冬期アルパイン@北アルプス 明神岳東稜
2018年 4月 26日 | トップ画像, 北アルプス, 積雪期岩登り冬期アルパイン@北アルプス 明神岳東稜日 時:2018年4月20日(金)夜発~4月22日(日)
メンバー: H岡 I村 Sモア
07:00上高地-08:02明神橋-11:35ひょうたん池-12:30 第一階段13:45-16:00らくだのコルC1
05:05C1-05:40バットレス06:20-06:40明神岳06:50-07:33奥明神沢のコル-09:15岳沢小屋09:39-11:06岳沢湿原・岳沢登山口-11:31上高地バスターミナル
多忙だった年度末明けを越えて久々の泊まりの山。
鈍りきった身体に不安を覚えながらアルパインルートとして名高い明神岳東稜を目指す。
穂高の当たりに足を踏み入れるのは実は初めてだ。
21日 気合の1200m標高上げ
ひるがのSAで仮眠してあかんだな駐車場へ。
適当に準備して6時20分発のバスに乗り込んで7時に上高地へ。
バスに乗っていた数組のみでとても静かな上高地。
休憩した明神館にsamoaがサングラスのレンズを落とすトラブルもありつつ、明神橋を渡り養魚場だった信州大学の山岳研究施設を横目に標高を上げていく。
ガレ沢を登っていくのだが、うまく踏跡を見つけられなかったりして、足場の悪い中を登ることもしばしば。
重荷のせいか、体力不足か足を取られたりすることが多く思ったよりも消耗する。
土中から雪代をトラバース気味に登っていき、途中でアイゼンを装着したりして東稜にのる。
ひょうたん池は埋まっていて全く分からず。
振り返れば遠くには八ヶ岳、中ア、南アさらには富士山が見える。
去年登った霞沢岳もなかなか大きい。
東稜に乗ってしばらくはなだらか尾根が続くが、2500mくらいで段差にぶち当たる。
先行パーティーがザイルを出して進んでいる。どうやら第一階段のようだ。
真尾根上に岩峰があり、それをどう巻き上がるかという感じ。
灌木混じりの草付きを10mほど登って岩峰を右から周り込む。
尾根上に復帰する5mくらいが急な雪の斜面となっており、斜面に入るところが少し嫌らしいのでここから2ピッチザイルを出す。
尾根上に乗ってからは急な雪稜で上部で岩の段差を越える感じ。
雪がグズグズだったりクラックが入っていて面倒だったり嫌らしかったり。
確保支点はブッシュで取れる。
その先も急な雪稜が続き、2750m付近で緩くなりようやく一息つける。この辺りはテントも張れる。
ここまでコンタ上げとズボスボ雪で大分消耗しているが、もうひと踏ん張りして小ピーク先を越え、予定テンバのらくだのコルを目指す。
相変わらずのズボスボの雪稜を黙々と登っていき小ピークを越えるとらくだのコルの先に明神の本峰が迎えてくれる。
コルから登ってぶち当たる岩壁がバットレスだろうか。
コルはそこそこ広く4,5テンでも4張りくらいいけそう。
今日は風も吹かないだろうということでブロックは積まず。
他には5人パーティーと2人パーティーがテントとツェルトを設営していた。
東稜なので日は早々に陰り、夕陽を楽しむことはできないが、寒くなく快適。
常念岳がよく見えるが、歩いたことの無い山域は全然山座同定できない。
晩御飯はI村さん作のペンネ入りシチュー。軽量化メニューだがとても美味。
適当につまみを頬張りつつ、こう暑いと沢に行きたいとか夏の山行の話で盛り上がる。
21日 バットレスを越え穂高に最接近
予定通り3時起き。
朝御飯はいつもの棒ラーメンだが4人前でいつもよりお腹が膨れる。
朝焼けの中、撤収をして常念岳の向こうから朝陽が昇ってきたのを見て、朝陽に染まるバットレス目指して出発する。雨具を着て動き始めたがすでに暑い。
テンバからすぐの小岩峰はルンゼ地形から草付きを登りサクッと通過。
朝陽を背に雪稜を進むといよいよバットレス。
基部に雪がベッタリ着いていて正味、登はん部分は15mほどだろうか。
雪の切れ目から顔を出していた残置ハーケンでセルフを取って、I村さんリードで登はん開始。
安定の登はんで上へ、後続は中間と末端にエイトノットを作りセカンド確保で登はん。
ルートはフェースの真ん中に入ったクラック。
残置ハーケンは豊富にあり、中間支点は取れるが、後半部がスタンスが乏しい。
残置ロープやスリングに頼れば登れるが使わなければ4級-くらいだろうか。
1番くらいのカムも使えるかもしれない。
そんなこんなで核心を突破したあとはピーク目指して急な雪田を登るのみ。稜線に飛び出すと前穂、奥穂がどーんと迎えてくれる。ここまで穂高に近づいたのは初めてだ。
後ろには乗鞍や御嶽、遠くにはやっぱり白い白山も見える。
東稜も見下ろすことができて爽快。
しばし休憩して下り始める。
奥明神谷のコルまでは尾根上は岩稜になっているで巻き気味に下ろしていく。
コルに降りる直前40mが急なので残置スリングを支点に懸垂下降。
奥明神谷はそこそこ急。雪が固かったら長い距離をバックステップすることになりそう。
今回は適度な締まり具合で快適に下ろしていく。ただ距離が長いので太ももに堪える、
下から何組スキーヤーも登ってきた。下部はちょいちょいデブリ跡もあった。
ダケ沢小屋で大休止。奥穂高に抱かれ乗鞍を望める最高の立地。ちょうど小屋明けをしているところだ。
日向ぼっこが最高に心地よい。
あとは上高地目指して下るのみ。しばらくは雪を繋いでいき、後半は樹林内の登山道へ。
上高地が早い段階から見えていたのですぐ着くかと思いきや以外と長い。
暑さに小言を漏らしながら下っていき。観光客でにぎわういつもの上高地に降りてきた。
穂高をバックに写真を撮り、バスに乗り込んで駐車場まで。ひらゆの森で汗を流してお腹を満たし帰路についた。