツルベで登ることができたのことはとても楽しかったし嬉しかった。終了点について満足感でいっぱいだった。2年前の私は絶対1ルンゼを登ることは出来なかっただろうし、今年の冬にフリーを練習した成果が少しはあったのかなぁと思った。もっとフリーを頑張って練習して1ルンゼの核心をリードしに再度登りにきたいと思った。
<タカハシ、ヒカサ、イナノ><スズキ、オカムラ>
初日の1ルンゼを満喫したのでまったり左方カンテを登りたいと言っていたタカハシさんに参戦することに。ヒカサさんもリードしていないピッチがあるということで一緒に登ることにした。スズキ・オカムラ組は左方カンテの途中からジェードルルートを登ることに。
1〜3ピッチ ヒカサリード
2年前に登ったときよりも快適に岩を楽しんで登ることが出来た。少し余裕ができたのかなぁ。3ピッチ目は一瞬迷ったがガバガバを掴んでムーブを楽しんだ。
4〜6ピッチ タカハシリード
4ピッチ目のクラックはザックがあると苦しい。ヒカサさんザック背負ってくれてありがとう。5・6ピッチ目は続けていっきに登った。楽しいフェース。
7・8ピッチ イナノリード
7ピッチ目の下部はA0でのっこして、あとは足をつっぱって登り途中から左のフェースにのりこんで直上し、左のカンテをのぼれば終了点が見える。カムをセットしてみようと思ってたくさんギアを持っていったけど、一つもセットすることが出来なかった。
8ピッチ目はフェイスから右の草つきを直上。しっかりとしたホールドとスタンスがあったので快適だった。
下りは懸垂で同ルートを下りた。8・7・6 5・4ピッチと4回に分けて下り、3ピッチ目終了点から1ピッチ目終了点までいっきに空中懸垂で下りる。3ピッチ目の終了点でトップに下りたタカハシさんのコールを待ってる時に、ちょうど左方カンテの右のルートから懸垂してくるパーティがいた。ひとりが懸垂をしていて、草木にザイルが絡み、そこを通って懸垂をするみたいで「大変そうだなぁ」と見ていたら、私たちのほうを見てニコって笑いながら「大変です〜」みたいなことを言いながら下りていった。感じのいい人だなぁと思って「がんば!!」と声をかけた。そして私達も順番に下りて行き、最後の1ピッチ分の懸垂が彼等とかさなってしまった。もうひとりの方が今度トップで下りてきて私達とすれ違うときに「このザイル使ってください」と言ってくださった。そっこう私とヒカサさんは嬉しくて「いいんですかぁ?」と聞きお言葉に甘えさせていただくことに・・・。今から思えば本当にあつかましい。ありがとうございます。無事雨の中下りて来て、何も知らない私は「フリーってどれぐらい登られるのですか?」とか聞いたりしていたら、スズキ君とオカムラさんが現れて知り合いかのように話しだした。え?と思っていたら、今季のロクスノに載ってる有名なお二人だと後で知った。お二人は超かっこよかったです。
左方カンテの核心ピッチ7ピッチ目をリードすることができてとても満足でした。次回は1〜3ピッチ目をリードしてみたい!!3人で着実に登れて嬉しかったです。
錫杖から京都に戻りすぐにロクスノを読んだ。ちょうど錫杖の特集をしていてサトウさんヨコヤマさんが紹介されていた。また残地支点についての対談が載っていた。今回錫杖に行く前に注文の多い料理店の残地ハーケンが掃除されたというのを聞いた。カムをセットできなければ登れなくなってしまった。その対談を読むまでは「えー登れなくなったのぉ」「何故ハーケンをとってしまったのだろう?」って思っていたが、その対談を読むと彼等の考えを理解することが出来たし納得することができた。また自分なりに岩について考える機会ができた。
1ルンゼンの5ピッチ目のこともあってフリーを頑張ろうと思ったが、この対談を読みフリーをさらに頑張ろうと思った。また、カムを確実にセットできるようになったら岩の世界がもっと広がるだろうし、岩をもっともっと楽しむことができるんだろうなと感じた。これからの課題がたくさんだ〜。次回は1ルンゼリベンジとバードランドと注文の多い料理店へ行ってみたいです。練習するぞ〜!!