志賀高原 雑魚川外の沢(沢登り)

山行名 志賀高原 雑魚川外の沢
メンバー L:タカシマ(文)、キリサコ、イナノ、タケムラ、ホリウチ、コンドウ、カジカワ(見学)
期日 2007/6/22-24
山域・ルート 志賀高原 雑魚川外の沢
山行形態 沢登り

コースタイム

―6月22日―
京都駅22:00→信州中野IC2:00→道の駅4:00(仮眠)
―6月23日―
林道10:00→外の沢出合10:40→取水口12:00→曲り沢出合13:50→2段5m滝14:40→穴明沢出合16:00→泊地16:40
―6月24日―
泊地7:40→40m多段ナメ滝下9:10→ヤブ突入10:45→稜線11:25→岩菅山13:20→登山口14:30(後発は15:00)→京都東IC

記録

6月22日 曇り

京都駅より7人がタカシマ号、キリサコ号の2台に分乗して、一路長野を目指す。小布施PAで合流し、信州中野ICで下車、コンビニで行動食を買おうとしたとき、イナノさんが財布がないことに気づいた。車の扉のポケットに入れていたのが、扉の開け閉めをしているうちに落ちてしまったらしい。結局、小布施PAまで戻っていると、そこに財布が落ちており、無事回収した。そんなこんなで道の駅「北信州やまのうち」に着いたのは4時すぎ、辺りはもうすっかり明るんでいた。この沢はがんばれば1日でも行けるくらいの短さなので、初日はゆっくりでもいいやん、と理屈をつけて7時まで仮眠する。

6月23日 晴れのち曇り

ここ数日の雨模様からは想像もつかないような青空が広がる。山々の新緑がきらきら輝き、まるで初夏をおもわせるかのようなさわやかさだ。道の駅で朝食、準備をすませ、とりつきまで車を走らせる。くねくね道をたどること約1時間で外の沢の対面に到着。記録ではもう少し上流の東電巡視路を使ってアプローチしていたが、ちょっと遠回りになるので沢伝いにアプローチすることにした。しかし来てみると立派な道がついていて、30分でちょうど外の沢のすこし下流のところへ出ることができた。
出合はナメ状でとても美しい。昨夜までの降雨のせいか水が多いように感じる。ブナ林にはハルゼミの鳴き声がこだまし、ナメを流れる水の音と絶妙のハーモニーを奏でていた。沢はいきなりナメの連続だが、水量が多いのでハルゼミの声に聞き入っているわけにはいかない。それに今回沢泊はじめての2人が前にいるので、どうしても気になってしまう。SLのキリサコさんにもフォローをお願いした。桐浴さんはしょっちゅう後ろを振り返って注意してくれていた。ああいうきめ細やかさは見習うべきところだ(が、たぶんできない)。30分ほどで外川小屋付近の吊り橋下に着いた。
多くの記録はここから入渓しているが、残念なことである。
休憩を含めて小一時間ほど経った頃、目の前にコンクリートの建造物が現われた。取水口である。(林道を使わせてもらっていながらこんなことを言うのは自己矛盾かもしれないが)いったい沢で人工物をみるほど嫌なことはない。この僻地の沢にもあちこちに鉄索が落ちており、美しさに文字通り「水を差している」。
12時55分、10m滝。ここは右から巻く。巻き道はしっかりしており、ご丁寧におり口ではロープが張ってあったりする。釣り師パーティに2組であったが、ここは沢屋よりは釣り師のほうが多いのだろう。沢屋が釣り師よりマナーがいいとは限らないが、しかし竿をたき火にくべたまま放置しているのにはあきれた。
曲り沢を右手に見送ると水量は減るが、しかし依然として川幅にくらべると水量は多いので水圧はなかなかのものである。7m滝は左のルンゼ状から巻く。2段5m滝はやや下流の右手より巻く。ここは道が不明瞭だった。釣り師はここまでこないのだろうか。ここから上流はまたしてもナメとナメ滝の饗宴で、心が躍る。ただ、水量が多いのと、陽が陰ってきたのとで、本来の美しさを目にすることはできなかった。とくに水量の多さはナメの楽しさの多くを奪ってしまった。かえすがえす残念である。それでもすばらしいことには変わりない。とりわけ40m大ナメ滝は圧巻だった。
4時頃穴明沢の分岐を通過、しばらくして傾斜がゆるまる。この辺りで泊まるところを探さねばならないのだが、7人泊まれるようなところはなかなかない。
今宵は春雨スープとご飯。カジカワさんがいつの間にかネマガリタケのタケノコを3本ばかり取っていて、それを焼いて食べた。木がしめっていたのでたき火がいまひとつ勢いがなかった。寝不足もあって早々に寝袋に潜った。

6月24日 曇りのち雨

僕にとっては温かい一夜だったが、寝袋なしの人には少々寒い夜だったようだ。やや曇ってはいるが、天気はもちそうだ。雑炊をかきこんで出発する。山菜をとったりしながら、やや単調な沢を進む。やがてブヨがまとわりつくようになる。このブヨは結局、ヤブ漕ぎに入るまでずっとついてきた。少し倦んできたころ、目の前に40m多段ナメ滝があらわれた。実に感動的な光景だった。しかもロープなしで楽々上れるから楽しい。来し方をみやると、遙かに車を止めてある林道がみえる。
すぐ上の二股に雪渓があったが、難なく通過できた。結局ロープは使わずじまいだった。ここまでくると沢はすっかりか細くなる。雪渓が後退した斜面にシラネアオイが広がる。そして10時40分、いよいよヤブ漕ぎに突入。イナノさんが先頭で奮闘する。僕は7人パーティの一番後ろで、まるで高速道路でも歩くかのように楽をさせてもらった。しばらくいくと沢形は不明瞭となり、一度右に振って再び沢状をのぼる。途中、桜が咲いていた。忘れてきた春に出会ったような気分だった。ヤブ漕ぎの最中にもタケノコをとっているカジカワさんには参った。11時半、稜線に到着。稜線の北東方面にはゆるやかな山容の裏岩菅山がどっしりと横たわっている。しばし休憩をして、出発。途中の道にはいろんな花が一杯咲いていた。天気がよければ気持ちのいい稜線歩きだったろう。この時は気温が低く、おまけに雨と風で景色を楽しむ余裕がなかった。ただ眼下の魚野川は一度のぼってみたいと思った。岩菅山に着く頃には雨風が相当きつくなっていた。僕とキリサコさんが先に下りて車を回収することになった。 長いドライブが控えているので、早歩き程度、約1時間かけておりた。車の回収には往復1時間強かかり、我々より30分遅れて下山したメンバーを雨のなかこごえさせてしまった。道ばたの温度計によれば気温は11度であった。
発哺温泉に入ったが、温度が低くて寒かった。小布施駅近くで(有名な)トンカツを食べ、高速にのった。高嶋号も桐浴号もガソリンがのこり少なく、姨捨SAで合流しガソリンを入れるよう申し合わせていた。ところが姨捨SAにはガソリンスタンドがなかった。 まだ燃料に若干余裕のあるキリサコ号はつぎのSAまで走ることにし、もうかなり危ないタカシマ号は次のICで一旦おりることにした。ところが次の麻績ICでおりたものの、真っ暗で何もない。しかも町に出るにはどの方向へむかったとしても峠を越える必要がある。万事休す、まさに今回の山行で最大の核心となった。冷静に考えた結果、高速にのって更埴まで戻るのがよかろうということになり、更埴まで戻った。峠を越えるまではひやひやものだったが、越えてしまえばニュートラル走行でかなり走れた。結局、ガソリンは2.5リットル残っていた。1リットル8kmくらいの燃費なので、結果的には梓川までなんとかいけたかもしれないが、正確な残量がわからない状況では正しい判断だった。しかしこのために大幅に後れをとってしまい、とうとうキリサコ号には追いつけなかった。

 

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雑魚川外の沢ルート図

雑魚川外の沢ルート図
(クリックで拡大)(別ウインドウ)

 

雑魚川へ入渓

 

外の沢出合

 

出合からナメが続く

 

10m滝

 

ナメで記念撮影

 

小滝を登る

 

40m多段大ナメ滝

 

雪渓が残る

 

ツメのヤブ

 

稜線に出た


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