大峰 芦廼瀬川本流

2009年 8月 7日 | 沢登り, 紀伊半島

昨年7月に企画したが足首を怪我してしまい延期となった芦廼瀬川へ行ってきた。あっつい真夏に遡行したいと思いこの日程にした。日帰りでも可能と判っていたが、ゆっくりと沢中泊することにした。

8/7 京都22:00→上北山道の駅2:30→仮眠
下北山から国道425号線に入って白谷トンネルを抜けて遡行終了点にチャリをデポする為に、169号線を南下することにした。途中の上北山道の駅で仮眠。暑くてシュラフ無しでもよかった。

8/8 起床5:00→出発6:00→自転車デポ9:00→七泰のダム→出発10:10→七泰の滝10:20→槇滝10:40→百間?→下竜宮谷13:00→上竜宮谷13:30→核心8m滝14:30→枝谷20m16:10→トビワタリ谷→ビシャコ淵→ザレ谷手前550地点泊地18:00→就寝21:30
1時間で用意を済ませて6時に出発。順調よく進むと嫌な看板を目にした「土砂崩れで通行止め」。白谷トンネルから奥に進むことが出来ず引き返すことになった。(土砂崩れの看板が425号線に入ってすぐあったのに3人とも気づいてなかった)が?ん。十津川へ早くぬけれるルートを検討し、169号線をさらに南下して東野トンネルを抜けてすぐの葛川沿いに北に進み十津川へ向かった。425号線は所々で工事をしていたが、無事チャリをデポすることが出来た。ここれにより2時間ほどロスし、七泰のダムを出発できたのが10時だった。お天気はとても良くて沢日和、早く沢に浸かりたいと思いながら出発した。右岸沿いの踏み跡をたどり入渓した。空は青く、岩は白くて水はエメラルド色に輝き、素晴らしい景観に歓声があがった。この先にある滝・ゴルジュ・ナメに気持ちがたかぶった。すぐに七泰の滝に出合う。勢いよく釜に流れ込む滝、釜は黒くて少し不気味である。ここは右岸から踏み跡沿いに越えた。鉄杭が数箇所うってあり、有名な谷だけあって人臭さ満載である。そしてすぐに槇滝が見えた。この滝も記録どおり右岸の斜面から木を頼りに登りバンドにあがった。この斜面の登りは傾斜がきつく少し緊張させられた。頼りない細いスリングがたれていた。バンドはしっかりとした踏み跡で槇滝上のネジ滝も併せて巻いた。谷に戻るとゴーロが続き、泳いだり、へつったり、渡渉したり、ボルダーを楽しんだりと、沢遊びを楽しんだ。4m滝は釜を泳いで正面から突破しようとK阪君がトライするが難しく右側のルンゼから巻いた。残スリングがあった。2段10mの枝谷がキラキラと輝きながら流れおちるのに見とれ、小滝を越えて狭い廊下を泳いだ。ちょうど下竜宮谷の出合いで、休憩をとった。下竜宮谷を過ぎると焼?の淵に出合う。長い廊下でゆったりと流れる中をひたすら泳ぐ。途中、上竜宮谷が右岸から出合い、淵出口の5mの滝を前の釜を泳いで滝左側から登って越えた。ザイルをだしたが、だすほどでもなかった。滝を越えると少し穏やかになり川幅いっぱいのナメがひろがる。次なる大きな釜をもった滝は右岸から左岸に泳いで渡り、滝横の壁まで左岸沿いに泳いで壁の右側斜面から越えた。次に深い釜があらわれる。せっかくなので、三者三様で飛び込んで遊ぶ。次に谷核心の8m滝があらわれた。S木君リードでザイルをはってくれることに。釜を左岸沿いに泳いで滝手前のおにぎりの形をした岩に取り付く。クラック沿いにハーケンがうってあるらしくスリングをかけて鐙にして滑りやすい岩を登りひとまずテラスにあがった。そこまで荷揚げをして全員テラスまで進む。その先もクラック沿いにハーケンがうってあった。ハーケンだけではおそろしくカムをかまし、スリング鐙でヌルヌルした岩を登る。クラック沿いからトラバースして木で支点をとってピッチをきった。荷揚げをして全員登り、最後の滝上までのトラバースを慎重に越えて核心を終えた。滑りやすい足元に緊張した。核心を越えると谷は穏やかになり、枝谷20m滝を過ぎて、淵を泳ぎ、ナメがひろがった。川幅いっぱいのナメ、先ほどまでのゴルジュとはうってかわって穏やかで同じ谷とは思えない雰囲気だ。16時20分トビワタリ谷との二俣を過ぎて、続くナメを楽しんだ。ツボ谷出合い付近のテント場が快適だと昨年遡行したA木君から教わりそこまで進むことにした。17時半過ぎぐらいからビシャコ淵が始まった。夕方にもなると泳ぎがだんだん苦痛になる。身体も疲れてきて淵のあとの河原歩きが辛くなり、泊地はまだかまだかと急ぎ足になる。思っていた以上に遠く18時にやっと広い河原に着いた。遡行終了として暗くなる前にツェルトを張った。どの辺りからだったかアブが出始めて足をとめるとさされてしまいうっとうしかった。泊地でもアブはひかず食事の用意をしてるときに数箇所さされてしまった。真っ暗になった19時頃にようやくアブがいなくなり快適になった。焚き火を前にお酒を飲み、花火を楽しんで21時半頃シュラフに潜った。23時頃からか雨が降り出し、ツェルトの中はシュラフカバーもいらないぐらい暑くとても不快だった。夜になると蚊が増え、蚊取り線香をたきながらねることにした。蚊取り線香がボロボロでつけてはすぐになくなってしまい、蚊が多くて蚊取り線香が消えると寝れず、何度も起きては蚊取り線香に火をつける作業をした。沢泊でこんなにも不快な夜を過ごしたことはなかった。

8/9 起床5:00→出発7:00→笠捨谷出合7:15→狼返しの滝7:16→堰堤7:30→支流→自転車デポ地7:40→車回収→十津川道の駅→温泉→京都17:15
昨晩から降り続いた雨はやむことはなかった。蚊に悩まされてまったく寝ることができなかった。5時におきてタープ下で朝食をとり7時に出発した。雨で増水してるかと思ったがそれほどでもなく、色もにごってはなかった。初日に核心を越えて、ザレ谷手前までがんばって歩いたので2日目の遡行は短い。判りやすい左岸からの笠捨谷を過ぎて、2日目メインの狼返しの滝に着いた。釜を泳いで滝を登るのかと思ったがあっさり左からへつって越えることができた。あっけなかった。この後もこれといった難しい箇所はなく平凡な沢を歩く。すると目前に堰堤が見えた。晴れていれば堰堤を越えて林道が横切る640地点まで遡行しても良いかと思ったが、雨もじゃじゃ降りでモチもなかったので谷からあがることにした。426号線と林道が出合うルンゼを登ってチャリをデポした地点に着いた。出発してから40分で終了となった。S木君がチャリで車を回収にいってくれて、9時過ぎに合流してとりあえず車に乗り込んで十津川道の駅まで行った。10時過ぎにやっと濡れた服から開放され荷物を整理して温泉へむかった。温泉の後は、五條市の中華屋(奥剣又谷の帰りに寄った店と同じ。けっこう美味しいから今後も大峰台高・南紀の沢へ行ったら寄りそう)でお昼ご飯をたべて京都に戻ってきた。

泳ぎが多くて真夏の遡行はよかった反面、ゴルジュを越えてからのアブがうっとうしかった。エメラルドに輝く釜、淵は印象深く、百名谷に選ばれてるだけあって綺麗な谷だった。だた、入渓者は多く、人工物が多かった点はいただけない。