八ヶ岳 中山尾根

山行名 八ヶ岳 中山尾根
メンバー L:I野(文) H笠 
期日 2008/3/15〜3/16
山域・ルート 八ヶ岳 中山尾根
山行形態 積雪期岩登り

<記録> 

昨シーズンから行きたいと思っていた中山尾根にやっと行く機会ができた。しかも相棒のH笠さんと。無雪期にふたりで何度もホンチャンに行っているが、雪積期にふたりで行くのは初めて。冬季登攀練習は1月末大雪の後に金毘羅北尾根で練習しただけ。(登攀後、ふたりとも金毘羅のほうが雪がたくさんついていて怖かったと感じた笑)私は赤岳主稜・阿弥陀北稜と行ったことがあるが、H笠さんはホンチャン初めて。ふたりで行けるかなぁと計画した当初は不安と緊張でいっぱいだった。当日行きの車中では登攀自体よりも雪崩れのほうが心配だった。

3月15日 

起床6:00→美濃戸口→出発10:40→11:30赤岳山荘12:00→南沢小滝13:20→テント場小滝の側→就寝18:30

諏訪南ICで下りてすぐのコンビニで仮眠。予定どおり起床してご飯を食べて美濃戸口へ。チェーンをするようにと書いてあったが林道へ入っていった・・・(反省)。これがこの山行を盛り上げてくれることになった始まりだった。100メートルほど進むと坂道になる。わだちは問題では無かったが、愛車LOVE4(H笠さんの。2WDチェーン無しスタットレスタイヤ)ではこの坂を上がってくるのは困難だろうと判断して引き返すことにした。そして少し広いところでUターンしようとしたがどんどんはまってしまい、にっちもさっちもいかなくなりJAFを呼ぶことになった。来るまで1時間半ほどかかるということで、パッキングをして車の中で仮眠することにした。
しばらくしてトイレに行きたくなり美濃戸口へ歩いて戻った。すると!わ〜お!!O田さんに遭遇。めっちゃ嬉しい〜。こんにちは、お久しぶりですから始まりTALKが進む進む。JAFを呼んだ犯人は我々です・・・。他に2,3台奥でどうにもこうにも行かなくなった車もあったようだ。携帯で一緒に写真を撮ったり、話をしているとJAFがやってきてLOVE4を救出してもらった。ふ〜ありがとうございました。やっと出発だ〜。O田さん達もお客さんと3人で出発。また会いましょう!!と見送り、10時40分に出発した。
こんなに遅くなったけど南沢小滝で少しアイスをしたい!!ということでH笠さんに私のわがままを聞いてもらって、スクリュー・アイス用アイゼンを詰め込んだ。重い・・・。
しばらく行くとO田さん達が休憩をしていた。お〜またお会いしましたねぇ^^。一緒に赤岳山荘まで行く事にした。楽しくて辛い林道歩きがあっという間に終わった。阿弥陀が綺麗に見えたのでH笠さんとO田さんと記念撮影。じゃあまたお会いするかもしれませんねぇと言うとO田さんからは「もう会わんでええし!!」と言われて別れた。笑
我々は南沢小滝を目指した。O田さん達は赤岳鉱泉に泊まって2日目は赤岳主稜登攀予定ということだ。それにしても荷物が重たすぎてしんどい。トボトボとゆっくり進む。途中で木をひろって杖代わりにして歩いた。1時間ちょっとで南沢小滝に着いた。やれやれ。
2パーティが登っていたがすぐに南沢大滝へ移動されたので我々だけになった。行者小屋まで行くつもりだったので15時半には切り上げることにした。1ヶ月ぶりで少し怖かったけどリードしてロープを張ってTPで遊んだ。時間が無かったので2本しか登れなかったが、氷に触れただけで嬉しかった。
荷物を片付けてあと1時間歩かないと・・・って思っていたが、そういえば2週間前に行ったN澤君が南沢大滝近くで泊まって翌日中山尾根へ行ったことを思い出し、我々もここに泊まって翌日軽い荷物で歩けばいいのではと思いつき急遽変更して南沢小滝付近で泊まることにした。そうと決まったら気が楽になったのかH笠さんのテンションが上がった。
テントを張って水を作って17時頃晩御飯を食べた。H笠さんと二人の山行は久しぶりで、色々話をしていたらあっという間に時間が過ぎた。

3月16日

起床2:30→出発4:00→行者小屋5:00→中山乗越→中山尾根→下部岩壁取付6:30→上部岩壁8:30→登攀終了10:50→地蔵尾根取付11:35→行者小屋12:10→テント場→赤岳山荘14:15→美濃戸口15:10→温泉15:40→O田宅17:00→京都23:00

予定どおり2時半に起きて支度して出発。軽装は楽チンだ。1時間で行者小屋に到着。まだ真っ暗で星が綺麗。取付きで待ちたくなかったので先を急ぐことにした。中山乗越にあっという間に到着。少し休憩をしてると赤岳鉱泉からガイドパーティが来た。彼らも中山尾根っぽいぞ。お先に進んだ。だんだん傾斜がきつくなり息が少しあがる。森林限界地点の小さなスペースでアイゼン・ハーネス・ギアを付けた。我々が一番だ。しばらくすると後からガイドパーティが来たので先を譲った。
上のほうに下部岩壁が見えはじめた。ちょうどガイドパーティが登攀開始した頃に取付きに着いた。トポに取付点から右に下がって凹角を左上すると書いてあったので、右の凹角を見に行ってみたがビレー点がなかったのでザイルの流れも悪くなるのでガイドと同様直登することにした。取付きのビレー点でセルフをとって登攀の準備をした。
(括弧内はトポどおり記載)

1ピッチ目(凹角を左上V+35m)I野リード

直登をすることに。見た目よりホールドは小さくて悪くしばらく悩んだ。そしてホールドを固めて少し左に身体を倒して足を上げて登った。ふ〜怖い。核心を越えて少し右によって左上した。終了点はしっかりした支点。

2ピッチ目(左の草付から稜上へ45m)H笠リード

バイルをきかしながら登った。少し出だしがやらしかったが灌木を使えば問題なし。
この先は岩まじりの雪稜。コンテがめんどかったので、50メートルいっぱい2回繰り返して進んで上部岩壁に着いた。

3ピッチ目(右よりの凹角を直上W+)I野リード

凹角は快適。少し上がると右と左にわかれる。左側からのほうが登りやすそうだった。ピン・ホールド・スタンスと豊富。中断のテラスに着いて左側にしっかりしたピンがあって安心する。あとは思い切ってフレークガバを持って外に一瞬身体を振って足を上げていく。
終了点はしっかりした支点。フォローで登ってくるH笠さん、高度感たっぷりで気持ちよさそうだ。

4ピッチ目(ハイマツ帯45m)H笠リード

枝でランナーをとって進む。最後の岩場に到着。

5ピッチ目(左側の急な草付30m)H笠リード

今まで豊富にあった支点が急になくなった。ピナクルでランナー1箇所とった。このあたりから風がきつくなり声も聞こえにくくなった。ビレーをしていてとても寒かった。着込んでおいてよかった。

6ピッチ目(右へバンドをトラバース40m)H笠リード

縦走路をめざして。陽があたっていて暖かそうだ〜

4時間20分の登攀を終了!!握手を交わして赤岳をバックにふたりで記念撮影。これたなぁと実感。1ピッチ目の出だしが一番緊張したのと、6ピッチ目も今まで豊富にあった支点が急に無くなったので意外に緊張した。雪がもっとついていたら厳しかっただろう。今回もお天気に感謝。2パーティのみということで自分達のペースで登れたことはとてもよかった。
登攀道具をしまって行動食を食べ地蔵尾根を下山した。地蔵尾根を使っているパーティは多くて安心した。雪崩の心配がない地点まで下りてきて再度握手を交わして喜びあった。快調に地蔵尾根をくだってると、なななななんとまたO田パーティに遭遇した。びっくり〜!赤岳主稜へいかれたので文三朗尾根を下りられていると思っていたのでまさか出会うとは思ってもいなかった。また記念撮影をして、「赤岳山荘でまた会いましょう!!」と冗談を言いながら別れた。行者小屋から30分強で南沢小滝のテント場に戻ってきた。
南沢小滝は2日目も賑わっていた。そのうちの1パーティがこれまたびっくりクライミングジムの方達だった。なんて世界が狭い。テントを撤収して13時半頃下山した。14時過ぎに赤岳山荘に着いて休憩していたら、中山尾根で一緒だったガイドパーティがいた。そして向こうからO田パーティが来るのが見えた。まさか・・・。会わないだろうと思っていたのでびっくりした。「リーダー!!」と叫ぶと「待ってなくていいし」とつっこまれて、一緒に美濃戸口まで下山した。O田パーティと集中山行が出来た。集中したくて事前に打ち合わせしてると会えないのに、O田パーティとは何も約束してなかったのに3回も会うことが出来た。だるい赤岳山荘から美濃戸口までの林道歩きも、O田さんのおかげで楽しく歩くことが出来てあっという間に着いた。ありがとうございました。
山行中に偶然知り合いの方に出会うことが出来て楽しかった。なんか濃い2日間だったなぁ。来年は、阿弥陀北西稜へH笠さん行こう!!

もみの湯でさっぱりした後、O田さん宅へ行ってすき焼きをご馳走にり楽しい時間を過ごして京都に戻ってきた。本当にありがとうございました。

 

下部岩壁が見えた

 

1ピッチ目

 

2ピッチ目

 

2ピッチ目終了点

 

上部岩壁取付点

 

3ピッチ目

 

4ピッチ目 最後の岩場取付点

 

5ピッチ目

 

5ピッチ目終了点

 

6ピッチ目

 

稜線


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