京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
山行名 | 犬上川 滝洞谷 |
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メンバー | L:A野 Y口 N澤 N村 |
期日 | 2007/11/3 |
山域・ルート | 鈴鹿 犬上川 滝洞谷 |
山行形態 | 沢登り |
鈴鹿犬上川滝洞谷は異様な谷と聞く。数年前滝洞谷の記事を読んで以来一度行ってみたいとは思っていた。今回はY口君のリハビリをかねて調度よいと思い誘いをかけてみた。Y口君、N澤君、N村君が大喜びで手をあげてくれた。みんなも前から気にかけていた谷であったようだ。
ところが、Y口君の足の怪我もまだ完璧ではないようだし、N澤君も胸の筋肉を肉離れしたという。心配をつのらせた私は胃腸カゼにかかりダウン。点滴でなんとか当日に間に合わせるという始末。大丈夫かいな?
当日は穏やかな秋の日となった。朝ぼらけの中を滝洞谷に向かった。前夜は近くの公園駐車場で入山祝いをしゆっくり寝ることができた。みんな体調はいいようで昨夜から気持ちは盛り上がっていた。
墓地の駐車スペースに車を置き入谷する(7:00)。谷と言っても水は全く流れていない。沢タビにいつになく違和感を感じる。谷はじきに狭まりチョックストンが行く手をふさぐ。チョックストンといっても小さいもので簡単に越える。少し進むと両岸壁はかぶさりここからが本番。
最初は洞窟ゴルジュといわれるところ(7:16)。正面はつるつる壁、左岸壁がかぶさっている。クライミングシューズに履き替え、左岸のクラックにN澤君リードで取りつく。残置ハーケンが3本あり人工からフリーで越える。セカンドY口君はフリーで挑戦するが出だしが滑りやすく人工を交えることになった。人工で抜けるには難しくなかった。
いくつかナメ滝を越えると次は井戸底ゴルジュ(8:50)。うまいネーミングである。まさに井戸底から這い上がるという感じだ。Y口君リードで取りつく。下部はクラック豊富。ナッツを2つきめてランニングにし軽快に上部のスラブまでフリーで抜けて行った。下部はクラックに手足をきめ、上部のスラブも細かいがスタンスもあり難しくはない。上から見ると丸く口をあけた井戸そのものである。なんとも奇妙な風景である。井戸の上には核心と言われているスラブ滝がかかっている。右岸カンテからA野Lが試登してみる。ホールドもしっかりしており上のスラブも傾斜が緩い。一見して登れると判断できる。ザイルを付けて登ってみようかと思ったら…なんとすでにY口君がザイルと付けているではないか。
「あれ…どうしてザイルがついてるのかな?」
とY口君。またリードをとられてしまった。Y口君は楽しそうにフリーで登りきってしまった。残置ハーケンが3本あり、沢というより岩登りである。ルートはとても快適。下部カンテはホールド、スタンスともしっかりしており、上部スラブも足がしっかりきまる。もっと長く登りたい気分だ。
最後は迷路ゴルジュ(10:10)。曲がっていくゴルジュは先が見えずワクワクものだ。最後もY口君のリード。(まあ…今日はY口君のリハビリ山行だからな…。)登り始めの岩が苔むしていたので、ここは沢タビで取りつく。曲がり込んでY口君が見えなくなる。
「いいっすよ!」
Y口君のコールを受けて登ってみる。ここはなんとなく沢登りっぽい。スラブに沢タビをきかせて快適に登る。最後は少しだけ傾斜があるが特に問題はない。その上は水たまりになっている。(11:10)
「これで終わりですね。」とY口君。
「えっ…迷路ゴルジュの最後につるつるの悪いところが出てくるのとちがいの?まさか今の最後が悪いところ…」
最後こそ登らせてもらおうと思っていた私は超ガッカリ。まあリードするほどのところではなかったが…。
最後の水たまりは左岸から容易に巻けそうだが、ここまで来て巻くのもな…ということであえて右岸をショルダーであがり、へつり越えた。Y口君はラストでフリー突破。これで完全復活だね。よかったよかった。
その先は平流をのんびり進み、二俣を待たずに適当に右岸を登る(12:00)。石灰岩がゴロゴロする斜面を登るとには茶野に到着(13:20)。鈴ケ岳が美しい。秋の陽光の中を下山する。地図を見ながら尾根を辿り、送電鉄塔のあたりから右の谷に下ると道が現われる。国道に着いたのは14:30ころであった。
Y口君沢復帰おめでとう。みんな愉快な山行をありがとう。また楽しい山行しようぜ!
何年か前にはじめて記録を読んで、ひたすら憧れ続けた谷、滝洞谷についに挑むこととなった。
webに載っている記録をいろいろ読むが、暗い洞窟のようなゴルジュの中をひたすら進む水のない谷、どこの記録でも「最難関」という言葉が光る。
行く直前にも、「あそこは沢というか岩」と脅される。「え?岩?」まともに登れないっすよ。という心の内を明かさず、しかも一週間前に大胸筋肉離れという最悪の事件も勃発。もうフォローでいいや、と若干投げやりに挑むこととなった。
それにしても鈴鹿は近い、京都を出てまもなく到着し、星を見ながら飲んでそのまま外で眠った。
翌朝、、、寒い。水のない沢で本当によかった〜。谷に入るとまったく水がない枯沢、なんだろな、と思っているとすぐに谷は狭まって、陰鬱なゴルジュへと変貌を遂げる。おぉ、岩だ。はじめの小滝(?)をいくつか越えるとすぐに洞窟ゴルジュへたどり着く。今回、出発前に「ずーとフォローで行くよ」と言っていたものの、リードできるとしたら人工で行けるここだろうなぁ、と思っていたので、めちゃくちゃ主張する。いや、ゴメン。なんかいけそうな気がして、、、
まぁ、リスの部分に手のホールドが豊かだったので、フリーで行けるかなぁとか思っていたのに、取り付いてみると足がない!ん〜踏ん張りたいけど落ちると黒〜い水の中、イヤイヤ、それはない。というわけで岩壁を滑るように降りて、早々に人工に切り替えてしまった。いや、主張しておいてごめんなさい。残地が不安だったので一個だけナッツを付け加えて、普通に人工突破、う、、、なんか申し訳ないなぁ。
ま、とりあえずこれで自分の仕事は終わり、あとはフォローになることを決意した。ここからしばらく普通の歩きでその後井戸底ゴルジュが姿を現した、いいな、この暗〜い雰囲気。ここは足が漬物から回復したY口くんにリードを任せる。今回は彼の復帰戦なのだ。しかし、登ってみると簡単そう、ナチュプロの練習をノンビリしながら余裕で越える。上部のフリクションを利かせる部分も後ろに壁があるので特に問題なし、、、あれ?こんなんでいいのか?
次は迷路ゴルジュ、写真で見るとどこから登ってよいのかわからず、めちゃくちゃ難しそうだったこのゴルジュも、近づくとルートは明白。なんか肩透かしを食らった気分だ。ここもY口リードで越える。上部がイヤらしいとのことだったが、下から何も見えないのでどういやらしいのかわからない。フォローで登ってみると、確かにイヤらしい。フリクションを利かせながら、ゆっくり確実に登りきる。このぞくぞくする感じは楽しい、しかしこれこそ岩ではなくて沢ではないか?どうやら構えすぎたようだった。
最後の腐れ水の突破は、Y口以外はショルダーで登り、最後にY口がボルダリングで突破、相変わらずあっさり登るなぁ、とてもケガからの復帰戦とは思えない。しかし、全体的には5級というレベルの沢ではなく、快適な登りを楽しめるよい沢だった。
このまま谷下降でもよいけれど、一応尾根からピークへ進み、登山道を降りることにした。ピークから見える周りの山々は立派に色づき、秋の訪れを感じさせる、沢ももう終わりだ。今年、何度も一緒に沢に行ってくれた今回のメンバーに感謝、さて来年はどこへ行きますか?
沢に行きまくった今シーズン。まさか11月まで沢に行くなんて。今年最後の沢、Y口君の復帰第一戦(N澤君もかな?)ということでアサノリーダーのもとにまた懲りない面々がまた集まった。滝洞谷といえば何だか水は無く、洞窟のようなところが続く異色の沢ということで、何だか難しいらしいがどんな沢になることやら。Y口くんがネットで拾ってくれた記録は怖いのがおおくて(俺はカエルだと言い聞かせながら登るところがあるとか、猿が石を投げてくるとか、鹿の死骸が転がってるとか…ちょっと違うか。)見るたびにちょっとむずいっす。いけるんかーとちょっとビビってしまう私だった。
前夜発で、沢らしく宴会して寝る。遅くまで話が弾み、ちょっと寝不足だ。さすがに11月で朝は寒い。つくづく外で寝なくてよかったーと思う、というかよく寝るなー。移動してギアを吟味しつつも沢山持って、出発する。入渓というか初めから水はない。すぐゴルジュが始まる。日のあたらない、磨かれた岩の谷底を進む。ほどなくして第一の難関洞窟ゴルジュへ着く。クライミングシューズに履き替え。うーんつるつるして、見るからにやらしそう。落ちたら茶色い水の中へ池ぽちゃだし。N澤君が人工も交えて突破する。やっぱさすがだわ。フォローでアブミつかいまくりで行った。次が結構心配してたヒールフックで登るとかいうところ、ホールドがよくて、意外とすんなりと行けた。谷底を進み、井戸底ゴルジュにつく。はるか上に光が見えてまさに地の底というかんじ。今度はY口君リード。あっさり抜ける。フォローも上部のステミングに気がつけば普通だった。2段目、再びY口くんリード横を登ってつるつるを登る。これまたあっさり抜ける。フォロー、1度ちょっと落ちてしまう。あとは気合いで登る。迷路ゴルジュ、再びY口君リード。なかなかピンがとれないのがやらしそう。序盤は
コケが生えたところを登り、それ以降はつるつるが続く。中盤からゴルジュが曲がっていて先は見えないがやらしいそうだ。確かに行ってみると、見えなくなったあたりからがきれいな筒状になったところをフリクション勝負で登るところで、いけないことは無いがいやらしい。リードだと怖そう。上からA野Lさんがもっと大変かと思ったよとか言っているのが聞こえてくる。まだ私は登っているんですが…。次は池越え。どぼんすると汚い水まみれになってしまう。ショルダーで横壁に乗ってトラバースだったが、乗った後のバランスが取れず、お助け紐を出してもらう。結構くやしい。Y口君はフリーで突破。本当に復帰第一戦すか?地の底のようなゴルジュが終わると世界は光にあふれていた。秋の日差しがまぶしい。水流も間もなく出てきて、魚影もちらちらと見える平和な渓流になった。ここで今年の沢も終わりましたねーとか言いながら昼飯を食べる。稜線に上がると、山々の紅葉がきれいで、いい秋の一日でしたねといった感じ。
結構びびっていたのに、思ったよりもあっさり抜けてしまったので驚き、いやーこのパーティー強いなーと実感。しかし、今年の最後にふさわしい、楽しい沢でした。メンバーに感謝。来年もよろしくです。来年はどこ行こうか?でももっと修行しなければ。リードしてないし…。
今回の山行は日帰りで、沢自体は4時間もかからず終わってしまった小さなモノだったが、自分としての意味は大きく、行く前は非常に緊張していた。夏合宿で怪我して以来、初めての沢登り、そしてその際迷惑をかけっぱなしだったリーダーと登れる今年最後のチャンス、それに、登攀要素の高いこの沢を登れるだろうか、という不安。無事登りきった今はそういうモノがみんな大きな充実感に置き換わっている。いい山行だった。
滝洞谷はちょっと前から気になっていた沢だった。台湾の沢のプレで利用されていたり、鈴鹿最難の沢として有名だったからだろう。
京都から数時間、非常に近いアプローチのおかげで飲む時間が出来た。なんだかんだこの夏はあまりみんなで酒を飲めなかった気がする。星空の下シュラフを膝にかけたりして楽しく飲む。この冬はドコに行こう、来年はドコに行こう、とあての無い話に夢が膨らむ。いい夜だった。まあ、ニッシーが酒をこぼしたのもご愛嬌☆
滝洞は、噂に違わぬ奇怪な沢だった。ゴルジュの入り口で最初の段差、簡単だがものっすごいテンション上がった。ここから始まる!洞窟ゴルジュでは例によってトップの取り合い。「これなら行けそうかな…あとはフォローで行くし。」と言うNザワの策略によっていきなりトップを取られた。しかもアブミ使うのかよ!!この日和野郎め!と、悪態をつきながら、二番手で取り付いてみると…ん?意外と悪い!てか、悪っ!スタンスが無い!ん?、これはリードならアブミに手を出してしまうかもなあ。結局、登攀的意味合いではココが一番難しかったように感じる。つまり、「突破したるで?!」と腕まくりして望んだこの山行で、僕は一番おいしいところを取られたわけである。Nザワめ?!!
井戸底ゴルジュはトップを行かせてもらう。下部では残置が無いのでナチュプロにチャレンジ!この大きさのクラックなら、とキャメロットをセットするも…、全然入らなかったり、入っても決まらなかったり。じゃあ?…、とあれこれ試してるとパンプしてくる。こんな簡単なトコ、普通ならノーピンやのに?、と頭に血が登るが、練習と思ってセットしながら登った。上部は残置あり。てか、こんなトコにピンが打ってあったらアルパインのゲレンデみたいやん!探せばスタンスもあり、非常に簡単。あれ??
そうこう言ってるうちに迷路ゴルジュ到着。ココの前の広場で記念撮影、パチリ☆迷路ゴルジュでも当然の様にリード主張!はーい、俺行きたいー!と。みな困った子を見るかの様に譲ってくれたが、思い返すにココは譲るべきだったなあ。ちょっとわがまま言いすぎた…反省。迷路ゴルジュは所々フリクション頼りのムーブがあって怖かった。個人的に下部も嫌らしいところあり。ずーっとノーピンで行くのは怖いなあ。途中、ナッツで支点取った。ここは映画のインディジョーンズとかグーニーズに出て来そうなゴルジュ。絶対罠とか仕掛けられてる感じ。おもしろい!最後はフリクション全開で行くのを嫌がってステミングで突破。
この上が、唯一水線突破できない小滝。1m弱なのに、黒い水の溜まった釜が深すぎて誰も突破しないのだ。折角なので正面突破したい!って事で左岸巻きのセオリーを無視して右岸をへつる。みんなをショルダーで上げて、最後に僕がフリーで突破。思うに、僕ならではの登攀力が生きた場面はココだけだったなあ。
これで沢はおしまい。あとは適当に詰めて尾根を登って、下って駐車場まで。もうちょっと長いイメージだったが、それでも3ヶ月のブランク開けに5級の沢が登れたのは有意義だった。次回はオールフリー突破したいけど、さすがに次も全部リードしたらみんなに総スカンくらうやろうなあ。楽しい山行、ありがとう!リーダー、俺、復活したよ!