京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
山行名 | プレ冬 北アルプス 唐松岳 |
---|---|
メンバー | L. Y口 sL. O村、M. H笠、S木 |
期日 | 2007/11/24〜11/25 |
山域・ルート | 北アルプス 唐松岳 |
山行形態 | 山スキー |
20:00京都発
26:00八方尾根スキー場駐車場C0
7:00 気象
8:45八方ゴンドラ乗車(上部にてスキー)
9:45リフト終点登りはじめ
10:50 八方池山荘
12:20 第2ケルン・トイレ横C1
3:40 起床
5:40 C1発
7:50 丸山ケルン
8:50-9:20 唐松岳頂上小屋
9:50-10:05 唐松岳
11:20 丸山ケルン
12:20-13:45 C1(弱層テスト解説、撤収)
15:00 ゴンドラ着
22:00 京都着
雪稜に入ってもうすぐ3年目になる。その間、冬山のリーダーは2回目、プレ冬に至っては参加自体が初めてである。しかも、今山行は直前まで真冬並みの寒気が流入→ドカ雪。正直、かなりテンパっていた。とりあえず、何事もなく楽しい山行になった事をメンバーと山の神サマに感謝したい。
いつになく大所帯となった今年のプレ冬。山でホゲホゲしたいという思惑が一致して、立山山スキー班は結成された。しかし、エラそうな事は言っていても僕は山スキー&本州の山初心者。直前まであたふたしてメンバーには迷惑をかけた。反省。立山の山岳警備隊駐在員にはデッパ直前まで電話して室堂の異常な降雪状況を聞き、蝦夷の後輩からは雪崩の報が届き、メンバーには電話で意見を伺い…、結局出発を一日遅らせて唐松へと転進する事となった。高原バスの除雪が間に合うか微妙だったし、なによりドカ雪後の沢型で滑るのが怖かったからだ。ああ、しかし劔沢すべりたかったなあ…。
金曜夜、気を取り直してO村号で京都を出発。かっちょいい車に、こんな小汚いのと山道具を積まれて、なんだか可哀想。中央道から見るアルプスは夜中でも真っ白に光り、テンションもうなぎ上り!「うっわ、白っ!白いよ!雪だよ!冬だ?!冬がきた?!!」と、大はしゃぎ。まあ、主にリーダーが。
翌朝はスカッと晴れた。まあ、前日もスカッと晴れてた事はネットのライブカメラから知ってたんだけど、この際そんな事はいいのだ。文明の利器にザックとスキーを積み込んで、あっという間に標高1400m兎平へ。兎平は既に真っ白!スキー客が我先にとシュプールを描いていた。これにはリーダーもメンバーもうずうず。とりあえずサクッとリフトで上がって、一回だけ滑る。おおお、久しぶりの滑降!無様に転ぶのもまた懐かしくて嬉しい。しかし、さすがに雪質はいいとは言えず、一回の滑降でみなお腹いっぱい。シールを付けて登り出す。
さすがは白馬、リフトが運行していない区間も山スキーヤーや山ボーダーがわらわらと登って行き、トレースばっちり。キックターンを繰り返しながら八方池山荘まで。途中、リーダーによるキックターン講習。得意げに切り返してメンバーは尊敬のまなざし。(こんな地味な技じゃなくて、もっと華麗な滑りで尊敬されたかったなあ…)1-2回の山行で慣れれば誰でも出来る技です。
山荘から上ははっきりした尾根状。積雪も十分じゃなく、所々クラストしてる事もあり、メンバーちょっと苦労。何より風が強い!時折突風に足を止めて耐えながら登る。ツボ足にするか悩むが、なんとか第2ケルンまでたどり着けた。視界はあるので先は見渡せるが、風が弱くなるような気配もなく、ずっと尾根状が続くようだ。ちょ、ちょっとテントでも張って様子見ない?誰よりも早くリーダーが弱音を吐いてトイレ横の窪地にテントを張って逃げ込む。口では「天候が落ち着いたらもう少し進めよう」なんて言ってはいたものの、すでにみんな気合いの抜けきった顔だ。これはいかん。リーダー、靴を脱ぎ、上着を着て、酒とつまみを取り出しながらカツを入れる。君たち、当初の目的『ホゲホゲと冬山を楽しむ』を忘れてはいけない。悪天の中がんばるなど本末転倒だ。今日はココで幕営、宴会とする。こうして、僕らの一日目は3時間で終了したのであった。蛇足だが、僕らが昼間っから熱燗やらホット梅酒に舌鼓を打っている頃、槍ヶ岳班は胸まであるようなラッセルにあえいでそうな。う?ん、いいねえ、この際立つニートっぷり(笑)
夕飯前に酔っぱらい、H母さんのおいしい手抜き料理に満腹になり、なんとなく寝袋に入ると、みな即就寝。思い返すに18時頃には寝付いていた計算になる。
翌朝は3時半起床。というか、リーダー、メンバーに起こされた。危ない危ない、これで寝坊してたらホントに救いようが無かった。朝ご飯はこれまたSシェフに寄る手抜き力うどん。激ウマ。前日の様子から、ツボの方が早いだろうという事で、テン場にスキーDepo。本格的に何をしにきたのかわからなくなってきた。しかし、この判断は思い返すにちょっと早計だった。もう少し登ってからDepoしたら、滑って楽しめる斜面もあったから。
空はまだ白んでもいない漆黒の月夜。白い不帰の稜線に満月がかかり、まるで物語の中にいるかのような非現実感。微かな風すらなく、自分たちの足音と先行パーティーのヘッドランプがかすかに揺れていなければ、まるで時間が止まってしまったかのようだ。
先行パーティーの背中が見え始めた頃、日が昇りはじめた。遥か地平線は全体が朱色に輝き、どこから日が登るのかわからないほど。しかし、日の出というのは昇る前が一番美しいもんだ。しばらく惚けて見ているうちにと、燈色の空はすぐに青く置換されてしまった。日差しが刺すように照りつける。お肌の曲がり角を曲がりきった一行にはちと辛い。一番ラッセルがしんどかったであろう箇所を過ぎた頃、先行パーティーに追いついた。礼を言ってラッセルを変わるが、既にラッセルらしいラッセルも無かった。うん、こういう効率のいい進め方っていいね。ずるいって言うな。
ルート状況は最高で、うっすらトレースがあり、ラッセルはなく、滑落が怖いほどは固くもない。アイゼンを付ける場所を逡巡しているうちに頂上小屋までついてしまった。稜線に上がるところの岩場も基部をたどるだけ。若干雪崩が怖かったので、トレースが無ければ弱層テストしたかも知れない。
小屋では北大時代の後輩が頂上ピストンから戻って来たところだった。2438らといつか台湾の沢に行こうと話しているNだ。彼の所属する会には冬山に登るメンバーがいないらしく、もっぱら単独行になるとか。雪稜は恵まれている会なのだと実感した。これからまだ五竜まで縦走するというNを見送って僕らも頂上まで。既に立山や北アルプスの山は丸見えだったのだが、頂上に登ると槍から日本海までさらに超丸見えだった。『あれが劔だから?、あれ??チンネはどれだ?登ったのになあ、チンネチンネ…』とH嬢が目を凝らしている。『あれじゃないっすか?』とかSやOさんで相談。山の名前なんてちっともわからない僕は後ろで『チンネってちょっと響きが卑猥だよなあ…』なんて思いながらまったりとメンバーの会話に耳を傾けていた。
いい加減山に登って山の景色を見るのにも飽きた頃に下山開始。鬱陶しいアップダウンがない八方尾根は下山が楽々。途中、山スキーヤーやボーダーが登って来たり、横の気持ちよさそうな斜面にシュプールが描かれているのを見てちょっと嫉妬。いやいや、山は登るもんで滑るもんじゃないよ!(あれ?)
テン場にはさくっと到着、折角なんで弱層テストの実演を行う。やったのはハンドテストとシャベルぽんぽんテスト。円柱状に掘っている途中、表層60cmくらいの層で落ちる。えええ!?僕の基準では、弱い順に1. 掘ってる途中に落ちる、2. 手首の力で落ちる、3. 同じく肘、4. 肩、5. 腰、6. ひねりを入れて腰、の6段階である。まさかの最弱。大学時代の僕ならケツまくって帰るような弱さ。下から笹が見えていたので地面との境目で折れたのかと思った。超弱い層があったようだ。ああ、途中ボコボコ自然雪崩起こしてたのはこの層だな。あな恐ろしや。
さて、ここからがお楽しみのスキー下山。しかし、荷物は重く、雪も重く、風紋が鬱陶しいくらい出来ているせいで、エラい滑りにくい。サブリーダーが颯爽と滑って行った後を3人がのろのろと追いかける。それでも想定していたのより全然早い。H嬢などはしきりと恐縮していたが、大学時代に3年間毎年まったくの初心者のスキーを見て来た僕からすれば超優秀。あれだけ荷物背負って、あの雪で、しっかり下りれるならドコだって行けるよ!ちょっと練習すればすぐにうまくなるって☆最後に兎平で集合写真を撮って、無事下山!いやはや、ホゲホゲ山行とは言ったものの、終わってみればしっかり12時間行動。いい冬山初めとなりました。
これからみんなまた各々趣向の違った山行へと散って行くのでしょうが、事故のないよう楽しみましょうねー。そして、またGWにでも、冬山締めスキーでも行きましょう!
新たな分野開拓に向けて今年は山スキーに参加させてもらうことにした。出発数日前からどか雪のため、立山入山は厳しそうだという見解のもと、雪崩の知識を少しでも・・・と思って本やら雑誌やらネットを読み漁っているうちに、行くことが怖くなってしまった。う〜無事に帰ってこれますように・・・
リーダー判断で唐松に転進。ゴンドラを降りてビーコンチェック後、2年ぶりのスキーにもたもたシールをつけて斜面を歩き始めた。上手なキックターンの仕方をリーダーに教えてもらって、方向転換がだんだんスムーズにできるようになった。
@ 山側の足の膝下から90度くらい曲げて持ち上げたスキーを反対の足のふくらはぎにあてて軸みたいにして回転させると先端が上を向くので省エネで反対に着地。残った足も同じようにもちあげて反対のふくらはぎを軸に回転させるとあら楽チン・・・
A ターンは鋭角にして、ターン後にだんだん斜度をあげるほうがこけにくい
B ターンしようと思うところは谷川の足を一歩先にすすめるとトレースにのりやすい。
しかし、いったんこけると風も強く起き上がるのにすごいエネルギーを消費してぐったり疲れる。何回かこけて、なかなかすすまないため、結局八方池山荘のところで13時前だけどテントをはって休憩してもらえることになった。みなさん、足ひっぱってごめんなさ〜い・・・そのまま必然的にそこで宴会になってしまった。天気図を教えてもらいながらとったが、ラジオのスピードについてゆけず、イメージもできず完成できなかった。リーダーのとった天気図は精度が高くてすごい〜・・・今回の風は高気圧の間の谷間がすぎ、「北へり」による強風だとのこと。なるほど・・・確かに何日も山に入るならとても有効だ。
翌日は日の出前に出発してスキーはおいてつぼ足で唐松を目指すことになった。みなさん、スキーでいけなくてごめんなさい・・・途中、表層雪崩のあととか、斜面に入ってるクラックとか、雪崩の音とかを教えてもらった。ふーん、あんな風になってるのか・・・兼用靴は思っていたより歩きやすく、3年連続の唐松にあっさり登頂。すごい晴天で空の青さが深い。真っ白な剣はやっぱりかっこよかった。
テントまでアイゼンをつけて慎重におり、その後ピットチェックを教えてもらった。
雪稜に入ってから、何故かプレ冬だけは毎年行っている。今年は合計4パーティもできたが、その中の一つ、山スキー班の一員になることができてとても幸運だった。信頼できるリーダーに恵まれ、愉快なメンバーたちとともにとても濃厚な2日間を過ごすことができた。
当初は立山に行く予定だった。僕の卒論のフィールドであり、昨年も立山から唐松に転進していたので、思い入れが強かったのだが、今年も雪とアルペンルートの関係から転進を余儀なくされた。
金曜の夜、八方尾根のゴンドラ駐車場に到着し仮眠。朝起きると快晴!暑くなりそうだ。しかし、歩き始めてからすぐに真正面からの強風に苦労しだす。「去年泊まったとこ(丸山ケルンの下)くらいまでは行きたいねー」と言っていたが、強風の中進むのもだるいし、明日早起きして頑張ろう!ということになり…、結局八方池の手前の小屋の脇にテントをはった。昼過ぎから酒盛りし、ほろ酔い気分で晩御飯に舌鼓を打つ。酒もご飯もかなりうまい、いける!これが登山の醍醐味である。相変わらずリーダーの天気図作成・解析に舌を巻きながら、明日の行動について考える。今日の強風は高気圧のへりに当たっているからとのこと。明日は高気圧にすっぽり覆われて無風快晴になる、はずとの予想のもと、暗いうちからヘッドラン行動することになった。しかし今回の天気図は勉強になった。
翌日は予想通りの無風快晴!さすがリーダー。でっかい月と日の出に感動しながら標高を上げる。小規模ではあるが、雪崩の起こっている斜面も見受けられる。やはり、直前まで降っていた雪で弱層ができているのだ。これもまた勉強になった。一箇所樹林帯でラッセルに苦労したが、他は全く問題なく進む。小屋の手前も難なく抜けることができた。ただ去年より雪が多く、豊富な積雪と昨日の強風が作り出した幻想的な風景が印象てきだった。
小屋から頂上まではリーダー以外空身でピストンする。去年は見えなかった剱が丸見え!日本海も丸見え!槍も見えるぞー!雲一つない快晴のもと北アルプスを見渡すことができた。大満足だった。
下りも、途中アホな写真も撮りながらテントまで走るようにして快調に下った。
テントを撤収し弱層テストの練習。実際目にするのは初めてだったのでとても勉強になった。これからは雪山に行ったら毎回練習でやってやろうと思う。ハンドテストとシャベルポンポン。というかこれらのテストで、見事に弱層が発見できて、目からウロコが落ちたというか感動した。
さぁここからゴンドラの駅までは初滑りである。3月以来のスキーにドキドキしながら滑り出す。案の定20mおきくらいにコケながら、なんとか駅までたどりつく。皆さんご迷惑おかけしました。しかしバックカントリーで滑るのは楽しいなぁ。早くもっと滑るのうまくなりたい。
皆さんとても楽しく充実した2日間、ありがとうございました。