京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
山行名 | 三周ヶ岳〜美濃俣丸 |
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メンバー | L:H内 |
期日 | 2008/4/5〜4/6 |
山域・ルート | 奥美濃 三周ヶ岳〜美濃俣丸 |
山行形態 | 積雪期縦走 |
会の岩登り講習会があり、沢登りに行きたい身としては受けないといけないが、去年計画が流れたため、今回は実行することにした。幸いというか、岩登り講習会へ参加者が大勢となったため、久し振りの単独行が楽しめる。
登路は地形図を眺めると三周〜美濃俣丸の県境稜線が一番西になる標高点1144mから西に派生する尾根がちょうど廃村岩谷へ垂下していて、距離的にも有利と判断した。
前日夜10:50発としたが、途中で眠たくなり、疋田あたりの国道8号沿いの路肩に車を止めた。気付くとなんと4時間も寝てしまった。
06:00 広野ダム
07:00〜10 尾根取り付き点
08:00〜10 ・724m少し先
09:20〜35 1020m地点
10:15〜30 ・1144m県境稜線
11:20 三周ヶ岳、夜叉ヶ池への稜線
11:40〜12:10 三周ヶ岳
13:00〜13:20 ・1144m県境稜線
14:50 1122m西南西80m地点(テント泊)
広野ダムに5時半到着。他に車1台。ゆっくり支度し、6:00ちょうどに出発。通い慣れた日野川沿いに林道を進む。車の人は釣りをしており、登山者ではなかった。両岸に見える尾根の雪が少ないのが気がかりだ。雲ひとつない快晴。1時間弱で廃村岩谷に着く。まだ数軒家が残っている。
集落を右岸に見て少し上流に掛かる橋を渡った先が目論んでいる尾根の末端だ。雪が無い。ここからまずは・724mを目指す。最初は尾根とも言えない広い斜面に取り付く。思ったほど笹は無いが最初の標高差150mは傾斜がきつく辛い。汗が吹き出る。・724mから期待していた雪はまだ無さそう。1時間かかり・724mの先の鞍部で休む。ここから傾斜が再び増し、薄い笹薮と潅木の中を登る。イワウチワの蕾がいっぱいある。
進む尾根が東から南東に方向を変える標高880mからやっと待望の残雪が出てくる。同時に傾斜が緩み、ブナの綺麗な林となった。以後、ここからはずっと残雪の上を歩く。大きな幹周りのブナに見とれながら高度を次第に稼ぐ。黒谷山から続く稜線が見えるが雪は少ない。
やがて1010mあたりのなだらかな場所に出る。上谷山や夜叉ヶ池方面の山々が見渡せる。ブナに包まれた穏やかな尾根歩きを満喫して、国境稜線の・1144mに到着。大展望が広がる。これから行く三周ヶ岳が大きい。国境稜線は踏み跡なし。ここに不要な荷物をデポし、身軽になって出発。
手前に金ヶ丸谷が食い込み、県境稜線は大きく迂回している。初めて歩く稜線なので、忠実に稜線を辿る。所々大きなブナがあり、気持ち良い。細かなアップダウンを繰り返し、標高1170mに来る。ここは三周ヶ岳へ続く稜線の方が真っ直ぐ伸びていて、県境稜線が曲がって急に落ちている傾斜の変換点に当たる。県境稜線の方が支尾根のようになっている。
標高差70mをひと頑張りで三周への稜線へ。夜叉ヶ池方面からの踏み跡は全く形跡がない。伸びやかで大展望の中、一旦下り70m登り返す。踏み跡のない雪面に自分の足跡を伸ばし、三周ヶ岳の山頂だ。
山頂は分厚い雪で覆われ、無雪期より広い。もちろん展望雄大。黒壁山の存在感が大きい。その東に烏帽子山。能郷白山、蕎麦粒山、3年前に登った千回沢山、不動山などが見渡せる。
さて下山は鞍部から尾根を外れ、ブナの斜面を県境稜線の勾配が緩くなった地点を目指しトラバースして行く。やがて尾根に乗り、1144mに戻った。時間はまだ午後1時ちょうどなので、荷をまとめ先に進む。・1144mの直ぐ北の鞍部は福井県側が小広く平になっていて絶好のテントサイトだ。惜しいが時間が早すぎる。広い尾根を快適に進むと、黒谷山への尾根の分岐で下っている踏み跡が出てきた。単独行者のようだ。右に方向を変えながら下って、少し登ると正面に・1125mだ。踏み跡はピークを越えてきたようだが、ここは西側を巻くと登らずに抜けられる。続く小ピークも西に巻く。標高1030mの最低鞍部からは標高差70mを単調に登ると広い平坦な尾根に出る。・1122m辺りで泊まろうと想定していたのが、想像通り・1122mの西南西80m位の場所はちょっとした二重山稜の凹地で風が全く当たらず絶好のテントサイトになっている。(稜線より金ヶ丸谷側)周りはブナの大きな木がぽつぽつあり、今夜は快適に過ごせそうだ。
3時半頃から昼寝してしまい、気付くと6時半になっている。ゆっくり晩飯を作り、静かなひと時を過ごす。暗くなってきてから寝袋に入ったまま、テントの入り口から半身を出して、見え出してきた星を探しているうちにまた眠くなり、そのまま就寝。こんなにゆったり山中で過ごすのは贅沢だ。
07:40 テント地
08:20〜9:00 美濃俣丸
09:15〜25 ・1115m
10:00〜10 ・912m
11:20〜25 鈴谷橋
12:10 広野ダム
早く寝たのになんと寝過ごした。明け方キツツキのドラミングがあちこちで聞こえていたが。直ぐ横の尾根に上がってみると太陽は20分くらい前に出た感じ。今日は美濃俣丸へ登るだけだし、小1時間位の距離だから一層ゆっくり過ごそう。テント場からは朝の三周ヶ岳や黒壁山が綺麗。
7:40出発。広い斜面を下り、そこから登り標高差で180m。背後に昨日辿ってきた稜線が一望できる。朝から風無く直射日光で暑く感じる。左へ回って美濃俣丸山頂へ。8:20着。
以前縦走した大河内山、笹ヶ峰方面が良く見える。奥深い金ヶ丸谷、励谷を隔てて不動山、千回沢山も昨日より近づいたが、背後の今日の能郷白山はかなり霞んでぼんやりとしか見えない。
さてここからの下りは以前登りに使ったので大体の様子は知っている。雪は標高850mまで続いているが、途中960mの小ピークの登り返しだけ藪が出ていた。・912m手前で1パーティと始めて行き交う。
標高850mから先の下りだが広い尾根は椿や潅木で見通しはあまり良くない。密度の低い部分を探しながら下る。前回は尾根の末端寄りから登ったが黄色とピンクのテープがあるのでそれに付いていくと、やがて標高650m位で植林が出てくると尾根を離れ、植林と自然林との境目の斜面を下りだす。なおもついていくと小尾根の末端から廃林道に飛び出た。取り付きにはピンクのテープが目印のようだ。林道をショートカットして下ると鈴谷川沿いに降り付き、右岸を10分ほどでダム湖上流の鈴谷橋に着く。橋の直ぐ横に水が湧いていて喉を潤す。ここから1時間で広野ダムへ戻り今回の山旅を終えた。
ダムからは笹ヶ峰、美濃俣丸方面が良く見える。今度はどの尾根を登ろうか。