南紀 和田川奥山谷(沢登り)

山行 和田川奥山谷
メンバー タカシマ イナノ タケムラ フクザワ フチガミ
期日 2007/4/13-4/15
山域・ルート 南紀 和田川奥山谷
山行形態 沢登り

コースタイム

4月13日

 京都駅(22:30)→本宮道の駅 仮眠(2:30)

4月14日

 起床(7:00)→本宮道の駅出発(8:00)→畝畑(9:00-9:15)→ホイホイ坂林道→アメ止め滝上(10:15)→入渓(11:00)→奥の二俣(13:32)→甚五郎の滝下(15:20)→17時頃甚五郎の滝上(17:00)→泊地(17:15)

4月15日

 起床(6:00)→泊地(7:40)→二俣(8:50)→稜線(9:45)
--Aチーム: 稜線→畝畑(車回収)→足郷トンネル(13:00)
--Bチーム: 稜線(9:55)→大塔山(10:20)→デポ地稜線→足郷トンネル(12:50)

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報告と所感(イナノ)

出発まで

5月GWに屋久島黒味川沢登りに行くことになり、足慣らしのために今回の沢山行が決定した。南紀へは昨年の黒蔵谷へ行って以来。黒蔵に行ってから何故か南紀の沢がとても好きになった。計画が出たときは行き先がまだ決まってなかったのでリーダーへ候補を出そうとう思い、小口川滝本北谷や八木尾谷や和田川奥山谷や往古川小木森谷や高田川内鹿野谷などの記録を調べた。1泊2日で行くなら八木尾谷か奥山谷か小木森谷へ行きたいと思った。そして最終奥山谷へ行くと決定しとても嬉しかった。ただ、寒そうで少し心配だった。

4月13日 曇り雨

遅れてくると思っていたタケムラさんが時間通りに京都駅22時半に来ていたのでびっくり!予定どおり京都を出発して、長い長い168号線を走り本宮道の駅へ到着した。グネグネ道が酔いそうになる。リーダー運転お疲れ様でした。意外と早く到着し、少し寝酒を飲んで仮眠。

4月14日 曇り晴れ

7時起床しパッキングして8時道の駅出発。168号線から小口行44号線へ入り129号線を進んでいくとホイホイ坂林道という看板に出会う。そこに車をおいて出発。
記録を読むとホイホイ坂林道を1時間から1時間半ほど歩き、アメ止めの滝の手前で入渓している。我々もアメ止めの滝を目指して9時過ぎ林道を歩き始めた。地形図を見ると沢の半分ぐらい林道歩き?と思うぐらい進んでの入渓予定となった。(地形図で林道が赤倉谷付近までしか記載されていないが、実際はかなり林道がのびていた。)1時間ほど歩く最近作られたとても綺麗な橋に出会い、そこから懸垂で沢に降りた。リーダー曰く、アメ止めの滝は過ぎてしまったという。残念。
平凡な沢を進んでいくと11時過ぎ1個目の滝が出てきた。右岸から巻くと先にまた滝が見えた。近くまで行き滝を見て、少し戻って右岸を巻いた。沢は陽が当たりとても明るくて木々がキラキラ輝いていてとても綺麗だった。しばらくまた平凡な沢となり、11時半頃だったので少し小腹も減ったということで休憩をとることにした。(11時45分)陽が当たり暖かい。リーダーは昼寝、タケムラさんは地形図に沢線を記入し始め、フクザワさんは釣りを始めた。のんびりしていてとても良い雰囲気で、思っていたほど寒くなく心地よい。登山大系を読むと「ひっきりなしに5メートルほどの滝が出てくる」と書いてある。まだ2個しか滝に出会ってない、これからか?期待した。
12時過ぎ出発。しばらくいくと廊下がでてきた。沢に浸かりたくない我々はヘツルことにした。トップは私。暖かいといってもドボンは絶対嫌だ。ちょっと緊張したけど無事成功!!イエーイ!!みんなを見守る。フクザワさん余裕で突破。次はタケムラさん。苦戦している。アドバイスするが上手くいかなさそうだ。リーダーといったらアドバイスよりも落ちる瞬間を撮ろうと今か今かとカメラをかまえていた。そして期待どおりドボン!!うひょー寒そう。泳いで突破。そして次はフチガミ君。これまたなんか動きが怪しい。頑張れ!と思ったらドボン!!リーダーも私もシャッターをおした。そして最後はリーダー。落ちろ!落ちろ!と声援をかけるが、聞こえてなさそうだ。さすがリーダー落ち着いて成功。残念。実に楽しい。盛り上がったなぁ〜。
13時頃3個目の滝、13時20分4個目の滝と登山大系どおり次から次へと5メートルほどの滝がでてくる。全部右岸から巻く。そして13時32分奥の二股(420)に出会った。右俣をとって進むと14時20分5個目の滝。左岸を巻こうとしたらリーダーが滝の右側から根っこを利用して登っていった。行けるのかと思い続いて私も登る。げげげ、強く根っこを引っ張ると大きな浮石が落ちそうだ。落石になる。怖いよ〜と思いながらなんとか登った。そして石を落としてからザイルをだして全員登った。その先は綺麗な快適なナメとなる。
ナメ滝30メートル手前の左俣の沢で滑り台をして遊んだ。「雪稜クラブ恒例の新入生歓迎イベントとかなんとか」と言いながらリーダーがフチガミ君に滑り台をすすめる。私もそれにのってフチガミ君にすすめる。そしてやる気になったフチガミ君はマットを使って滑ることに。寒いのに偉いなぁ若いなぁと思いながら、ひどい先輩達だ。あまりにも楽しそうだったのでリーダーが続いて滑る。そして何故か「先輩も滑らないと」とふられてしまい私も滑ることに。楽しい〜。そしてタケムラさんも滑る、フクザワさんにも「滑らないと駄目でしょ」と言っていたらフチガミ君がマットを手渡し滑ることに。みんなノリがいい!!今まで身体を濡らさなかったのに、けっきょく全身濡れた。
そして15時18分甚五郎の滝(45メートル)に出会った。記念撮影をして、右岸のルンゼを上がる。浮石が多く1箇所ザイルをだして進み尾根へ出た。尾根上はすぐ上が岩なので左側を巻く。しばらくいくとルンゼがあるのでそこを登ると岩の上へでた。このルンゼが泥で滑りやすく落石しやすく少し緊張した。リーダーやタケムラさんやフチガミ君はそのルンゼを登らず、少し戻って少し歩きやすいところから上がってきた。(私は歩いてないのでよくわからない。)そして次のルンゼを降りた。けっこう急で落石に注意しながら降りると甚五郎の落ち口に出た。巻きは1時間から1時間半ほどかかった。記録を読んで情報収集していたのでわかりやすかった。もし情報収集していなければルーファイに苦労していたと思う。落ち口に快適な泊地があると記録に書いてあったのでもう少し進んでみると、石垣あり高台になった快適な場所があった。予定どおりここで泊まることに。
焚き火があれば寒くなくとても快適だった。朝方少し寒くて目が覚めたがぐっすり寝ることができた。

4月15日 曇り晴れ

気持ちよく目が覚め、焚き火の前で食事をとり7時半過ぎに出発。昨日とは違い小滝が連続し高度をあげていく。小滝を直登したり巻いたりと次か次へと滝が出てきて楽しい。
少しやらしい巻きもあるがザイルをだすこともなく進む。まぁ4月ということもあって水が冷たく濡れたくないので巻くことが多かったような気がする。そして8時50分二俣に到着。沢をみると右俣は水がなさそうだしスッキリしない。2チームに分かれて稜線で合流という案もあったが、沢を楽しむなら左俣だろうとメンバー全員意見がいっちし、左俣をつめることにした。だんだん沢がしょぼくなり、最後のルンゼをつめるところで、早く尾根にあがってしまったほうが楽そうなのでリーダーに確認し尾根へあがることにした。メンバーみんな思い思いに登る。けっこうな急斜面に泥で滑りやすくしんどい。ふーやっと9時半過ぎ稜線に到着。ヤブこぎがないだけましか。9時45分全員そろって集合写真を撮り、大塔山へ行くチームと下山チームと分かれた。
下山チームに車で迎えに来て欲しいとアピールし、荷物をデポして大塔山へ向かった。大塔山に10時半頃到着し、天気もよく360度山々が見え気持ちよかった。やっぱ沢をつめたらピークへ行きたい。しばらく景色を楽しみ下山開始。
下山は明瞭な登山道。アップダウンを繰り返し、足郷山を巻き始めて下ると林道にでた。そこで昼ご飯を食べて林道をひたすら下る。暇な林道歩きもリーダー提案の「食べれない物しりとりゲーム」をしながら歩くと盛り上がる。それにしてもなんてお題だ。まぁゲームのおかげであっという間に足郷トンネルに着いた。そこには見覚えのあるザックがあった。もしや、フクザワさんとフチガミ君のでは。空身で下山したようだ。てことはここで車が来るのを待っていたらいいのか!!ありがとう。あ〜助かった。6キロのアスファルト道をこれから歩かないといけないかと思うとぞっとする。靴を脱ぎ、行動食を食べて寝ていたら車の音が近づいてくる。もしかしてと期待した。お〜!!セレナだ。無事合流できた。
足郷トンネルに自転車を置いておくといいかもしれない。アスファルトなのでかなりのスピードで気持ちよく下ることができるだろう。

山行を終えて

足慣らしの沢としては十分だったと思う。滝がたくさん出てきてとても楽しかった。もう少し暖かければ直登することもできてもっと楽しかったかもしれない。GWにむけての良い練習になった。

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報告と所感(タカシマ)

4月13日 曇り雨

京都駅10時半集合。少し遅れて京都駅につくと、珍しく全員揃っていた。今回は1年半ぶりの沢になるが、1年半前に前鬼へ行ったときと比べて道路事情が格段に向上していて、4時間弱で本宮の道の駅に着いた。夕方から断続的に降っていた雨はもう止んでいた。

4月14日 曇り晴れ

7時起床。各自ご飯を食べて準備をすませ8時に出発。熊野川から赤木川、そして和田川へと入っていく。くねくねした細い道を走ること1時間弱でようやく畝畑につく。こんな山奥に家があるのに驚くが、それにもましてたかだか数軒しかないこの集落に選挙の看板が2か所も設置されていることに驚く。畝畑から奥山谷沿いに伸びる林道は「ホイホイ坂林道」というかわいい名前が付いている。林道入口の看板をみて驚いたことに、地図では途中までしか書かれていない林道が川湯方面からの林道とつながっていた。これまでHPでみた記録はいずれも林道終点から入渓していたが、どうやらアメ止めの滝あたりまで林道で行けそうな感じである。9時すぎに出発。昨日とはうってかわってすがすがしい光を浴びながら、林道を歩いていく。水たまりにはオタマジャクシやヤモリが大量にいた。地図上の林道終点を過ぎてもまだ林道は続く。しかもアスファルトの立派な道になった。いったい何のため・・・。10時15分アメ止めの滝の少し上にかかる橋に到着した。橋のたもとから懸垂一回で入渓する。沢床はつるつるして滑りやすい。すぐに成地谷との出合に達する。水は冷たいが、陽射しがぽかぽか暖かい。半時間も経たないうちに最初の滝に遭遇、難なくまけた。ここからしばらく滝が続く。11時半、淵があらわれた。いよいよ濡れるのかと覚悟したが、右岸をうまくへつれた。しかし2人が水にはまってしまった。見ているだけで寒そうだ。二股付近からナメが現れ始める。光がうまく入ればきれいなのだが、暗くて今ひとつだ。12時半に奥の二股着。腹が減ったので大休止。奥の二股を右にとる。ナメが続く。ここまで濡れ知らずで来たのだが、思わず滑り台をしたくなった。ちょっと滑りが悪かった。結局全員がすべる。ナメ滝30mは美しいが、落ち口の流木がなければと悔やまれる。そしていよいよ核心の甚五郎の滝45m。なかなか立派な滝だ。右岸のルンゼをひたすら稜線まではい上がり、そこから岩稜を左から回り込んで最初の小ルンゼをつめあげる。そしてコルの反対側のルンゼを下りると滝の落ち口にでた。1時間半かかった。事前の情報がなければ苦労していたことだろう。そこからすこし溯行したところに石垣のある立派なテントサイトがあった。高度計は580mを指していた。久々の沢登りで、結構疲れた。星のきれいな夜だった。冷え込みは思ったほどでもなく、快適にすごせた。

4月15日 曇り晴れ

6時起床、7時半すぎに出発。今日はもうたいした難場はない。標高650m付近、沢が右に大きく曲がるところで、ものすごい土砂崩れの後があった。その先は両岸が著しく狭まった中に小滝がいくつもつらなっている。或いは直登し、或いは巻いた。最後まで滝があって飽きさせない。800m付近の最後の二股を越えてもまだ滝はある。やがて水はかれる。苔に覆われた涸滝は美しかった。ツメの斜面はズルズルでてこずった。思い思いのルートで稜線へはい上がる。9時半到着。ここからT嶋、I野、T村の3名は大塔山へ向かう。F沢とF上は下山。大塔山の頂上は非常に展望がきき、気持ちのいいところだった。足郷トンネルまで車で迎えに来てくれたらいいなあと話しながら下りていったところ、トンネルの傍らに2人の荷物が残置してあり、本当に車を取りに行ってくれたことを知る。ここから車まで6km、1時間半の道のりだ。いくらも待たないうちに車が来た。感謝!熊野川温泉(400円)に入って、帰京。2週間前に満開だった本宮の桜はすっかり終っていた。

 

下部の滝

 

この後ドボンする

 

ナメ床

 

新入生歓迎イベント

 

甚五郎滝

 

お疲れさまでした


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