京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
メンバー | ヒカサ イナノ |
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期日 | 2006年10月21日 |
山域・ルート | 大台ケ原 サマーコレクション |
山行形態 | 無雪期アルパインクライミング |
クライミングを始めて少ししたころから目標にしていたサマコレに相棒と行くことになった。下準備として、ネットで読んだ10個ほどの記録を1つのサマリーにし、アプローチとルートを頭に入れた。平均5.10aほどで、最高グレードが10c。11aをたまにOSできるぐらいでオールフリーが可能という記録を読んで、今回オールフリーは無理だろうと踏んだ。また、普段9本も連続でフリーの長物ルートはしたことがないので、ある程度リードに時間がかかると見込んで出発時間、登攀時間、駐車場までの予想時間をたて、一応無理がないと判断した。リードに専念できるよう、ザックはひとつ、フリー用シングルロープで登攀し、万が一のときに懸垂できるよう、バックアップロープをリード者がぶら下げることに相談して決めた。
今年冬にフリーを始め、その頃に行ってみたいなって思っていたサマコレにまさか今年中に行けるとは思っていなかった。最高グレード5.10cがでてくるルート。平均にして5.10a。あ〜むずかしいやろうなぁ。今、私のオンサイト力は10bだからオールフリーなんて絶対無理やろうなぁと思っていた。数個の記録を何回も行く前に読んで9ピッチがどういうルートかイメージし頭の中に入れた。不安が多かった。とりあえずいけない時はA0してぬけよう!!ということで相棒と決めた。オールフリーは無理かもしれないが、2人でルートを完登することが目的だった。 この1週間はサマコレのためにたくさん寝て体力をつけておこうと思ったが、ボルダーに触ってないと落ち着かなくて火曜は笠置に行って登り、木曜はボルダーを登りにいってしまった。
出発日朝のニュースで、大台ケ原で3人の男性が遭難、捜索中と言っている。まじで・・・と思ったが、仕事から帰ってきたらニュースで、無事保護されたとのことで一安心。21時相棒をピックアップ、4時間半のドライブはかなり話しこみ、2時前大台ケ原の駐車場着。大台ケ原の駐車場はいずれマイカー規制になるらしい。紅葉シーズンだし、直前の駆け込みで駐車場が満パンなことを心配していたが、まだ金曜日だったことと夜中だったことで、思ったよりすいていた。すばらしい星空を見て車内で仮眠。
6時30分起床。テルモスに暖かい飲み物を詰めて7時40分に出発。朝は冷え込んで寒いが天気は最高。
派出所に登山届けを提出し、売店右横の遊歩道からスタート。山の家を左手に遊歩道を降り、階段がなくなったところにある看板で右の水平道に入る。(もう少し行ってしまうと、遊歩道は大きく左手に曲がる。)すぐ水のある小さな沢を横切り、右から張り出す尾根をまたいで次のから沢に赤テープあり。そこを下る。カラ沢を下ると右手に岩が見え始め、岩から離れないようにから沢を下りだんだん岩の基部をつたって9時に取付き着。
40mないかも。確保せずあがるがチムニーはザックがあるとしんどいため、先に上がった人がザックを引き上げる。
実質の取付き。開拓者の名前の書いたプレートが支点にある。私がリードで開始。スラブでホールドは甘く、びびって早速A0使用。左に斜上するクラックが難しい。最後右寄りにマントリング。終了点は快適に広い外傾テラス。(ヒカサ)
1ピン目からA0で登っていく相棒を見て「難しそう〜まじで。やっぱり来るのは早かったか」と不安になる。セカンドの私も1ピン目からA0。左に斜上するクラックは緊張するが楽しかった。私は最後の終了点手前がけっこう怖くて、ビレーをしてる相棒に少し引き上げてもらった。(イナノ)
いったん左にトラバースし凹角の草付を少しあがり再度右のスラブへ。リードの相棒フリーで抜けるが荷物のある私は構わずA0使用。(ヒカサ)
1ピン目のトラバース慎重に行く。あとは快適なルート。ガバがあってさっきの2ピッチ目とは違いフリークライミングを楽しんだ。(イナノ)
スラブから核心ややかぶり気味を左から。リードの私はよくわからずA0使用。あまり深く考えんとこう。終了点はややかぶった印象のハンギングビレー。先行パーティからの落下物多し。(岩、メット、スリングなど)(ヒカサ)
核心ピッチ。少しかぶってる箇所が10c。2ピン目のところもちょっと苦しそう・・・。どんなホールドがあるのだろう。セカンドの私、落ち着いて登れて2ピン目はフリーで通過。10cの核心もフリーで頑張っていこうとするがしんどくてヌンチャクを掴んでしまった。
あ〜無理か。(イナノ)
出だしがややたっているが、ガバありピン近し。終了点はビレーヤーからみえない。出だし越えると傾斜のゆるいフェースを経て立ち木のある中央バンドへ。リードの相棒フリーで抜ける。バンドの上にひとつリングボルトあるが、立ち木でビレイ。
ここで座ってお茶を飲んで一服。12時30くらい。
いきなりアルパインの雰囲気。ブッシュを持って左方向に向かってバンド横断。バンドに2箇所ペツルあり。ルンゼ状のブッシュの生えた凹角を、ペツルが下にある松ノ木まで上る。浮石多く注意。
先行パーティのセカンドが行き詰ってぶらさがっている。相棒から先に行かせていただく。右上してから、大きなフレークにそって木のあるテラスまで左へトラバース。「ノースタンスルート」だが足はたくさんあり。相棒、あっさりフリーで抜ける。セカンドの私パンプしてテンションもらう。(ヒカサ)
トラバース箇所の手は超ガバ。しかも足もちゃんとあるので楽しい。下から登ってる人をみると壁に人がへばりついてるように見える。高度感抜群!!(イナノ)
高度感最高のカンテを行く。下は1ピッチ目から全部よく見えて遠くの峰峰は紅葉がすばらしい。フリーで抜ける。(ヒカサ)
ガバホールドが多くて登りやすい、終了点前ええええわからなくなりテンション。(イナノ)
カンテからいったん少しだけフェースに出てすぐカンテに戻る。いったん立ち木テラスに出るがまだ登る。途中草付。最後ややかぶった一手があり終了。お互いの声はまったく聞こえなくなり、ロープの動きで判断。「たいやきの尻尾まであんこ」は楽しかった。リードの相棒フリーで抜ける。
15時30分終了。
駐車場まで、踏み跡にしたがって、広い尾根をひたすら東に向かって30分弱歩くと遊歩道と合流。駐車場16時ぐらい着。
相棒と二人でいけて嬉しかった!!のと思ったよりあっさり終わった。今回、計画段階からオールフリーで抜けるぞ!という気合が少し足りなかった。天気の心配もなかったし、今から思えばもう少しフリーにこだわってもよかったかな。ごめんよ相棒。次回がんばってみよう。岩場はミニ錫杖みたいな雰囲気。アプローチも帰りもそんなに苦労しないし、もっとルートがあったらいいのになぁなんちゃって思いました。できてから11年目のルートで、ときおりねじがゆるんでいるハンガーもあり、手で絞めながら進んだけど、レンチがあったら安心かも。それからお隣にサンダーボルト、また新たにルートも開拓されたとのことで、機会があればそちらも行ってみたい。一緒にひとつ目標達成した相棒に感謝。
2ピッチ目を登ったときは来るのが早かったかも・・・って思ったけど、3ピッチ目からはやっと調子を掴み自分のクライミングができた。オールフリーは出来なかったけど、自分がリードしたピッチ全部フリーで抜けることができて大満足。
また、紅葉・天気・岩質(フリクション)・高度感が良くてクライミングを楽しむことができた。
次回は偶数ピッチをリードしたい。オールフリーを狙うぞ!!