八ヶ岳 赤岳主稜(積雪期アルパイン)

山行名 八ヶ岳 アイス&赤岳主稜
メンバー L O村 I野(文)
期日 2007/2/23〜2007/2/25 前夜発・山中1泊2日
山域・ルート 八ケ岳西面 南沢小滝・赤岳主稜
山行形態 積雪期アルパイン

コースタイム

2/23
22時出町柳→小淵沢IC→3時美濃戸口 仮眠
2/24
6時起床→美濃戸口→美濃戸山荘→南沢小滝→16時半行者小屋 泊
2/25
4時起床→→6時出発→6時40分文三郎分岐点→7時10分過登攀開始→10時40分赤岳ピーク→11時05分下山開始→11時45分行者小屋→12時半下山→ 13時35分美濃戸山荘→20時京都

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感想


 赤岳主稜へ今シーズンどうしても行きたいと思ったのは、2月上旬に堂満中央稜(エセ。尾根を1本間違えた)へ行ってからだ。昨年11月久しぶりの冬山で唐松岳ピークハントへ行き、雪山を歩けることに少し自信を取り戻し、正月に鋸〜甲斐駒縦走へ行った。この縦走には岩を登る箇所が数箇所あり、アイゼンを利かせながら岩を登るのがとても楽しく感じた。
そして堂満中央稜へ行き、尾根を間違えたものの1ピッチ目をリードした時に更に楽しさを感じた。そして2年前に連れて行ってもらった赤岳主稜へ今度はツルベで行きたいと思った。2週間前から計画を考えていたが、一緒に行っていただけるパートナーがいなかった。他山岳会の友達と行こうとかと思ったが連絡するのが遅くて無理で、1週間前までパートナーが決まらず行けないかもしれないなぁと思っていた。そして、昨年1月からフリーによく一緒に行き、錫丈1ルンゼでザイルを組んだことのあるO村さんへお願いをしてみた。O村さんから心よく一緒に行きましょうとお返事を頂くことができ、とても嬉しかった。1日目に行者小屋まで入り2日目にアタックだったので、初日は南沢小滝でアイスクライミングをすることにした。

2/23 快晴


 アイスと登攀用のアイゼン2個にギア類などで荷物はかなり重くてけっこう辛かった。1時間ほどで南沢小滝に到着した。一番のり。今年は暖冬で氷の状態が悪いと聞いていたが、しっかり凍っていて私には満足のいく(傾斜・長さ)氷だった。O村さんは5年ぶりのアイスらしい。まずはO村さんからリード。ちょっぴりビレーしていて緊張したが、ゆっくりと確実にスクリューをセットしながら登っていかれた。そして私も同ルートをリード。いつもはトップロープでどんな氷か確認してリードするか考えてトライしていたが、今回はいきなりリードからトライすることにした。とても緊張したが自分なりの納得のいくクライミングができた。それからトップロープを張って「アイゼンの利かせ方・蹴り込みの方向」や「バイルのうち方」などを確認しながら2本ほど登って遊び、最後に違うルートをリードして15時頃切り上げた。
 そしてまた重い重い荷物を担いで行者小屋へ向かった。遊び疲れと荷物の重さに腰がだるくなり少しバテ気味だった。行者小屋にはたくさんの人で賑わっていて、O村さんといろんな山話をして20時に寝た。

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2/24 快晴


 4時に起きて5時20分頃には用意終了し5時半に出発することが出来たが、あまりにも暗かったのでもう少しテントの中にいることにした。半過ぎにテントから出てアイゼン・ハーネスの準備をして6時に出発した。文三郎尾根の急斜面では足をガリマタにしながら登っていく。(以前行った時に教えてもらったことを思い出した)6時40分に主稜への分岐点へ到着。取付き・分岐点に3パーティいて上部に登攀しているパーティもいた。早い〜やっぱテントの中でゆっくりせずに早く出てきたらよかったと少し後悔。3パーティもいたらけっこう待たないといけないかも・・・しかもここまで来ると風はきつく寒かったのでツェルトをかぶって待ったほうがいいのかなって少し考えた。とりあえずザイル・ギアを準備して、行動食や水分をとっていたら既に取付きには1パーティしかいなかったので進むことにした。 
1ピッチ目を行かしていただきたいとお願いして私から登ることにした。何故なら玉田君から1ピッチ目の凹角を是非リードして来てくださいとメールをいただいたからだ。
「お願いします」とコールをかけ、O村さんから「今日はお天気がいいので、ゆっくりと落ち着いて楽しんで登ってください」とお言葉をいただいて7時10分登攀開始した。

1ピッチ目I野

 出だし少し緊張、ピックがしっかりきまりホールドもたくさん。ランナーはピナクルで1個とった。終了点はハーケンとボルトで安定していた。

2ピッチ目O村

 ホールドは大きく、アイゼンをきかして登る。出だしのムーブが楽しい。

3ピッチ目I野

 簡単な傾斜。ランナーはボルトが埋まっていたのが見えたので、雪を取り除いてセットした。終了点はピナクルで。ここから少しコンテで登る。

4ピッチ目I野

 下部は快適な雪のついた岩から斜面。ピッケルをきかせたりしっかりした岩を使いながら登った。ランナーは下部にハーケンがあった。終了点は雪斜面で適当な岩が無いのでスタンディングビレーか腰がらみなのかなと思っていたら、残置スリングを発見。近くまでいくとボルトが埋まっていたから雪を除いてセットした。

5ピッチ目O村

 コンテでいくことも可能かもしれないが、O村さんリード。50メートルいっぱいで上部岩壁取付きに着いた。ボルトがうってあるので安心。

6ピッチ目I野

 最初の岩の乗越しが微妙なバランスだったので少し悩んだ。ハーケン2個ありランナーに1個とって登った。緊張したとても楽しい!!ルートを確認しながら進み、ハーケンを発見してランナーをとって右へトラバースしていく。また残置スリングの付いたハーケンがあったのでランナーをとり、終了点をどこで作ろうかと悩んでいた。ボルトがあると思いこんでいたのでついついそれを頼りにしがちだった。(反省、もっとルートを見なければ)先を見るとスリングの付いた支点を発見したので進んでいき、よく見るとリングボルトだった。げっ!そこでビレーをするのは危険だと判断し悩み、さっきのランナーまでクライムダウンした。ハーケンと小さな岩でピナクルにして終了点を作った。

7ピッチ目O村

 おそらく主稜の核心。先ほどの残置スリングの付いたリングボルトにランナーをとって登る。ガバをみつけたがけっこう緊張した。ムーブは左側から右足に乗り込みって感じだった。ピナクルで終了点作成。もし行く機会があればリードしてみたいピッチ。

8ピッチ目I野

 ほぼ50メートルいっぱい、雪斜面から少し岩。ピナクルで終了点作成。

9ピッチ目O村

 簡単な斜面。

10ピッチ目I野

ザイルを外してでもいけるがそのまま稜線まで行くことにした。 稜線直下でザイルをまとめてコンテで赤岳ピークへ行き、握手を交わして記念撮影をし た。10時40分無事終了、3時間半の登攀でもう少し登りたいなって思った。 赤岳頂上で、今回の目標ツルベで登攀をすることが出来てとても嬉しくて最高の気分だった。ギア・ザイルを片付け、暖かい陽射しを受けながら行動食を食べ景色をしばらく眺めていた。O村さんの「下山するのがもったいないですが下りますか」という声で文三郎尾根を下りた。テント場に戻ってきて仰向けになって赤岳を眺め余韻に浸っているO村さんの姿をみたとき、お互い充実したクライミングが出来たんだぁと改めて感じた。 昨年1年間クライミングしていてよかったと感じる時が多かった。そして次なる目標ができた!!

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