京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
山行名 | 北アルプス 唐沢幕岩 |
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メンバー | L:T嶋 I野 O村 N村 |
期日 | 2008/3/23 |
山域・ルート | 北アルプス 唐沢幕岩 |
山行形態 | アイスクライミング |
出町柳出発13:30→豊科IC→昭和軒→薬師の湯→葛温泉手前の駐車場で仮眠22:00
起床4:00→葛温泉前出発5:15→七倉山荘5:50→高瀬ダム6:30→唐沢→B沢8:50→左方ルンゼ出合9:15→登攀開始10:00→登攀終了14:00→B沢下降→左方ルンゼ出合15:40→高瀬ダム17:00→七倉山荘18:00→葛温泉前 車18:30→葛温泉→出町柳3:30
夜中に走りや来てうるさくて睡眠妨害され、けっきょくぐっすり寝ることが出来なかった。
4時に起きて支度をして葛温泉まで車で入ってそこから出発した。
林道歩きが1時間半、林道には雪がまったく無かったので冬靴を担いでアプローチシューズで高瀬ダムへ向かった。高瀬ダムで靴を履き替えて唐沢を詰めた。谷に入ると雪はあるものの、トレースがばっちりついていて楽ちん。
途中トレースに沿っていくと小さな釜があり梯子があった。少し水につからないと梯子にのれないので左岸より巻くことにした。谷には懸垂で戻った。しばらく行くと金時の滝に遭遇。この滝は右岸より高巻き。尾根に上がる手前は少し傾斜がきつくザイルが張ってあった。そして谷に戻りB沢を目指す。幕岩がだんだんせまってくる。迫力抜群だ。沢には雪崩の跡で一杯だった。
B沢を詰めていくとコールの声が聞こえてきた。先行パーティがいるようだ。左方ルンゼあたりから雪がポロポロと落ちてきた。(雪崩れだとは思ってもいなかった)左方ルンゼの出合いに着くと核心の2ピッチ目の滝が見えた。
今回の私のパートナーはO村さん。T嶋さんとN村君。登攀準備をしながら2ピッチ目の滝を見て、リードするか出来るか悩んだ。そしてO村さんに「リードしてみていいですか??」と聞くと「待ってました!!」と返ってきた。
各自フリーでぬけて2ピッチ目取付き点でビレー等の準備をした。
出だしは緩い傾斜。スクリューをきめていくが氷が柔らかくて信用できなかった。そして傾斜がきつくなるあたりで上を見上げるとけっこうたっていて正直怖かった。ビレー点から見るとそれほどたってるように見えなかったし、ボコボコしていて登りやすそうに見えたが近くまでいくと全然違った。落ち口まで長い・・・(8〜10メートル)。内心「リードします!!」なんて言うんじゃなかったと少し後悔したが、自分を信じて登り始めた。スクリューをセットしながら進むが、腕がパンプになりそうだったのと少し精神的に休憩したくなってフィフィを使用した。ぐ〜怖い。なかなか足が信用できなかった。ビレー点を振り返ると心配そうに3人が見ている。頑張れと自分に言いきかせて登りだした。スクリューを打とうと思ったが4本しか残ってなく、終了点で2本使うからあと2本しか打てない・・・。やっと傾斜のきつい箇所からぬけて落ち口に着いた。ふ〜超えた。泣きそうなぐらい嬉しかった。あとは雪のついたナメを歩いて氷上でビレー。
T嶋さんは私が登っている時にビレー点から滝のすぐ側の左側に来て、「けっこうたってるなぁ」と呟いていた。登攀終了してから聞いたが、私が登ったラインの左側からのほうが少し傾斜が緩く登りやすかった様だ。
70度ぐらいの滝を越えて緩い傾斜のナメ。残地支点を使用してビレー。後ろを振り返ると高瀬ダムが見え高度感たっぷりで気持ちが良い。
快適なナメで左側の枝でビレー。フォローで来たO村さんに灌木まで少し進んでもらった。
少しトラバースして60度ぐらいの滝を登る。真ん中を進むこともできたが、氷が薄そうだったのと左側のほうが終了点もつくりやすそうだったので左側を登った。ビレー中に大きな雪崩が滝の真ん中で発生したので左側を登っておいてよかったと思った。
全体で100メートル弱もある最大の氷らしい。それほど傾斜はきつくなくて登りやすい。氷上でビレー。つづいて私がリード。少し氷を登ると氷は終了して雪となり、左岸側の木でビレー。
無事登攀を終了して、景色を満喫してB沢を下降した。B沢へはしばらくトラバースをして谷、尾根を越えてB沢への下降点へ着く。B沢への下りはけっこう傾斜がきつく、アイゼンにすぐ雪がついてダンゴ状になりやすかった。何度かバックステップをした。B沢に合流して左方ルンゼ取付きに戻り、デポしていた荷物を回収して下山した。カラ沢にもどってきて緊張した下山から開放された。
登攀中に何度も雪崩があったので怖かったが、高度感のある気持ちの良いルートだった。
いつでも行けると思いながら、なかなか行けなかった唐幕の左方ルンゼにようやく行く機会が訪れた。金曜日の夜に出て、土曜日に登り、日曜日にゆっくり帰ってくるか、それとも土曜日にゆっくり大町までいって、日曜日に登って帰ってくるか、二つの選択肢があったが、今回は後者のパターンで行くことにした。
土曜日夕方に大町についた。まずは温泉に向かったが、カツ丼で有名な昭和軒は7時までしか営業していないとのことなので、急遽駅前へ転じる。ここ最近、不定休のこの店に何度も振られていたが、今日は開いていた。おすすめのカツ重を食す。おばあちゃんもまだ現役だった。大町温泉で一風呂あび、葛温泉へむけて車を走らせていると、ボンという音が。花火だ。白い山並みを背景に、色とりどりの花火が舞い上がる。今宵はダムのそばの駐車場で寝ることにした。ささやかな宴会をして、寝ようとするが、なかなか寝付けない。ほどなくして轟音が響き渡る。走り屋が来たのだ。ゆっくり寝るために早く来たのに、結局3時間ほどしか寝られなかった。
日曜日、予定通り午前4時に起床。朝食をとり、葛温泉まで移動する。5時15分頃出発。すでにあたりは明るい。ジョギングシューズなので舗装道路でも快適だが、いかんせん眠い。2時間弱で高瀬ダム下に達した。そこからは幕岩がはっきりと見える。靴をはきかえ、沢ぞいのしっかりしたトレースをたどる。金時の滝手前の堰堤ははしごから登ろうとするが、水に入らねばとりつけないようなので、左岸からまき、懸垂で下降する。沢が右折し、金時の滝があらわれる。右岸の急なルンゼを登る。雪がかたくて、ちょっと気色悪い。その後はたえずデブリの上を歩くような感じで、あっという間に基部に達する。約2時間。大武川一の沢の長いアプローチと比べて格段に近く、いささか拍子抜けする。先行パーティのコールが聞こえるが、姿はみえない。
基部で準備をととのえ、荷物を一つにまとめる。F1はノーロープであがり、F2の下でアンザイレンする。F2はみたところ階段状で易しそうだ。午前10時、まずI野さんがリードする。意外と手こずり、時間がかかる。隣を登ろうかと思い、僕もとりつく。いざとりついてみると、下からみた以上に傾斜は強い。もろい部分を避け、滝の左をあがり、段になったところでスクリューを2本うち、核心に備える。I野さんはまだ苦戦中だったので、N村くんにいったんあがってもらうことにする。そのうちI野さんは核心を抜け、視界から消えていった。O村さんがフォローして核心を過ぎるのを待ち、リードを再開。核心をこえ、雪壁を左上して灌木でビレイする。N村くんは2度ほどテンションがかかったが、苦闘の末のぼってきた。ずいぶん消耗したようなので、続けて僕がF3をリードする。先行パーティに遅れをとったのでいそいで登る。O村さんはルンゼの左のハーケンでビレイをしていたので、僕は右の氷に支点をつくりビレイする。ここは雪崩の通り道で、ビレイ中になんどか雪が流れてきた。次は易しく快適そうな氷なのでN村くんにリードしてもらう。来し方をみやると、緑色のダム湖が目に映
える。あとはつるべで簡単な雪と氷の斜面をひたすらかけのぼる。2時に登攀終了。そこから左にトレースがあり、リッジを2つばかりこえてトラバースしていくと、B沢に合流する急なルンゼの左岸斜面に出る。気温が高く、ダンゴ雪に悩まされながら、急な斜面をおりると、ちょうどB沢との合流点に出た。あとは下るのみ。午後6時に車に戻り、葛温泉に入る。山の帰りには似つかわしくない素敵なスープカレーの店で夕食をとり、一路京都へ。N村くんを木津に送って午前3時半に家に戻った。