京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
メンバー | 大枝山荘 |
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期日 | 2006年11月2日〜3日(前夜発日帰り) |
山域・ルート | 北アルプス 槍ヶ岳 |
山行形態 | 無雪期ハイキング |
3日=快晴
往路5時間50分 + 休憩と山頂1時間 + 復路4時間10分=11時間
新穂高5:50 白出沢7:00 滝谷7:50 槍平小屋8:35 西鎌尾根分岐10:10 飛騨乗越11:30 槍ヶ岳山荘11:40 12:05槍ヶ岳山頂12:15 槍ヶ岳山荘12:40 西鎌尾根分岐13:20 槍平小屋14:05 滝谷14:45 白出沢15:35 新穂高16:50
新穂高駐車場4:00〜槍平小屋7:30〜11:30槍ヶ岳12:30〜槍平小屋15:00〜新穂高駐車場18:00だった。これは、エアリアマップのコースタイムに8掛けで計算したものだが、実際には約2時間遅く出て1時間早く帰ってくることになった。休憩時間は長くて10分、短い時は3分くらいだったが、写真を撮ったり落ち葉を見たりしていて急いで歩いた訳ではないので、新穂高〜白出沢出合2時間など、エアリアのこの地域のコースタイムはあまり参考にならい。
標高差約2100m・往復歩行距離約30q・荷物約13kg(行動食・水・地図・レイン上着以外は全く使用せず)・水分1.5リットル(1.25リットル使用)・靴はローカットのアプローチシューズ(軽いが足首が自由なのでふくらはぎへの負担が大きい?)・
丹波の山仕事も一段落したので、3000m級に行きたいなぁと思っていたら、以前webで「槍ヶ岳日帰り」という山行報告の題名だけ見たのを思い出して、迷わずそれに決定!
4:00出発の予定だったが、ソロの気安さでのんびり寝ていたら大幅に寝過ごして、出発は5時50分になった。出発が遅れたので念のためシュラフも持っていくことにして荷物が増えてしまった。登山指導所の電光掲示に「降雪あり 積雪 凍結に 注意」と出ている。昨日の午後に降ったらしいが、軽アイゼンも小型ピッケルも持ってきたし、靴はスニーカーと五十歩百歩だけど…、あまり気にせず出かける。
落ち葉で一面に覆われた林道は、霜で湿っているのでカサカサと音こそしないが気持ちがいい。広葉樹の紅葉は終わっているが、すっかり冬枯れになった景色の中にカラマツの色づいた黄色がよく目立って美しい。
白出・滝谷と沢の出合から見上げる穂高の峰々は、薄っすらと積った雪の白が岩肌の黒を際立たせてより険しく見え、冬の顔をのぞかせている。道端では落ち葉一面に霜がついてグラニュー糖をまぶしたお菓子のようになっている。このルートは、白出で林道から登山道へと変わっても高度の上がり方が緩く変化に乏しいところだが、雪や霜のおかげで飽きずに歩いていける。
2300あたりで大喰西尾根の末端を回り込むと、西鎌尾根と大喰西尾根に挟まれた飛騨沢の上部が開け、西鎌尾根の頂点に建つ槍ヶ岳山荘から大喰岳に続く稜線がくっきりと見える。緩かった傾斜もこの辺りからキツクなり始めてきた。1〜2センチ積った雪を踏む感触を楽しみながら歩き、雪に付いた鳥や獣の足跡を見つけては一息つくという調子で、スピードは上がらないが100m/15分というペースは何とか守って飛騨乗越へ。
槍沢を覗きこむと、槍の穂先が目に飛び込んできた。何度も見ているはずなのに青空に突き刺さるようにそびえるその姿は、新鮮だった。槍沢と違って、乗越まで上がってこないと見ることができないので、突然という感じの出会いになって感動も大きい。
山荘前で登山者といっても全員で4名(飛騨沢3・北鎌1)の間で、飛騨沢を登っていた韓国人の方が話題になった。その方はジーパン・街中で着るジャンパー・スニーカー・デイパックといういでたちで槍を目指していた。私も2300くらいで追い越して、その時山頂までの所要時間を尋ねられて答えたという話をした。ある人は軽装備なので止めるよう言ったそうだが、聞いてもらえなかったようだ。下山中に出会えばもう一度忠告しようということで4人は別れた。果たして下っていく途中で見かけたが、その方は夏道を外れて直登しているので声をかけるどころの距離ではなかった。今考えると、彼の国には徴兵制度があるのでそういうことには慣れていて、日本人が取り越し苦労をしただけだったのかもしれない。天気が良かったことも幸いして、夕方には無事山荘に着けただろう。
他の登山者と別れて山頂へ。空身なので5分ほどで登れるが、ハシゴを上るときは一寸緊張した。槍沢を背に上る3180mの高度感はなかなかのものだが、岩を攀じるよりハシゴの方が怖く感じるのは何故だろう。山頂は貸切りで、北鎌や東鎌を見下ろしたり、燕から常念・蝶や大喰から北穂・奥穂・前穂・シャンダルムの山々を眺める。西側に雲があったので360°のパノラマとはいかなかったが、展望を満喫した。
日が暮れるまでに帰れればいいので、登るとき以上に立ち止まる回数が増える。この辺はソロの気ままなところ。朝とは表情の違う紅葉や落ち葉・滝谷を楽しみながら下る。
平湯で(新穂高では時間が遅くて入れなかった)温泉に入って汗を流したが、露天風呂で湯煙越しの十三夜をゆっくり眺めることができた。10月の十五夜は雪に降られて散々だったので、ちょっと取り返せた気分で心和むひとときを過ごせた。
帰宅して今回の山行のきっかけとなったwebの「槍ヶ岳日帰り」という報告を見てみると「5時19分に新穂高バスターミナルを出発し、頂上には9時45分に到着。」と書いてあった。いやはや…。
予定が空いたので思いつきで出かけた山行だが、天候に恵まれればこんなに簡単に楽しく登れてしまう。山って天候次第だなあと再認識。