南紀 大塔川高山谷
2013年 7月 16日 | ジャンル, 地域, 沢登り, 紀伊半島?
南紀 大塔川高山谷
2013年6月29?30日
F澤(L,文) H井 I村
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大塔川には黒蔵谷と高山谷という関西を代表する2本の谷がある。高山谷は9年前に、黒蔵谷には9年前と7年前に行っているが、久しぶりに訪れてみた。?
6月29日
5時起床するが、深夜よりしっかり雨が降っていた。雨はやまず、7時前に見切り発車した。水は多く白っぽいがこの谷ではこれが当たり前なのだろう。
?鮎返しの滝は左から巻くが、巻き道が悪くなっている。バンドが崩れており、ブッシュも抜けているように思う。以前はほとんど歩くだけの道だったのに、今やメンバー構成によってはロープも欲しくなる。
? 8時50分、泳ぎまくった末に出谷出合へ。ここまで鮎返しの滝以外に問題になる所はない。ようやく雨がやんできた。
10時前、これまた泳ぎまくった末に高山谷出合直前の左側アンダーガバの滝。取りついてホールドを確認するまでこの滝であることを思い出せなかった。泊まり装備を担いだままでは登れないが、軽装なら楽しく登れることは分かっている。今回はスピード重視のため、またライフジャケットがないので戻って巻く。巻き道は一見高く見えるが、見た目より低くこちらの方が断然速い。
10時45分、高山谷出合へ。この頃には日が差していた。
少々泳いだ後、八丁涸鹿を過ぎてまたゴルジュを迎える。右屈曲点の7mほどの滝は右から大きく巻いて汚いルンゼに30mロープいっぱいの懸垂で降りる。この滝は鮎返し滝に次ぐ高さがあり、かつてはこの谷の核心部だったが、今は巻き道が悪くなった鮎返し滝の方が難しくなっている。
14時30分、地形図の点線の交差する左岸支流出合で幕営。薪は芯まで湿っていたが、おかげで火持ちがよく、就寝中メンテナンス1回だけで朝まで燃え続けた。
6月30日
キャンプ地で遡行を打ち切り、往路を下る。出発はかなり遅く9時ごろだったか?
?高山谷出合までは飛んで泳ぐだけなので、登りの半分以下の時間で下れる。ここから下はルート選定ミスもあり、2回の懸垂を行なったため、少々時間を要した。
この谷は遡っても面白いが、下りはもっと楽しい。13:45ごろ林道に上がる。
? とにかく楽しい沢である。それだけに特化するならここ以上の沢を思いつかない。
ただし鮎返し滝の巻き道が悪くなっているのが気になった。昔は簡単に往復できた場所だが、今は直登した方が安全かもしれない。中級へのステップアップに最適の沢だったが、少々敷居が高くなった。
ここを巻いて下降している最中に危険なルート取りをしてしまったのは反省材料のひとつである。
下降中に寒気を感じたので、お茶を沸かして温まったのはよかった。
他で気になったのは、フェルト靴とゴム靴による得手不得手である。トップが全く問題ないと思った場所に後続がてこずる場面もあれば、その逆もあった。今のところ対策を思いつかない。セカンドが正直に怖いと言う他ないだろうか?
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H井の感想
体的に泳ぎが多く、筋肉痛になりました。帰りはこれでもかと言うくらい、飛び込みを繰り返し楽しかったです。
?水が豊富でときどき日が差すとエメラルドグリーンできれいでした。しかし水質はもう一つで、ところどころ作業小屋があったりしてなまぐさい淀みもあったりしました。
?ピストンの沢登りをそれほど経験していないので、意識していなかったのですが行きに帰りの降り方をイメージしておくのがよいと言うことを学習しました。例えばこの滝は飛び込んでも大丈夫とか、この巻き道は帰りはもっといやらしいとか。帰りは尾根を降るコースとは違う意識で登るとよいと思いました。
?イモリ、ハヤ、カエル、カゲロウ、カワゲラなど生き物が豊富で楽しめました。
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I村の感想
思い出しても面白い沢登りでした。急斜面に生える木の根っこから根っこへ掴んで渡っての高巻きから、要所要所での懸垂下降、険しいゴルジュの流れに逆らってのヘツリ、思わず出てしまう叫び声に自分自身驚きながらの滝壺へのダイブ。もうすっかり童心に返れました。
行き帰りの道中も面白い話が聞けて、遠い道のりもあっという間でした。
次は黒蔵谷にも行ってみたいです。鮎返しの滝は直登やりましょう。