ハイキング@奥美濃・猫ヶ洞から土蔵岳へ周回
2012年 3月 18日 | ハイキング, 奥越・奥美濃・白山土日で他の山行を計画していたが、土曜日の天気が悪いため、急遽猫ヶ洞へ日帰りで行くことにする。
猫ヶ洞は土蔵岳の北西にあり、目立たない地味な山だ。周辺の山々からは何度か眺めていたが、遠くから眺めても自然林の優しい色合いをしている。
西の県境稜線には等高線が膨らんで、緩やかで広い台地があり、そこはどうも一面ブナに包まれていそうだ。
そこのブナ林を見るのが今回の一番の目的だ。
コースは周回することにする。往復よりはずっと面白い。
以前、横山岳から三国岳へ縦走した際に登った3町界にある峰に登ってから猫ヶ洞、土蔵岳へと繋げるコースだ。
K田さん、T塚さんも参加していただけることとなった。
【行程】 行動時間 9時間00分 天気 曇りのちガスと雨
金居原集落東の旧国道分岐8:45?土倉林道分岐9:00?土倉鉱山跡9:10?9:45標高370m二俣10:00?12:35三町の境界の峰13:00?14:20猫ヶ洞14:35?15:20土蔵岳15:25?937m峰16:25?土倉林道分岐17:30?17:45駐車地
?野洲駅を7:00に出発。北陸道木ノ本ICで降り、金居原集落先の旧国道の分岐に着くと、旧国道は全く除雪されておらず、ここをスタート地点とする。
雲が多く、重苦しい空だが案外見通しは効く。気温、湿度が高く、夜は雨もあったようで、衣類や足元は濡れやすい。
尾根取り付き点まで
滋賀県旧木之本町、旧余呉町と岐阜県揖斐川町との三町の境界となっている標高1,000mの峰から南下する尾根に取り付くため、土倉谷に沿う林道を歩く。
今朝の気温と昨日の天気から今朝は雪が腐って歩きにくいと想像していたが、あまり沈まずまずまず快適に歩ける。この雪の状態なら周回できそうだ。
旧国道は雪で埋まっており、土倉鉱山跡の廃墟を右手に見て進む。
途中、左岸斜面からのデブリを数箇所越えて、雪の厚く積もった二俣の出合に掛かる橋を渡ると、正面が取り付きの尾根だ。一段上がったところでしばし休憩。
県境上の3町界の峰を目指して
最初は急傾斜の広い尾根で、南面なので時々雪が途切れる。
枝にすがっての手足を使う登りが150m余り続く。
T本さんは慣れないのか少々難渋気味だ。
急な150mを登りきると背後に金糞岳が大きく望める。
正面には横山岳東峰も奥に見える。
ここからも少し雪が途切れる。それも少しの我慢だった。
標高780mで右からの支尾根を合わせたところからは広いブナ林になる。
ここからは快適な緩い登りとなる。
右手にこれから向う県境稜線が見渡せ、一番奥に見える猫ヶ洞の存在感が大きい。
猫ヶ洞は暗雲のもと白く見えている。
登るにしたがい、ブナの木が多くなり、整然と並んだ姿が美しい。
横山岳からの尾根を合わせ、その先5分で3町の境界をなす広い山頂の峰に着く。
この山頂の名前は地形図に無く、分らないのでとりあえず3町界にしておく。
ここは以前、横山岳から三国岳へ縦走した時に通ったが、今日も同じように美しいブナ林に包まれたいい雰囲気の山頂だ。特に北側に続く森が綺麗。
ここでしばらく休憩と昼食。
県境を東に猫ヶ洞へ
広い山頂をあとにまずは向かいの903m峰へ。
鞍部に降りる手前の斜面はうまく両側が高みとなった滑り台となっている。
この滑り台でK田さん、T本さんも滑って大いに楽しむ。実に爽快だ。
この先もブナの林がずっと続いて美しい。
903m峰から先は緩やかで広い稜線で、想像していた通り一面のブナの森だ。
ブナの梢の先は少し赤っぽくなっていて春が近づいてきているのが分る。
伸びやかで綺麗な森歩きをしばし堪能し、やがて尾根が痩せてきて今度は展望のある白い雪の回廊となってくる。
左右に風景を見ながら猫ヶ洞まで少しのところで惜しいことにガスに包まれてしまった。
真っ白でたちまち景色が閉ざされる。
山頂直下でスノーシューの踏み跡が現れた。どうやら今日の踏み跡だ。
猫ヶ洞の山頂は県境から北東の外れに一番高い高まりがあり、そこに寄ってみる。
池ノ又谷側がまだガスに包まれずに望むことができた。
猫ヶ洞からガス濃い土蔵岳へ
県境の屈曲点に戻り、土蔵岳へと向うと、ガスに雨が加わった。
カッパを着て黙々とガスの中を進む。
ガスの中にスーっと現れては消えていくブナの佇まいが幻想的だ。
40分余りで土蔵岳へ。木の標識が掛けてある。残念ながら何も見えない。
937m峰で県境を離れ、そのまま真っ直ぐ旧国道へ下山
時間も推してきているので、ガス濃い土蔵岳山頂をさっさと辞し南西に向う尾根を下降する。
ガスが濃く、最初は尾根も幾重かになっているので念のためコンパスで方位を確認。
広い尾根を単調に下降。三つの極小さなコブを越え、右に振る場所に注意する。
ガスが濃いので慎重に読図する。
目的の鞍部に下り、高度差60mほどをだらだらと辿って937m峰の広い台地へ。
ここで県境は西南西から東南東へ90度以上屈曲している。
ここまで時々ピンク色の布が目印にある。
何日か前の薄っすらとした踏み跡もあるが、ところどころで消えている。
937m峰からそのままの方向で県境を外れ、南西に続く支尾根を下降する。
広い尾根は南寄りの支尾根に釣られないように右手の傾斜を意識して進む。
標高730m辺りから植林帯に入り、さらに下降。
雪は思ったより締まっていて、早いペースで下降できる。
標高600mで左寄りの尾根に入り、標高450mの平坦な尾根で時々雪が途切れ出す。
それもつかのま、傾斜が強くなると最後の標高差100mの雪の斜面を一気に下降してピッタリと国道と林道の交差地点に降り着いた。
土蔵岳から2時間5分。まずまずのペース。
旧国道上の雪は朝より腐り気味で、雨降る中、時々足をとられながら駐車地へと戻って無事周回することができた。車に戻ると雨が激しくなってきた。
計画どおり全行程は9時間ちょうどだった。
猫ヶ洞から先はガスと雨になったが、日帰りの軽装で手軽に県境稜線の尾根歩きが楽しめた。ガスが纏わりつく刻一刻と表情を変化させる山並みが印象的だった。天気の悪い日であったが、返ってその時々の風景の変化が大きく、充実した一日を過ごすことができた。