北アルプス 八方尾根〜唐松岳(積雪期ハイキング)

山行名 06年プレ冬山
メンバー 【11/23発P】
=ウエダ/CL・装備C・気象、マツダ/SL・医療・雪上訓練、コンドウ/食料C、フチガミ/装備・記録・会計、ヨシダ/食料
【11/24発P】
マツダ/CL、イナノ/SL・記録、フクザワ/装備、ヒカサ/食料・医療、ササキ/食料、フジタ/会計、ニシムラ/気象、コウ/記録
期日 2006年11月23日・24日・25日・26日
山域・ルート 北アルプス・後立山
山行形態 積雪期ハイキング

ルート・天候

24日 八方〜兎平〜八方山:曇り/霧 ・ 八方山〜:霧のち快晴
11/23発P入山・・八方〜(ゴンドラ・リフト)〜八方池山荘〜八方池〜尾根2360m付近・泊
25日 快晴〔積雪=2360m泊地付近で50p程度〕
11/23発P 泊地〜丸山ケルン〜唐松岳〜尾根2360m付近・11/24発Pと合流・同地泊・
25日 11/24発P入山・・11/23発Pと同ルートで2360m付近・泊
*25日1200に双方の現在位置確認のためシーバーで交信
26日 曇り
11/24発Pは泊地〜丸山ケルン〜唐松岳〜尾根2350m付近〜八方池〜八方
23発Pは泊地〜八方池〜八方・・・八方で合流後帰京 *松田はCLとして唐松岳へ同行

11/23発Pコースタイム

11月24日
9:50ゴンドラ乗車 10:20黒菱平出発 11:10八方池山荘11:45発 13:00第一ケルン 13:15八方ケルン 14:35尾根分岐点(2150m付近) 16:30テント場着(2360m付近) 18:00夕食 21:00就寝
11月25日
5:00起床 5:30朝食 その後雪上練習 8:10テン場出発 8:25丸山ケルン 9:55唐松山荘直上の稜線 10:40唐松岳山頂 11:20唐松小屋11:50発 13:00丸山ケルン 13:10テン場着 14:40雪上訓練 16:00夕食 21:00就寝
11月26日
7:00起床 8:00朝食 撤収 9:45テン場出発 11:00八方池ケルン11:15発 11:55八方池山荘12:05発 12:30黒菱平リフト乗り場着 13:00ゴンドラ下り場(駐車場)着

11/24発Pコースタイム

11月24日
ヒカサ号20時半出町柳発→2時八方駐車場仮眠
フクザワ号22時45分京都発→4時八方駐車場仮眠
11月25日
6時半起床→ゴンドラアダム8時50分→アルペンクワッド9時→9時40分
八方池山荘→10時5分休憩10時25分→10時55分八方池→12時休憩先発Pと交信→12時50分テント場
11月26日
4時半起床→6時55分出発→7時15分休憩→8時小屋着→8時50分唐松岳→9時20分小屋→テント場→13時駐車場

その他

プラン会
10月26日・11月9日・11月21日 / 日常の連絡は参加者のみのメールを使用
トレーニング
アイゼントレ 10月29日・11月12日 / ボッカトレ 11月18日

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23日発P・24日発P共通報告

当初計画したルートは立山三山と奥大日岳だったが、出発1週間前から室堂の積雪が1mを越え行動に困難を伴うことが予想されたことや天気予報が良くないことなどから、八方尾根から唐松岳ピストンに変更した。この決定は21日のプラン会でなされたが、出発直前のプラン会がルートの選定のみに集中できたということが、今年のプレ冬を象徴していた。
最初のプラン会は1ヶ月前に開かれ、最初の2回のプラン会で参加者・役割分担・ルート選定・装備・食料の一次案の検討などを行い、出発2週間前に基本的なことを決めることができた。そのことで、計画書の作成・装備の受け取り・食料の買出し・下ごしらえなどツメの部分はメールも活用しながら余裕をもって進めることができた。また、アイゼントレ・ボッカトレなど事前トレーニングも計画的に行えた。
参加締め切り後に人数の異動があって食料の準備に迷惑をかけた部分はあったが、山行当日の好天が最後の仕上げになって、本番では計画通り順調に山行を実施できた。余裕を持った準備が余裕を持った山行を生んだと思う。
雪の量はテン場で約50cmあり飲料水用の雪の確保や雪上トレーニングにも問題はなかった。雪質は、2200m付近の潅木帯で雪が締まっておらずラッセルに手を焼いたことと、ハイマツの上などで所どころ踏み抜きなどもあった以外は総じて良く締まっていた。
天候は、23日〜24日に太平洋岸を通過した低気圧が予想よりも南を通り日本海側への影響が最小限だったため、その後大陸から移動してきた高気圧が24日午後から25日にかけて予想以上の好天をもたらしてくれた。
雪や天気は「初心者から中級者まで一緒に行き、冬山に触れる」というシーズン最初の山行にうまくマッチしていた。特に、24日・25日の青空に映える雪山の景色は、冬山入門者のみならず参加者全員への最高のプレゼントだった。
雪上歩行や滑落停止・ビーコンの使い方などの雪上訓練も実施でき、プレ冬らしい山行となった。

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23日発P報告

23日 20時八条口集合で、八方駐車場に向かう。2:00頃駐車場に着いてトイレと仮眠する場所を見に行くが、鍵が掛かっていて入れないので道の駅へ移動し、テントを張って3:00頃から仮眠。
24日 翌朝7:00頃に起き鹿島の方向を見ると山の中腹からは雪で白くなっている。朝食を摂った後再び駐車場へ移動。山は雲に覆われて見えない。装備分けをしてパッキングやトイレを済ませ、10時前にようやくゴンドラに乗る。夕方に2300付近のテン場に着けば‥ということで時間に対する緊張感は薄い。リフトを降りて霧の中を歩き出す。ウエダが先頭で何気なく歩いていたら後続と距離ができてしまって、ペースをおとした。以後は「ゆっくり・ゆっくり」を心がける。
八方池小屋でストーブのある室内で休憩させてもらって、居心地の良さについ長居をしてしまったが、結果的にこの休憩時間が後に劇的な景色の変化を目撃させてくれることになる。小屋からは尾根を直登していくルートもあるが、木道の敷かれた湿地帯の方の遊歩道を行き、少しずつ高度を上げる。途中のベンチで中間着を脱ぎ、八方山に向かって少し歩いて尾根に出ようとするところで、それまで厚く視界を遮っていた霧が一瞬にして晴れて、白馬から不帰そして八方尾根上部の稜線が背後の青空と一緒に視界の中に飛び込んできた。この瞬間が、この日いやこの山行のハイライトだったかもしれない。曇りの予報に下を向きがちだったみんなの気持ちは一気に上昇に転じ、暫く見とれていた後は写真!写真!の大騒ぎになった。八方山に上がってみると、まだ雪のついていない山の下半分が雲海に覆われて、見事な雪山風景を作り出している。北の白馬も南の五竜・鹿島槍も雲海の中に白い半島や島のよう浮かんでいる。時折かかる霧が太陽光線のまぶしさを弱めて、雰囲気を演出してくれる。もともと薄かった時間の観念は、すっかり?無くなって、八方池を過ぎて潅木帯に入るまで絶品の景色を堪能した。
2150m〜2200mの尾根が分岐する付近でマツダに指導を受けながら持参した赤布付の竹竿を要所要所に立てた。下りでは東に向かっていたルートが北に大きく向きを変えるところだ。確かに顕著な尾根は、南東に伸びて霧が濃いと間違えやすい。
2250m付近で潅木帯の急登に入るが、踏み跡がかすかなワカンの跡だけになり完全なラッセルになった。潅木の枝の上で雪が固まっているのでいたる所で踏み抜いてしまって進むのに時間がかかった。ウエダが前半をフチガミが後半を担当した。後半部分は傾斜もきつくなり少し苦労する箇所も出てきたが、マツダのアドバイスを受けてぬける。ラッセルそのものが初めてであろう渕上には貴重な?経験となっただろう。
2360mの宿泊予定地に着いた時には日は完全に傾いていた。テントを張る場所の見極め方の説明をマツダから受ける。ここは二重山稜のようになっていて山頂に向かって左の尾根が広くて傾斜も平に近く、右側はやや狭く白馬側に傾いている。そして二つの尾根の間が3〜4m窪んでいる。通常は、雪の吹き溜まりを避けて広く傾斜のより緩やかな尾根上(ここの場合は左側の尾根)に張るのだが、今回は、現場の状況と晴天の予報などの判断から風を避けるためにあえて窪みに張ることにする。テントの張り方の講習もするつもりだったが日没と競争になってきたので、大急ぎで整地にかかり真っ暗になる前になんとか張り終え、トイレも完成させた。ペグの埋め方や枯れ枝でペグの代用をすることなどは分かってもらえたと思う。
テントに入って、砂糖1kgに妙に感動しながら恒例のドド甘紅茶を飲む。夕食はペミカンカレー。コンドウ担当の美味しい食事に夢中になって天気予報を聞き逃し、その後のニュースで概況だけ聞く。今日の天気と予想気圧配置からして、明日の好天には確信があったので緊張感を欠く。
25日 いい天気のはずなのに、ちょっと暗いかも‥と思いつつ目を覚ます。実は、テントに日が差すのが遅いだけだった。渕上の寝るスペースが少なくて、よく寝られなかったとのこと。ちょっと遠慮して言い出せなかった由で、今晩は配慮することに。
雑炊の朝食を済ませ、ピークハント用のパッキングをして外に出る。快晴。
出発前に雪上歩行と滑落停止の講習をマツダから受ける。このテン場は、適度な斜面があって便利だ。
窪みにも日が差し始め、厳しい太陽光線を実感し日焼け止めを入念に塗って出発する。丸山へ上る時に雪面に5人の歩く姿が影になって映ってかっこいい。所どころ踏み抜くもののよく締まった雪に、ほとんど足元に神経は行かず、もっぱら、正面の唐松山頂や白馬・不帰・五竜・鹿島槍、振り返って遠く南ア・富士山・八ツ・妙高・火打・頚城の山々と、雪山の景色を堪能しながら歩く。厳しい冬山とは正反対の、優しく楽しいプレ冬になった。とは言っても、さすがに頂上稜線近くになると尾根も細くなり、岩混じりや痩せ尾根のハイマツ帯・岩場を避けた雪壁上りなども出てきて、リーダーから注意喚起の声が飛ぶ。
出発後おおよそ2時間、2つ目の雪壁を上ると目の前に剱・立山の稜線がドーンと広がる。この景色は八方尾根ならではだろう。あまりの雄大さに釘付け状態になり、山頂でもないのに4人並んで記念写真を1枚。今回の山行で2度目の感動のピーク!唐松山頂への途中で槍と穂高も視界に入り更にテンションはあがる。
貸切の山頂では、恒例の「ヤッホー」をして、その後は撮影会モード全開で360度のパノラマを堪能する。剱北方稜線の終わりに日本海が見えて、遂に富士山から日本海までを制覇。太平洋も見えるぞという冗談も出るくらい、視界良好! 剱・立山はもちろん、白馬はゆったりとした山容でデ〜ンと構えて、五竜はその型どる稜線が険しくも美しく、その背後には槍・穂が。
いつまでも居たい気分だが24日発Pとの合流も控えているので、山頂小屋へ下りて剱・立山を眺めならしばし休憩する。小屋の軒下の雪面から氷の柱が立ち上がっている。ツララが落ちて刺さったのだろうと言っていたが、水滴が落ちて鍾乳石のようにできたのではという説に全員納得。
12:00に小屋上の稜線から24日発Pと交信し、2200mの潅木帯付近にいることを確認する。こちらはテン場まで1時間から1時間半かかることを連絡し、下山する。2箇所の雪壁をバックステップで慎重に下りた以外は八方尾根と白馬の町を見下ろしながら軽快に歩けたので、次の交信時間である13:00には丸山ケルンから直接手で合図できた。
合流後、お湯を沸かしてココアを飲んで一息つき、24日発Pのテントが立ち上がったところで雪上歩行とビーコンの講習をする。23日発Pは朝方に歩行訓練をしたので先にビーコンをして、後は講師・水作り・トイレ整備などに分かれて作業し、夕方を迎える。
今日の夕食は、ヨシダが初めて挑んだペミカン8人前強をマツダがボッカしたマカロニのシチュー。チームワークの賜物を2度に分けて調理し、美味しく頂く。食後はノンビリお茶でもと思っていたら、24日発Pの面々が乱入してきて、大騒ぎになる。そんな中、今日は天気予報をしっかり聞く。明日はやはり下り坂のようだ。なんとか午前中だけでも晴れてほしいと願いつつ就寝。オマケ…「夜景がヤケに綺麗でっせ」
26日 4:30に「マツダさ〜ん!」の声に起こされて、マツダは24日発Pのテントへ。マツダは24日発PのCLなので今回2度目の唐松だ。「ご苦労様です。」ウエダ・コンドウ・フチガミは24日発Pの出発直前に起きて、フチガミはベンチレーターから、他の二人は外に出て出発を見送る。
24日発Pとはお風呂あたりで合流という話になっているが、ゴンドラ八方で合流するにこした事はないので、その辺りの間合いも計りながら朝食・撤収をし、9:45にテン場を出た。ここまできて怪我はいやなので、難所はないとはいえアイゼンをつけて慎重にゆっくり下る。八方池でアイゼンを外し、不帰・白馬に名残を惜しむ。八方池手前で、24日発Pが2250m付近の潅木帯を下ってくるのを確認しているのでその差1時間と読んで、八方山からは直進せずに木道を歩き時間を調節する。八方池山荘で休憩してリフト乗り場へ。ここでマツダにリフトとゴンドラのチケットを渡していないことに気付き、リフトの係りの方に手渡していただくようお願いする。リフトに乗っているとマツダから電話が入り、八方池山荘にいるとのことで、ゴンドラ八方の駐車場で合流することを確認する。荷物整理や会計の計算をしていると、24日発Pが下りてきて合流。06年プレ冬、無事幕を閉じる。

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23日発P感想

フチガミ

 正式に入会して初めての合宿で不安もありましたが、リーダーを始めご一緒した方々には本当にお世話になりました、ありがとうございました。冬山の生活を知れ、雪稜クラブでの山行のやり方も色々と新鮮で面白かったです。テント内では水作りが非常にウエイトを占めることが実感できました。 天気はとても良く、初日は雲海に仕切られた別世界を体験することができ、最高の思い出になりました。風もなく日中は暑いくらいでしたが、やはり夜は寒く、特に靴を履きっぱなしだった足が冷たかったです・・冬用寝袋を奮発して買ってお金は余り残っていませんが、やはり他にも冬用具が必要ですね;。また徐々に買い足していこうかと思います・・正月合宿が楽しみになってきました。

ヨシダ

 おおっー見えてきた、見えてきた。なんと私たちが、周囲の山並がちょうど見えるところに到達した途端に青空が見えだし、あれよあれよという間に雲がなくなり、雪をかぶった山々の姿がくっきりと現れ出したのです。こんなこともあるのだと大感激。それ以後は翌日の夜まで晴天が続き、25日の唐松山頂からは剣はもちろん、富士山、槍、穂高連峰、日本海まで360度見渡すことができました。こんなに見えたのは初めてです。これもウエダさんの事前の念入りな天候の読みとコンドウさんの"念力"とそしてマツダさんの経験のお陰です。時間的にも余裕があり、じっくり景観を楽しめました。雪山での泊まりは初めての経験で戸惑いもありましたが、色々と教えて頂き無事に帰ってくることができました。アイゼントレ、ボッカトレ、事前の準備も含め、本当に皆さん、有難うございました。

コンドウ

行く前から天気予報では荒れるとのことでした。ミーティングでも天気図を説明してもらい勉強になりました。もっと天気についての知識も増やしていきたいと思います。 お天気に恵まれ、写真もたくさん撮り、休憩もゆっくり取りながらの山行でしたが、やはり地形図を見ながら歩くのは難しかったなと思います。お正月の山行は事前にもっと地形図を見てから行くようにしたいと思います。
マツダさんに歩き方が前より上手くなったと言われ、自分では実感はありませんが嬉しかったです。お天気も良く、雄大な景色を楽しめましたが、やはり稜線歩きは怖いなと思いました。
青空の下、白い白馬三山、五竜岳、剱岳、ゴールデンウィークに行った毛勝三山、槍ケ岳、富士山が見え、とても楽しい唐松岳でした。ありがとうございました。

ウエダ

 天は我等に味方してくれましたね。無事終わってホッとしました。「行動はゆっくり慎重に、休憩はてきぱき手短に」を心がけましょう。行動の様子・風景などの写真はhttp://ooesanso.hp.infoseek.co.jp/の山行記録2006からもご覧いただけます。

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24日発P感想

ササキ

今回は約9ヶ月ぶりに雪稜の山行に参加させてもらった。
後立山は初めてだったので、どんなところなのか期待に胸を膨らませていた。有名な八方尾根スキー場から登ると知って、その期待はよりいっそう大きいものになっていった。
夜の高速を走り、ゴンドラの駅に着いたのは早朝4時。そこから少し仮眠をしたが、思っていたより車のなかは寒くなっていった。シュラフをかぶって寝てなんとか風邪を引かずに夜明けを迎え、最終パッキングをして出発。
ゴンドラに乗ってグングン標高を上げていく。すると眼下には白馬村の雄大な景色が広がる。きっと一般人はこの眺めを見ただけで満足してしまうのだろう。しかし我々山ノボラーはこれでは満足できないのである。リフトの終着駅からは自らの足で標高をゆっくりとしかし着実にあげていく。
しばらく歩くと雪化粧をした稜線が目に飛び込んでくる。不帰〜白馬の稜線である。いつかはあそこを縦走してみたいものだ。雲一つない快晴のなか、周りの景色を堪能しながら登っていき、丸山ケルンの少し下の平坦なところを幕地とする。
テントを設営した後、歩行技術、滑落停止、ビーコン捜索の練習をした。歩行技術に関しては、自分は6月の文登研の復習として行った。滑落停止はちゃんと練習したのは初めてだったが、雪が軟らかかったのでなんとも。ビーコン捜索は、去年しっかりやり方を教えてもらったので、素早く見つけ出すことができた。
夕食は山岳カレーに少し手を加えたものをいただいたが、なかなかスパイスが効いていて美味しかった。それと、ブランデーを温かい紅茶で割ったものがとても美味かった。あれは冬山では最高だ。
また、食べるだけではなく、これまであまり話したことがなかった人たちと話せたことも良い思い出となった。夜のテント生活はどんな山行であっても楽しいものだ。
翌日は、1日目ほどの快晴とはいかなかったが、荒れることはなく、順調に唐松岳の往復を終えた。唐松岳からは、残念ながら立山や剱は雲に隠れてしまっており見えなかったが、360度の展望が楽しめた。
下りもいいペースで降りていき、無事に全員下山することができた。下山後の温泉も大変良かった。
今山行の自分の反省点を挙げると、[1] 雪上歩行に意識が集中するあまり読図が普段より疎かになってしまった。[2] 2日目に、アイゼンをカッパに引っ掛けてしまった。両足の間隔を常に空けるようもっと意識しなければならない。[3] ラッセルがなく先頭を歩く機会がなかったので、ルートファインディングがあまりできなかった。[4] 行動用の水は、あまり量は必要ないことが分かった。[5] 今回のパーティのなかでは最も若い年代だったにも関わらず、雪取り係を全くやらなかった。以上のようなことだろうか。周りの人から見たらもっとあるかもしれないが…。
しかし全体を通して見ると、今冬の幸先良いスタートを切る山行になったのではないだろうか。みなさんありがとうございました!

フジタ

冬はいつも皆さんの山行報告を聞くだけでなかなか行動に起こせなかったのですが、「今年は会の合宿に参加する!」という目標のもと、冬合宿に向け、プレ冬山の山行に参加させていただきました。ゴールデンウィークに春山に行った時は初めての雪山ということと3泊ということで、かなりテン張っていて疲れたのですが、今回は共同装備も少なくしていただいたり1泊ということで、何とか周りの山を眺める余裕が少しありました。ぎりぎりまで天気とにらめっこで行先が変更になったときはちょっと残念でしたが、1日目はいい天気に恵まれ、皆さんがゆっくり歩いてくださったので、いい気分でテント場まで行けたと思います。 テント場に着いてからちょっとして前のパーティーと合流できて、みんなでピッケル・ビーコンの使い方の講習を時間に追われることなくゆっくり出来、よかったと思います。すぐ忘れてしまう私なので、何回でも練習出来る場があるとうれしいです。
 またまた下りで何回もこけてしまい、もっともっと足腰を鍛えねばという課題が相 変らず残っていますが、冬山の始まりの山行としては、私なりにかなり充実したもの だと感じました。
 ぼちぼち歩きの藤田ですが、今後もあきれずに皆さんご一緒させてくださいね。

イナノ

今回のプレ冬山は私にとってとても重要なものだった。
なぜなら、今年の正月からフリー・沢・アルパインと怪我から山に復活し、冬山にも復活したいなぁと思っていたからだ。
 体調管理不足で出発する週の火曜に風邪をひいてしまい出発の日まで不安だった。前日は幸いなことに祝日だったので1日家にいてゆっくりした。完治まではいかなかったがなんとか・・・。
早く仮眠をしたかったのでヒカサ号は20時半に京都を出発した。日笠さんと交代で運転して2時にやっと駐車場についた。建物の中で仮眠できると思っていたのに鍵がかかっていて入れずバス停に行ったりして場所をしたが結局どこにも入ることが出来ず、3時ごろ駐車場で車中で寝ることになった。
あっという間の朝、フクザワ号と合流してパッキングした。重さを測ると13キロ。うわっ思っていたよりも軽い。嬉しい!!(テントもっていただいたササキ君 ニシムラ君ありがとう
)泊まり道具を背負って歩くのは秋に行った錫丈以来だ。
ゴンドラとリフトに乗って高度を上げる。そこからはもう雪世界。向こうのほうは五竜・鹿島槍が綺麗に見える。お天気は最高で雲ひとつない青空。今日の行程は丸山ケルン手前のテント場まで。ぼちぼちと歩きだした。
途中、素晴しい景色を楽しみながら、写真を撮りながらのんびり歩いた。12時約束どおり先発Pと交信することが出来た。先発Pはちょうど唐松岳ピークにいるようだ。
13時前に先発Pのジャンボテントを発見。2年前に行ったときと同じ場所にテントが張ってあった。今日は本当に暖かい、いつもなら私はすぐに防寒着を着たり、カイロを貼るが、アウターも着ずに整地をしてテントを張り、外でお茶を沸かしていっぷくすることが出来た。なんて快適な日なんだろ。
14時40分から先発Pと合流でビーコンとアイゼンワークと滑落停止の練習をした。ビーコンは2年前に八ヶ岳で練習したこともあったので、今回ウエダさんから教えていただいときにとてもわかり易く、忘れかけてることもあったので復習することが出来てとてもよかった。またアイゼンワーク・滑落停止もとても勉強になった。
この日の晩は先発・後発Pごとに食事を済ませ、ジャンボに集合してみんなで楽しい時間を過ごした。久しぶりの大人数での冬山山行、なんか懐かしい気分だった。私は冬山のテントの中の時間がとても好きだ。
翌日、後発Pは4時半に起床して7時ごろ出発。日曜の天気は土曜ほどよくなかったが、なんとかお天気に恵まれた。テント場から唐松岳の往復をトップで歩かせていただいた。最初どれぐらいのスピードで歩いたらいいのかわからず難しかった。ルートは踏み跡がありわかりやすく、歩きやすかった。アイゼンが足にひかからないよう気をつけて歩いた。
不帰のキレットがとても綺麗に見えていた。白馬から唐松岳への縦走、不帰の登攀、あ〜大きな夢。行ける時がくるのかなぁって思いながら眺めていた。
唐松岳のピークに到着し、恒例のヤッホーをして景色を楽しみ下山した。
2年前に一度いったこともあったので今年は少し余裕をもってあるくことができた。山行中みなさんからたくさんのことを教えていただいた。特にマツダさんから唐松岳を冬に歩くときのポイントを教えていただきとても勉強になった。一番の収穫は、冬山にまた行きたいと思うことができたことだ。
天気に恵まれ快適な山行ができ、みんな大満足できたことはとても良かった。今シーズン第一歩として良かった。
反省点は、[1] 山行に向けて体調管理ができてなかったこと [2] SLとして下調べ不足だった
[3] 2日目の朝、テント撤収とかなかったのに4時半に起きて当初の予定の6時半に出発できなかった。出発までに時間がかかりすぎた。時間的に余裕があったがこういう時こそちゃんと予定どおりできるようならなければならない。

フクザワ

初めての冬の北アは天候に恵まれ春山のようだった。鹿島槍も五竜も白馬も初対面だった。ワカンはいらないと言われても信じられずワシ一人ワカンを担いだが,実際お荷物以外の何者でもなかった。本多勝一氏が,正月休みの唐松岳でワカンがいらないと言うなら世界中でワカンがいる山はない,と言い切っていたが,11月ならこんなものなのだろうか。
トレースを辿っていったらそこが頂上だった。テント場から頂上まではアイゼン,ピッケルを使用したが,アイゼンを履かずにストックを使用した方が楽,という状態だった。10年弱前,単独で冬の日高に入ろうとしていた頃は,いつも悪天と猛烈なラッセルに見舞われ途中敗退を繰り返した。一方,会に入って複数で冬山に入るようになるとなぜか好天に恵まれ,簡単に頂上まで行けるようになった。いまだに天候のぎりぎりを見極めて行動する真の冬山を体験できないでいる。適度に荒れてくれたら良かったのだが,うまくいかんものだ。

ヒカサ

2年ぶり、2回目のプレ冬に参加させていただきました。
前回はピッケルもシュラフもお借りしていき、景色を見る余裕もなく慣れない冬靴で足が痛くなって最後が辛かったのですが、今回の唐松はお天気にも恵まれ、楽しく歩くことができました。 また、滑落停止やビーコンの練習もさせていただき、勉強になりました。
(マツダさん、2回往復してくださってありがとうございました。)

コウ

今までは本を読んだりして自分一人でも雪山に何回か登っていますが、やはり実力がなくて、心細かったのです。今回は、雪稜に入ってから初めての雪山だけに、かなり楽しみにして、そして、緊張していました。時間的には余裕がありますが、4日間も雪山で活動するほどの体力への自信がないので、24日発のパーティーに参加することにしました。それに、去年同時期に燕岳に登って、トレースをすぐ拭き消してしまう猛烈な吹雪とホワイトアウトに遭って、怖くて登頂せずに引き返した記憶がまだ頭の中に鮮明に映っています。今回も事前の天気予報があまりよろしくなて、かなり心配していましたが、実際、現地に行ったら、物凄いお天気で、ラッキーだと思いました。ところが、風邪がまだ治っていなかったせいか、前夜発で殆ど寝なかったせいか、荷物が重かったせいか、いつもより早いところから高所障害が出てきて、しんどくてしんどくて息が切れそうになりました。そのせいで、青い空と白い雪と黒い岩の美しいコントラストを楽しむ余裕がないだけでなくて、共同装備を皆さんに分けてもらうことまでになってしまいました。本当に情けなくてすみませんでした。やはり30代に入ってからは、体力が落ちるものだなと改めて思いました。
その後、かろうじてテン場に着いて、午後から初めての雪上訓練とビーコン講習はいい勉強になりました。夜になると、頭痛と吐き気でなかなか眠れなかったから、頭痛薬を飲んだあと、やっと何とか寝付けました(?)。翌日、元気ないままだったので、本当は頂上に行くかどうかと迷っていました。折角だからやはり行くことにしました。皆さんのペースが速くて、追いつくだけで精一杯だったから、格好いい写真を撮りたくても余裕がありませんでした。頂上では素晴らしい眺めのはずなので、あいにくの曇り空で頂上が雲に隠れてしまった山々が多かったです。先発隊のメンバーが本当にうらやましいです。それにしても、風が殆どなくて、痩せた尾根など、危険度が高いところでも、それほど難なく通過できました。私は高所恐怖症で、下りでは今回もさすがにゆっくりゆっくりと通らずにいられませんでしたが、めまいもしなかったし、足も震えなかったとは、少しだけ高いところになれてきたような気がします。それと、テン場からは、初めて雪上でアイゼンなしに下りました。やはり難しくてお尻もちを2,3回食ったし、一回スリップしました。スリップした時は前日に学んだ滑落停止が応用できて、すぐ止めることができて、嬉しかったです。最後にまとめて言えば、今回は皆さんの荷物になってしまって、すみませんでしたが、天気も良くて雪山をとても楽しんできました。今度は、行動しながらろくに写真が撮れるようになりたいです。

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参考資料:食料・会計・天気図

11/23発P食料
5名分〔男3・女2〕 2泊で使用したガス・・500×2個 11/24(金)夜:カレーライス(アルファー米2食入り×3袋) 11/25(土)朝:豚汁雑炊(アルファー米2食入り×2袋) 夜:パスタシチュー(パスタ800g) 11/26(日)朝:たまごスープ雑炊(アルファー米2食入り×2袋)
11/23発P会計報告
ガソリン代・・・416km×2×22=18304円
高速道路代・・・5050+7350=12400円
食料費・・・・4451+6430=10881円
ガス缶代・・・1680円(大2個)
リフト代・・・(1800+600)×5=12000円
_______________________
計       55265円⇒一人あたり11053円
11/24発P会計報告
費用:12,032円/人
天気図:(後日掲載)

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