谷川岳 一ノ倉尾根(3月20〜22日)

メンバー:O氏、成田

3月21日(木) 快晴→曇り→小雨ぱらぱら

1:00/4:30  天神平立体駐車場
5:20  一ノ倉沢出合
9:00/10:50  懸垂岩
13:00  一ノ倉岳
13:50/14:00  肩ノ小屋→西黒尾根
15:40登山指導センター

JR水上駅でO氏と待ち合わせ。天神平立体駐車場に出口から入り(無料!違法だが・・・)酒飲みつつ装備チェック及び簡単な打ち合せ後、就寝。

3:30起床。指導センターで計画書の提出箱を拝見すると東尾根に2P、一ノ沢・二ノ沢中間稜に2Pのみ。壁はなし。積雪状態に不安をより感じ、当初の滝沢リッジを変更し偵察をかねて一ノ倉尾根にいくことに。一ノ倉沢出合着。眺めるとテールリッジは雪がごっそり落ちアイゼンがカリカリいいそうな黒々した岩が剥き出し。壁に取り付くのにかなりの困難が予想。事前情報のとおりだ。最近の暖かさのためか出合付近までデブリがきている。一ノ倉沢を一ノ沢手前まで入り、右の支尾根→沢→藪で尾根に取り付く。次第に一ノ倉沢全域を朝日が段々とほんのり赤く染めてゆき美しい。いや美しさだけではものたりない。もっとつっこむと、この赤色が数々の遭難で亡くなった人々の血で染められていると形容したほうが当てはまるかもしれない。我々はそんななかに侵入したチリのような存在。いやチリ以下かも。でも、吹き飛ばされないようにチリはチリなりにできることはやっていきたい。稜線は新雪5cmトレースなし。先週以来の最初のPのようだ。何だか嬉しくなる。適時眺める滝沢リッジ取り付きは雪がはがれORはがれそうでやらしそう、第3スラブの下部デルタ地帯は積雪豊富なものの横一線に亀裂が走っていた。ゾクリ。懸垂岩はO氏リード。小生セカンドいくも人工(5箇所使用)で思ったより時間がかかる。慣れていないのだ。以降、ノーザイルで雪壁、ルンゼ、草付きを時折ダブルアックスで進む。半分程度、膝下のラッセル。雪質も所々グサグサに腐っており足を踏みぬくこともたまにありヤセ尾根でヒヤリ。日が当たる雪壁は1歩進むとずりずりと落ちる箇所もある。また、左右の急斜面で藪にのった雪がときおり崩れ小規模な雪崩を誘発。午前中に抜けようと自然と足が早くなる。振りかえると、2人でつけたトレースが伸び気持ちが良い。後続Pもないようだ。上部は南風が強く吹きクラスト。見上げると国境稜線から張り出した雪庇が崩れ雪崩を誘発しそうな雰囲気。雲も徐々に出てきた。一番小さい雪庇を切り崩し、国境稜線に這いあがり一安心。握手。トレースばっちり稜線をたどり肩ノ小屋で小休止。その後、西黒尾根を下山中、ついに小雨もぱらついてきた。やれやれと指導センターに到着。ガイド業を営む84H氏にバッタリ会う。ガイドで19日から東尾根に入山。昨日は吹雪だったとのこと。滝沢リッジ、第3スラブの状態をきくと圧倒的に良くないようだ。雪が腐っており踏みぬく恐れ大きく確保もままならないため危険だと。やはりそうかと駐車場に戻り夕飯を食べつつ明日の予定を検討。滝沢リッジは無理にしてもせっかくだから一ノ沢・二ノ沢中間稜に行くことも考慮。でも明日は天気が崩れそうだからとりあえず停滞としゆっくりしましょうといいつつも、バタリと就寝。
最近、睡眠時間が4時間/日。そのためか12時間たっぷりと曝眠。

3月22日(金) 曇り⇔小雨

7:00起床。指導センターへ行き(駐車場はラジオが入らない)、天気予報を聴き天気図を作成。センターの方に新聞も見せていただき天気図、予報を眺める。丁寧にIモードでピンポイント予報も教えてくれた。残念ながら今日、明日、明後日と崩れる方向。くやしいが中止の色が濃くなる。ついでに土日の提出計画書もこっそり見せていただくと、東尾根、一ノ沢・二ノ沢中間稜ばかり。壁、リッジはなく他会は計画すらしていない様子。相談後中止に決定。
何だか満たされない気分だが今回はこれくらいにしといたろ(と強がるのであった)。次回は温暖化の影響を考慮し2月下旬から3月上旬に計画する運びとなった。
以上

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