縦走@頸城・駒ヶ岳から雨飾山へ

2012年 7月 14日 | 無雪期縦走, 関東甲信越, 頸城

ここ2?3年で焼山?雨飾山、火打山?焼山と縦走した。
今回は駒ヶ岳から鬼ヶ面山、鋸岳を経て雨飾山へと縦走しよう。
今回のルートを歩けば一般登山道のメインルートを歩いたことになる。
頸城の山系は豪雪に磨かれ、その奥深さとともに心惹かれる山域だ。
鬼ヶ面山や鋸岳は何度か周辺の山々から眺めていた。

 

【行程1日目】 行動時間 1時間10 天気 曇りのち雨

スキー場前臨時バス停16:50?18:00大神堂避難小屋

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スキー場バス停を出発

?大神堂避難小屋まで車道歩き

広島駅を8:47発のぞみで出発し、糸魚川駅に15:38着。

駅前から糸魚川バスに乗車。

大神堂への分岐を少し行き過ぎたスキー場前の臨時バス停で下車。

雲が低く垂れ込め、今にも降り出しそう。

大神堂の集落を過ぎ、荒れたアスファルトの細い林道を登る。

気温、湿度が非常に高く、不快指数は相当高い。

大神堂避難小屋

1時間余りで小屋に着く。着いた頃から小雨となった。

小屋は荒れていて、窓が割れ、蚊が多く、テントを張って寝る。

車も登山者も現れず。

夜8時頃から、小屋の周りに何やら獣がうごめき出して、足音がうるさい。

その後、大雨になり、雷が鳴り出した。

 

【行程2日目】 行動時間 10時間55 天気 雨、一時ガス、一時晴れのち曇り

大神堂小屋5:30?7:55駒ヶ岳8:35?10:40鬼ヶ面山の南のピーク10:50?海川分岐11:40      

 ?12:55鋸岳13:15?13:55雨飾温泉分岐14:10?16:25大曲

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駒ヶ岳まで

明け方激しく雨が降っている。山はガスで見えず行く気が起こらない。

1,498m峰先のバンド下降

しかしせっかく来たので、渋々5時半出発。

雨はあがり、林の中は薄暗く、少し不気味だ。

1時間余り登り、湿度の高さと汗でシャツは既にびしょ濡れ。

そこにまた雨が降ってきた。

強くなってきたのでブナの木の下で雨宿り。

濃いガスに包まれ、気分が滅入る。

岩壁のトラバースでガスを抜ける。

緑一色のブナ林 鬼ヶ面山の登りで

背後に青海黒姫山が見え、雨は止んだ。

巧みにトラバースして小沢を渡った先で展望台となったところに着く。

雨飾山の山頂部のみガスが掛かっている。

全体的に曇天に覆われ、重苦しい雰囲気。

駒ヶ岳山頂に2時間半で辿り着く。

海川側が開け、案外展望が利く。焼山も見えている。

すると日差しが照り出し、上空は青空だ。

阿彌陀山

湿度が高いうえに日差しが注ぎ、非常に蒸し暑い。

この駒ヶ岳へは以前三峡から登り、今回の道で下山した。

新雪が30cm程積もっていたが、そのときは展望が無かった。

30分日差しが続き、汗が引かない。

暑いけど、このまま晴れてくれ?。

 

駒ヶ岳から鬼ヶ面山の南のピークまで

鬼ヶ面山(南から)

山頂を出発すると日差しがなくなる。道は明瞭だ。

80m程急に下って鞍部から登り返し。

1,498m峰から少し下ると、前方に鬼ヶ面山が見える。

ここから見る限りあまり険しそうには見えない。

地形図に両側が崖マークで囲まれたところに来た。

さて、この下りは短いが一気下る。

稜線を右下に戻るようにルートが岩のバンドに付けられている。

鬼ヶ面山の下りから鋸岳

出だしは針葉樹の枯れた幹を潜る。

鎖、ロープを頼りに岩壁の棚を急下降でトラバース。

トラバースの切り返し点の下降は足場が少し離れ、力が要る。

左に折れて、巻いていくと鎖、ロープは終わり、尾根で普通の道に戻る。

鞍部から緩い登りで、一部痩せた急な登りになり標高差50m程登って

また緩やかに。このあたりブナの大木があって緑が鮮やか。

しかし、ここで急に風が出て、強くなる。

残雪脇のシラネアオイ

大粒の雨と共にガスに包まれ、天気が急変。

慌てて雨具を着て木の下でしばらく様子を見る。

この天気が続いたらやっぱり山を降りようかと思うようになる。

待っていても仕方ないので風雨とガスの中、進む。

鬼ヶ面山は登らず、標高1,490m辺りより西側にトラバースする。

結構急斜面だが道はしっかりしている。

鬼ヶ面山の南の鞍部に出て、少し先で道が分かれる。

鋸岳への梯子場

ちょっとした広場になっている。

真っ直ぐ行く道は南のピークに上がる。

荷を置き、ピークに立つと雨が止み、ガスが取れて視界が広がった。

風も収まり、前方に鋸岳が見える。

 

 

鬼ヶ面山の南のピークから鋸岳へ

高度感ある梯子の登り

少し展望を楽しみ、分岐に戻って下降する。

細い岩がにょきっと立った横を過ぎ、さらに下る。

左手、海川側の展望が開けてきて、海川以東の荒々しい山々が見渡せる。

阿彌陀山や鉢山が渋い!両山の間から鉾ヶ岳が見える。

緩く歩き易い道になって、ひとつコブを越えると、尾根が広くなる。

残雪がところどころ現れ、どこに踏み跡が続いているか注意深く進む。

残雪脇にシラネアオイが咲き、綺麗。

梯子を登った先から鬼ヶ面山を振り返る

やがて海川への分岐に着いた。

海川への道もはっきりしていそうだ。

分岐はあっさり通過し、鋸岳への登りに転じる。

地形図の1,458m標高点通過して広い尾根がだんだん狭くなってくる。

やがて西側にトラバースが始まる。

しばらくで、ロープの張られたところに出た。

進行左手は高い壁で、ロープはやや登り気味で張られている。

阿彌陀山、鉢山とその間から遠く鉾ヶ岳を望む

よく見ると、その先の樹林越しに長い梯子が見える。

梯子の末端は今の位置より低くなっている。

そこの達するルートが今の位置の真下にありそうなので少し道を戻る。

すると、やはり下に降りる踏み跡があった。

鬼ヶ面山から進んできると、真っ直ぐ行くルートに入るので注意が必要だ。

おそらくこのルートの方が難しそう。

一段下に下り、トラバースすると梯子末端に向けロープが張ってある。

鋸岳の下りで白いホタルブクロが一輪咲いていた

雨で滑りやすい岩場をロープに余り力を入れずバランスを取りながら梯子の末端へ。

あとはしっかりした梯子を上って痩せ尾根へ。

登ったところは西側から風が吹きつけて涼しい。しばらく休憩。

背後は尖った岩場で、左横に鬼ヶ面山がよく見える。

雨飾山荘の赤い屋根も緑一色の中に映えている。

さてここからはしばらく急な登りが続く。ところどころロープがある。

急な登りが終わると、まだ鋸岳まで長そう。

大曲への登りから鬼ヶ面山と鋸岳を振り返る

だらだらと展望を楽しみながら進むと山頂手前で雨飾方面の分岐へ。

分岐からほんの僅かで右に回りこむようにして山頂へ。

山頂は360度の展望。

すぐ先は絶壁になっていて、海川源流部が見える。

惜しいが金山、焼山は山頂部がガスで見えない。色も冴えない。

雨飾山はやはり頭だけ見せてくれない。

 

鋸岳から雨飾温泉分岐へ

駒ヶ岳、鬼ヶ面山、鋸岳の稜線

分岐から急な火山性の岩場を下る。ロープがあり、足場は安定している。

岩場を降りたあとのザレは不安定で降りるのに時間が掛かる。

白のホタルブクロが一輪だけ咲いている。

樹林の中に入り、単調に下って行くと、雨飾温泉への分岐の広場に出た。

道標は熊に齧られ、どの面も縦に筋が入っている。

結構疲れているのでここでテントを張りたいところ。

しかし雨はあがり、ガスも少なくなったので、予定通り進むことにする。

大曲から金山、焼山方面

急登に備えてしっかり休憩する。

ここまでで衣類は下着までびしょ濡れ。

靴の中も完全に濡れて不快指数は限りなく100%に近い。

いつしか風が無くなって蒸し風呂状態だ。

 

雨飾温泉分岐から大曲へ

ブナ林の中、登りがしばらく続く。

今宵の宿

?長い登りでゆっくり息を整え登る。

最近刈り払いされたようで、藪に触れずにまずまず歩き易い。

途中急なところは梯子があり、背後に辿ってきた山並みが見える。

標高1,470mあたりで北東からの尾根に乗る。ここからシゲクラ尾根が見える。

沢筋には残雪が多く残り、今年の中部地方の沢登りシーズンは遅そうだ。

幾分緩くなった尾根道を辿り、雨飾山の広い尾根が迫ってきた。

しかし、相変わらず山頂部はガスで見えないのが残念だ。

振り返ると、駒ヶ岳、鬼ヶ面山、鋸岳のガスを纏った連峰の姿が重なり美しい。

青海黒姫山の夕日

雨飾山へはこのまま尾根通しではなく、シゲクラ尾根を標高差50mほど下る。

やがて右に沿う沢に出るとそこが大曲で、金山からの縦走路もここで出会う。

大曲につく頃、金山や焼山、天狗原山がガスから抜け頭を見せ出した。

シナノキンバイ咲く沢のほとりにテントを張って今宵の宿とする。

今日の天気はめまぐるしく変わった。

晴れ、雨、ガス、雷、強風、無風・・・・・山を感じる!

夜は曇り空で、気温が下がらず暖かい。

夜中3時頃目覚めると、天の川と三日月の共演だ。

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【行程3日目】 行動時間 4時間05 天気 晴れ

大曲5:35?6:25分岐6:30?6:50雨飾山7:20?9:40雨飾温泉

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大曲から雨飾山へ

1本の木と鋸岳方面

いい天気で朝を迎えたが、なんと雨飾山への尾根だけがガスっている。

今日の道は前回焼山からの縦走で一度通っているので分っている。

道端の植物を掻き分けてすぐに乾いた服が濡れる。

刈り払いは無く、草を捲っては足元を確認して進むのであまり捗らない。

視界は昨日と違い、遠く、能登半島や佐渡島まで見渡せ爽快だ。

雨飾山のガスが消えてきた。

急な登りを終え、小谷側からの道へ合流。

青空に映える

立派になった道を緩やかに辿る。

雨飾温泉への分岐で荷物を置く。

ここから空身で山頂へ往復。

笹平からは日本海がよく見える。

山頂にはまだ誰もいない。

山頂は風があって涼しく快適。

いつしかガスも晴れた。

鬼ヶ面山と日本海

しばし北アルプスの山々の展望を楽しむ。

今年のアルプスは残雪が多く残っている。

7時過ぎ登山者が現れた。

小谷側から2時間半できたそうだ。早い。

 

雨飾山から雨飾温泉に下山

分岐で荷を担ぎ、急な道を下りる。

山頂が見えた

風が当たらず暑い。

次第に雨飾温泉からの登山者とすれ違うようになる。

さすが人気の百名山だ。

気温が上がってきてペースが落ちる。

途中3回ほど休憩して長く感じる尾根を雨飾温泉へ降りた。

?20年程前、まだ車道が無い時代、一泊して雨飾山に登った懐かしい温泉だ。

 

下山後

雨飾山

真っ先にテント場に引いた水を体に浴びる。冷たくて爽快。

濡れた衣類や靴などを干してから温泉へ

温泉はみんな登山に出かけてしまった時間帯なので空いている。

内湯に入るがすごく熱い。我慢して汗を流す。

そして露天風呂の「都忘れの湯」へ

こちらは温めで快適。

温泉からは鬼ヶ面山から鋸にかけて間近に望まれてしばらく見る。

夏色の鬼ヶ面山、鋸岳

長い梯子のかかっている個所も良く分かる。

ここで上越市から来た方と山や旅の話で盛り上がる。

糸魚川駅まで行くことを知ると「車に乗って行け」と!

親切にも駅まで送っていただけることになった。

その車は格好いい真っ赤なオープンカー。

全国あちらこちらこの車で旅しているとのこと。

オープンカーから見る景色は実にいいものだ。

雨飾温泉で汗を流す

いろいろお話して楽しく駅まで過ごさせてもらった。

糸魚川駅で爽やかに別れる。

いつも、「旅での出会いっていいな」と感じ入るひと時!

絶妙のタイミングで金沢方面の列車が来る。

その後の接続もよく、広島までの帰路に着いた。

 

今回で妙高?火打?焼?雨飾?駒ヶ岳と主稜を通しで歩いたことになる。

また沢登りや道の無い尾根など、頸城の山々に来よう。