縦走@頸城・焼山?雨飾山
2009年 7月 11日 | 無雪期縦走, 関東甲信越, 頸城豪雪地帯である頸城連山の西半分を縦走する計画だ。
焼山は活火山で本州中部では火山の直ぐ側まで行ける場所は少なく、貴重な場所だ。
もっとも最近まで登山禁止だっただけに登山道はどうなっているのだろうか?
雨飾温泉まで車で行き、ここを起点に周回する計画とした。
【行程1日目】行動時間 10時間35分 天気 晴れ時々曇り
妙高小谷林道駐車地(大海川の橋)6:00?6:50金山登山口7:05?10:25天狗原山10:35?11:10金山11:50?12:40富士見峠12:50?笹倉温泉分岐13:05?泊岩13:15?14:10 焼山14:30?16:35金山
大海川の橋から金山
大海川に架かる橋の西に車を留めスタート。
林道を1時間ほど歩いて金山登山口へ。
登りで結構汗が出たので朝御飯を兼ねて長めに休憩する。
ここからはブナ林の中の幅広い登山道を登って行く。
尾根の芯を越えて傾斜が落ち着くと、水場の広場に到着。
ここでもゆっくり休憩する。
広くてあまり尾根らしくない道で、どんどん高度を稼ぐ。
ブナタテ尾根という名前の通り立派なブナの木が多く、緑のシャワーが心地良い。
今が盛りのシラネアオイやキヌガサソウが大きな群落を作っている。
だんだん木が低くなり、下草も多くなってきて笹と針葉樹が主体となってくる。
残雪が現れ、その周りにはピンクのハクサンコザクラが満開だ。
地蔵様が祭られている天狗原山に着く。
広くてあまり山頂らしくないが明るい山頂は花が多くいい感じである。
ただ、雲が多くなってきて遠くの山並みは見えないのが少し残念。
天狗原山を過ぎると、道は尾根の東側進むようになる。
やがて残雪を渡る個所が出てきて、少し傾斜があるので慎重にステップを切って歩く。
踏跡が無いところをみるとここ1?2日は登山者が来ていないようだ。
2,3残雪を渡って明るい尾根を緩やかに上り詰めると金山山頂に着いた。
雲が多いがなんとか焼山や影火打が見えているが色は冴えない。
火打山や妙高山は雲で見えない。
今宵を過ごす場所を探すが山頂はいまひとつ。
ほんの少し戻ったところに池があり、その脇にテントを張った。
池を汚さないように道寄りに張る。
金山から焼山へ往復
さて、時刻は12時前だ。
この天気なら焼山まで往復するのに問題ない。
軽装で出発する。
登山地図ではこれから先県境稜線はササヤブとなっている。
しかし道は良く刈り払いされていて、ネマガリタケの切り株が邪魔するが藪は全く無く快適。
下るにつれニッコウキスゲの花がたくさん咲いていて斜面を黄色に染めている。
さらに下ると、シモツケソウやハクサンチドリ、フウロ、シラネアオイなど、色とりどりの草花が登山道を覆い隠す道となった。
多少花を踏んで歩くしかなく、高山植物を荒らしているような気分になってきた。
ところが道に被る高山植物がたくさん刈り払いされていて、切られたいろいろな花が無造作に道に重なっている。
富士見峠の手前で道を整備している小屋の関係者の方と出会う。
道の整備のため最小限切られているので問題ないが、なんとも初めての体験だ。
持って帰って飾れば豪華な生け花になるところだが!
裏金山は北に巻き進みその先尾根を下ると富士見峠。
見晴らしの良い明るい峠だ。
ここで左に曲がり、残雪の残る緩やかで複雑な地形の中を、道に被る草や枝を掻き分けて進む。
右に回りこんで沢を少し下ると笹倉との分岐。道標がある。
ここでは右に回って1段上がって左に旋回すると泊岩に着く。
自然の岩を利用した小屋だ。
中は暗く、湿っぽい。
このあたりから火山らしい溶岩台地に細い木が生えた登りになる。
複雑に進路の方向が変り、道は通りやすい場所に迂回するため溝状やトラバースになどを繰り返し変化がある。
やがて潅木になり、さらに砂地に出ると、ザラザラの登りになり一気に高度を稼ぐ。
振り返ると、金山や雨飾山方面が望まれ、高山帯の様相になる。
急に平坦となると荒々しい岩石が高みに見え出し、大きな礫の急登を僅かで火口湖の縁に達する。
まだ少し残雪が残り、火山らしい地形が面白い。
ロープのある岩場を上り、ひとつコブを越えて砂地を登り焼山山頂へ。
山頂の先では噴煙があがっている。
正面には火打山や妙高連山が見渡せる。
風があるので涼しい。
火山特有の面白い地形は見ていて飽きない。
来た道を忠実に戻り、金山へ2時間あまり着いた。
今日は登山者とは出会わなかった静かな山となった。
が・・・・・実は夜が大変だった。
池のカエルが一晩中大合唱を繰り返す。
とうとうY本さんから睡眠薬をもらう破目となった。
寝かせてくれよ?!
しかしこんな経験は初めてだったので新鮮だ。
夕餉はY本さん手製のご飯、水が少なくてもいけるようにうまく工夫されている。
もちろん美味しい。
【行程2日目】行動時間 7時間00分 天気 曇り時々晴れ 午後一時雨
金山5:50?8:15大曲り8:25?9:15雨飾山9:30?11:50雨飾高原キャンプ場(登山口)12:00?12:50駐車地
金山から雨飾山
カエルの合唱で睡眠不足の朝は曇り空で迎えた。
しっかりした道を、正面に雨飾山を望みながら下る。
戸隠山や北アルプス後立山連峰も色はいまひとつだが見えている。
深い緑の中を緩く長く下っていく。
鞍部に近づくほど変化が少なく坦々と歩く。
シゲクラ尾根という名だ。
その茂倉峰はあっさり越え、続く白倉峰や黒沢峰も通過。
登りを頑張って左直ぐ下に斜面を短くトラバースすると流れに出た。
大曲りの水場だ。
ここからいつか鋸岳に縦走したいものだ。
水を飲んで、お菓子休憩。
ここからやや草の被る道でさらに高度を稼ぐ。
笹平の手前のコブで雨飾温泉への登山道に出た。
途端に登山者の姿が多く見られ、その中に混じって雨飾山頂へ。
私にとっては2回目の山頂だ。
雲が多めながら360度展望が利いた。
雨飾山から雨飾温泉へ下山
15分ほど山頂で憩い、下山。
笹平から急な道を下る。途中大勢の登山者を追い越し、荒菅沢の水で体を冷やし、登山口の駐車場へ。
殆どの登山者は車で来ているようだ。
ここからはアスファルト舗装された車道を雨飾温泉まで歩く。
雨がザーと降ったが止み間もあり、雨具は着ない。
分岐点でY本さんに待ってもらい、車まで空荷で往復。
すぐ側の露天風呂で汗を流して帰京した。