京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
山行名 | 2年半ぶりの再会を沢旅で祝う!! |
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メンバー | I野 Y(童人トマの風) |
期日 | 2008/9/27〜9/28 |
山域・ルート | 船形連峰 大倉川笹木沢 |
山行形態 | 沢登り |
夏合宿が終わって沢シーズン真っ盛りの中、最近どうしてるんだろうとYっちのことが気になった。東京へいってからトマの風の方達と活動されてることはHPをとおしてわかっていたが、一緒に沢へ行きたくて久しぶりに連絡をとってみた。2005年1月だったか一緒に比良堂満中央稜を登り、2006年春に私の怪我復帰リハビリで金毘羅北尾根を登って以来だ。彼女から一緒に行こう!と嬉しい返事が返ってきた。他会と行くことが厳しいようで一緒に行けるか不安だったが、許可を頂くことが出来て計画が進んだ。候補地をお互いいくつかあげて最終奥利根か東北あたりの沢にいくことになった。 プランとして@奥利根 楢俣川前深沢〜狩小屋沢下降A矢木沢西メーグリ沢〜明通沢下降B南東北 大倉川笹木沢(時間があれば本流下降)の3つに絞った。@は帰りの夜行バスまでの時間にギリギリで余裕がない為中止AかBでかなり迷った。Aはかなり渋い沢、しかも遠いのでなかなか一緒にいってくれるメンバーがおそらくいないだろうから今回良い機会だと思ったBは有名な谷だが東北となるとこれまた遠いのでメンバーがいないだろうと思いどちらに行くかかなり悩んだ。結果、初めての山域を訪れたいことを優先にして笹木沢に決定した。
夜行バスで移動。今シーズン沢で仙台行きのバスに乗るのは3回目。
Yっちは仙台駅に5時半頃夜行バスで着いたらしい。関西からは遠くて3時間もまたせてしまった。無事仙台駅で合流できて、レンタカーを手配してないので全て公共交通機関で移動する。9時発の定義行きのバスに乗り1時間ほどゆられて到着した。バスの中ではお互いの山や山岳会について話が盛り上がった。なんか不思議な気分だった。Yっちと山にふたたびいけることがとても嬉しかった。
定義で沢準備をして林道を歩いてすすむ。ぺちゃくちゃと話ながらなので林道歩きが苦痛にならない。屋敷平を過ぎて大倉川を2回渡って大倉川の右岸側のまっすぐ延びた林道を北へ進む。林道の周りは緑豊かで気持ち良く、牧場があったりとこんなところに住みたいなぁとYっちがぼそっと言い出し、農家の嫁にいくか!?とか言いながら楽しい時間が流れていた。林道が終わり大倉川右岸側の地形図には記載されてない踏み跡を道をいく。Yっち調べた記録にのっていたらしい。私は大倉川左岸の林道をつめて565地点辺りの支流を下降して本流に入渓すると記録を確認していた。この踏み跡をたどると記録どおり崩壊気味の木の橋にぶつかる。怖くて渡れないのでそのまま右岸をとおり堰堤を越えてから大倉川へ下りる。左岸へ渡ってしばらく踏み後をたどると再度木の橋にぶつかるのでその辺りから谷へ下りて支流を下降して大倉川本流へ入渓した。やっと大倉川へ着いた。仙台駅についてから半日かかった。
堰堤にぶつかり左岸より超えてしばらく平凡な河原歩きとなる。釣師の方に出会った。13時40分大きな釜をもった小滝に遭遇。左岸から小さく巻けそうかと思ったが意外にもろかったので安全にルンゼからつめて少し高巻くことにした。谷に戻り蛇行を何度か繰り返しながら問題になる箇所はなく笹木沢出合いに到着した。
二俣からすぐの釜をもった小滝を右岸からへつって超えようとしたが上手く岩をつかめずツルっと滑ってしまいドボン。ひぇー冷たすぎて心臓とまりそう。それをみていたYっちは左岸よりへつって超えようとするがドボン。ふたりしてビショビショ。寒い寒い。何度か小滝を超えながらブナに覆われた中を進む。有名な谷だけあって素晴らしい。ブナがとても気持ちよくマイナスイオンたっぷり。こんなブナ林の中を遡行するのは初めてで、東北まで来て良かったと感じた。心身共に癒された。
小滝を過ぎるとナメが続く。調度核心に入る手前670地点の左岸からの支流の出合いあたりで予定通り遡行を終了した。もう少し歩きたい気分だった。ナメが川幅いっぱい流れてるので、ブナ林のわずかなスペースにツェルトを張った。張り出してしばらくすると雨がポツポツと降り出してきたので焚き火をせずにツェルトの中で晩御飯を食べることにした。焚き火をして暖をとりながらたくさん話しをしたかったが仕方がない。Yっちが用意してくれた豚のしょうが焼きに味噌汁をいただき身体を温めた。雨はポツポツていどで頑張れば焚き火も出来たかもしれないが、関西・関東からの夜行移動の疲れもあって早めにシュラフに入ることにした。
早く起きて5時半に出発予定が寝過ごしてしまい5時半起床。慌てて飛び起きた。片付けながら急いで朝食を食べ6時半に出発した。今日がこの谷のメインの遡行。しばらくはナメや小滝が続き問題になる箇所はなく、7時半頃最初の核心部入口最初の10m滝に出会った。滝の左側を登ることが出来そうだが朝一で水は冷たく指がかじかんで感覚がなくなりそうだったので右岸より巻いた。上の滝も併せて巻いて懸垂で谷へ戻った。
続いて2段の滝を右側から下部を登り上部は左側から越える。落ち口が少し滑りやすそうだったので枝を掴んで超えた。核心部あたりからブナはなくなり草付の泥壁がたち谷は狭くなる。雪国独特の谷の雰囲気で、私はこの草付泥壁の深い谷がすきだ。次に8mの滝に遭遇。しばらく滝を眺めてルートを探る。右側よりしっかりしたホールドを拾いながらYっちが慎重にリードした。上からザイルをたらしてくれてフォローで登らせてもらった。少し滑りやすく緊張した。水は冷たく指が痛かった。
そしていよいよメインの5段25m滝(鎧滝)があらわれた。すばらしいぃ〜。しばし滝を眺めて、ルートを探る。最初は右から登りあとは左側を登る。ホールド・スタンスはしっかりしていて4段目までスムーズに進む。最後の落ち口の乗越しがやらしそうで足が止まった。Yっちが様子を見るが思い切っていけそうにない。空身で登りザイルを張ることにした。Yっちがリードで進み、荷揚げをしてから登った。確かにいけそうな感じもするが一歩まちがえれば下まで落ちてしまう。
無事大滝を過ぎていくつか滝を越えると谷は再びブナに覆われて穏やかになった。テント場にふさわしい場所が続く。谷は平凡となりだんだん谷は狭まり源頭の雰囲気となる。ブナ林の中を進み二俣を右へとり最後の1000地点の二俣から左へと進んでいき登山道に飛び出た。最後の最後まで涸れることなく藪こぎもなく快適な遡行だった。完遡行を手をたたきあって喜び粟畑を通って黒伏高原方面へ下山した。
登山口には数台車がとまっていた。柳沢小屋まで歩いて運がよければヒッチできるかもしれないので小屋前で沢道具を片付けて綺麗な服に着替えることにした。すると上のほうから車の音が聞こえた。荷物を散らかしたばかりなのに・・・。おじさん二人組みで声をかけられた。これを逃してはならないと思い交渉する。Yっちはビックリしていたが私は必死だった。交渉成立!!着替えて片付ける間まっていただき乗せてもらった。車で走った距離はかなり長かった。本当に感謝感謝。48号線手前で降ろしてもらった。バス停までぶらぶら歩き、途中の果物屋に寄って安くて美味しそうなぶどうを購入。お腹が減っていたのでその場でひとふさたいらげて、実家にほとんど帰ってない私達は果物を送っておいた。笑。14時半まで2時間ほど時間があったのでバス停近くの蕎屋で昼ご飯を食べ、作並温泉に寄って仙台駅に戻ってきた。
ふたりで沢にいくのは初めてだが何も不安を感じることがなかった。お互い信頼しあえていたからだろう。2日間はあっという間でまだまだたくさん話をして沢旅を続けたかった。彼女は今シーズン、11月まで沢へ行くらしい。寒いぞーそろそろシュラフをもっていってはどうかな?今回、下山したふたりの唇は寒くて紫色だった。
あのモチベーション、山への想い、数年前と変わってない。いやより山女になっていたような気がした。笑。久しぶりに再会し刺激をまたもらった。来シーズン春、沢はじめに奥美濃へ行く約束をして京都に帰ってきた。Yっち、あの目標(集中)ができたらいいね。ありがとうございました。来年、再会をまた楽しみにしてます。