京都雪稜クラブ - 若さ溢れるオールラウンドな活動 −京都岳連加入−
JR武蔵境駅 18:05
上高地釜トンネル入口 21:20/21:30
上高地 23:00/23:30
JR武蔵境駅で待ち合わせ。当初集合時間19:00だったのが渋滞を避けるため1時間早まり18:00となり少々あせる。午後半休で急いで準備。捜し物のナイフ、笛がみつからず仕方なく重い代替品をザックにいれる。今回のメンバーはOさん(垂直のソロクライマー)、Y(18歳大学生)、自分の計3人。それぞれの世代がそろいおもしろい。週刊天気予報は5月4日付近で天候が崩れることを告げ心配。MTBを積んだOさん号で出発。渋滞で込む前にサッサと中央高速道路を通過。新島々付近のコンビ二で下山時のビール、食料を買い込み釜トンネル入り口(標高1400m)へ。ここで、Y&成田は台車(Oさん手作り製品)に荷物を載せロープを引っ張りトンネルから上高地へひたすら歩く。Oさんは沢渡へ車を置いてそこからMTBで上高地へ。混雑を避けるのと交通費をうかせるためだ。台車組はトンネル超えが急坂でしんどい。真っ暗のなかヘッデン点灯、凸凹道で車輪をガラガラとトンネル内で反響させ、誰もいない道を歩く。トンネルを抜けると通行時間帯の喧騒が嘘のようで気持ち良い。大正池で月が出ていれば幻想的な風景が見られるとのことだが生憎、月はなく真っ暗闇。途中、ブルジョワ階級が泊まりそうなホテルを眺めては「お、一泊ザイル一本分!」「いや、バイル一本分だろう、しかもコブラ!」と半分負け惜しみ感想をもらす。ガラガラやかましい我々が気になるのか窓からときおり影がちらつく。ゴメンナサイ。上高地(標高1500m)でOさんが無事追いつき、郵便局付近でテント泊。そこら辺の藪にMTB、台車をデポ。ここで、自宅に替えメガネ(割れたら代替なし)、車にアンダーウェア(寒い!)を忘れたことに気づき今後に不安を残す。
上高地 4:30/5:10
横尾 7:25/7:45
涸沢ヒュッテ 10:20/11:00
松なみ岩付近 13:40
小鳥の囀りのなか爽やかに目覚める。余談だが昨日は小学校の朝礼音楽で目覚めたのであった。でも寒い。アンダーウェアの威力を実感。管理人に起こされる前に起床。朝もやの気持ち良い雰囲気のなか運動靴でサクサクと先を急ぐ。徳沢まで雪なし、徳沢から登山道に雪が出始めるものの運動靴で十分。横尾を通過し標高1600m付近でプラブーツに履き替え、運動靴は藪の中にデポ。ここからずっと雪渓上で高速道路状態、おまけにパーキングエリアまであり夏道より歩きやすい。さすがメジャー地域。GW後半初日とあって人も少ない。雪渓の照り返しが暑くジリジリと肌を焼く。サングラス必須。涸沢ヒュッテ(標高2250m)でウィスキー500cc(ペットボトル)をスピーカーの根元にデポ。ビールを飲む人々をうらやましげに眺めつつアイゼン装着などし身支度を整える。涸沢ヒュッテの人に尋ねると、本日は一枚の布団に2人寝る混雑振りとのこと。人数もさることながら排泄物量の膨大さがすごそうだ。下界並。自然保護という上からみたような言葉を使ってより快適な環境を求める人間自体が一番の破壊者だということをどれくらいの人が自覚しているのだろう。気を取り直して仰ぎ見る前穂北尾根〜北穂までの稜線は青空にバッチリ映えており、雪面に刻まれた各々のトレースを確認。振り返ればここへきたのは約6年振りか。過去の記憶を辿る。とりあえず明日のために、北穂山頂付近まで行こうとトレースを伝い北穂高沢をあえぎあえぎ登る。比較的雪がしまっており登りやすい。松なみのコル(標高3050m)着。テン場はまだ誰もいない。風を避けるためそこから涸沢側に約10m下降したシュルント上のブロックを崩しうまく整地してテントを張る。近くのブロックから水滴が滴り落ちているのを利用し水も確保。これで水には不自由しないしガスの節約にもなる。遠くから眺めると雪渓にうまいことへばりついたこのテン場、どっかの遠征隊アタックキャンプみたいでちょっと嬉しい。設営後、時間もあるしドームの簡単なとこを一本登攀しようと滝谷側を覗いたが霧と風が出て天候が崩れる感じがしたため中止。午後、涸沢は人々が大勢入山しておりトレースにきっちりおさまって列をなしてる様は砂糖に群がるアリンコのようだ。また、テント数もより多くなりまるでコンペイトー。Oさん&成田で日本酒400cc、ウィスキー400ccを飲む。高所で酔いがまわるのが早い。Oさんご機嫌。天気図の作成、天気予報を聞き天候が崩れることが確実の様子でがっかり。夜中、疲れと高度障害の合わせ技で、Oさん嘔吐&下痢。夜半からアラレ、雨が降りテントフライシートをたたきはじめる。一杯着込んで快適に眠る。
相変わらす雨がフライシートをたたきつけている。南風も強くなってきた。風のうねりある強弱はまるで山が呼吸しているかのよう。テントポールも生き物のようにしなり、怪物の懐にいだかれている錯覚に陥る。その中で我々は何ができるのだろう?登攀中止に。本日の行動として、涸沢に移動し翌日に前穂東壁登攀も考慮したが稼いだ高度をわざわざ下げるのももったいない。天候回復を待って翌日クラック尾根登攀することに。で、停滞。でもOさんの体調回復時間をもてるのが幸いだ。皆ウンコ製造機と化す。一般的に、関西はウンコネタ、関東は下ネタが多いとのこと。用を足すと各人簡潔にウンコ自己評価。酒もウィスキー100ccしかなく、すぐ底をつく。涸沢ヒュッテのデポウィスキーを取りに行くのも億劫。さしてすることもなくひたすら眠る。16時間は眠っただろうか。流石に眠るのにも飽きた。暇だー。偵察しようにも外は雨が激しくなり出るとずぶ濡れで出たくない。でも生理現象は耐えがたく仕方なくトイレに行く。その折、テント上部にある雪渓が崩れてこないか各人チェック。せまいテントで腹筋運動もちょこっとする。そんななか、涸沢から登ってくる人々の声が風にのって聞こえる。涸沢側の風が比較的弱いからだろう。まどろみのなかアーデモナイこーでもないと色んな事をボンヤリ考える。ラジオニュースによると、今日は真夏日(30℃以上)が各地で多いとのこと。雪崩が心配。テン場上部、下部もブロック雪崩で崩れるとサヨウナラーだ。念のため、テント切り裂き用に各人ナイフを首からぶらさげている。明日は九州・四国地域以外は晴天という予報に望みをつなぎ無理矢理(幸せなことだ)眠る。夜中、テン場隣りのキジ場は上部雪渓がドカッと崩壊し埋没。ぞわーっ。
松なみ岩付近 4:30/6:00
B沢下降点 6:30/6:40
松なみ岩付近 7:10
涸沢ヒュッテ 7:40/8:00
横尾 9:30/10:00
上高地 11:50/12:40
坂巻温泉 13:05/14:00
チェーン着脱所 15:00/21:30
川崎自宅 7:40
2:30起床。依然、降雨あり。回復の傾向のはずだが…あれ?のち30分ごとに様子を探りシェラフに包まりつつ闇のなかで今後の身の振り方を相談。とりあえず明るくなったらクラック尾根取付きまで行こうと出発。外に出ると案の上ガス々で視界30〜50m。雪面は比較的しっかりしている。松なみのコルにテントが4張り。皆、停滞。ここで成田、北穂小屋までわずかな距離なのに息があがる。しまった!水をたくさん飲むのをおろそかにした。なぜなら停滞のときトイレに行くのが面倒なため水分摂取を極力ひかえたのだった。高所においてこれはいけない。しつこいほど飲まなければ体がおかしくなるのは明白。油断した。北穂小屋の水場で水分を補給し息を整えクラック尾根を登攀すべく稜線上のB沢下降点へ。トレースなく、誰も行っていない様子。何よりも滝谷側より雨が下から舞い上がりガス々&強風。飛騨側の特徴。涸沢側は穏やかなのに。冬季パチンコでクラック尾根に行ったことのあるOさんも行きたがらない。またこれ以上待っても当分天候の回復は見込めないと判断し撤退することに。すっかり濡れネズミと化しテントをたたんで下山開始。涸沢到着。やはりすっかり晴れて青空が眩しい。なごり惜しく振り返ると、穂高稜線は飛騨側から灰色の雲が発生し深く覆われ動きも速く強風な様子。下界は晴天でも滝谷は別世界のようだ。またブルーになるできごとが。それは楽しみにしていたデポのウィスキーがないのだ。一応落し物に出ていないか受付で尋ねてもない。こぎたない使い古しのペットボトルだからゴミとして処分されたのだろうか。涸沢で一献やりたかったOさんしきりに残念がる。今度はデポとボトルに大きく書いて、デポ場所を別なとこにしよう。標高1600m付近で買い物袋につつんだ運動靴デポはカラスにつつかれ穴だらけなものの回収できた。Yは以前、ラーメン袋をデポしておいたらカラスに麺だけ食われてしまい人間はちょこっとだけつつかれた粉末スープだけ溶かしすすった悲しい記憶を思い出して悔しそう。デポにもコツが要る。運動靴がつつかれたことから察すると、食べ物の匂いではなくスーパーの銘柄&色で物色する優先順位あるいは区別があることを示唆している。ちなみに今回はローソンの青い袋だった。幸い上高地デポのMTB&台車は粗大ゴミになっておらず無事回収。OさんはMTBで沢渡へ行き車に乗り替え坂巻温泉へ、Y&成田はバスで上高地から坂巻温泉へ移動。連休後半の晴れ間とあって道路は混雑。空いている坂巻温泉(500円/人)で汗を流す。この時の温泉セットのなかに捜索中のナイフ、笛セットを発見!以前の放り込んで忘れていたのだ。とにかく見つかって良かった。道路沿いのチェーン着脱所で装備干しつつ買いだめしてあったビールで宴会後、一眠り。なぜなら渋滞を避け下道利用で高速代金をうかし夜中移動するためだ。やはり真夜中の中央高速道は35kmの渋滞との情報。奥多摩経由の下道をひたすら走り、JR鳩ノ巣駅で仮眠後帰宅。Oさん&Yは御嶽山へ早朝ジョギングへ出かけた。元気だ…。
滝谷は次回のお楽しみに。