スキー縦走@大日岳~芦倉山(石徹白)
2016年 2月 16日 | 奥越・奥美濃・白山, 積雪期縦走山行名:スキー縦走@大日岳~芦倉山(石徹白)
日時:2016年02月10(水)夜発 ~ 02月12日(金)
メンバー:T柳
ルート概要
2月10日 12:00京都~3:30高鷲IC付近コンビニ
2月11日 7:30コンビニ~8:15 ウイングヒルズ白鳥~9:30ゴンドラ終点~10:30水後山~11:40鎌ヶ峰~12:50大日ヶ岳~14:00天狗山14:30宿泊地泊
2月12日 6:30宿泊地~7:30コル~8:50芦倉山~11:10林道合流~12:10白山神社 バスでウィングヒルズへ
今回は飛び石連休を埋めて、石徹白のあたりへ。
本当はもう少し長く歩くつもりだったが、週末の天気が悪く、今回のルートへ。
実は冬山一泊二日の単独ははじめて。天気やルート的には問題無いが、一つミスだけでも(忘れものとか)致命的になのでいつもと違った緊張感が漂う。
11日 ド圏内 最高の1日
朝起きると雲一つない快晴。やったね。
朝ごはん食べたりモタモタしていたら、ウィングヒルズについたのが8時半前。
リフト券行列に巻き込まれ、結局ゴンドラ終点についたのは9時半過ぎ・・・
賑わうスキー場を横目に、尾根を登っていく。
がっつり雪が積もっていて素晴らしい!先行するアニマルトレースを辿っていくと、ほどなく人のトレースも見つかった。
それにしても暑い!ヤッケを脱ぎ、オーバーズボンのベンチレーターは全開、袖を捲って丁度いい。結局テント場までこのスタイルだった。
ウィングヒルズ白鳥からアプローチすると2つ小ピークを越えなければならない。
まず一つ目は水後山。スキー場からひと登りするとさっそく見えてくる。
いいかんじで尾根が続いていて目指すのが楽しい。すでに右手には御嶽山がよく見える。3日前に霊仙で見たばかりだが、今度は大分近づいた。
1時間ほど歩いて木々がまばらになったピークへたどり着く。
大日ヶ岳まで続く稜線の東斜面は急なためか真っ白になっていて素晴らしい。
そして左手には白くて大きい白山が。知床の山に少し似ていてノスタルジーを感じる。
続く鎌ヶ岳への稜線の右手には50cm~2mほどの雪庇が出てるので注意が必要。
コルの岩の巻きで一瞬スキーを外す。ズボズボはまって尾根上の復帰が大変だった。
鎌ヶ岳の上に出ると東斜面がスパっと落ちていて迫力がある。その急斜面にシカトレースがついていてびっくり。
名古屋から来たという人と少し歓談して先を目指す。
振り返った鎌ヶ岳はなかなかの迫力だ。
大日ヶ岳までも100mくらい降ろしてからの登り返し。
なかなか歩き応えのあるルートといえるだろう。結局、この日このルートで出会ったのは2人。奇しくも3人の単独行がいた事になる。高鷲からより、静かでいいかもしれない。微妙に硬い雪のところもあったのでシーアイゼンを付けて進んでいく。
そんなこんなでえっちらおっちら登ってようやく大日ヶ岳のピークへ。
ここまで登ってようやく御嶽山、乗鞍の北に広がる北アルプスが望める。
槍穂はもちろん、黒部五郎岳から薬師まで丸見え。ピラミタルで一際目を引くのは劔だ。
中央アルプスも丸見え。野伏から銚子ヶ峰といった石徹白の山々、その後ろにどっしりと構える白山、荒島岳、能郷白山はては伊吹までパーフェクトな眺望。野伏の向こう側には日本海まで見える。本当に最高だ。
思い思いに山座同定をして写真をとってのんびりする。
存分にピークを満喫して、先を目指す。
ピークからしばらくは、BCスキーやのシュプールがこれでもかというくらいついていたが、ほどなく見られなくなり、あるのはアニマルトレースだけ。
白山をバックに白い稜線を進んでいく。右手を見れば北アルプス。本当に気持ちがいいが、雪が腐ってきてスキーが下駄になりなかなか足が重たい。
白い稜線上にはいくつか小ピークがあるが、天狗岳はさすが名がつくだけあってキリッとしている。
太陽のもと白く輝く天狗岳へほどなくたどり着き。まだまだ続く稜線。
今日は、芦倉山の手前のコルで宿泊する予定だったが、こんなに景色がいいのにわざわざ樹林内に下りてしまうのももったいないので、天狗岳から少し進んだところを宿泊地。
時刻にして2時半過ぎ。このままテントを張ると暇なことこの上ないので、久々にイグルー作りに挑戦。
今回導入したゴム太郎(ノコギリ)を駆使してブロックを切り出しつつ、底を広げる形で掘り進む。
1人だったり、硬い雪の層があったりと少し苦戦したが、後半は効率よくブロックを切り出し、なんとか2時間位で完成させることができた。
かれこれ2年位作っていなかったのでいい勘戻しができた。
気が付けば、周りは夕焼けモード。
野伏の向こう側に太陽が沈みゆくなか、白山が淡いオレンジに染まっていく。遠くの北アルプスも同様。
自分以外は周りにだれもおらず、風もなく耳鳴りがするくらい静か。なんか1人で山に来たことを改めて実感し、得も言えない気持ちになった。少し寒さもあったが、夕陽が沈みきるまで眺めてしまった。
その後はイグルーに転がり込み、晩ごはん。
今回は1人ということでレトルト。美味しいが、ことご飯に限っては1人で食べるのは寂しい。
ちょろっと持ってきていた酒を飲みつつラジオを聞きながら、シュラフに潜り込み、眠りに落ちていった。
12日 ガスガスと悶絶スキー
4時起床。棒ラーメンを2人分を平らげて、トイレがてら外にでると白山が見えている。
今日もいい感じでいけるかと思いながらパッキングして再び外に出ると今度はガスガス。あれま・・・。
準備をしていると、周りのガスが飛んで赤く染まる空と芦倉山、白山の頭が見えるがこれも一瞬。
1500mから上はガスの中。最後まで取れることはなかった。
気を取り直して出発。のっぺりとした地形が多いので、コルに下ろす尾根を間違えないよう慎重に地図読みしていく。
コルの標高は1350m、芦倉山が1716mなので、標高差自体は昨日と変わりない。
今日は天気も悪いし寒かろうと思い、帽子、首あったか、アウター手袋とフルで出発したが、上りの途中で汗だく。帽子、首あったかはしまいこみ、インナー手袋のみで登っていく。
芦倉山の登りはいいペースでガンガン登るが、いかんせん視界がないので修行感が強い。
あっという間にガスの中に入っていく。大日ヶ岳と標高は変わらないはずなのに、樹林の感じが違うのは不思議だ。芦倉山は頂上直下までがっつり木が生えている。
最後のひと登りはまっ白で斜度も分からないくらい。
しかし、ピークにたどり着くと向こう側には木が生えていた。
何にもないピークだが、今回の山行の最高点。ここから近づいた白山や銚子ヶ峰などを見たかったので残念だ。
さぁ、あとは下るだけとシールを外して、ここからも慎重に地図で現在地を確認して南東尾根を下ろしていく。
が、ここから大変。ガリガリと湿雪がランダム出現する細めの尾根でスキーが思ったように進まない。
滑ったと思ったら引っかかり、引っかかると思ってたら急に滑り出し完全に悶絶スキー。
もう途中で面倒くさくなって、斜度があるところはツボにして下ろしていく。2時間ほどかかって下の林道に出る。
林道に出てからはそんなにラッセルもなく、川沿いにでてからはトレースを使ってのジェットスキー。ここまで苦しめられただけに気持ちのいいくらい進む。
途中、微沢が横切るところが開いていたりするところを慎重にかわしていく。
林道を終え車道にでてからが、雪もとぎれとぎれ。なんとか繋いでいって上在所の集落へたどり着く。
なかなかの消耗っぷりだが、1人でここまで歩いてこれた充実感は気持ちいいものだ。
バスまで1時間ほど時間があったので、白山中居神社に、無事山行を遂行できたお礼参りをする。
ほどなくバスがやってきて、愛車の待つスキー場へ帰還。スキー場付近では小雨がふっていた。
昨年、野伏ヶ岳に行ってからまた訪れてみたいと思っていた山域をスキーをがっつり使って歩くことができ、イグルーの復習もできて盛り沢山で満足行く山行となった。