京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
山行名 | 鹿児島の岩沢山 |
---|---|
メンバー | L:I野(文) M |
期日 | 2008/3/28〜4/2 |
山域・ルート | 鹿児島 霧島川左俣・開聞岳・鬼岳サブマリカンテ |
山行形態 | 岩登り 沢登り 縦走 |
昨年11月に宮崎の岩・沢・山へ行った。その時に鹿児島の山へも行きたいと思ったが宮崎だけに絞り、春になったら鹿児島へ行こうと前々から思っていた。そして年が明けて2月中頃鹿児島へいくことを決定した。メンバーは前回一緒に行った皇后様とふたり。そしてなんと言っても、宮崎比叡山でお会いした九州さんらく会の方に再会したいと思い、京都に戻ってからメールで少しやりとりした沢ぐるめさんに久しぶりに連絡した。お互い、HP・ブログであれからどんな活動をしているか記録を見ていたので話はスムーズに進み、とても嬉しいお返事が返ってきて一緒に霧島へ行く事になった。また、鹿児島の岩の情報などを教えていただき、当初は沢がメインだったのを鬼岳のマルチへも行くことにした。 何度も何度もメールでやりとりをして、29日に霧島・大浪池登山口に10時に集合ということで約束をして大阪を出発した。
仕事を18時頃終えて、コインロッカーに預けていた大きな荷物をとって東梅田へ向かった。
鹿児島中央駅に着いて、喫茶店でモーニングを食べてからレンタカー屋へ向かった。今回の旅の友はマーチ。待ち合わせの大浪池登山口へ急いで向かった。鹿児島市内から高速にのって横川ICおりて、霧島温泉郷を走りぬけ約束時間ちょうど10時頃大浪池に到着した。既に着いたと沢ぐるめさんから連絡があったので、どこにいるんだろうとゆっくり走っていると、向こうの方で手を振る赤い服を着た人が見えた。あっあれだ!
「おはようございます。お久しぶりです」と言葉を交わしはじめた。不思議なもので前からよく一緒に行くメンバーと再会した気分だった。九州からは6名の方が来られていた。とても賑やかだ〜。沢ぐるめさん、綾吉さん、みっちぃさん、テンさん、福山さん、ふたさん。ベテラン山屋さん達、山もだけど喋りも?もちろんベテラン(笑)
今回は、沢グルメさん、みっちぃさん、我々の4名が霧島川左俣〜韓国岳〜えびの高原、他4名はえびの高原〜韓国岳〜大浪池周遊〜大浪池登山口と2パーティに分かれた。登山口と下山口が違う為、車の配置も打合せして我々は入渓点の新湯温泉へ向かった。
新湯温泉で車をデポして装備等準備した。30分ほど林道歩くと入渓点の新燃橋に着いた。いよいよ沢だ〜5ヶ月ぶり。今シーズンの沢始めを南国でこのメンバーと一緒に迎えることができて本当に嬉しい。
韓国岳に源流をもち南流する霧島川は新湯で二分する。その左俣を遡行して韓国岳と大浪池火口壁の鞍部に突き上げる。素晴らしい自然林が広がりナメ・ゴルジュの中を遡行して、沢からあがって登山道を進めば韓国岳ピークへ行けるなら是非行ってみたいと思いこの沢を選んだ。沢ぐるめさんから大幡川を紹介していただき、登山体系を調べたところ面白そうな谷だったので興味はあったが、今回は韓国岳のピークへ行きたかったのと時間もなかったので断念した。やっぱり沢は泊まりが楽しいから次回行くぞ!!
新燃橋の左岸を進むと取水口がありそこから入渓する。970メートル地点。そしてすぐに大きな釜をもつ滝に遭遇。右岸より巻けそうにも見えたが、みっちぃさんがじゃぶじゃぶと入っていき胸までつかって滝の左側から越えていった。まじで!!冷たそう〜。いや〜みっちぃさんが行って後に続かないわけにはいかんと思い、思い切って入っていった。最初は冷たいと感じたが、意外にも冷たくなくて沢からあがったあともブルブル震えることはなかった。今頃の南紀よりも暖かいかも。さすが南国だ。
しばらく進むとナメが広がった。陽射しが沢に当りキラキラ光ってとても綺麗。ちょっぴり新緑には早かったのかもしれないが原生林は気持ちが良い。小滝を越えていくとこの沢のメイン3段16メートルの滝に遭遇。これはさすがに直登はできないので記念撮影をして右岸より高巻き。途中で「しいたけ」を発見。春だなぁ〜。難所は一つも無くてロープをだすような箇所は無いしハーネスをつけることも無かった。そしてまたナメが続く。トポにはゴルジュがあるようなことが書いてあったが記憶にない。それにしても気持ちがいいなぁ。
ナメに浸って沢を詰めていくと1260メートル地点からだんだん涸谷になり巨石がでてきた。
侵食された谷は熔岩質の土だった。そして傾斜は無くなり平坦地となり、砂地に変わり両岸に鈴竹が密生し始めた。目に刺さらない様にかき分けながら進んでいくと韓国岳避難小屋付近に飛び出た。沢登りはこれが楽しい。谷から攻めて登山道やピークに飛び出す!この瞬間がたまらない。
あっという間に終わってしまってちょっぴり残念だったけど満足のいく遡行だった。避難小屋で沢道具を片付けていると、グッドタイミングにハイキングチームと出合った。お〜素晴らしい!!えびの高原から登って韓国岳ピークで1時間ほど時間をつぶして下りてきたということ。小屋の前で記念撮影〜。今回の山旅で一番好きな写真。九州さんらく会メンバーの一員みたいになっていた。思い込み?(笑)
4名と遭遇するとそこは大賑わい!!そして我々は韓国岳ピークからえびの高原へ、他4名は大浪池をまわって大浪池登山口へ。新湯温泉で集合ということで別れた。避難小屋から韓国岳まではきっちり整備された木道の階段を登っていく。高度が上がると大きな青い大浪池が見えた。また高千穂峰も綺麗に見え素晴らしい景色の中を登っていった。1時間ほどで韓国岳ピークに到着。少しのんびりしてから下山した。
えびの高原から車で新湯温泉へ向かって走ってると、大浪池登山口にメンバーが・・・。ちょうど下りてきた様でまたまたタイミングがあった。ここでも大浪池に咲いていたお花やらなんやかんやと盛り上がって大賑わい。いや〜パワフルなとても楽しい愉快なさんらく会の方達だなぁと感じた。全員で新湯温泉へ向かってさっぱりした。この温泉は白色のとても気持ちいい露天風呂だった。
温泉の後は、さんらく会の方達と御池キャンプ場で宴会。焼肉〜。本当にご馳走様でした。とても美味しい九州のお肉にお酒を頂きました。九州の方はお酒が強いと聞いていたがさすが!!てんさんが一番強し。この調子だとゲロッキーになってしまうのでセーブセーブ。てんさんや、ふたさん、福山さんとマイペースにTALKが弾む、それに対してビシ!と綾吉さんがつっこむ。そんなメンバーを肉を焼きながら見守る沢ぐるめさん。2まい目みっちぃさんは夜中に家にもどらないといけないらしく、お酒を飲めないのにお忙しい中ありがとうございました。だんだん私もお酒に酔ってしまい横にならないと辛くなってしまって22時頃お休みさせていただいた。やっぱり山屋だね〜、山の話でどこへ行きたいやら行ったやらと盛り上がった。
宴会のときに感じたことがあった。それは、大先輩達と一緒に山に登って、花や景色などを見て共感して、たくさん笑うこと。山岳会に入会する前、2年間ほど母・父と両親の友達ご夫妻とよくハイキングに行っていた。その頃のことを思い出した。なんかほっこりしたというか・・・。私が山岳会入会した2003年から活動して4年半、懐かしいこんな気持ちになったことは無かったような気がした。それは山が楽しくて楽しくてがむしゃらに登ることに必死だったからかもしれない。私にとって今回の霧島山行はいろんな意味でたくさん感じるものがあった。本当に皆様ありがとうございました。
天気予報どおり雨。夜中の1時頃から降り出したらしい。朝からみんなでワイワイ朝食作り。テンさんが持ってこられたお蕎麦や明太子パスタを頂いて、少しゆっくりしてから撤収。ここで九州の方達とお別れ。とても賑やかで楽しかったから淋しかった。今度は沢ぐるめさんお薦めの宮崎の沢?阿蘇のアイス?で九州でお会いできるのを楽しみにして別れた。
さて、ふたりになった我々は一日雨ということで、翌日開聞岳を登る為に観光・食・温泉を満喫しながら南下することにした。まずは霧島神宮に行って新しい登山お守りを買った。鹿児島での山旅が安全に楽しむことが出来るようお願いした。そしてレトロでも木造駅舎と紹介してある嘉例川駅へ行ってみた。するとこんな小さな駅に人人人、列になって並んでいる。何?なんか始まるの?側にいたおばさんに聞いてみると、以前テレビでここの駅と駅弁が取り上げられて噂になり大流行らしい。もうすぐ駅弁屋さんが来ると聞き、せっかくなので噂の弁当を食べようと思い待つことにした。前後の方と話をしてみると、種子島・鹿児島市内からこの駅弁を買いに来られたらしい。ひえ〜びっくり。ようやく我々も噂の弁当を手に入れ(昼に黒豚を食べたかったからふたりで1個にした)、車の中で食べるのは風情もへったくりも無いと思って駅のベンチで食べた。まぁメニューはいたって普通とは思うが何故か美味しかった。まぁ旅というだけで何を食べても美味しく感じるのかもしれない。
お腹もいっぱいになり温泉へ向かった。雨が降っているから内湯になると女将さんに言われたが、露天風呂を見にいってもいいということで行ってみると傘があれば問題無い!と思い内湯の値段で露天風呂に入ることにした。(内湯300円、露天風呂500円。女将さんに300円で露天風呂に入ってもOKを貰った)きもちぃ〜。やっぱ温泉は露天風呂が最高。さっぱりした後は、るるぶに載っていた鹿児島空港近くの黒豚「六八亭」へ向かった。さっき間食をしてしまったが・・・笑。やわらかくて美味しい。まだ時間はたっぷりということで知覧の武家屋敷を観光して知林ケ島を見にいった。知林ケ島は干潮の時じゃないと渡れないらしく、(干潮時に砂の道が800メートルできて渡ることが可能)翌日の干潮時間を調べると9時頃だったので開聞岳を登る前に再度行くことした。
そして、前から興味があった指宿温泉の砂むしに入りに行った。春休みということもあって人は多かった。ドキドキ、初体験。温かくて気持ちよかったが、10分ぐらいでだんだんしんどくなってきたので砂から出た。長時間は無理。一度は体験したいものかな。最後に指宿で有名な鰹料理を食べに行った。臭みはなくてとても美味しかった。追加注文したイカの刺身も甘くて美味しかった。一日盛りだくさん、鹿児島を満喫した。
夜中から風がきつくて、バタバタとテントが揺れて身体にあたって何度か起こされた。お天気だけど風がかなりきつい。
昨日、指宿の市役所に聞くと4月5日から11日の干潮時に渡ることができると情報を貰ったが、とりあえず本日の干潮時間を調べてなんとか渡れないかと思い向かった。駐車場で濡れてもいいように沢登りの服装・靴に着替えた。もちろんスパッツも着けた。こんな格好をして渡る人なんていないだろう。途中で長い枝をみつけたのでそれも持っていくことにした。山登りに来たはずが、気分は探検隊になっていた。
海をみると風がきついせいか波が高い。知林ケ島への砂の道はまったくといっていいほど見えない。あの波の中を歩くのは困難では?「皇后様、勇気ある敗退も必要です」なんて言いながらとりあえず近くまで行ってみた。ちゃぱちゃぱと膝ぐらいまで進んだが無理無理。記念撮影をして諦めて戻ってきた。
さて、目的の開聞岳へ向かった。しばらく国道を走ると遠くに開聞岳が見えてきた。薩摩富士と呼ばれるだけあって綺麗な形をした山だなぁと感じた。菜の花を期待していたが既に終わった様で、開聞岳と菜の花を併せて見ることは出来なかった。開聞岳は1000メートルも無くピークへは2時間でいけるのかぁと思いながら車を走らせ登山口駐車場に10時頃着いた。
桜並木の中を進むと登山口に到着、鹿児島では桜が満開でちょうど見ごろだった。登山道に入ると、太陽の光が木々にあたり緑色の葉がキラキラと輝いていた。そんな中を進んでいくと途中で何度か視界が開けて素晴らしい景色が見えた。はっきりと海岸線が見えて鹿児島の半島の形がくっきりわかる。登山客は多くて何度もすれ違い、道を譲り合いながら「こんにちは」と挨拶を交わしながら進む。のんびりハイキングは久しぶりで気持ちがいい。ピーク近くになるとだんだん急になって岩がゴロゴロしてくる中を進むと頂上に到着した。ちょうどお昼時で人がたくさんいて賑わっていた。記念撮影の後、我々もお昼にした。本日のメニューはテンさんから頂いた大砲ラーメンとおにぎり。ラーメン美味しかったですよぉ〜。風がきつくて寒かったので温かい物がとても嬉しかった。ありがとうございます!!!1時間ぐらいで下山して開聞岳の見える露天風呂へ行った。海の側にあって景色は最高。なかなか良い温泉だった。
さっぱりして池田湖を通って指宿スカイラインを使って鹿児島市内に戻ってきた。市内で豚しゃぶしゃぶ・地鶏を食べて、鴨池港から大隈商船を使って垂水港へ渡った。船旅35分。船というのは心がワクワクする。料金は下りてから支払うシステムだった。面白い。
垂水港からは翌日登る鬼岳付近へ向かった。鬼岳は25000の地図では御岳と記されているらしい。それを調べたら高隈山付近にあったのでそこだと思い込んでしまっていたので、登山口まで行って寝た。(翌朝間違っていることに気づく)
翌朝予定どおり5時半に起床。皇后様に「岩がまったく見えないけど・・・」と言われて、やっぱりここと違うのかなぁと不安になる。ネットで調べて持ってきた鹿児島県全体の岩場配置地図を見ると鬼岳は大隈半島の南のほうに記してあった。うわっ!違うかも・・・。さらに記録の写真を見ると、仮眠された立神公園付近は海沿いの浜辺だった。ここ全然違うし、山の中だし・・・。トポを再度きっちり読みなおして完全に違うことが判って即移動することにした。テントを撤収して再度鬼岳へ向かった。トポには「立神のバス停から300メートル先の左側に幅4メートルの舗装された林道に入っていき、900メートル進んだ辺りに農作業小屋があり、車2台止めることができるスペースある。小屋から20メートル下ったあたりが登山口」と記してあった。 海岸沿いの国道を走ること1時間ほどで、遠くに鬼岳らしい岩が見えてきた。そして大隈バス会社の立神停留所を発見した。ここからはトポどおり舗装された林道に入り進んでいくと、農作業小屋らしき物や駐車スペースはあるが、農作業小屋というよりは壊れた小屋でよくわからなかったので一度通り過ぎた。しかし、だんだん岩場から離れていくのでおかしいと思い戻ることにした。そして小屋を過ぎたあたりに登山道らしき道が見えて、よく見るとテープが貼ってあった。ここだぁ〜!!見つけた。ふ〜やれやれ。 登攀具を用意してさぁ出発。トポどおりみかん畑の横を進み7,8分で第一分岐点に着いた。サブマリカンテのあるマイナーピーク、右へ進んだ。所々にテープがあって、踏み跡をたどっていけば迷うことはなく1時間弱で取付きに着いた。 1ピッチ目を私から登らせてもらった。出だしが少しやらしくあとは快適。スメアをきかせながら登る。ランナー感覚は長かった。30メートルほどで終了点についた。2ピッチ目は皇后様、ぐんぐんザイルはのびる。このピッチもランナウトしていてスラブ。ちょっぴり緊張するな〜。一気に55メートル進んで小さなテラスで終了。3ピッチ目は私。右にトラバースして右側を登る。快適に登ると30メートルほどでしっかりした終了点があった。最後は記録どおりボルダー。なかなか面白かった。岩の上に着くとそこには、しっかりした支点とチェーンがあった。ここから北側に懸垂する様だ。グレードは全体的に5.9ほどで基本的に快適だった。高度感がありフリクションもよくきく岩で気持ちよかった。ピークからは昨日登った開聞岳が見えた。素晴しい〜。平日ともあって登攀者は我々だけの様だ。岩に囲まれ、ふたりだけ。最高―――――――!!!懸垂で谷に下りて、少し歩いて取付きに戻ってきた。もう1本南峰西岩稜黒稜会ルートを登りたかったが鹿児島市内に戻って大阪へ帰らないといけなかったら下山した。 記録に載っていた仮眠場所として使用された立神公園らしき場所を確認して、桜島経由で温泉に入って、桜島フェリーを使って鹿児島市内に戻った。 最後に名店「山ちゃん」で鹿児島ラーメンを食べて夜行バスで大阪へ戻った。
今回は九州さんらく会の方に大変お世話になりました。こんなにも楽しく山を満喫できたことを感謝しております。また、今回も一緒にいった皇后様、ありがとうございました。昨年、宮崎の比叡山の駐車場で九州さんらく会の方にお会いして、わずか10分ほど話をしたことがきっかけで再会し、今回この様な素晴しい合同山行出来たことをとても嬉しく思っています。次回、阿蘇のアイスと冬の九重縦走を狙っています。その時にまた再会できることを楽しみにしています。
鹿児島、ばんざい!!山・岩・沢・食・温泉・人と今回もお腹いっぱいになった。謝謝。